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日本名作速読朗読文庫 名作速読朗読文庫vol. 341 Professional版 二葉亭 四迷 全集1 |
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名作速読朗読文庫vol. 341 Professional版 読上機能付 二葉亭 四迷 全集1![]() 二葉亭 四迷(ふたばてい しめい、1864年4月4日(元治元年2月28日) – 1909年(明治42年)5月10日)は、日本の小説家、翻訳家。本名、長谷川 辰之助(はせがわ たつのすけ)。筆名の由来は、処女作浮雲に対する卑下、特に坪内逍遥の名を借りて出版したことに対して、自身を「くたばって仕舞(め)え」と罵ったことといわれている。写実主義小説浮雲は言文一致体で書かれ、日本の近代小説の幕開けとなった。ロシア文学の翻訳も多く、ツルゲーネフの「あひびき」「めぐりあひ」は有名である。自然主義作家へ大きな影響を与えた 本文内容見本 浮雲 二葉亭四迷 千早振《ちはやふ》る神無月《かみなづき》ももはや跡 二日《ふつか》の余波《なごり》となッた二十八日の午後三時頃に、神田見附《かんだみつけ》の内より、塗渡《とわた》る蟻《あり》、散る蜘蛛《くも》の子とうようよぞよぞよ沸出《わきい》でて来るのは、孰《いず》れも顋《おとがい》を気にし給《たま》う方々。しかし熟々《つらつら》見て篤《とく》と点《てんけん》すると、これにも種々《さまざま》種類のあるもので、まず髭《ひげ》から書立てれば、口髭、頬髯《ほおひげ》、顋《あご》の鬚《ひげ》、暴《やけ》に興起《おや》した拿破崙髭《ナポレオンひげ》に、狆《チン》の口めいた比斯馬克髭《ビスマルクひげ》、そのほか矮鶏髭《ちゃぼひげ》、貉髭《むじなひげ》、ありやなしやの幻の髭と、濃くも淡《うす》くもいろいろに生分《はえわか》る。髭に続いて差《ちが》いのあるのは服飾《みなり》。白木屋《しろきや》仕込みの黒物《くろいもの》ずくめには仏蘭西《フランス》皮の靴《くつ》の配偶《めおと》はありうち、これを召す方様《かたさま》の鼻毛は延びて蜻蛉《とんぼ》をも釣《つ》るべしという。これより降《くだ》っては、背皺《せじわ》よると枕詞《まくらことば》の付く「スコッチ」の背広にゴリゴリするほどの牛の毛皮靴、そこで踵《かかと》にお飾を絶《たや》さぬところから泥《どろ》に尾を曳《ひ》く亀甲洋袴《かめのこズボン》、いずれも釣《つる》しんぼうの苦患《くげん》を今に脱せぬ貌付《かおつき》。 代表作品 浮雲 其面影 平凡 かた恋 「片恋」「奇遇」ツルゲーネフ つゝを枕 トルストイ カルコ集 翻訳集 血笑記 アンドレーエフ うき草(浮草) ツルゲーネフ 乞食 ゴーゴリ、 ゴーリキーの翻訳 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 341 Professional版 読上機能付 二葉亭 四迷 全集1 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
341 | 1 | 二葉亭 四迷 | あいびき | 9708 | 大 |
341 | 2 | 二葉亭 四迷 | 浮雲 | 141699 | 大 |
341 | 3 | 二葉亭 四迷 | 小説総論 | 3454 | 中 |
341 | 4 | 二葉亭 四迷 | 平凡 | 99581 | 大 |
341 | 5 | 二葉亭 四迷 | 遺言状・遺族善後策随筆 | 400 | 小 |
341 | 6 | 二葉亭 四迷 | 予が半生の懺悔 | 8785 | 大 |
341 | 7 | 二葉亭 四迷 | 余が翻訳の標準 | 8899 | 大 |
341 | 8 | 二葉亭 四迷 | 四日間 | 大 | |
341 | 9 | 二葉亭 四迷 | 私は懐疑派だ | 5019 | 中 |
冊数合計9冊 文字数合計291908 上へ 名作速読朗読文庫vol. 342 Professional版 読上機能付 徳田 秋声 全集1![]() 徳田 秋声(とくだ しゅうせい、男性、1872年2月1日(明治4年12月23日) – 1943年(昭和18年)11月18日)は、石川県金沢市生まれの小説家である。本名は末雄(すえお)。 紅葉門下として1895年(明治28年)、博文館の編集部に職を得、当時博文館に出入りしていた泉鏡花の勧めで紅葉の門下に入る。1896年(明治29年)、被差別部落出身の父娘に取材した薮かうじを「文芸倶楽部」発表して「めざまし草」の月評欄に取り上げられ、これが実質的処女作となる。以来、泉鏡花、小栗風葉、柳川春葉とともに紅門の四天王と称され、1900年(明治33年)「讀賣新聞」に連載した雲のゆくへが出世作となる。 本文内容見本 新世帯 徳田秋声 一 新吉《しんきち》がお作《さく》を迎えたのは、新吉が二十五、お作が二十の時、今からちょうど四年前の冬であった。 十四の時豪商の立志伝や何かで、少年の過敏な頭脳《あたま》を刺戟《しげき》され、東京へ飛び出してから十一年間、新川《しんかわ》の酒問屋で、傍目《わきめ》もふらず滅茶苦茶《めっちゃくちゃ》に働いた。表町《おもてちょう》で小さい家《いえ》を借りて、酒に醤油《しょうゆ》、薪《まき》に炭、塩などの新店を出した時も、飯 喰《く》う隙《ひま》が惜しいくらい、クルクルと働き詰めでいた。始終 襷《たすき》がけの足袋跣《たびはだし》のままで、店頭《みせさき》に腰かけて、モクモクと気忙《きぜわ》しそうに飯を掻《か》ッ込んでいた。 新吉はちょっといい縹致《きりょう》である。面長《おもなが》の色白で、鼻筋の通った、口元の優しい男である。ビジネスカットとかいうのに刈り込んで、襟《えり》の深い毛糸のシャツを着て、前垂《まえだれ》がけで立ち働いている姿にすら、どことなく品があった。雪の深い水の清い山国育ちということが、皮膚の色沢《いろつや》の優《すぐ》れて美しいのでも解る。 代表作品 新世帯 黴 爛 あらくれ 蒼白い月 仮装人物 縮図 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 342 Professional版 読上機能付 徳田 秋声 全集1 |
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VOL | 件数 | 選択 | 作家名 | タイトル | 文字数 |
342 | 1 | 日本文学 | 徳田 秋声 | 蒼白い月 | 9964 |
342 | 2 | 日本文学 | 徳田 秋声 | 足迹 | 132598 |
342 | 3 | 日本文学 | 徳田 秋声 | あらくれ | 131618 |
342 | 4 | 日本文学 | 徳田 秋声 | 新世帯 | 46476 |
342 | 5 | 日本文学 | 徳田 秋声 | 仮装人物 | 361312 |
342 | 6 | 日本文学 | 徳田 秋声 | 黴 | 119569 |
342 | 7 | 日本文学 | 徳田 秋声 | 躯 | 7260 |
342 | 8 | 日本文学 | 徳田 秋声 | 縮図 | 148597 |
342 | 9 | 日本文学 | 徳田 秋声 | 挿話 | 28593 |
342 | 10 | 日本文学 | 徳田 秋声 | 爛 | 80199 |
冊数合計10冊 文字数合計1066186
名作速読朗読文庫vol. 343 Professional版 読上機能付 有島 武郎 全集1![]() 有島 武郎(ありしま たけお、1878年(明治11年)3月4日 – 1923年(大正12年)6月9日)は、日本の小説家。学習院中等科卒業後、農学者を志して札幌農学校に進学、キリスト教の洗礼を受ける。1903年(明治36年)渡米。ハバフォード大学大学院、その後、ハーバード大学で歴史・経済学を学ぶ。ハーバード大学は1年足らずで退学する。帰国後、志賀直哉や武者小路実篤らとともに同人「白樺」に参加する。 代表作品 カインの末裔 或る女 惜みなく愛は奪ふ クララの出家 生れ出づる悩み 星座 小さき者へ 本文内容見本 生まれいずる悩み 有島武郎 一 私は自分の仕事を神聖なものにしようとしていた。ねじ曲がろうとする自分の心をひっぱたいて、できるだけ伸び伸びしたまっすぐな明るい世界に出て、そこに自分の芸術の宮殿を築き上げようともがいていた。それは私にとってどれほど喜ばしい事だったろう。と同時にどれほど苦しい事だったろう。私の心の奥底には確かに――すべての人の心の奥底にあるのと同様な――火が燃えてはいたけれども、その火を燻《いぶ》らそうとする塵芥《ちりあくた》の堆積《たいせき》はまたひどいものだった。かきのけてもかきのけても容易に火の燃え立って来ないような瞬間には私はみじめだった。私は、机の向こうに開かれた窓から、冬が来て雪にうずもれて行く一面の畑を見渡しながら、滞りがちな筆をしかりつけしかりつけ運ばそうとしていた。 寒い。原稿紙の手ざわりは氷のようだった。 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 343 Professional版 読上機能付 有島 武郎 全集1 |
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VOL | 件数 | 選択 | 作家名 | タイトル | 文字数 |
343 | 1 | 日本文学 | 有島 武郎 | 或る女 1(前編) | 160804 |
343 | 2 | 日本文学 | 有島 武郎 | 或る女 2(後編) | 220037 |
343 | 3 | 日本文学 | 有島 武郎 | 生まれいずる悩み | 53615 |
343 | 4 | 日本文学 | 有島 武郎 | 惜みなく愛は奪う | 83652 |
343 | 5 | 日本文学 | 有島 武郎 | 溺れかけた兄妹 | 7182 |
343 | 6 | 日本文学 | 有島 武郎 | 親子 | 21454 |
343 | 7 | 日本文学 | 有島 武郎 | カインの末裔 | 26670 |
343 | 8 | 日本文学 | 有島 武郎 | 火事とポチ | 10226 |
