林芙美子(はやし・ふみこ)/帯広まで、幸福の彼方<あらすじ 要約>計18冊

林芙美子(はやし・ふみこ)/帯広まで、幸福の彼方<あらすじ 要約>計18冊

  あらすじ

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林芙美子(はやし・ふみこ)
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朝夕
林芙美子の 短編集です。洋品店の経営が行き詰まってしまい、話し合って夫婦別々にやって行くことに決めた嘉吉となか子でした。家財道具を売り払い、夜逃げ・・・・・

「夫婦ってものは、そんなものかねえ、悪くなったら、わかれてしまって はい さよならなんて」人間はどん底の状態であればある時ほど、肩を寄せ合って生きて行きたいものです。時代小説 です
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或る女
林芙美子の 短編集です。青年・佐々徹男と不倫していた画家・結城堂助の妻・たか子。徹男の結婚披露宴で さめざめと泣くたか子の姿に、堂助は・・・・・

十八の時に結婚し、二十年間何の波風もなく暮らして来た女主人公に生じた悪い隙間。現実主義の妻と理想主義の夫 の興味ぶかい作品です。
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帯広まで
林芙美子の 短編集です。夫の九太から、女ができたと聞かされた伊代。四拾円の手切れ金をもらって離婚した彼女でしたが、九太のことが忘れられず、荒んだ侘しい生活を送ります。マネキンガールの仕事で、九太と女(まさ子)が暮らす帯広へ行く機会を得た伊代は、九太と再会・・・・・

「四拾円でお前を始末したとは思っちゃいないよ。あれも君には気の毒がっている   結局、俺達の方が君よりも不幸なんだぜ」。別れた男への未練を乗り越えていく女主人公の姿をいきいきと描いていきます。
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河沙魚
林芙美子の 短編集です。俎板(まないた)の上で首を切られても、胴体だけはぴくぴく動いている河沙魚(かわはぜ)。 兵隊に行った夫・隆吉の帰りを待つ千穂子でしたが、隆吉の父・与平と関係を持ってしまい、与平との間にできた女の子を・・・・・

隆吉の帰国が近づく中、子供の貰い手を探し続ける千穂子でしたが。女主人公の切羽詰ったどうにもならない苦しみを描いた 悲しい絶望小説作品です。
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幸福の彼方
林芙美子の 短編集です。戦場で片眼を失った陶工・村井信一と見合い結婚した絹子でした。信一のことを思いやりの深い人だと感じる絹子でしたが、信一にはかつて妻があり、子供があることを聞かされ、自分の前途が薄暗く・・・・・

ある家族の微笑ましい光景に触れ、前向きに生きていく決心をする女主人公の姿が素晴らしいです。
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婚期
短編集です。上海の銀行員・安並敬太郎と結婚した登美子の妹・杉枝でしたが、数年後に病死してしまいます。安並はそもそも登美子の縁談相手だったが、見合いに こりごりしていた登美子は、気がすすまず、断わっていました。その安並から求婚された登美子は、年齢の臆病さ・・・・・

「私はもうおばあさんですよ」、「じゃア、僕が杖になって上げましょう」。女主人公の激しい胸のときめきが美しいです。いい作品です
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秋果
林芙美子の 短編集です。女の生涯にとって、男を知るぐらい この世に不思議なことがあるでしょうか。もんは 恋人の工藤を追って上海へ行ったが、工藤は他の女性と結婚していました。一年ぶりに東京へ戻った もんは、思いがけなく工藤と・・・・・

「恋草を力車に七車積みて恋ふらくわが心から」。万葉集の歌を絡ませながら、恋人だった男に対し夢を捨てきれずに生きる女主人公の姿を描いた印象に残る作品です。
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就職
林芙美子の 短編集です。家に下宿していた謙一が、就職で遠い処(新京)へ行くことになり、心細くなっている養生中の埼子でした。仕事より恋愛を優先する 埼子でしたが、謙一は、職業のためには折角の恋愛も捨てなければならない場合もある「サラリーマンの・・・・・

「もう、このままお別れでいいと思うの。私は病気なのだもの」。病弱な女主人公の「生活」への嫉妬を描いた青春小説作品です。
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清修館挿話
林芙美子の 短編集です。下宿「清修館」に越して来た医学生の谷村さん。二階に越して来た美しい女性に金を貸してあげた彼は、彼女とキスをします。しかし、下宿の太っちょの下女・おしげから、あの女は下宿の男の妻で、二人はもう郊外の方へ越して行ったと知らされ、・・・・・

