矢田津世子（やだ・つせこ）/女心拾遺,父,凍雲（とううん）<あらすじ 要約>
あらすじ
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矢田津世子（やだ・つせこ）
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女心拾遺（おんなごころしゅうい）
矢田津世子の 短編集です。常は無駄口の少ない老夫・唐沢周得が、近ごろ妙に浮き立って、上機嫌であることに不安を感じる老夫人・伊予子でした。良人（おっと）と女中・おしもの関係に気づいた老夫人は、激しい嫉妬を覚えます。これまで良人の放蕩を自分の・・・・・
「おしものことで、この間から相談をしてみたいと思うていたけれど、あの娘ももう年頃ですからねえ、どこか堅気なところへ嫁にやりたいと思うて」。十九の小娘に妬情を掻き立てられ、却って、気力の弾みを感じ、若やぐ老夫人の姿が興味ぶかい作品です。
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父
矢田津世子の 短編集です。母が死んでから気難しくなった父の機嫌をなおすため、鉄工場のある新潟に父が囲っている妾・おきえさんを家に迎えたらどうかと提案する麻布の姉に、素直には頷けない紀久子でした。おきえさんは言わば、父と母が不和であった原因でもあったからだ。「あの、わたし悪いところはどんどん・・・・・
わたし、紀久子さんの仰言ることでしたらどんなことでもききますわ」。父の妾であるおきえさんと、母の幼友達である老婦人・飯尾さんが同居するという風変わりな家に暮らす娘・紀久子の心情を描いて興味ぶかい作品です。
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凍雲（とううん）
矢田津世子の 短編集です。学生時代からの付き合いで、お互いに惚れ合って結婚した仙太とお高でしたが、ふとした貸金のことから、親どうしの張り合いになり、お高は実家に連れ戻されてしまいます。二人の仲人である柳屋先生が仲裁に入るも、徒労に終わり、二人は・・・・・
「いいじゃないか、夫婦だもの」、「あえ、この人ったら だれか見てるかも」。秋田にある小さな町・五城目（ごじょうめ）を舞台に、「家同士の結婚」の悲劇を描いた作品です。
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