343 | 9 | 日本文学 | 有島 武郎 | かんかん虫 | 11490 |
343 | 10 | 日本文学 | 有島 武郎 | クララの出家 | 15377 |
343 | 11 | 日本文学 | 有島 武郎 | 碁石を呑んだ八っちゃん | 6717 |
343 | 12 | 日本文学 | 有島 武郎 | 小作人への告別 | 3565 |
343 | 13 | 日本文学 | 有島 武郎 | 星座 | 123794 |
343 | 14 | 日本文学 | 有島 武郎 | 聖書の権威 | 780 |
343 | 15 | 日本文学 | 有島 武郎 | 宣言一つ | 4931 |
冊数合計15冊 文字数合計750294
こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 344 Professional版 読上機能付 有島 武郎 全集2 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
344 | 1 | 有島 武郎 | 想片 | 5119 | 中 |
344 | 2 | 有島 武郎 | 小さき者へ | 10632 | 大 |
344 | 3 | 有島 武郎 | 燕と王子 | 9947 | 大 |
344 | 4 | 有島 武郎 | ドモ又の死 | 16554 | 大 |
344 | 5 | 有島 武郎 | 卑怯者 | 5632 | 中 |
344 | 6 | 有島 武郎 | 一房の葡萄 | 7027 | 大 |
344 | 7 | 有島 武郎 | 広津氏に答う | 5241 | 中 |
344 | 8 | 有島 武郎 | 二つの道 | 3863 | 中 |
344 | 9 | 有島 武郎 | 片信 | 9118 | 大 |
344 | 10 | 有島 武郎 | 僕の帽子のお話 | 6593 | 大 |
344 | 11 | 有島 武郎 | 北海道に就いての印象 | 2634 | 小 |
344 | 12 | 有島 武郎 | 真夏の夢 | 9413 | 大 |
344 | 13 | 有島 武郎 | 私の父と母 | 3499 | 中 |
冊数合計13冊 文字数合計95272
名作速読朗読文庫vol. 345 Professional版 読上機能付 国木田 独歩 全集1![]() 国木田 独歩(くにきだ どっぽ、1871年8月30日(明治4年7月15日) – 1908年(明治41年)6月23日)は、日本の小説家、詩人、ジャーナリスト、編集者。千葉県銚子生まれ、広島県広島市、山口県育ち。 田山花袋、柳田國男らと知り合い「独歩吟」を発表。詩、小説を書いたが、次第に小説に集中した。「武蔵野」「牛肉と馬鈴薯」などの浪漫的な作品の後、「春の鳥」「竹の木戸」などで自然主義文学の先駆とされる。また現在も続いている雑誌婦人画報の創刊者であり、編集者としての手腕も評価されている。夏目漱石は、その短編巡査を絶賛した他、芥川龍之介も国木田独歩の作品を高く評価していた。ロシア語などへの翻訳がある。 代表作品 武蔵野 忘れえぬ人々 河霧 初恋 帰去来 非凡人 富岡先生 春の鳥 竹の木戸 本文内容見本 河霧 国木田独歩 上田豊吉《うえだとよきち》がその故郷《ふるさと》を出たのは今よりおおよそ二十年ばかり前のことであった。 その時かれは二十二歳であったが、郷党みな彼が前途《ゆくすえ》の成功を卜《ぼく》してその門出《かどで》を祝した。『大いなる事業』ちょう言葉の宮の壮麗《うるわ》しき台《うてな》を金色《こんじき》の霧の裡《うち》に描いて、かれはその古き城下を立ち出《い》で、大阪京都をも見ないで直ちに東京へ乗り込んだ。 故郷の朋友《ほうゆう》親籍《しんせき》兄弟《けいてい》、みなその安着の報《しらせ》を得て祝し、さらにかれが成功を語り合った。 しかるに、ただ一人《ひとり》、『杉の杜《もり》のひげ』とあだ名せられて本名は並木善兵衛《なみきぜんべえ》という老人のみが次のごとくに言った。『豊吉が何をしでかすものぞ、五年十年のうちにはきっと蒼《あお》くなって帰って来るから見ていろ。』『なぜ?』その席にいた豊吉の友が問うた。 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 345 Professional版 読上機能付 国木田 独歩 全集1 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
345 | 1 | 国木田 独歩 | あの時分 | 7181 | 大 |
345 | 2 | 国木田 独歩 | 遺言 | 3050 | 中 |
345 | 3 | 国木田 独歩 | 糸くず | 6758 | 大 |
345 | 4 | 国木田 独歩 | 初孫 | 2493 | 小 |
345 | 5 | 国木田 独歩 | 運命論者 | 22689 | 大 |
345 | 6 | 国木田 独歩 | 画の悲み | 5629 | 中 |
345 | 7 | 国木田 独歩 | 置土産 | 8098 | 大 |
345 | 8 | 国木田 独歩 | おとずれ | 16161 | 大 |
345 | 9 | 国木田 独歩 | 河霧 | 8769 | 大 |
345 | 10 | 国木田 独歩 | 窮死 | 6655 | 大 |
345 | 11 | 国木田 独歩 | 牛肉と馬鈴薯 | 18849 | 大 |
345 | 12 | 国木田 独歩 | 源おじ | 14141 | 大 |
345 | 13 | 国木田 独歩 | 恋を恋する人 | 9557 | 大 |
345 | 14 | 国木田 独歩 | 郊外 | 12610 | 大 |
345 | 15 | 国木田 独歩 | 号外 | 5681 | 中 |
345 | 16 | 国木田 独歩 | 少年の悲哀 | 6098 | 大 |
345 | 17 | 国木田 独歩 | 小春 | 10941 | 大 |
345 | 18 | 国木田 独歩 | 鹿狩り | 8421 | 大 |
345 | 19 | 国木田 独歩 | 詩想 | 1417 | 小 |
345 | 20 | 国木田 独歩 | 酒中日記 | 30627 | 大 |
冊数合計20冊 文字数合計205825
名作速読朗読文庫vol. 346 Professional版 読上機能付 国木田 独歩 全集2![]() 国木田 独歩(くにきだ どっぽ、1871年8月30日(明治4年7月15日) – 1908年(明治41年)6月23日)は、日本の小説家、詩人、ジャーナリスト、編集者。千葉県銚子生まれ、広島県広島市、山口県育ち。 田山花袋、柳田國男らと知り合い「独歩吟」を発表。詩、小説を書いたが、次第に小説に集中した。「武蔵野」「牛肉と馬鈴薯」などの浪漫的な作品の後、「春の鳥」「竹の木戸」などで自然主義文学の先駆とされる。また現在も続いている雑誌婦人画報の創刊者であり、編集者としての手腕も評価されている。夏目漱石は、その短編巡査を絶賛した他、芥川龍之介も国木田独歩の作品を高く評価していた。ロシア語などへの翻訳がある。 本文内容見本 武蔵野 国木田独歩 一 「武蔵野の俤《おもかげ》は今わずかに入間《いるま》郡に残れり」と自分は文政年間にできた地図で見たことがある。そしてその地図に入間郡「小手指原《こてさしはら》久米川は古戦場なり太平記元弘三年五月十一日源平小手指原にて戦うこと一日がうちに三十余たび日暮れは平家三里退きて久米川に陣を取る明れば源氏久米川の陣へ押寄せると載せたるはこのあたりなるべし」と書きこんであるのを読んだことがある。自分は武蔵野の跡のわずかに残っている処とは定めてこの古戦場あたりではあるまいかと思って、一度行ってみるつもりでいてまだ行かないが実際は今もやはりそのとおりであろうかと危ぶんでいる。ともかく、画や歌でばかり想像している武蔵野をその俤ばかりでも見たいものとは自分ばかりの願いではあるまい。それほどの武蔵野が今ははたしていかがであるか、自分は詳わしくこの問に答えて自分を満足させたいとの望みを起こしたことはじつに一年前の事であって、今はますますこの望みが大きくなってきた。 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 346 Professional版 読上機能付 国木田 独歩 全集2 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
346 | 1 | 国木田 独歩 | 女難 | 24023 | 大 |
346 | 2 | 国木田 独歩 | たき火 | 4405 | 中 |
346 | 3 | 国木田 独歩 | 竹の木戸 | 15401 | 大 |
346 | 4 | 国木田 独歩 | 富岡先生 | 18750 | 大 |
346 | 5 | 国木田 独歩 | 二少女 | 8770 | 大 |
346 | 6 | 国木田 独歩 | 二老人 | 6808 | 大 |
346 | 7 | 国木田 独歩 | 初恋 | 2565 | 小 |
346 | 8 | 国木田 独歩 | 春の鳥 | 7984 | 大 |
346 | 9 | 国木田 独歩 | 非凡なる凡人 | 9563 | 大 |
346 | 10 | 国木田 独歩 | 疲労 | 2772 | 小 |
346 | 11 | 国木田 独歩 | 星 | 2661 | 小 |
346 | 12 | 国木田 独歩 | まぼろし | 5460 | 中 |
346 | 13 | 国木田 独歩 | 武蔵野 | 17190 | 大 |
346 | 14 | 国木田 独歩 | わかれ | 14795 | 大 |
346 | 15 | 国木田 独歩 | 忘れえぬ人々 | 11051 | 大 |
冊数合計15冊 文字数合計152198
