久生十蘭(ひさお・じゅうらん)/顎十郎捕物帳、キャラコさんシリーズ<あらすじ 要約>計52冊

久生十蘭(ひさお・じゅうらん)/顎十郎捕物帳、キャラコさんシリーズ<あらすじ 要約>計52冊

  あらすじ

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久生十蘭(ひさお・じゅうらん)
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顎十郎捕物帳1・捨公方
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭です。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒です。

長大な顎(あご)から付いた“顎十郎”のあだ名を持つ風来坊・仙波阿古十郎の活躍を描いた捕物帳シリーズです。十二代将軍・家慶(いえよし)に双生児(ふたご)の・・・・・

水野越前守の悪だくみです。預けられていた寺から逃げ出した家慶の子・捨蔵の居所は一体どこに  大変よみやすくいい作品です 顎十郎捕物帳1話
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顎十郎捕物帳2・稲荷の使
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

北町奉行所の与力筆頭である叔父・森川庄兵衛の計らいで、例繰方(れいくりかた=刑律や判例を調べる役)になった顎十郎でした 庄兵衛が殺人事件の証拠物件である印籠を紛失してしまったと知った顎十郎は。「印籠がなくなったのが五日前で、・・・・・

この二つの間に、なにかの関連があるのではねえのでしょうか。ひとつ、この万年青を睨みつけて、じっくりお考えさすってはどうです」。知的でユーモラスです  わかりやすい内容です 顎十郎捕物帳2話。
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顎十郎捕物帳3・都鳥
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

馬の尻尾を切って回り、騒動を起した男の切腹事件。支那から仕入れた呉絽(ごろ)で大儲けします呉服屋と、鎌倉河岸にあがった比丘尼(びくに)の水死体との関連とは   「馬の尻尾に呉絽帯に織出した都鳥それに、比丘尼の身投げで三題 ばなし にならねえか」、「なるほど・・・・・

悲痛な事件の全貌を突き止めていく顎十郎です  顎十郎捕物帳3話。謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳4・鎌いたち
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

「時に叔父上、潮ざしがいいから、釣りにでも出かけましょう。すこし汐風にでも吹かれて、気保養をなせえ」。江戸の市中を騒がせている鎌(かま)いたちの事件(連続殺人事件)のことで苦吟している叔父・庄兵衛(南番所の与力筆頭)を釣りに・・・・・

「それで、あなたが釣りたいとおっしゃる、その、めあての魚は  」、「海にはいねえ魚だ」  顎十郎捕物帳4話。謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳5・ねずみ
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

伝馬町の堺屋の主人・嘉兵衛ら三人が虎列剌(ころり)に似た症状で死亡しました。自分が毒を盛ったと手代の忠助が自白します。「よけいなおせっかいのようですが、手前が、ここでこの事件のアヤを・・・・・

江戸で一二といわれる捕物名人・藤波友衛(南町奉行所の控同心)と顎十郎の初対決です  顎十郎捕物帳5話。
謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳6・三人目
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

男を蕩(た)らし込んでいた清元(きよもと)千賀春(ちがはる)が変死した事件。問屋の三男坊・角太郎が、千賀春の乳房の後ろに針を突いて殺したと自白します  按摩(あんま)の杉の市もまた、彼女のぼんのくぼに・・・・・

「ついでだから、言っておくが、杉の市も下手人でなけりゃあ、角太郎も下手人じゃねえ」、「えッ」。二転三転する 犯人捜しの結末は   北番所の顎十郎  対 南番所の藤波友衛の対決はいかに。  顎十郎捕物帳6話。謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳7・紙凧
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

金座から勘定所まで御用金を船で運ぶ途中、三万二千両の金が古釘にすり替えられるという事件が発生しました。金座の長屋に住む子供たちがあげる凧(たこ)が、他の凧より違うあがり方をします理由とは   そして、お金と古釘をすり替える手の込んだ方法とは   「おお、・・・・・

小田原町のほうから三つばかり鳶(とんび)凧がやって来ました。これから凧合戦がはじまりますぜ」。
とてもおもしろく興味ぶかい作品です。顎十郎捕物帳7話。謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳8・氷献上
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。 。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

