夏目 漱石/吾輩は猫である 三四郎 夢十夜 他<あらすじ 要約>計23冊

夏目 漱石/吾輩は猫である 三四郎 夢十夜 他<あらすじ 要約>計23冊

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夏目 漱石
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吾輩は猫である 第1回 
長編。吾輩は猫である。名前はまだ無い。教師(苦沙弥先生)の家に拾われた吾輩は、のんきな主人を・・・・・

「人間と生れたら教師となるに限る。こんなに寝て居て勤まるものなら猫にでも出来ぬ事はない」と感じるのでした。
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第2回 
長編。苦沙弥先生の家に集う仲間たち(美学者・迷亭や、理学士・寒月など)の他愛のない話の数々を、・・・・・

   二弦琴の御師匠さんの家で飼われている三毛子との交流や、タカジヤスターゼ、トチメンボーなど。義太夫を聞きたいから連れて行ってくれという細君に対する苦沙弥先生の我儘で偏狭ぶりが実に楽しいです。ユーモア風刺小説の第2回です。
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第3回 
長編。やたら鼻が大きい実業家の金田夫人(鼻子)が苦沙弥の家にやって来ました。娘・富子の縁談相手である・・・・・

生意気な鼻子が気に食わない苦沙弥と迷亭は、鼻の話で大いに盛り上がります。「あんなものの娘を誰が貰うものか。寒月君もらっちゃいかんよ」
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第4回 
長編。寒月の結婚問題について実業家・金田夫妻の依頼を受けた苦沙弥の旧友・鈴木。「それじゃ、今度寒月が来たら、博士論文を・・・・・

首尾よく苦沙弥を説き落とた鈴木でしたが、そこへ迷亭が現れます。細君の頭に大きな禿(はげ)があるのを発見した苦沙弥でした。「禿」対「鼻毛の白髪」の夫婦喧嘩が興味ぶかいです。
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第5回 
長編。夜中に苦沙弥先生宅に泥棒が入り、衣服と山の芋を盗まれてしまいます。そのことで苦沙弥と細君は・・・・・

。「それだから貴様はオタンチン、パレオロガスだと云うんだ」。家の書生だった三平は「実業家にでもなんなさらんか」と苦沙弥に勧めます。
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第6回 
長編。まるで自分の家のように苦沙弥宅で寛ぐ迷亭。蕎麦の通の食べ方を講説したり、「神秘的」な失恋話を・・・・・

。寒月は博士論文「蛙の眼球の電動作用に対する紫外光線の影響」の実験のため「目下のところは朝から晩まで珠ばかり磨っています」。
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第7回 
長編。カマキリや蝉取りをして運動・・・・・

。背中がむずむすして我慢できず、銭湯に行くことを思い付いた吾輩の銭湯観察記がダラダラと続きます。
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第8回 
長編。苦沙弥宅の隣にある中学校「落雲館」。そこの生徒たちの嫌がらせ(ダムダム弾=野球)に癇癪を起こす苦沙弥は、掛かりつけの・・・・・

生徒たちの嫌がらせは実は金田の差し金とは知らず。「一寸ボールが這入りましたから、取らせて下さい」。
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第9回 
長編。旧友である哲学者・独仙の影響で「消極的修養」に努め・・・・・

「独仙の御蔭で二人ばかり気狂にされているからな」。呑気者の迷亭の話を聞いて、「別段見習うにも及ばない人間」だと納得します。
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第10回 
長編。「自分は死なない事に決心をしている」から保険に入らないと威張る苦沙弥を、まんまと説得して・・・・・

。悪戯で金田の娘・富子に艶書を送ったという苦沙弥の生徒・武右衛門。退学を恐れる武右衛門に冷淡な苦沙弥でしたが、寒月は「救って御やんなさい」と寛容でした。
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第11回 
長編。苦沙弥宅に集まるいつもの面々。高校時代にヴァイオリンを独習したという話を始める寒月でしたが、なかなか・・・・・