名作速読朗読文庫vol. 347 Professional版 読上機能付 吉行 エイスケ 全集1![]() 吉行 エイスケ(よしゆき えいすけ、本名:栄助、1906年(明治39年)5月10日 – 1940年(昭和15年)7月8日)は、日本のダダイスト詩人、小説家。[1]アナキズムに傾倒し、旧制第一岡山中学校(現・県立岡山朝日高校)を4年時に退学し詩作に励む。その翌年当時まだ学生の吉行あぐりと結婚し、長男の吉行淳之介が生まれるが暮らし向きは良くなかった。上京後、詩人の辻潤、清沢清志、高橋新吉らと交友を通し、ダダイスムを発行、1926年虚無思想を新居格らと主宰し新興芸術派の旗手と目されるが、1933年には断筆し、1940年に狭心症のため急死した。34歳の若さだった 代表作品 バルザックの寝巻姿 女百貨店 職業婦人気質 新種族ノラ 戦争のファンタジイ 大阪万華鏡 地図に出てくる男女 東京ロマンティック恋愛記 飛行機から墜ちるまで 孟買挿話 恋の一杯売 本文内容見本 地図に出てくる男女 吉行エイスケ ゴシック式、絵画的な風景を背景にして香港《ホンコン》の海の花園を、コリシャン・ヨット・クラブの白鷺《しらさぎ》のような競走艇が走る。一九二七年の寒冷なビクトリア港の静かな波間にオランダの汽船が碇泊《ていはく》すると、南方政府の逮捕命令をうけて上海《シャンハイ》を逃れた陳独秀《ちんどくしゅう》が船着場に衰えた姿をあらわした。 米良《メラ》は空中滑走する、戦い疲れた陳独秀とビクトリア・カップよりセント・ジョウジ・プレースに至る山頂火車のなかで彼等は力なく握手して、空中の鏡の上にモーニング姿の印度《インド》人のイサックを発見するのであった。イサックもまた一先ず上海の東洋での黄色い手を棄てて孟買《ボンベイ》に帰る途中であった。英国の専制のなかに宙を乗った彼等がセント・ジョウジ・プレスから汕頭《スワトウ》人の車夫に曳《ひ》かれて、銅羅《どうら》湾の火薬庫の挙壁を眺めながら石塘嘴《せきとうほう》の万国館に入るのであった。 ここでターバンを巻いた印度人、皮膚の色褪《いろあ》せたペルシヤ人、半黒焼のマレー人、亡国的なポルトガル人などの群に交って北京を出発してから半ヶ月後、支那の現代のシステムに出現した支那女との恋を棄てて北京以来の友である陳子文と米良は病み疲れていた。 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 347 Professional版 読上機能付 吉行 エイスケ 全集1 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
347 | 1 | 吉行 エイスケ | 大阪万華鏡 | 7797 | 大 |
347 | 2 | 吉行 エイスケ | 女百貨店 | 10170 | 大 |
347 | 3 | 吉行 エイスケ | 恋の一杯売 | 7657 | 大 |
347 | 4 | 吉行 エイスケ | 職業婦人気質 | 3427 | 中 |
347 | 5 | 吉行 エイスケ | 新種族ノラ | 4020 | 中 |
347 | 6 | 吉行 エイスケ | スポールティフな娼婦 | 3980 | 中 |
347 | 7 | 吉行 エイスケ | 戦争のファンタジイ | 1971 | 小 |
347 | 8 | 吉行 エイスケ | 地図に出てくる男女 | 12285 | 大 |
347 | 9 | 吉行 エイスケ | 東京ロマンティック恋愛記 | 3220 | 中 |
347 | 10 | 吉行 エイスケ | バルザックの寝巻姿 | 14173 | 大 |
347 | 11 | 吉行 エイスケ | 飛行機から墜ちるまで | 2559 | 小 |
347 | 12 | 吉行 エイスケ | 孟買挿話 | 10830 | 大 |
冊数合計12冊 文字数合計82089
名作速読朗読文庫vol. 348 Professional版 読上機能付 泉 鏡花 全集1![]() 泉 鏡花(いずみ きょうか、1873年(明治6年)11月4日 – 1939年(昭和14年)9月7日)は、日本の小説家。明治後期から昭和初期にかけて活躍した。小説の他に戯曲や俳句も手がけた。本名、鏡太郎(きょうたろう)。金沢市下新町生れ。 尾崎紅葉に師事した。夜行巡査外科室で評価を得、高野聖で人気作家になる。江戸文芸の影響を深くうけた怪奇趣味と特有のロマンティシズムで知られる。また近代における幻想文学の先駆者としても評価される。他の主要作品に照葉狂言婦系図歌行燈などがある 代表作品 婦系図 外科室 春昼 天守物語 夜行巡査 黒猫 本文内容見本 婦系図 泉鏡花 一 素顔に口紅で美《うつくし》いから、その色に紛《まが》うけれども、可愛い音《ね》は、唇が鳴るのではない。お蔦《つた》は、皓歯《しらは》に酸漿《ほおずき》を含んでいる。――「早瀬の細君《レコ》はちょうど(二十《はたち》)と見えるが三だとサ、その年紀《とし》で酸漿を鳴らすんだもの、大概素性も知れたもんだ、」と四辺《あたり》近所は官員《つとめにん》の多い、屋敷町の夫人《おくさま》連が風説《うわさ》をする。 すでに昨夜《ゆうべ》も、神楽坂の縁日に、桜草を買ったついでに、可《い》いのを撰《よ》って、昼夜帯の間に挟んで帰った酸漿を、隣家《となり》の娘――女学生に、一ツ上げましょう、と言って、そんな野蛮なものは要らないわ! と刎《は》ねられて、利いた風な、と口惜《くやし》がった。 面当《つらあ》てというでもあるまい。あたかもその隣家《となり》の娘の居間と、垣一ツ隔てたこの台所、腰障子の際に、懐手で佇《たたず》んで、何だか所在なさそうに、しきりに酸漿を鳴らしていたが、ふと銀杏返《いちょうがえ》しのほつれた鬢《びん》を傾けて、目をぱっちりと開けて何かを聞澄ますようにした。 コロコロコロコロ、クウクウコロコロと声がする。唇の鳴るのに連れて。 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 348 Professional版 読上機能付 泉 鏡花 全集1 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
348 | 1 | 泉 鏡花 | 悪獣篇 | 45388 | 大 |
348 | 2 | 泉 鏡花 | 霰ふる | 11149 | 大 |
348 | 3 | 泉 鏡花 | 活人形 | 562553 | 大 |
348 | 4 | 泉 鏡花 | 伊勢之巻 | 22795 | 大 |
348 | 5 | 泉 鏡花 | 一景話題 | 6367 | 大 |
348 | 6 | 泉 鏡花 | 薄紅梅 | 71985 | 大 |
348 | 7 | 泉 鏡花 | 歌行灯 | 44842 | 大 |
348 | 8 | 泉 鏡花 | 唄立山心中一曲 | 37070 | 大 |
348 | 9 | 泉 鏡花 | 海の使者 | 6714 | 大 |
348 | 10 | 泉 鏡花 | 瓜の涙 | 13241 | 大 |
348 | 11 | 泉 鏡花 | 絵本の春 | 7845 | 大 |
348 | 12 | 泉 鏡花 | 縁結び | 21734 | 大 |
348 | 13 | 泉 鏡花 | 幼い頃の記憶 | 2392 | 小 |
348 | 14 | 泉 鏡花 | おばけずきのいわれ少々と処女作 | 51345 | 大 |
348 | 15 | 泉 鏡花 | 女客 | 9457 | 大 |
348 | 16 | 泉 鏡花 | 婦系図 | 204344 | 大 |
348 | 17 | 泉 鏡花 | 怨霊借用 | 22592 | 大 |
348 | 18 | 泉 鏡花 | 海異記 | 22481 | 大 |
348 | 19 | 泉 鏡花 | 海城発電 | 14391 | 大 |
348 | 20 | 泉 鏡花 | 海神別荘 | 27850 | 大 |
冊数合計20冊 文字数合計1206535
名作速読朗読文庫vol. 349 Professional版 読上機能付 泉 鏡花 全集2![]() 泉 鏡花(いずみ きょうか、1873年(明治6年)11月4日 – 1939年(昭和14年)9月7日)は、日本の小説家。明治後期から昭和初期にかけて活躍した。小説の他に戯曲や俳句も手がけた。本名、鏡太郎(きょうたろう)。金沢市下新町生れ。 尾崎紅葉に師事した。夜行巡査外科室で評価を得、高野聖で人気作家になる。江戸文芸の影響を深くうけた怪奇趣味と特有のロマンティシズムで知られる。また近代における幻想文学の先駆者としても評価される。他の主要作品に照葉狂言婦系図歌行燈などがある 代表作品 婦系図 外科室 春昼 天守物語 夜行巡査 黒猫 本文内容見本 外科室 泉鏡花 上 実は好奇心のゆえに、しかれども予は予が画師《えし》たるを利器として、ともかくも口実を設けつつ、予と兄弟もただならざる医学士高峰をしいて、某《それ》の日東京府下の一《ある》病院において、渠《かれ》が刀《とう》を下すべき、貴船《きふね》伯爵夫人の手術をば予をして見せしむることを余儀なくしたり。 その日午前九時過ぐるころ家を出《い》でて病院に腕車《わんしゃ》を飛ばしつ。直ちに外科室の方《かた》に赴《おもむ》くとき、むこうより戸を排してすらすらと出で来たれる華族の小間使とも見ゆる容目《みめ》よき婦人《おんな》二、三人と、廊下の半ばに行き違えり。 見れば渠らの間には、被布着たる一個《いっこ》七、八歳の娘を擁しつ、見送るほどに見えずなれり。これのみならず玄関より外科室、外科室より二階なる病室に通うあいだの長き廊下には、フロックコート着たる紳士、制服着けたる武官、あるいは羽織 袴《はかま》の扮装《いでたち》の人物、その他、貴婦人令嬢等いずれもただならず気高きが、あなたに行き違い、こなたに落ち合い、あるいは歩し、あるいは停し、往復あたかも織るがごとし。 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 349 Professional版 読上機能付 泉 鏡花 全集2 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
349 | 20 | 泉 鏡花 | 木精(三尺角拾遺) | 3971 | 中 |
349 | 14 | 泉 鏡花 | 黒壁 | 5300 | 中 |
349 | 11 | 泉 鏡花 | 金時計 | 7132 | 大 |
349 | 16 | 泉 鏡花 | 外科室 | 8469 | 大 |
349 | 6 | 泉 鏡花 | 革鞄の怪 | 13018 | 大 |
349 | 18 | 泉 鏡花 | 紅玉 | 14123 | 大 |