“失恋”した谷村さんは、好意を示す おしげをいじらしく思います。 最後のエンデイングが楽しい青春恋愛小説です。
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清貧の書
林芙美子の 短編集です。別れた二人の男から、貧乏を言い訳に暴力をふるわれた過去を持つ私(加奈代)でした。三人目の男である売れない画家・小松与一と所帯を持ちますが、高い家賃の一軒家での生活に不安を覚えます。しかし、貧乏ながらも思いやりのある与一との暮らしの中で、過去の二人の男達には感じなかった肉親のような愛情を、・・・・・

「遠慮なんか蹴飛ばしてハッキリと、誰にだって要求すればいいじゃないかッ  ヒクツな考えは自分を堕落させるからね」。貧乏の中にある幸福を描いた作品です。
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下町
林芙美子の 短編集です。「静岡のお茶はいりませんか」。シベリアに抑留されている夫・隆次が、いつ戻って来るのか分からない中、子供(留吉)を抱えて、東京でお茶の行商を始めました。鉄材置場で働く男・鶴石芳雄と出会った彼女は、留吉を可愛がってくれる人柄の良い・・・・・

「いけないわ」、「やっぱり、いけないかね」、「ええ、困ります」。生き方 に腹を決める女主人公の姿が胸を打ちます。
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多摩川
林芙美子の 短編集です。結婚間際に別の男と結婚してしまったくみ子と再会した津田周次は、彼女と多摩川の旅館へ行きます。夫を亡くし、周次と寄りを戻したいくみ子と、周次に蠱惑的な好意を・・・・・

「どうした」、「どうもしない」、「どうもしない だって泣いてるじゃないか」三角関係の様相が 興味ぶかい作品です。
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泣虫小僧
林芙美子の中編集です。新しい男ができた母・貞子の身勝手な都合で、叔母・寛子の家に預けられた少年・啓吉でした。しかし、寛子の家は貧乏で、啓吉は歓迎されません。母の家に戻った啓吉でしたが、貞子が・・・・

「啓坊の母さんがなってないから、まるで啓ちゃんが宿無し猫みたいじゃないか」。母親に愛されない子供の孤独と悲しみを描いた作品です。
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濡れた葦
林芙美子の 短編集です。仕事に対します中だるみと平凡な家庭生活に嫌気が差し、不倫に走った挙句、家を飛び出した夫・廣太郎です。子供二人を抱え、路頭に迷う妻・ふじ子は、初恋の相手だった木山が滞在する千葉の・・・・・

「男って、結婚生活にも、自分の職業にも飽いて来ると、まるで、手がつけられないンですもの」。自分の身勝手さによって家庭を棒にしてしまった男の、幸福の喪失を描いた秀逸な作品です。
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晩菊
林芙美子の 短編集です。別れたあの時よりも若やいでいなければならない。自分の老いを感じさせては敗北だ。元芸者で恋多き老年の女・相沢きんは、昔の恋人・田部の訪問を受けますが、一途な思いは彼女の心から薄れ去っていました。訪問の目的を知った彼女は、・・・・・

若かりし頃の田部の写真を火鉢にもやすエンディングがとても印象的な作品です
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崩浪亭主人
林芙美子の 短編集です。満州で妻子を亡くし、末娘の妙子と日本へ戻って来た磯部隆吉は、妙子と二人で池袋で酒場「崩浪亭」を始めます。未亡人の宮内はなと見合いをし、その気になった隆吉は、彼女を迎える準備をします。「お父さんだって、宮内さんを貰えば幸福になるわ。もう鷄の声をきかなくっても、・・・・・

しっかり者の愛娘の結婚話を絡めて、五十男の孤独を描いた、心に沁みいる作品です
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夜福
林芙美子の 短編集です。
「おばアちゃん、清治のお茶、また茶柱が立っていますよ」。一人息子の清治を戦争で亡くし、妙に気持ちが弱くなってしまった宿屋の女主人・久江でした  他に別居してしまった夫・大吉郎に呼び出され、仕方なく浅草まで会いに行った久江は、死んだ清治に・・・・・

学生時代の清治の日記に書かれた「夜福」の意味が微笑ましく、涙を誘います  名作です。
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淪落
林芙美子の 短編集です。
終戦後まもなく、家出して東京でダンサーになった十八の・・・・・

行きずりの中年男・小山との同棲生活や、ダンスホールの楽士・栗山、人生に絶望している会社員・関など、男たちとの出会いと別れ。淪落していく女性のはかない日々を描いた小説作品です。
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