毎年夏に加賀藩から将軍家に献上される氷(雪)が桐箱ごと盗まれました。大熱の子供のために無性に氷を欲し・・・・・

子供想いの源右衛門を何とかして助けてやりたい顎十郎は、源右衛門が犯人ではないことを証明してみせ、意外な事件の真相を明らかにします。  顎十郎捕物帳8話。 謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳9・丹頂の鶴
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

将軍の前で顎十郎と藤波友衛が推理を披露するという前代未聞の捕物御前試合です  将軍寵愛の丹頂の鶴が変死した事件先番の藤波は、何者かが鶴の飼料(かいりょう)の精米を盗むために鶴を殺したと推察したのに対して、顎十郎は。「いや、どうも、藤波氏の名論・・・・・

御高弁にかかわらず、まるきりの見当ちがいかと存じられます」。 慈悲深い顎十郎の“名推理”に感動を覚えます。顎十郎捕物帳9話。謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳10・野伏大名
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

「実は、そのお力によって主家一期の危難をおすくいねがいたいと存じ」。下総・古河藩の家老・石口十兵衛から、行方不明になった藩主の嫡子・源次郎の捜索を依頼された顎十郎でしたが、物凄い剣気を・・・・・

「へたにガチ張ったら、たったひとつの命を棒にふる。こういうときは、尻尾を巻いて逃げるにかぎる」。依頼人の素性をみやぶるところは、興味ぶかくおもしろいです。顎十郎捕物帳10話。謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳11・御代参の乗物
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

まるで神隠しにでもあったかのように、紀州家の腰元十三人が忽然と姿を消しました。「かならず、しおうせてごらんにいれます」、「もし、しそんじたら」、「生きちゃアおりません」。南町奉行・池田甲斐守の直々の命で、事件を調べる控同心・藤波友衛でしたが、ヘマを・・・・・

顎十郎ではなく藤波の視点で展開される趣向がききます。顎十郎捕物帳11話。謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳12・咸臨丸受取
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

ここ十日ほどのあいだ、江戸の市中で犯罪がただの一件も起らないという珍現象です。なぜ江戸の悪者(わる)どもは・・・・・

縁起まわしの大黒絵に隠された暗号の解読に挑む顎十郎の活躍です。顎十郎捕物帳12話。
謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳13・遠島船
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

遠島船「三崎丸」に乗っていた囚人や乗組ら二十三人が相模灘の沖で煙のように消えてしまいました  三崎丸が漁船に発見されるちょっと前まで、二十三人がちゃんと船にいたという証拠も  この船でいったいなにが起ったというのか   「じゃア、サックリした・・・・・

、お静さん、あなたのご亭主の弥之助さんは、いったいどこに隠れているんです」。 江戸時代の知識が楽しみながら自然と得られる時代小説です  顎十郎捕物帳13話 謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳14・蕃拉布
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

蝋燭の灯が消えた僅かの間に、輸入商・佐原屋清五郎が蕃拉布(ハンドカチフ)で絞殺された。開化人を自任します洋物屋たちは、攘夷派の連中の・・・・・

犯人の犯行動機と奇異な殺害トリックとは   顎十郎の活躍を描いた捕物帳です 顎十郎捕物帳14話。 謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳15 日高川
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

蛇に取り憑(つ)かれ、日に日に窶(やつ)れていく多摩新田金井村の名主・又右衛門の娘・お小夜。「こりゃア、なにか曰くが・・・・・

お小夜さんとやらをそうまでいじめつけるわけはない」。夜には現われず、昼の八ツ頃になると欄干を伝う大蛇の意外な正体とは   顎十郎捕物帳15話。 謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳16・菊香水
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

高位の人命にかかわる事態につき、極秘に智慧を拝借いたしたく依頼人・溝口雅之進(大藩の留守居)を待つ間、茶室でご馳走にあずかる顎十郎。彼を接待していた美しい腰元・小波(さざなみ)がいつの間にか いなくなってしまいます。
「おいおい、小波さん、引っこん・・・・・

。化粧なおしなんざ後でもいいから、ともかく、酒を持って来てくれ。酒がないぞウ。おーい、酒、酒 」。顎十郎捕物帳  第16話。
謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳17・初春狸合戦
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

前回のしくじりで、北町奉行所を追ん出てしまった仙波阿古十郎(顎十郎)。浪人くずれのとど助(雷土々呂進)を相棒にして、にわか駕籠屋を始めるが、どうにもうまくいきません。そんな中、人間に化けた狸が駕籠に乗せてくれと現われます。
「毎夜、一匹ずつ豊島ガ岡まで・・・・・