349 | 10 | 泉 鏡花 | 茸の舞姫 | 15639 | 大 |
349 | 1 | 泉 鏡花 | 貝の穴に河童の居る事 | 20088 | 大 |
349 | 9 | 泉 鏡花 | 木の子説法 | 20386 | 大 |
349 | 17 | 泉 鏡花 | 化鳥 | 20676 | 大 |
349 | 13 | 泉 鏡花 | 国貞えがく | 22005 | 大 |
349 | 7 | 泉 鏡花 | 菊あわせ | 22268 | 大 |
349 | 2 | 泉 鏡花 | 開扉一妖帖 | 23279 | 大 |
349 | 4 | 泉 鏡花 | 葛飾砂子 | 23550 | 大 |
349 | 8 | 泉 鏡花 | 義血侠血 | 40888 | 大 |
349 | 5 | 泉 鏡花 | 河伯令嬢 | 41274 | 大 |
349 | 3 | 泉 鏡花 | 陽炎座 | 41353 | 大 |
349 | 19 | 泉 鏡花 | 高野聖 | 48867 | 大 |
349 | 12 | 泉 鏡花 | 草迷宮 | 89302 | 大 |
349 | 15 | 日本文学 | 泉 鏡花 | 黒百合 | 95392 |
冊数合計15冊 文字数合計576980
名作速読朗読文庫vol. 350 Professional版 読上機能付 泉 鏡花 全集3![]() 泉 鏡花(いずみ きょうか、1873年(明治6年)11月4日 – 1939年(昭和14年)9月7日)は、日本の小説家。明治後期から昭和初期にかけて活躍した。小説の他に戯曲や俳句も手がけた。本名、鏡太郎(きょうたろう)。金沢市下新町生れ。 尾崎紅葉に師事した。夜行巡査外科室で評価を得、高野聖で人気作家になる。江戸文芸の影響を深くうけた怪奇趣味と特有のロマンティシズムで知られる。また近代における幻想文学の先駆者としても評価される。他の主要作品に照葉狂言婦系図歌行燈などがある 代表作品 婦系図 外科室 春昼 天守物語 夜行巡査 黒猫 本文内容見本 春昼 泉鏡花 一 「お爺《じい》さん、お爺さん。」 「はあ、私《わし》けえ。」 と、一言《ひとこと》で直《す》ぐ応じたのも、四辺《あたり》が静かで他《た》には誰もいなかった所為《せい》であろう。そうでないと、その皺《しわ》だらけな額《ひたい》に、顱巻《はちまき》を緩《ゆる》くしたのに、ほかほかと春の日がさして、とろりと酔ったような顔色《がんしょく》で、長閑《のど》かに鍬《くわ》を使う様子が――あのまたその下の柔《やわらか》な土に、しっとりと汗ばみそうな、散りこぼれたら紅《くれない》の夕陽の中に、ひらひらと入《はい》って行《ゆ》きそうな――暖《あたたか》い桃《もも》の花を、燃え立つばかり揺《ゆす》ぶって頻《しきり》に囀《さえず》っている鳥の音《ね》こそ、何か話をするように聞こうけれども、人の声を耳にして、それが自分を呼ぶのだとは、急に心付《こころづ》きそうもない、恍惚《うっとり》とした形であった。 こっちもこっちで、かくたちどころに返答されると思ったら、声を懸《か》けるのじゃなかったかも知れぬ。 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 350 Professional版 読上機能付 泉 鏡花 全集3 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
350 | 1 | 泉 鏡花 | 小春の狐 | 15585 | 大 |
350 | 2 | 泉 鏡花 | 菎蒻本 | 18546 | 大 |
350 | 3 | 泉 鏡花 | 三尺角 | 15268 | 大 |
350 | 4 | 泉 鏡花 | 三枚続 | 77782 | 大 |
350 | 5 | 泉 鏡花 | 式部小路 | 88185 | 大 |
350 | 6 | 泉 鏡花 | 七宝の柱 | 12451 | 大 |
350 | 7 | 泉 鏡花 | 朱日記 | 16566 | 大 |
350 | 8 | 泉 鏡花 | 春昼 | 45330 | 大 |
350 | 9 | 泉 鏡花 | 春昼後刻 | 26924 | 大 |
350 | 10 | 泉 鏡花 | 白い下地 | 1372 | 小 |
350 | 11 | 泉 鏡花 | 白金之絵図 | 29421 | 大 |
350 | 12 | 泉 鏡花 | 白花の朝顔 | 36076 | 大 |
350 | 13 | 泉 鏡花 | 神鷺之巻 | 137786 | 大 |
350 | 14 | 泉 鏡花 | 清心庵 | 14399 | 大 |
350 | 15 | 泉 鏡花 | 政談十二社 | 29044 | 大 |
350 | 16 | 泉 鏡花 | 雪霊記事 | 7943 | 大 |
350 | 17 | 泉 鏡花 | 雪霊続記 | 7311 | 大 |
350 | 18 | 泉 鏡花 | 第二菎蒻本 | 19391 | 大 |
350 | 19 | 泉 鏡花 | 多神教 | 24385 | 大 |
350 | 20 | 泉 鏡花 | 誓之巻 | 8864 | 大 |
冊数合計20冊 文字数合計632629
名作速読朗読文庫vol. 351 Professional版 読上機能付 泉 鏡花 全集4![]() 泉 鏡花(いずみ きょうか、1873年(明治6年)11月4日 – 1939年(昭和14年)9月7日)は、日本の小説家。明治後期から昭和初期にかけて活躍した。小説の他に戯曲や俳句も手がけた。本名、鏡太郎(きょうたろう)。金沢市下新町生れ。 尾崎紅葉に師事した。夜行巡査外科室で評価を得、高野聖で人気作家になる。江戸文芸の影響を深くうけた怪奇趣味と特有のロマンティシズムで知られる。また近代における幻想文学の先駆者としても評価される。他の主要作品に照葉狂言婦系図歌行燈などがある 代表作品 婦系図 外科室 春昼 天守物語 夜行巡査 黒猫 本文内容見本 天守物語 泉鏡花 時 不詳。ただし封建時代――晩秋。日没前より深更にいたる。 所 播州姫路。白鷺城の天守、第五重。 登場人物 天守夫人、富姫。(打見は二十七八)岩代国猪苗代、亀の城、亀姫。(二十ばかり)姫川図書之助。(わかき鷹匠)小田原修理。山隅九平。(ともに姫路城主武田播磨守家臣)十文字ヶ原、朱の盤坊。茅野ヶ原の舌長姥。(ともに亀姫の眷属)近江之丞桃六。(工人)桔梗。萩。葛。女郎花。撫子。(いずれも富姫の侍女)薄。(おなじく奥女中)女の童、禿、五人。武士、討手、大勢。 舞台。天守の五重。左右に柱、向って三方を廻廊下《まわりろうか》のごとく余して、一面に高く高麗《こうらい》べりの畳を敷く。紅《くれない》の鼓の緒、処々に蝶結びして一条《ひとすじ》、これを欄干のごとく取りまわして柱に渡す。おなじ鼓の緒のひかえづなにて、向って右、廻廊の奥に階子《はしご》を設く。階子は天井に高く通ず。 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 351 Professional版 読上機能付 泉 鏡花 全集4 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
351 | 1 | 泉 鏡花 | 註文帳 | 41762 | 大 |
351 | 2 | 泉 鏡花 | 一寸怪 | 4402 | 中 |
351 | 3 | 泉 鏡花 | 照葉狂言 | 59600 | 大 |
351 | 4 | 泉 鏡花 | 天守物語 | 24729 | 大 |
351 | 5 | 泉 鏡花 | 灯明之巻 | 27441 | 大 |
351 | 6 | 泉 鏡花 | 遠野の奇聞 | 5804 | 中 |
351 | 7 | 泉 鏡花 | 栃の実 | 5345 | 中 |
351 | 8 | 泉 鏡花 | 取舵 | 11846 | 大 |
351 | 9 | 泉 鏡花 | 南地心中 | 49391 | 大 |
351 | 10 | 泉 鏡花 | 二、三羽――十二、三羽 | 19375 | 大 |
351 | 11 | 泉 鏡花 | 日本橋 | 105598 | 大 |
351 | 12 | 泉 鏡花 | 沼夫人 | 49591 | 大 |
351 | 13 | 泉 鏡花 | 売色鴨南蛮 | 16958 | 大 |
351 | 14 | 泉 鏡花 | 伯爵の釵 | 25153 | 大 |
351 | 15 | 泉 鏡花 | 化銀杏 | 31709 | 大 |
351 | 16 | 泉 鏡花 | 鷭狩 | 12821 | 大 |
351 | 17 | 泉 鏡花 | 半島一奇抄 | 15759 | 大 |
351 | 18 | 泉 鏡花 | ピストルの使い方 ――(前題――楊弓) | 46395 | 大 |
351 | 19 | 泉 鏡花 | 雛がたり | 6176 | 大 |
351 | 20 | 泉 鏡花 | 琵琶伝 | 14589 | 大 |
冊数合計20冊 文字数合計574444
名作速読朗読文庫vol. 352 Professional版 読上機能付 泉 鏡花 全集5![]() 泉 鏡花(いずみ きょうか、1873年(明治6年)11月4日 – 1939年(昭和14年)9月7日)は、日本の小説家。明治後期から昭和初期にかけて活躍した。小説の他に戯曲や俳句も手がけた。本名、鏡太郎(きょうたろう)。金沢市下新町生れ。 尾崎紅葉に師事した。夜行巡査外科室で評価を得、高野聖で人気作家になる。江戸文芸の影響を深くうけた怪奇趣味と特有のロマンティシズムで知られる。また近代における幻想文学の先駆者としても評価される。他の主要作品に照葉狂言婦系図歌行燈などがある 代表作品 婦系図 外科室 春昼 天守物語 夜行巡査 黒猫 本文内容見本 夜行巡査 泉鏡花 一 「こう爺《じい》さん、おめえどこだ」と職人体の壮佼《わかもの》は、そのかたわらなる車夫の老人に向かいて問い懸《か》けたり。車夫の老人は年紀《とし》すでに五十を越えて、六十にも間はあらじと思わる。餓えてや弱々しき声のしかも寒さにおののきつつ、「どうぞまっぴら御免なすって、向後《こうご》きっと気を着けまする。へいへい」 と、どぎまぎして慌《あわ》ておれり。 「爺さん慌てなさんな。こう己《おり》ゃ巡査じゃねえぜ。え、おい、かわいそうによっぽど面食らったと見える、全体おめえ、気が小さすぎらあ。なんの縛ろうとは謂《い》やしめえし、あんなにびくびくしねえでものことさ。おらあ片一方で聞いててせえ少癇癪《すこかんしゃく》に障《さわ》って堪《こた》えられなかったよ。え、爺さん、聞きゃおめえの扮装《みなり》が悪いとって咎《とが》めたようだっけが、それにしちゃあ咎めようが激しいや、ほかにおめえなんぞ仕損《しぞこな》いでもしなすったのか、ええ、爺さん」 問われて老車夫は吐息をつき、 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 352 Professional版 読上機能付 泉 鏡花 全集5 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | |
352 | 1 | 泉 鏡花 | 夫人利生記 | 15805 | |
352 | 2 | 泉 鏡花 | 古狢 | 23709 | |
352 | 3 | 泉 鏡花 | 星あかり | 6058 | |
352 | 4 | 泉 鏡花 | 星女郎 | 65980 | |
352 | 5 | 泉 鏡花 | 露肆 | 21202 | |
352 | 6 | 泉 鏡花 | 眉かくしの霊 | 31702 | |
352 | 7 | 泉 鏡花 | みさごの鮨 | 28079 | |
352 | 8 | 泉 鏡花 | 錦染滝白糸 ――其一幕―― | 8846 | |
352 | 9 | 泉 鏡花 | 薬草取 | 27657 | |
352 | 10 | 泉 鏡花 | 夜行巡査 | 12578 | |
352 | 11 | 泉 鏡花 | 夜叉ヶ池 | 33417 | |
352 | 12 | 泉 鏡花 | 山吹 | 19278 | |
352 | 13 | 泉 鏡花 | 雪柳 | 52579 | |
352 | 14 | 泉 鏡花 | 湯島の境内 | 9476 | |
352 | 15 | 泉 鏡花 | 湯女の魂 | 33101 | |
352 | 16 | 泉 鏡花 | 妖術 | 13255 | |
352 | 17 | 泉 鏡花 | 妖僧記 | 8056 | |
352 | 18 | 泉 鏡花 | 吉原新話 | 45510 | |
352 | 19 | 泉 鏡花 | 卵塔場の天女 | 56180 | |
352 | 20 | 泉 鏡花 | 縷紅新草 | 28367 | |
352 | 21 | 泉 鏡花 | 若菜のうち | 4203 | |
冊数合計21冊 文字数合計545038
名作速読朗読文庫vol. 353 Professional版 読上機能付 幸田 露伴 全集1![]() 幸田 露伴(こうだ ろはん、1867年8月22日(慶応3年7月23日) – 1947年(昭和22年)7月30日)は、日本の小説家。本名は成行(しげゆき)。別号に蝸牛庵(かぎゅうあん[1])、笹のつゆ、雷音洞主、脱天子など多数。江戸(現東京都)下谷生れ。帝国学士院会員。帝国芸術院会員。第1回文化勲章受章。娘の幸田文も随筆家・小説家。高木卓の伯父。風流仏で評価され、五重塔運命などの文語体作品で文壇での地位を確立。尾崎紅葉とともに紅露時代と呼ばれる時代を築いた。擬古典主義の代表的作家で、また漢文学・日本古典や諸宗教にも通じ、多くの随筆や史伝のほか、芭蕉七部集評釈などの古典研究などを残した。 代表作品 風流仏 五重塔 雪たたき 連環記 本文内容見本 五重塔 幸田露伴 其一 木理《もくめ》美《うるわ》しき槻胴《けやきどう》、縁にはわざと赤樫《あかがし》を用いたる岩畳作りの長火鉢《ながひばち》に対《むか》いて話し敵《がたき》もなくただ一人、少しは淋《さび》しそうに坐《すわ》り居る三十前後の女、男のように立派な眉《まゆ》をいつ掃《はら》いしか剃《そ》ったる痕《あと》の青々と、見る眼も覚《さ》むべき雨後の山の色をとどめて翠《みどり》の匂《にお》いひとしお床しく、鼻筋つんと通り眼尻《めじり》キリリと上り、洗い髪をぐるぐると酷《むご》く丸《まろ》めて引裂紙《ひっさきがみ》をあしらいに一本簪《いっぽんざし》でぐいと留《とど》めを刺した色気なしの様はつくれど、憎いほど烏黒《まっくろ》にて艶ある髪の毛の一綜《ふさ》二綜 後《おく》れ乱れて、浅黒いながら渋気の抜けたる顔にかかれる趣きは、年増嫌《としまぎら》いでも褒《ほ》めずにはおかれまじき風体、わがものならば着せてやりたい好みのあるにと好色漢《しれもの》が随分頼まれもせぬ詮議《せんぎ》を蔭《かげ》ではすべきに、さりとは外見《みえ》を捨てて堅義を自慢にした身の装《つく》り方、柄の選択《えらみ》こそ野暮ならね高が二子の綿入れに繻子襟《しゅすえり》かけたを着てどこに紅《べに》くさいところもなく、引っ掛けたねんねこばかりは往時《むかし》何なりしやら疎《あら》い縞《しま》の糸織なれど、これとて幾たびか水を潜って来た奴《やつ》なるべし。 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 353 Professional版 読上機能付 幸田 露伴 全集1 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
353 | 1 | 幸田 露伴 | 運命 | 4203 | 中 |
353 | 2 | 幸田 露伴 | 学生時代 | 2671 | 小 |
353 | 3 | 幸田 露伴 | 鵞鳥 | 13768 | 大 |
353 | 4 | 幸田 露伴 | 蒲生氏郷 | 74465 | 大 |
353 | 5 | 幸田 露伴 | 雁坂越 | 18249 | 大 |
353 | 6 | 幸田 露伴 | 観画談 | 16189 | 大 |
353 | 7 | 幸田 露伴 | 言語体の文章と浮雲 | 1559 | 小 |
353 | 8 | 幸田 露伴 | 幻談 | 28053 | 大 |
353 | 9 | 幸田 露伴 | 五重塔 | 69430 | 大 |
353 | 10 | 幸田 露伴 | 骨董 | 23594 | 大 |
353 | 11 | 幸田 露伴 | 少年時代 | 7379 | 大 |
353 | 12 | 幸田 露伴 | 太郎坊 | 9782 | 大 |
冊数合計12冊 文字数合計269342
名作速読朗読文庫vol. 354 Professional版 読上機能付 幸田 露伴 全集2![]() 幸田 露伴(こうだ ろはん、1867年8月22日(慶応3年7月23日) – 1947年(昭和22年)7月30日)は、日本の小説家。本名は成行(しげゆき)。別号に蝸牛庵(かぎゅうあん[1])、笹のつゆ、雷音洞主、脱天子など多数。江戸(現東京都)下谷生れ。帝国学士院会員。帝国芸術院会員。第1回文化勲章受章。娘の幸田文も随筆家・小説家。高木卓の伯父。風流仏で評価され、五重塔運命などの文語体作品で文壇での地位を確立。尾崎紅葉とともに紅露時代と呼ばれる時代を築いた。擬古典主義の代表的作家で、また漢文学・日本古典や諸宗教にも通じ、多くの随筆や史伝のほか、芭蕉七部集評釈などの古典研究などを残した。 代表作品 風流仏 五重塔 雪たたき 連環記 本文内容見本 連環記 幸田露伴 慶滋保胤《かものやすたね》は賀茂忠行《かものただゆき》の第二子として生れた。兄の保憲《やすのり》は累代の家の業を嗣《つ》いで、陰陽博士《おんようはかせ》、天文《てんもん》博士となり、賀茂 氏《うじ》の宗《そう》として、其系図に輝いている。保胤はこれに譲ったというのでもあるまいが、自分は当時の儒家であり詞雄《しゆう》であった菅原文時の弟子となって文章生《もんじょうせい》となり、姓の文字を改めて、慶滋とした。慶滋という姓があったのでも無く、古い書に伝えてあるように他家の養子となって慶滋となったのでも無く、兄に遜《ゆず》るような意から、賀茂の賀の字に換えるに慶の字を以てし、茂の字に換えるに滋の字を以てしたのみで、異字同義、慶滋はもとより賀茂なのである。よししげの保胤などと読む者の生じたのも自然の勢ではあるが、後に保胤の弟の文章《もんじょう》博士保章の子の為政が善滋《かも》と姓の字を改めたのも同じことであって、為政は文章博士で、続本朝文粋《しょくほんちょうもんずい》の作者の一人である。保胤の兄保憲は十歳 許《ばかり》の童児の時、法眼《ほうげん》既に明らかにして鬼神を見て父に注意したと語り伝えられた其道の天才であり、又保胤の父の忠行は後の人の嘖々《さくさく》として称する陰陽道の大《だい》の験者《げんざ》の安倍晴明《あべのせいめい》の師であったのである。此の父兄や弟や姪《おい》を有した保胤ももとより尋常一様のものでは無かったろう。 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 354 Professional版 読上機能付 幸田 露伴 全集2 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
354 | 1 | 幸田 露伴 | 知々夫紀行 | 17901 | 大 |
354 | 2 | 幸田 露伴 | 突貫紀行 | 10051 | 大 |
354 | 3 | 幸田 露伴 | ねじくり博士 | 7086 | 大 |
354 | 4 | 幸田 露伴 | 野道 | 6284 | 大 |
354 | 5 | 幸田 露伴 | 馬琴の小説とその当時の実社会 | 8254 | 大 |
354 | 6 | 幸田 露伴 | 貧乏 | 10781 | 大 |
354 | 7 | 幸田 露伴 | 風流仏 | 54642 | 大 |
354 | 8 | 幸田 露伴 | 魔法修行者 | 19359 | 大 |
354 | 9 | 幸田 露伴 | 雪たたき | 31866 | 大 |
354 | 10 | 幸田 露伴 | 夜の隅田川 | 2332 | 小 |
354 | 11 | 幸田 露伴 | 旅行の今昔 | 2364 | 小 |
354 | 12 | 幸田 露伴 | 連環記 | 57104 | 大 |
354 | 13 | 幸田 露伴 | 蘆声 | 12050 | 大 |
冊数合計13冊 文字数合計240074