「これからが聞きどころですよ。今までは単に序幕です」。
この回が最終回です。
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琴のそら音 
夏目 漱石の 短編集です。友人の津田君の下宿を訪問し、他愛のないお喋りをする法学士の靖雄。迷信ぶかい住み込みの婆さんが、犬の遠吠えをやたらに怖がっていることや、婚約者の露子がインフルエンザにかかっていることなどを話す靖雄でしたが、津田君からインフルエンザで死んだ女の幽霊の実話を・・・・・

「注意せんといかんよ」、「縁喜でもない、いやに人を驚かせるぜ。」。不吉な犬の遠吠えの顛末と、露子の気になる病状は 幸福感あふれるラストが素敵に楽しいホラー&ユーモア小説です。
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三四郎 
夏目 漱石の長編集です。熊本から上京した大学生・三四郎は、大学の池の縁で出会った女性・美禰子に一目惚れするが、彼女の小悪魔ぶり・・・・・

「迷える子(ストレイ・シープ)解って」。貸した金を返さない友人・与次郎や、「偉大なる暗闇」である広田先生、理学士・野々宮との交流など。

上京する汽車の中で乗り合わせた人妻と、名古屋で同宿する羽目になっちゃう冒頭のエピソードは、抜群に面白く、独立した短編として楽しめる。
宿の人に連れ合いだと思われ、人妻と相部屋にされてしまった三四郎。先に風呂に入っていると、「ちいと流しましょうか」とか言って人妻が裸に・・・・・

慌てて風呂から飛び出す三四郎。仕舞には一枚の蒲団で寝ることになります。

何事もなく一夜が明け、名古屋駅で別れ際、三四郎が人妻から言われたせりふ、「あなたはよっぽど度胸のないかたですね」。これには三四郎じゃなくてもビックリしますよ。この経験を三四郎は、「現実世界の稲妻」と表現。  青春小説です。
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二百十日 
夏目 漱石の中編集です。
華族と金持ちを眼の敵(かたき)にしている“豆腐屋の伜(せがれ)”である圭さんは、朋友の碌さんと一緒に、“ともかくも”、阿蘇(あそ)へ登ることに。二百十日の雨と風に曝(さら)され、灰に苦しめられながら登山する二人でしたが、路に迷ってしまいました。
登る気満々の圭さんと、早く帰りたい碌さんの対比の面白さと、お互いを・・・・・

碌さんが宿の下女に、“玉子の半熟”を注文する件(くだり)が落語みたようで笑えます。
全編、圭さんと碌さんの会話文だけで構成され、社会批評を交えつつ、登山のてん末を描いた楽しい作品です。
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野分 
夏目 漱石の長編集です。
「だからさ、もう田舎へは行かない、教師にもならない事にきめたんだよ」
中学教師として田舎を転々とした後、東京へ戻って来た白井道也(どうや)。華族、紳商(しんしょう)、博士、学士が持てはやされる世の中で、公正なる人格がないがしろにされていると考える彼は、教師を辞めて、文筆で食べていく道を選ぶが、いつまで経っても生活は苦しいまま。そんな夫に不満の妻・御政(おまさ)は、会社の役員をしている道也の兄に相談します。
「それでここに一つの策があるんでしたが、どうでしょう当人の方から雑誌や新聞をやめて、教師になりたいと云う気を起させるようにするのは」
一方、大学を卒業したばかりの若き文学士、高柳周作と中野輝一(きいち)。二人は親友同士でしたが、性格は正反対。金持ちでハイカラで鷹揚で恋人もいる中野君に対して、高柳君は厭世家(えんせいか)の皮肉屋で貧乏で一人坊(ひとりぼ)っち。中野君に誘われて演奏会や園遊会に行っても、自分だけ排斥されているような気になってしまいます。
「君の目下の目的は、かねて腹案のある述作を完成しようと云うのだろう。だからそれを条件にして僕が転地の・・・・・