その代り、一匹について、一両ずつ差しあげますが、いかがなものでございましょう」 さて狸の正体とは   顎十郎捕物帳 第17話。
謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳18・永代経
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

浅草柳橋の染物屋・京屋吉兵衛の家が全焼し、吉兵衛が焼死しました。そして吉兵衛の元妻・おもん も変死します。顎十郎の配下だった神田の御用聞・ひょろ松は、犯人は・・・・・

「おい、ひょろ松、そいつはいけねえなア。ひょっとしますと、そりゃア藤五郎がやったんじゃねえぜ」。殺人事件の真相は   顎十郎捕物帳 第18話。謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳19・両国の大鯨
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

両国の見世物小屋で大評判になっている大鯨(くじら)が、何者かによって盗まれたのです  犯人は何の必要があって鯨などを盗んで行ったのか   六間半もある鯨を十分足らずの間に盗み出したトリックとは   さらに、盗賊・伏鐘(ふせがね)重三郎の大捕物との関連とは
「たいへんな手間をかけて持って行ったというからには、われわれの知らねえような退っ引き・・・・・

そのへんのところをトックリと考えて見ると、なんのためにこんなことをしたかすぐわかるはずだ」。面白い作品で983す  顎十郎捕物帳19話。謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳20・金鳳釵
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。
木場の大物持ち・万屋和助の次女・お米と、金三郎(和助の死んだ長女・お梅の許婚だった)の祝言が近づく中、和助の末娘・利江が顎十郎を訪ねて来ました。「あす祝言します小姉(ちいあね)のお米はなんだか ほんとうの姉でないような・・・・・

いま、あたくしの家になにか怖ろしいことが始まりかけているような気がしてなりませんの」。  いちど死にかけたお米が生き返った謎です。  顎十郎捕物帳20話。謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳21・かごやの客
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

開店祝いの祝儀酒が振る舞われた居酒屋「かごや」で起った毒殺事件。店の主人・六平に秘密を握られ、彼の言い成りになっていた三十二万石の大名・藤堂和泉守の娘・加代姫。六平に呼び出されて「かごや」に出向いて来た彼女の仕業だと・・・・・

「それは、言われませぬ」、「あなたが、ひと殺しの汚名をきても」、面白さ抜群です  顎十郎捕物帳21話。
謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳22・小鰭の鮨
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

例によって顎十郎に智慧を借りに来たひょろ松。若い娘ばかり四人が立て続けに行方不明になったという。役作りのため、小鰭(こはだ)の鮨(すし)売りに扮して市中を呼び売りしていた歌舞伎役者・坂東三津五郎が犯人では

「これからすぐ中村座へ出かけて行って、三津五郎を・・・・・

。ひょっとしたら瓢箪から駒が出るかも知れない」。「小鰭の鮨」に絡んだ事件の真相を描いた作品です  顎十郎・第22話。
謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳23・猫眼の男
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

町中の灯火が全て消されて行われる府中の暗闇祭のさ中、近江屋の一家四人が弓で射られて殺害されました。犯人は、近江屋を逆恨みしていた大酒呑みの清六か、それとも、まっ暗の中で・・・・・

「おいおい、見当違いしちゃいけねえ。下手人はそっちじゃねえ、この ほうだ」。見事などんでん返しが炸裂する会心作です  作品を十分に堪能ください  顎十郎捕物帳23話 謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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顎十郎捕物帳24・蠑もり
久生十蘭の 短編集です。主な登場人物の紹介です
□ 仙波阿古十郎
主人公。あだ名は顎十郎。    。
□ 森川庄兵衛
顎十郎の叔父。北町奉行所の与力筆頭。
□ 花世
庄兵衛の娘。
□ 藤波友衛
南町奉行所の控同心。江戸で一二といわれる捕物名人。
□ ひょろりの松五郎
ひょろ松。神田の御用聞。顎十郎の配下です。
□ 雷土々呂進
いかずちとどろしん。とど助。辻駕籠屋に転身した顎十郎の相棒。