名作速読朗読文庫vol. 355 Professional版 読上機能付 伊藤 左千夫 全集1![]() 伊藤 左千夫(いとう さちお、1864年9月18日(元治元年8月18日) – 1913年(大正2年)7月30日)は日本の歌人、小説家。本名 幸次郎。 左千夫は茶道にも通じており、子規から「茶博士」と呼ばれたほどで、左千夫の自宅を「無一塵庵」と名付けた。一戸建ての茶室を欲しており、友人である蕨真の助けを借りて、自邸内に茶室「唯真閣」を建立した。現在では生家に移築されている。 代表作品 野菊の墓 隣の嫁 春の潮 本文内容見本 野菊の墓 伊藤左千夫 後《のち》の月という時分が来ると、どうも思わずには居られない。幼い訣《わけ》とは思うが何分にも忘れることが出来ない。もはや十年 余《よ》も過去った昔のことであるから、細かい事実は多くは覚えて居ないけれど、心持だけは今なお昨日の如く、その時の事を考えてると、全く当時の心持に立ち返って、涙が留めどなく湧くのである。悲しくもあり楽しくもありというような状態で、忘れようと思うこともないではないが、寧《むし》ろ繰返し繰返し考えては、夢幻的の興味を貪《むさぼ》って居る事が多い。そんな訣から一寸《ちょっと》物に書いて置こうかという気になったのである。 僕の家というのは、松戸から二里ばかり下って、矢切《やぎり》の渡《わたし》を東へ渡り、小高い岡の上でやはり矢切村と云ってる所。矢切の斎藤と云えば、この界隈《かいわい》での旧家で、里見の崩れが二三人ここへ落ちて百姓になった内の一人が斎藤と云ったのだと祖父から聞いて居る。屋敷の西側に一丈五六尺も廻るような椎《しい》の樹が四五本重なり合って立って居る。 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 355 Professional版 読上機能付 伊藤 左千夫 全集1 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
355 | 1 | 伊藤 左千夫 | 落穂 | 9732 | 大 |
355 | 2 | 伊藤 左千夫 | 河口湖 | 4892 | 中 |
355 | 3 | 伊藤 左千夫 | 去年 | 16852 | 大 |
355 | 4 | 伊藤 左千夫 | 紅黄録 | 10004 | 大 |
355 | 5 | 伊藤 左千夫 | 水害雑録 | 11873 | 大 |
355 | 6 | 伊藤 左千夫 | 大雨の前日 | 2790 | 小 |
355 | 7 | 伊藤 左千夫 | 茶の湯の手帳 | 7865 | 大 |
355 | 8 | 伊藤 左千夫 | 告げ人 | 9941 | 大 |
355 | 9 | 伊藤 左千夫 | 隣の嫁 | 24175 | 大 |
355 | 10 | 伊藤 左千夫 | 奈々子 | 9894 | 大 |
355 | 11 | 伊藤 左千夫 | 野菊の墓 | 35386 | 大 |
355 | 12 | 伊藤 左千夫 | 箸 | 19008 | 大 |
355 | 13 | 伊藤 左千夫 | 浜菊 | 10995 | 大 |
355 | 14 | 伊藤 左千夫 | 春の潮 | 41821 | 大 |
355 | 15 | 伊藤 左千夫 | 姪子 | 5814 | 中 |
355 | 16 | 伊藤 左千夫 | 守の家 | 3750 | 中 |
355 | 17 | 伊藤 左千夫 | 老獣医 | 17192 | 大 |
冊数合計17冊 文字数合計241984
名作速読朗読文庫vol. 356 Professional版 読上機能付 萩原 朔太郎 全集1![]() 萩原 朔太郎(はぎわら さくたろう、1886年(明治19年)11月1日 – 1942年(昭和17年)5月11日)は、日本の詩人。大正時代に近代詩の新しい地平を拓き「日本近代詩の父」と称される。 代表作品 猫町 詩の原理 詩の原理 本文内容見本 猫町 散文詩風な小説 萩原朔太郎 蠅《はえ》を叩《たた》きつぶしたところで、蠅の「物そのもの」は死にはしない。単に蠅の現象をつぶしたばかりだ。――ショウペンハウエル。 1 旅への誘《いざな》いが、次第に私の空想《ロマン》から消えて行った。昔はただそれの表象、汽車や、汽船や、見知らぬ他国の町々やを、イメージするだけでも心が躍《おど》った。しかるに過去の経験は、旅が単なる「同一空間における同一事物の移動」にすぎないことを教えてくれた。何処《どこ》へ行って見ても、同じような人間ばかり住んでおり、同じような村や町やで、同じような単調な生活を繰り返している。田舎《いなか》のどこの小さな町でも、商人は店先で算盤《そろばん》を弾《はじ》きながら、終日白っぽい往来を見て暮しているし、官吏は役所の中で煙草《タバコ》を吸い、昼飯の菜のことなど考えながら、来る日も来る日も同じように、味気ない単調な日を暮しながら、次第に年老いて行く人生を眺《なが》めている。旅への誘いは、私の疲労した心の影に、とある空地《あきち》に生《は》えた青桐《あおぎり》みたいな、無限の退屈した風景を映像させ、どこでも同一性の法則が反覆している、人間生活への味気ない嫌厭《けんえん》を感じさせるばかりになった。 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 356 Professional版 読上機能付 萩原 朔太郎 全集1 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
356 | 1 | 萩原 朔太郎 | 秋と漫歩 | 1937 | 小 |
356 | 2 | 萩原 朔太郎 | ウォーソン夫人の黒猫 | 7433 | 大 |
356 | 3 | 萩原 朔太郎 | 郷愁の詩人 与謝蕪村 | 44800 | 大 |
356 | 4 | 萩原 朔太郎 | 詩の原理 | 161121 | 大 |
356 | 5 | 萩原 朔太郎 | 装幀の意義 | 1496 | 小 |
356 | 6 | 萩原 朔太郎 | ニイチェに就いての雑感 | 6921 | 大 |
356 | 7 | 萩原 朔太郎 | 日清戦争異聞 (原田重吉の夢) | 3303 | 中 |
356 | 8 | 萩原 朔太郎 | 猫町 散文詩風な小説 | 11205 | 大 |
356 | 9 | 萩原 朔太郎 | 僕の孤独癖について | 4922 | 中 |
356 | 10 | 萩原 朔太郎 | 老年と人生 | 7057 | 大 |
冊数合計10冊 文字数合計250195
名作速読朗読文庫vol. 357 Professional版 読上機能付 梶井 基次郎 全集1![]() 基次郎(かじい もとじろう、1901年(明治34年)2月17日 – 1932年(昭和7年)3月24日)は、日本の小説家。感覚的なものと知的なものが融合した簡潔な描写と詩情豊かな澄明な文体で20篇余りの小品を残し、文壇に認められてまもなく、31歳の若さで肺結核で没した。死後次第に評価が高まり、今日では近代日本文学の古典のような位置を占めている。その作品群は心境小説に近く、散策で目にした風景や自らの身辺を題材にした作品が主であるが、日本的自然主義や私小説の影響を受けながらも、感覚的詩人的な側面の強い独自の作品を創り出している。梶井基次郎は当時のごくふつうの文学青年の例に漏れず、夏目漱石や森鴎外、有島武郎や志賀直哉などの白樺派、大正期デカダンス、西欧の新しい芸術などの影響を受け、表立っては新しさを誇示するものではなかったが、それにもかかわらず、梶井の残した短編群は珠玉の名品と称され、世代や個性の違う数多くの作家たち(井伏鱒二、埴谷雄高、吉行淳之介、伊藤整、武田泰淳、中村光夫、川端康成、吉田健一、三島由紀夫、中村真一郎、福永武彦、安岡章太郎、小島信夫、庄野潤三、開高健など)から、その魅力を語られ賞讃されている。 代表作品 檸檬 泥濘 橡の花 蒼穹 櫻の樹の下には 愛撫 闇の絵巻 ある心の風景 本文内容見本 ある心の風景 梶井基次郎 一 喬《たかし》は彼の部屋の窓から寝静まった通りに凝視《みい》っていた。起きている窓はなく、深夜の静けさは暈《かさ》となって街燈のぐるりに集まっていた。固い音が時どきするのは突き当っていく黄金虫《ぶんぶん》の音でもあるらしかった。 そこは入り込んだ町で、昼間でも人通りは少なく、魚の腹綿《はらわた》や鼠の死骸は幾日も位置を動かなかった。両側の家々はなにか荒廃していた。自然力の風化して行くあとが見えた。紅殻《べにがら》が古びてい、荒壁の塀《へい》は崩れ、人びとはそのなかで古手拭のように無気力な生活をしているように思われた。喬の部屋はそんな通りの、卓子《テーブル》で言うなら主人役の位置に窓を開いていた。 時どき柱時計の振子の音が戸の隙間から洩れてきこえて来た。遠くの樹に風が黒く渡る。と、やがて眼近い夾竹桃《きょうちくとう》は深い夜のなかで揺れはじめるのであった。喬《たかし》はただ凝視《みい》っている。――暗《やみ》のなかに仄《ほの》白く浮かんだ家の額《ひたい》は、そうした彼の視野のなかで、消えてゆき現われて来、喬は心の裡に定かならぬ想念のまた過ぎてゆくのを感じた。蟋蟀《こおろぎ》が鳴いていた。そのあたりから――と思われた――微《かす》かな植物の朽ちてゆく匂いが漂って来た。「君の部屋は仏蘭西《フランス》の蝸牛《エスカルゴ》の匂いがするね」 喬のところへやって来たある友人はそんなことを言った。またある一人は 「君はどこに住んでも直ぐその部屋を陰鬱にしてしまうんだな」と言った。 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 357 Professional版 読上機能付 梶井 基次郎 全集1 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
357 | 1 | 梶井 基次郎 | 愛撫 | 3012 | 中 |
357 | 2 | 梶井 基次郎 | ある崖上の感情 | 11804 | 大 |
357 | 3 | 梶井 基次郎 | ある心の風景 | 7430 | 大 |
357 | 4 | 梶井 基次郎 | 海 | 2383 | 小 |
357 | 5 | 梶井 基次郎 | 温泉 | 5586 | 中 |
357 | 6 | 梶井 基次郎 | 筧の話 | 1992 | 小 |