僕は費用を担任した代り君に一大傑作を世間へ出して貰う。どうだい。それなら僕の主意も立ち、君の望(のぞみ)も叶う。一挙両得じゃないか」
高柳君に対する中野君の友情(好意)や、鮮やかなるラストに感涙です。時代小説 です
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文士の生活 
夏目 漱石の短編集です。巨万の富を蓄えたという噂の否定から始まり、「吾輩は猫である」の印税の話、勝手にやって来る植木屋の話、半分運動のつもりで謡曲をやっている話、新聞小説は毎日一回ずつ書き、書き溜めておくことが出来ない話、内田魯庵に・・・・・

、漱石の生活がかいま見える楽しいエッセイです。
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文鳥 
夏目 漱石の 短編集です。作家・鈴木三重吉の勧めで、文鳥を飼い始めた自分(漱石)。首をすくめて、文鳥が自分を見た時、紫の帯上(おびあげ)でいたずらをした昔の女の・・・・・

如露(じょろ)の水に眼をぱちぱちさせる文鳥と、反射する鏡の光線に手を翳しながら不思議そうに瞬きする女。三重吉と漱石のやり取りが笑えます。エッセイ作品です。
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門 
夏目 漱石の 長編集です。
仲睦まじくも、淋しく静かに暮らす夫婦(野中宗助とお米)がこしらえた“過去”という暗い大きな穴。
今とは違って積極的で快活だった学生時代の宗助に何があったのか    宗助の弟・小六の学資問題や、頼みにする親戚・佐伯との交渉などを絡めながら、次第に明らかになっていく宗助とお米の過去でした。
社交的な家主・坂井と他愛のない交流を続ける宗助でしたが、思いもよらぬ展開(偶然)によって、落ち着いた生活が脅かされてしまいます。心の安定を求める宗助は、役所勤めを休んで、鎌倉の禅寺の山門をくぐります
彼は門を通る人ではなかった。また門を通らないで済む人でもなかった。要するに、彼は門の下に立ち竦(すく)んで、日の暮れるのを・・・・・

「門」には暗さ(深刻さ)がなく、抱一の屏風を道具屋へ売るエピソードや、家主・坂井の家に泥棒が入ったエピソードなど実にユーモラスで、読んでいて楽しいものがあります。 恋愛小説 です
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夢十夜・第一夜 
夏目 漱石の 短編集です。こんな夢を見た。「もう死にます」と云う瓜実顔の髪の長い女。「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。きっと逢い・・・・・

大きな真珠貝で穴を掘り、天から落ちて来る星の破片を墓標に置く男。勘定し尽くせないほど赤い日が頭の上を通り越して行った時。美しく幻想的な作品です。
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夢十夜・第三夜 
夏目 漱石の 短編集です。こんな夢を見た。眼が潰れて、青坊主になっている我が子を負ぶって歩く主人公の男。「もう少し行くと解る。ちょうど・・・・・
。大人のような言葉つきの我が子を、早く捨ててしまおうと思う男でした。「御前がおれを殺したのは今からちょうど百年前だね」。業を描くホラー小説です。
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夢十夜・第五夜 
夏目 漱石の 短編集です。こんな夢を見た。軍(いくさ)に敗北し、捕虜となった男は、処刑される前に、愛する女に逢いたいと願う。「夜が開けて鶏が鳴くまでなら待つ」と・・・・・

女は裸馬に乗り、男がいる篝火(かがりび)を目指します。「天探女(あまのじゃく)は自分の敵(かたき)である」。
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夢十夜・第七夜 
夏目 漱石の 短編集です。ただ黒い煙を吐いて波を切って行く事だけはたしかです。どこへ行くのか分からない大きな・・・・・

大変心細くなり、死ぬ決心をした男は、思い切って海の中へ飛び込みます。ラストのスローモーションによる心理描写が秀逸です。どこへ行くのか分からない人生でも、やっぱり生きている方がいいのです。
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夢十夜・第十夜 
夏目 漱石の 短編集です。パナマ帽を被り、水菓子屋の店先で往来する女の顔を眺めるのが「ただ一つの道楽」である庄太郎は、ある女に連れられて・・・・・

絶壁の天辺から飛び込めという女。「もし思い切って飛び込まなければ、豚に舐められますが好うござんすか」。豚をステッキで撃退し続ける庄太郎でした。
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