半年足らずのうちに阿波屋の一家六人が次々に死ぬという奇怪な事件。阿波屋の離れ座敷の天井裏には、何と釘付けになったまま生き・・・・・

蠑もりの祟りなのか   阿波屋の居候・新田数負(かずえ)に目星を付ける顎十郎でした。 顎十郎捕物帳24話  謎が謎を呼び、わくわくします。 歴史小説のおもしろい作品です。
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キャラコさん1・社交室
久生十蘭の 短編集です。いつもキャラコの下着(シュミーズ)を着ていることから付いた あだな は「キャラコさん」。金持ちの叔母・沼間夫人のお供で、贅沢な人たちが宿泊している伊豆・川奈のホテルへやって来た剛子(キャラコさん)でした。沼間夫人が二人の娘を連れてホテルに宿泊する意外な理由と、贅沢なホテルに似つかわしい・・・・・

退役陸軍少将・石井長六閣下の末娘で、快活で素直で親切な少女・キャラコさんの活躍を描いた心温まる 小説です・キャラコさん1話。時代小説 です
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キャラコさん2・雪の山小屋
久生十蘭の 短編集です。やんちゃな女学生たちの付き添い役として、志賀高原の山小屋にやって来たキャラコさん(剛子)  山小屋の持ち主の娘・梓(あずさ)さんの恋愛問題が・・・・・

「どこを目あてに生きてゆけばいいのか見当がつかない。だから、恋愛なんかにばかり追従しますようになるんだわ」。恋愛事件を通して、少女たちの成長を描いた作品です
キャラコさん2話 時代小説 です
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キャラコさん3・蘆と木笛
久生十蘭の 短編集です。千万長者の相続人になったばかりに(第1話)、大きなニュースとなってしまい、暫く東京に居られなくなったキャラコさん。蘆(あし)の湖畔で知り合った盲目の青年・佐伯氏(戦争で失明した傷痍軍人)に・・・・・

「結構よ。放って置いてちょうだい。あたし、兄を盲目のままにして置きたいんです」  佐伯氏の意外な過去と、心の視力の回復。心温まる 小説です キャラコさん3話 時代小説 です
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キャラコさん4・女の手
久生十蘭の 短編集です。憔悴した四人の若い科学者と出会ったキャラコさん。戦場にいる兵士と同じ苦労をするため、廃鉱から金を採掘しているという彼らの愛国心に感激した彼女は、四人の身の回りの世話を買って出ます。「かりに、神というものがあるならば、神様とは、なかなか油断のならない人格だね」。
キャラコさん4話 時代小説 です
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キャラコさん5・鴎
久生十蘭の 短編集です。日本へ遊びに来た外国人・アマンドさんに招待され、快遊船(ヨット)の客となったキャラコさんは、女学校時代の友人・レエヌさん(アマンドの息子の婚約者)と再会しますが、彼女はすっかり傲慢で・・・・・

「鴎(かもめ)に故郷はない。陸(おか)も海も自分の故郷ではない。。日本人でもフランス人でもないレエヌの“こころの秘密”を描いたキャラコさん5話 時代小説 です
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キャラコさん6・ぬすびと
久生十蘭の 短編集です。昔の恋を清算したいから、恋人だった悦二郎氏の家へ行って、自分の手紙を盗んで来てほしいすっかり我がままになってしまった友人・緋娑子(ひさこ)さんから、そう頼まれたキャラコさんは、・・・・・

「やァ、お見事おみごと。たいへん、お上手ですわ。ほんとうに、お利口な懸巣(かけす)さんだこと」。一羽の小鳥に救われ、良心を取り戻します
キャラコさん6話 時代小説 です
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キャラコさん7・海の刷画
久生十蘭の 短編集です。湘南の海で夏を過ごすやんちゃな女学生たち(第2話登場)。毎日決まった時間に沖から泳いで来る外国人・ローリーさんの謎と、毎日決まった場所に停まっているヨットの謎。 「ローリーさんは、なかなか詩人だったんだね。見なおしたよ」。キャラコさん7話
時代小説 です
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キャラコさん8・月光曲
久生十蘭の 短編集です。キャラコさんの家の隣に引越してきた傍若無人な利江子夫人。その息子の真澄(ボクさん)が、両親の離婚のために大好きな父親と引き離され、母親(利江子夫人)から酷い仕打ちを受けていると知ったキャラコさんは、ボクさんの「星の世界」への憧憬に不安を感じます。「おいそがしくありませんでしたら、どうぞ、遊んでいらして、ちょうだい。でも、・・・・・