357 | 7 | 梶井 基次郎 | 過古 | 1717 | 小 |
357 | 8 | 梶井 基次郎 | 器楽的幻覚 | 2586 | 小 |
357 | 9 | 梶井 基次郎 | Kの昇天 | 5734 | 中 |
357 | 10 | 梶井 基次郎 | 交尾 | 6154 | 大 |
357 | 11 | 梶井 基次郎 | 桜の樹の下には | 1874 | 小 |
357 | 12 | 梶井 基次郎 | 詩二つ | 508 | 小 |
357 | 13 | 梶井 基次郎 | 城のある町にて | 19063 | 大 |
冊数合計13冊 文字数合計69843
名作速読朗読文庫vol. 358 Professional版 読上機能付 梶井 基次郎 全集1![]() 基次郎(かじい もとじろう、1901年(明治34年)2月17日 – 1932年(昭和7年)3月24日)は、日本の小説家。感覚的なものと知的なものが融合した簡潔な描写と詩情豊かな澄明な文体で20篇余りの小品を残し、文壇に認められてまもなく、31歳の若さで肺結核で没した。死後次第に評価が高まり、今日では近代日本文学の古典のような位置を占めている。その作品群は心境小説に近く、散策で目にした風景や自らの身辺を題材にした作品が主であるが、日本的自然主義や私小説の影響を受けながらも、感覚的詩人的な側面の強い独自の作品を創り出している。梶井基次郎は当時のごくふつうの文学青年の例に漏れず、夏目漱石や森鴎外、有島武郎や志賀直哉などの白樺派、大正期デカダンス、西欧の新しい芸術などの影響を受け、表立っては新しさを誇示するものではなかったが、それにもかかわらず、梶井の残した短編群は珠玉の名品と称され、世代や個性の違う数多くの作家たち(井伏鱒二、埴谷雄高、吉行淳之介、伊藤整、武田泰淳、中村光夫、川端康成、吉田健一、三島由紀夫、中村真一郎、福永武彦、安岡章太郎、小島信夫、庄野潤三、開高健など)から、その魅力を語られ賞讃されている。 代表作品 檸檬 泥濘 橡の花 蒼穹 櫻の樹の下には 愛撫 闇の絵巻 ある心の風景 本文内容見本 3 小さき良心 断片 梶井基次郎 自分は人通りを除《よ》けて暗い路をあるいた。 耳がシーンと鳴っている。夢中にあるいている。自分はどの道をどう来たのかも知らない。つく杖の音が戞々《カツカツ》とする。この太い桜の杖で今人を撲《なぐ》って来たんだ。 ここは何という町かそれもわからない。道を曲って、曲って、暗い道、暗い道をあるいて来たのである。新京極から逃げて来てからあまり時間を経たとも思わない。しかし何分 程《ほど》経たということもわからない。 暗い道の辻を曲った時、うどんそば手打と書いた赤い行燈を見て、ふと「手打ちだ!」と思い出すともなく思ったあの瞬間を思い出した。それは抜打ちだった。「抜く手も見せず」というような言葉の聯想が湧いてくる。 杖をコツ・コツと突いている。あの男を撲った時はも少し高い音がしたと思う。コツ・コツ。それ程の音だ。何しろかたいものがかたいものに打《ぶ》つかる音だった。それは快く澄んだ音だった。その音はかくも無性な激しい怒りとまといつく怖れのもつれあがるのをぶち切ったのだ。 対手《あいて》はその途端くるっと後をむいて倒れたらしかった こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 358 Professional版 読上機能付 梶井 基次郎 全集1 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
358 | 1 | 梶井 基次郎 | 雪後 | 6214 | 大 |
358 | 2 | 梶井 基次郎 | 蒼穹 | 2557 | 小 |
358 | 3 | 梶井 基次郎 | 小さき良心 断片 | 5425 | 中 |
358 | 4 | 梶井 基次郎 | 泥濘 | 11453 | 大 |
358 | 5 | 梶井 基次郎 | 橡の花 | 11066 | 大 |
358 | 6 | 梶井 基次郎 | のんきな患者 | 18101 | 大 |
358 | 7 | 梶井 基次郎 | 不幸 | 4147 | 中 |
358 | 8 | 梶井 基次郎 | 冬の蠅 | 10739 | 大 |
358 | 9 | 梶井 基次郎 | 冬の日 | 11996 | 大 |
358 | 10 | 梶井 基次郎 | 闇の絵巻 | 4067 | 中 |
358 | 11 | 梶井 基次郎 | 闇の書 | 2021 | 小 |
358 | 12 | 梶井 基次郎 | 檸檬 | 5405 | 中 |
358 | 13 | 梶井 基次郎 | 路上 | 4048 | 中 |
冊数合計13冊 文字数合計97239
名作速読朗読文庫vol. 359 Professional版 読上機能付 岡本 かの子 全集1![]() 岡本 かの子(おかもと かのこ、1889年3月1日 – 1939年2月18日)は、大正、昭和期の小説家、歌人、仏教研究家。本名カノ。東京府東京市赤坂区(現東京都港区)青山南町生まれ。跡見女学校卒業。漫画家岡本一平と結婚し、芸術家岡本太郎を生んだ。小説家として実質的にデビューをしたのは晩年であったが、生前の精力的な執筆活動から、死後多くの遺作が発表された。耽美妖艶の作風を特徴とした 代表作品 快走 母子叙情 金魚撩乱 老妓抄 河明り 丸の内草話 生々流転 散華抄 仏教読本 人生論 やがて五月に 巴里祭 本文内容見本 快走 岡本かの子 中の間で道子は弟の準二の正月着物を縫《ぬ》い終って、今度は兄の陸郎の分を縫いかけていた。「それおやじのかい」 離れから廊下を歩いて来た陸郎は、通りすがりにちらと横目に見て訊《き》いた。 「兄さんのよ。これから兄さんも会社以外はなるべく和服で済ますのよ」 道子は顔も上げないで、忙がしそうに縫い進みながら言った。 「国策の線に添ってというのだね」 「だから、着物の縫い直しや新調にこの頃は一日中大変よ」 「はははははは、一人で忙がしがってら、だがね、断って置くが、銀ぶらなぞに出かけるとき、俺は和服なんか着ないよ」 そう言ってさっさと廊下を歩いて行く兄の後姿を、道子は顔を上げてじっと見ていたが、ほーっと吐息をついて縫い物を畳の上に置いた。すると急に屈托して来て、大きな脊伸びをした。肩が凝《こ》って、坐り続けた両腿がだるく張った感じだった。道子は立上って廊下を歩き出した。そのまま玄関で下駄を履《は》くと、冬晴れの午後の戸外へ出てみた。 陽は既に西に遠退《とおの》いて、西の空を薄桃色に燃え立たせ、 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 359 Professional版 読上機能付 岡本 かの子 全集1 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
359 | 1 | 岡本 かの子 | 愛よ愛 | 1418 | 小 |
359 | 2 | 岡本 かの子 | 或る秋の紫式部 | 5255 | 中 |
359 | 3 | 岡本 かの子 | 異国食餌抄 | 4462 | 中 |
359 | 4 | 岡本 かの子 | 異性に対する感覚を洗練せよ | 898 | 小 |
359 | 5 | 岡本 かの子 | 越年 | 10440 | 大 |
359 | 6 | 岡本 かの子 | 岡本一平論 ――親の前で祈祷 | 5637 | 中 |
359 | 7 | 岡本 かの子 | 雛妓 | 28945 | 大 |
359 | 8 | 岡本 かの子 | おせっかい夫人 | 837 | 小 |
359 | 9 | 岡本 かの子 | 良人教育十四種 | 2831 | 小 |
359 | 10 | 岡本 かの子 | 愚かな男の話 | 1455 | 小 |
359 | 11 | 岡本 かの子 | 快走 | 5417 | 中 |
359 | 12 | 岡本 かの子 | 街頭 (巴里のある夕) | 1179 | 小 |
359 | 13 | 岡本 かの子 | 勝ずば | 7131 | 大 |
359 | 14 | 岡本 かの子 | 褐色の求道 | 7405 | 大 |
359 | 15 | 岡本 かの子 | 家庭愛増進術 ――型でなしに | 2500 | 小 |
359 | 16 | 岡本 かの子 | かの女の朝 | 15611 | 大 |
359 | 17 | 岡本 かの子 | ガルスワーシーの家 | 9563 | 大 |
359 | 18 | 岡本 かの子 | 家霊 | 10060 | 大 |
359 | 19 | 岡本 かの子 | 河明り | 54611 | 大 |
20 | 359 | 20 | 岡本 かの子 | 狐 | 6368 |
冊数合計20冊 文字数合計182023
名作速読朗読文庫vol. 360 Professional版 読上機能付 岡本 かの子 全集2![]() 岡本 かの子(おかもと かのこ、1889年3月1日 – 1939年2月18日)は、大正、昭和期の小説家、歌人、仏教研究家。本名カノ。東京府東京市赤坂区(現東京都港区)青山南町生まれ。跡見女学校卒業。漫画家岡本一平と結婚し、芸術家岡本太郎を生んだ。小説家として実質的にデビューをしたのは晩年であったが、生前の精力的な執筆活動から、死後多くの遺作が発表された。耽美妖艶の作風を特徴とした 代表作品 快走 母子叙情 金魚撩乱 老妓抄 河明り 丸の内草話 生々流転 散華抄 仏教読本 人生論 やがて五月に 巴里祭 本文内容見本 金魚撩乱 岡本かの子 今日も復一はようやく変色し始めた仔魚《しぎょ》を一 匹《ぴき》二 匹《ひき》と皿《さら》に掬《すく》い上げ、熱心に拡大鏡で眺《なが》めていたが、今年もまた失敗か――今年もまた望み通りの金魚はついに出来そうもない。そう呟《つぶや》いて復一は皿と拡大鏡とを縁側《えんがわ》に抛《ほう》り出し、無表情のまま仰向《あおむ》けにどたりとねた。 縁から見るこの谷窪《たにくぼ》の新緑は今が盛《さか》りだった。木の葉ともいえない華《はな》やかさで、梢《こずえ》は新緑を基調とした紅茶系統からやや紫《むらさき》がかった若葉の五色の染め分けを振《ふ》り捌《さば》いている。それが風に揺《ゆ》らぐと、反射で滑《なめ》らかな崖《がけ》の赤土の表面が金屏風《きんびょうぶ》のように閃《ひらめ》く。五六 丈《じょう》も高い崖の傾斜《けいしゃ》のところどころに霧島《きりしま》つつじが咲《さ》いている。 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 360 Professional版 読上機能付 岡本 かの子 全集2 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