醜い大人の争いの犠牲になる健気な少年の悲しみでした。少年の言い方が涙を誘います。心温まります 小説・キャラコさん8話。時代小説 です
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キャラコさん9・雁来紅の家
久生十蘭の 短編集です。「要しますに、あなたは、あの絵の中の青年が好きになってしまったのよ」。小さな骨董店の飾窓(ショウ・ウインドウ)で見かけた一枚の油絵。その絵の中の青年に心を惹かれたキャラコさん。 この絵の青年に不思議な・・・・

「あなたは、もしかして、あたくしを知っていらっしゃるのではないでしょうか」。深い心と感謝が引き合わす奇跡を描いた作品です
キャラコさん9話 時代小説 です
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キャラコさん10・馬と老人
久生十蘭の 短編集です。苗木を積んだ馬車を引いて毎日、公園にやって来るみすぼらしい老人。貧窮の生活の中でも、ボロ馬を愛情たっぷりに世話している老人の姿に、何とも言えない豊かな気持ちになったキャラコさんは、老人にちかづきになり、馬に長人参(ながにんじん)を・・・・・

「なんという気品の高い馬さんなんでしょう。老人の夢想と、少女の心配りを描いた作品です  キャラコさん10話 時代小説 です
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キャラコさん11・新しき出発
久生十蘭の 短編集です。中国へ旅立つことになったキャラコさんを送別するため、これまで彼女と懇意になった人々が麻布の沼間(ぬま)家に勢ぞろいします。しかし、送別会が始まってもなかなかやって来ない茜さんの事が心配のキャラコさんは、会を途中で脱けて、茜さんが・・・・・

様々な人々の人生の起伏を描いてきた「キャラコさん」感動の最終作品です  キャラコさん11話 時代小説 です
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あなたも私も
久生十蘭の 長編集です。
ファッション・モデルの仕事がうまくいかず、きゅうきゅうとしている水上サト子でした。生き方を模索する中、知らず知らずのうちに、祖父の莫大な遺産であるウラニウム鉱山の鉱業権を巡るゴタゴタに巻き込まれていきます。

サト子に接近してくる、善人なのか悪人なのか判別できない登場人物たちのそれぞれの思惑と、・・・・・

題名の「あなたも私も」の意味が分かるラストに、ビキニ水爆実験を憂い、平和を願う気持が表出されていて印象に残ります。時代小説 です
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奥の海
久生十蘭の 短編集です。飢饉(ききん)のさなかに、貧乏公卿・烏丸中納言の息女・知嘉姫と結婚した京都所司代・御式方の下役・堀金十郎でした。不作のため生活が困窮します中、知嘉姫が家を出たまま
行方不明になってしまいます。小判十両と引き換えに女衒(ぜげん)に連れ出され、陸奥(みちのく)の果てに売られていったという彼女の消息を知った金十郎でした。果たして彼は知嘉姫とめぐり逢うことができるのでしょうか
「食うものがなければ、水を・・・・・

苦労を分けあうこそ、夫婦というものなのではなかろうか」。夫婦の愛情の掛け違い、大飢饉の凄まじい光景です。
ハッピーエンドのない悲痛な時代小説です。。
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犂(カラスキー)氏の友情
久生十蘭の 短編集です。「先生、どうしました。ひどく蒼い顔をしていますね」、「実にどうも、二進(にっち)も三進(さっち)もゆかないことになって」。実地研究のため、パリの貧民窟で寝泊りする道徳社会学の石亭先生でしたが、ロシア人のゴイゴロフという気狂いじみた男から盗っ人に・・・・・

石亭先生に頼まれ、意を決してゴイゴロフに会いに行きます。意表の展開が楽しいユーモア小説です。
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金狼
久生十蘭の 長編集です。
未知の人物から「遺産相続の通知」なる手紙を受け取った男女五人(中国帰りの美青年・久我、骨董商・乾、新聞記者・西貝、都タクシー・古田、美人ダンサー・葵)酒場「那覇」に集まった彼らでしたが、酒場の主人・絲満(いとまん)が殺害された事件に巻き込まれ、容疑者にされてしまいます。
「あの遺産相続の通知は捜査の方針を混乱させる目的で計画されたトリックだということは、いうまでもありません。あの通知で何人かの人間を殺人の現場へよびよせ、否応なしに殺人事件の渦中へひきずりこんでしまいます。それで情況を複雑にし、自分の犯跡を曖昧化し、うまくいったら、自分の罪を他の人間に・・・・・

強盗殺人事件の真相を描いた推理小説としての楽しみだけでなく、都会の孤独が結びつけた男女のはかないラブストーリーとしても素晴らしいです。犯人に利用され、久我を一途に恋します少女・鶴の存在が特に印象に残り、完全犯罪が成立してしまいます。
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黒い手帳
久生十蘭の 短編集です。生活資金の当てがなくなり、焦慮している一組の夫婦と、十年もの間、ルーレット(賭博)の研究ばかりしている元画家の男。ルーレットの絶対的な法則が書かれた黒い手帳を入手するため、焦慮の夫婦が元画家の男を毒殺しようとしていると知ったパリ留学中の「自分」は、殺人計画の・・・・・

「システムは完成しました。とうとうポアンカレをとっちめてやった。どんな方法か、読めばすぐわかります。
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鈴木主水
久生十蘭の 短編集です。姫路十五万石を相続し、播州姫路の城主に成り上がった播磨守政岑(まさみね)でした。先代に仕えていた近臣を残らず罷免し、悪党どもを重用して、放縦の限りを尽くす政岑の行跡を憂える青年藩士・鈴木主水は、月見の宴で、政岑の愛妾・お糸を刺して、悪党どもに目・・・・・

「上のお側にいても、心はあなたのほうにばかり通い」。憂国と純愛の取り合わせがあるのです とっておきの作品です
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春雪
久生十蘭の 短編集です。同業の娘の結婚式に出席した池田藤吉郎は、戦時中に病死した姪・柚子(ゆずこ)のことを思い出します。青春期の娘らしい楽しさも味わわずに、春の雪のようにはかなく消えてしまったと思っていたのでしたが、友人の井沢から柚子の意外な・・・・・

「結婚式という儀式だけのことなら、柚子さんも、やっていたかも知れないぜ」、「なにを馬鹿な」。「晴」「雨」としか書かれていない日記帳の意味が 本当に美しいです。
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藤九郎の島
久生十蘭の 短編集です。九十九里浜の沖合で時化(しけ)に遭い、潮に流され続けた末、藤九郎(アホウドリ)が生息する無人島に漂着した遠州の船員たちでした。草木のない岩島での苦難の日々、遠州と同様に命からがら藤九郎の島に漂着する大阪や土佐の船員たち。「されば、みなが力を合せ、その気になって一心にやったら、この岩山が・・・・・

二十一年という長い滞在の末、帰国を果たすまでを描いた感動記です。「やってみなはれ」の精神は見習いたいものです。
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虹の橋
久生十蘭の 短編集です。刑務所で生まれたという身の上が露見するのを恐れて、職を転々とせざるを得なかった真山あさひでした。大阪のバーの同僚・北川千代が「真山あさひ」の名前で男と心中したのをきっかけに、「北川千代」の身代わりとなって、東京で一人で暮らす目の不自由な千代の祖母・フサの世話を始めます。縁もゆかりも・・・・・

これまで味わったことのない幸福を感じる あさひでした。「お手数をかけましたあたしは北川千代でございます。公訴の事実は認めます」。不幸な境遇の女主人公の決意が胸を打ちます。
時代小説 です
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肌色の月
久生十蘭の長編集です。
癌(がん)になる前に、自分という存在を、上手にこの世から消してしまいたい。癌に対し 精神不安から、自殺を決意した東洋放送の宇野久美子。伊豆の奥にある湖を死に場所に選びますが、破産詐欺の容疑者・大池忠平が投身自殺した事件に巻き込まれてしまいます。大池の心中の相手だと思われてしまい、自殺関与の容疑を掛けられてしまった久美子でした。事件の真相を探り出し、警察の・・・・・

事件に巻き込まれ、命の危険に晒されたことで、自殺を思い止まるようになる女主人公の心境が素晴らしいです。読者を引き付けるミステリー小説です。この作品は 残念ですが未完となっています。
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平賀源内捕物帳・萩寺の女
久生十蘭の 短編集です。若い娘ばかりが脳天を割られて殺されるという奇怪な連続殺人事件。被害者は皆、歌舞伎役者・瀬川菊之丞(路考)の大ファンで、今流行の「源内櫛」を挿し、雪晴れの天気のいい日ばかりに殺されています。自分が創製した櫛(くし)が事件に絡んでいると知った奇才・平賀源内(博物学者)は、足跡を残さずに犯行に及ぶ犯人の意外な・・・・・