360 | 1 | 岡本 かの子 | 気の毒な奥様 | 857 | 小 |
360 | 2 | 岡本 かの子 | 兄妹 | 2287 | 小 |
360 | 3 | 岡本 かの子 | 金魚撩乱 | 38985 | 大 |
360 | 4 | 岡本 かの子 | 唇草 | 7143 | 大 |
360 | 5 | 岡本 かの子 | 決闘場 | 11738 | 大 |
360 | 6 | 岡本 かの子 | 健康三題 | 3699 | 中 |
360 | 7 | 岡本 かの子 | 現代若き女性気質集 | 2098 | 小 |
360 | 8 | 岡本 かの子 | 高原の太陽 | 8839 | 大 |
360 | 9 | 岡本 かの子 | 五月の朝の花 | 710 | 小 |
360 | 10 | 岡本 かの子 | 渾沌未分 | 19488 | 大 |
360 | 11 | 岡本 かの子 | 山茶花 | 158 | 小 |
360 | 12 | 岡本 かの子 | 時代色 ――歪んだポーズ | 906 | 小 |
360 | 13 | 岡本 かの子 | 慈悲 | 2177 | 小 |
360 | 14 | 岡本 かの子 | 酋長 | 1524 | 小 |
360 | 15 | 岡本 かの子 | 食魔 | 40899 | 大 |
360 | 16 | 岡本 かの子 | 女性崇拝 | 925 | 小 |
360 | 17 | 岡本 かの子 | 女性の不平とよろこび | 1956 | 小 |
360 | 18 | 岡本 かの子 | 新時代女性問答 | 3153 | 中 |
360 | 19 | 岡本 かの子 | 鮨 | 13989 | 大 |
360 | 20 | 岡本 かの子 | 荘子 | 13055 | 大 |
冊数合計20冊 文字数合計174586
名作速読朗読文庫vol. 361 Professional版 読上機能付 岡本 かの子 全集3![]() 岡本 かの子(おかもと かのこ、1889年3月1日 – 1939年2月18日)は、大正、昭和期の小説家、歌人、仏教研究家。本名カノ。東京府東京市赤坂区(現東京都港区)青山南町生まれ。跡見女学校卒業。漫画家岡本一平と結婚し、芸術家岡本太郎を生んだ。小説家として実質的にデビューをしたのは晩年であったが、生前の精力的な執筆活動から、死後多くの遺作が発表された。耽美妖艶の作風を特徴とした 代表作品 快走 母子叙情 金魚撩乱 老妓抄 河明り 丸の内草話 生々流転 散華抄 仏教読本 人生論 やがて五月に 巴里祭 本文内容見本 巴里祭 岡本かの子 彼等自らうら淋しく追放人《エキスパトリエ》といっている巴里幾年もの滞在外国人がある。初めはラテン区が彼等の巣窟《そうくつ》だったが、次にモンマルトルに移り、今ではモンパルナッスが中心地となっている。 ――六月三十日より前に巴里を去るのも阿呆、六月三十日より後に巴里に居残るのも阿呆。」 これは追放人《エキスパトリエ》等の口から口に伝えられている諺《ことわざ》である。つまり六月一ぱいまでは何かと言いながら年中行事の催物《もよおしもの》が続き、まだ巴里に実《み》がある。此の後は季節《セーゾン》が海岸の避暑地に移って巴里は殻《から》になる。折角《せっかく》今年流行の夏帽子も冠《かぶ》ってその甲斐はない。彼等は伊達《だて》に就いても効果の無いことは互にいましめ合う。 淀嶋新吉は滞在邦人の中でも追放人《エキスパトリエ》の方である。だが自分でそう呼ぶことすらもう月並《つきなみ》の嫌味を感じるくらい巴里の水になずんでしまった。いわゆる「川向う」の流行の繁華区域は、皮膚にさえもうるさく感じるようになって、僅かばかりの家財を自動車で自分で運び、グルネルの橋を渡り、妾町と言われているパッシイ区のモツアルト街に引移った。それも四年程前である。彼の借りた家の塀には隣の女服装家ベッシェール夫人の家の金鎖草が丈の高い木蔓を分けて年々に黄色に咲く。 ――今年の夏は十三日間おれは阿呆になる積りだ。」 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 361 Professional版 読上機能付 岡本 かの子 全集3 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
361 | 1 | 岡本 かの子 | 茶屋知らず物語 | 3485 | 中 |
361 | 2 | 岡本 かの子 | 鶴は病みき | 28348 | 大 |
361 | 3 | 岡本 かの子 | 東海道五十三次 | 14866 | 大 |
361 | 4 | 岡本 かの子 | 豆腐買い | 15120 | 大 |
361 | 5 | 岡本 かの子 | ドーヴィル物語 | 22925 | 大 |
361 | 6 | 岡本 かの子 | とと屋禅譚 | 6225 | 大 |
361 | 7 | 岡本 かの子 | 扉の彼方へ | 8548 | 大 |
361 | 8 | 岡本 かの子 | 取返し物語 | 14674 | 大 |
361 | 9 | 岡本 かの子 | 売春婦リゼット | 185637 | 大 |
361 | 10 | 岡本 かの子 | バットクラス | 6711 | 大 |
361 | 11 | 岡本 かの子 | 母と娘 | 10229 | 大 |
361 | 12 | 岡本 かの子 | 巴里祭 | 31389 | 大 |
361 | 13 | 岡本 かの子 | 巴里の秋 | 2246 | 小 |
361 | 14 | 岡本 かの子 | 巴里の唄うたい | 3808 | 中 |
361 | 15 | 岡本 かの子 | 巴里のキャフェ | 3557 | 中 |
361 | 16 | 岡本 かの子 | 巴里のむす子へ | 2781 | 小 |
361 | 17 | 岡本 かの子 | 春 ――二つの連作―― | 25020 | 大 |
361 | 18 | 岡本 かの子 | 晩春 | 1791 | 小 |
361 | 19 | 岡本 かの子 | 百喩経 | 10951 | 大 |
361 | 20 | 岡本 かの子 | 病房にたわむ花 | 2446 | 小 |
冊数合計20冊 文字数合計400757
名作速読朗読文庫vol.362 岡本 かの子全集4 読上機能付![]() 岡本 かの子(おかもと かのこ、1889年3月1日 – 1939年2月18日)は、大正、昭和期の小説家、歌人、仏教研究家。本名カノ。東京府東京市赤坂区(現東京都港区)青山南町生まれ。跡見女学校卒業。漫画家岡本一平と結婚し、芸術家岡本太郎を生んだ。小説家として実質的にデビューをしたのは晩年であったが、生前の精力的な執筆活動から、死後多くの遺作が発表された。耽美妖艶の作風を特徴とした 代表作品 快走 母子叙情 金魚撩乱 老妓抄 河明り 丸の内草話 生々流転 散華抄 仏教読本 人生論 やがて五月に 巴里祭 本文内容見本 仏教人生読本 岡本かの子 第一課 悲観と楽観 悲観も突き詰めて行って、この上悲観のしようもなくなると楽観に代ります。今まで泣き沈んでいた女が気が狂ったのでなく静かに笑い出すときがそれであります。さればとて捨鉢の笑いでもありません。訊いてみると、「ただ何となく」といいます。私はその心境をしみじみ尊いものに思います。 心の底は弾機《ばね》仕掛けになっているのでありましょうか。どの感情の道を辿って行っても真面目に突き詰めて行けばきっとその弾機に行き当るのでしょうか、必ず楽観に弾ね上って来ます。「おあん物語」という古書があります。家康の軍勢に大垣城が取囲まれ、落城する砌《みぎり》の実状を、そのとき城中にあった、おあんという女の想い出話の記録であります。 こちらをクリックすると商品をご利用できます–> 名作速読朗読文庫vol. 362 Professional版 読上機能付 岡本 かの子 全集4 |
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VOL | 件数 | 作家名 | タイトル | 文字数 | 文字量 |
362 | 1 | 岡本 かの子 | 富士 | 42839 | 大 |
362 | 2 | 岡本 かの子 | 仏教人生読本 | 127818 | 大 |
362 | 3 | 岡本 かの子 | 噴水物語 | 2848 | 小 |
362 | 4 | 岡本 かの子 | 伯林の落葉 | 2450 | 小 |
362 | 5 | 岡本 かの子 | 宝永噴火 | 33035 | 大 |
362 | 6 | 岡本 かの子 | 母子叙情 | 83026 | 大 |
362 | 7 | 岡本 かの子 | 窓 | 3871 | 中 |
362 | 8 | 岡本 かの子 | 真夏の幻覚 | 1007 | 小 |
362 | 9 | 岡本 かの子 | みちのく | 7309 | 大 |
362 | 10 | 岡本 かの子 | 娘 | 8322 | 大 |
362 | 11 | 岡本 かの子 | 明暗 | 6120 | 大 |
362 | 12 | 岡本 かの子 | 桃のある風景 | 2857 | 小 |
362 | 13 | 岡本 かの子 | 山のコドモ | 1169 | 小 |
362 | 14 | 岡本 かの子 | 雪の日 | 1498 | 小 |
362 | 15 | 岡本 かの子 | 呼ばれし乙女 | 5485 | 中 |
362 | 16 | 岡本 かの子 | 鯉魚 | 7135 | 大 |
362 | 17 | 岡本 かの子 | 老妓抄 | 16580 | 大 |
362 | 18 | 岡本 かの子 | 伯林の降誕祭 | 2365 | 小 |
冊数合計18冊 文字数合計355734 |
日本近代文学全集2 泉 鏡花他