五重塔に登ったはいいが、降りられなくなってしまった源内先生と、源内の智慧を借りたい神田の御用聞・伝兵衛のやり取りが笑えます。飄逸洒脱な平賀源内を探偵役とした捕物帳シリーズです。ユーモラス、濃密なストーリー展開が楽しい小説。傑作作品です
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平賀源内捕物帳・牡丹亭還魂記
久生十蘭の 短編集です。処刑間近の大賊十二人が短期間の内に次々と牢死するという不思議。人里離れた場所で異花珍草ばかり栽培している牡丹亭の存在を知った源内先生は、主催する物産会の席上で、事件の意外な真相を明らかにします。「どうぞね、あなた、あたくしを連れて逃げてくださいまし。ねえ、一生ご恩・・・・・

死んだはずの牡丹亭の美しい娘が蘇生した驚くべきカラクリとは    本草学者でもある平賀源内が事件の謎を解明します  捕物帳シリーズです。
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平賀源内捕物帳・山王祭の大象
久生十蘭の 短編集です。江戸一の大祭「山王祭」のさ中、作物(つくりもの)の大象の腹の中から、若い女の死体が発見されました。被害者である清元の師匠・里春は、佐渡屋の跡取り息子・定太郎に首ったけだったが、許嫁のいる定太郎は・・・・・

象の脚の中へ入っていた四人の人間の中で犯人は誰だ   恋の恨みが引き起こした稀有な事件を見事に解決する源内先生の名推理とは      平賀源内捕物帳シリーズです。歴史小説のおもしろい作品です
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平賀源内捕物帳・長崎ものがたり
久生十蘭の 短編集です。江戸と大阪と長崎で三人の男女が同じ日の同じ刻に同じ人間に同じ方法で殺害され
殺された三人(海産問屋「長崎屋」の親類ばかり三人)は皆一様に死に際に、「唐人・陳東海に殺された」とい残すが、捕縛された陳は、犯行を否認します。
「しめたッ、これでどう・・・・・

長崎まで出向いた源内先生は、手の込んだ遠隔殺人事件のカラクリを見事に暴いていきます   平賀源内捕物帳シリーズです。歴史小説のおもしろい作品です
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復活祭
久生十蘭の 短編集です。あのとき自分は十二で小原は三十六でした。いまは三十二と五十六。おかしいことはないです。この扉をあけさえすれば、どんな男のそばででも味わえないような幸福に身をまかせることができるのです。横浜の観光ホテルで働いている鶴代は、復活祭の夜、アメリカにいた頃に世話になった川田に誘われ、入港中の・・・・・

そこで、少女時代の思い出の人・小原と思いがけず再会します。
ずいぶんひさしぶりだったなア」、「しばらくでした。あなたはちっともおかわりにならないわね。あたしはこんなオールド・ミスになってしまったのに。女主人公の心境の変化を鮮やかに描いて印象に残ります。
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母子像
久生十蘭の 短編集です。女装、泥酔、放火。戦争孤児の少年・和泉太郎が、最近になって急に性格が変った原因は何なのか   大人たち(警官や教諭)は、少年が母親に首を絞められて殺されかけた過去の思い出に起因していると考えるのです。「しますことなんか、あるわけはない。ぼくには、明日と・・・・・

美しすぎる母親を持った少年の心を描いた衝撃作です。前半は大人視点、後半は少年視点で描かれています
いい作品です。
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黄泉から
久生十蘭の 短編集です。お盆の日に、恩師である西洋人・ルダンさんとばったり逢った美術仲買人・魚返(おがえり)光太郎でした。戦死した弟子たちを招いて宴会をやるのだというルダンさんに触発された彼は、仕事の予定を全てキャンセルして、ただひとりの肉親であった従妹・おけいのこと・・・・・

自分にとって彼女がかけがえのない大切な人間であったことをつくづく思い知ります。「ありがとうございました。これを聞けなかったらなにも知らずにしまったところでした」。婦人軍属としてニューギニアで病死したおけいの臨終の様子や彼女の意志に自然と涙がでます。
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