中里介山(なかざと・かいざん)/大菩薩峠シリーズ<あらすじ 要約>計41冊

中里介山(なかざと・かいざん)/大菩薩峠シリーズ<あらすじ 要約>計41冊

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中里介山(なかざと・かいざん) 
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大菩薩峠1・甲源一刀流の巻 
中里介山の 長編集です。

時は幕末の世。御岳山の奉納試合で甲源一刀流の師範・宇津木文之丞を「音無しの構え」で打ち殺した剣客・机竜之助。手込めにした文之丞の妻・お浜と駆け落ちし、江戸で所帯を持ちます。
「剣を取って向う時は、親もなく子もなく、弟子も師匠もない、入魂(じっこん)の友達とても、試合とあれば不倶戴天の敵と心得て立合う、それがこの竜之助の武道の覚悟でござる」。
主人公の机竜之助が罪のない巡礼老人をあっさりと辻斬りしてしまう最初の場面があります 作者は、善人であろうと悪人であろうと分け隔てなく、登場人物たちを、温かく優しい目線で描いており、実に多彩な顔ぶれが絶妙に絡み合い、・・・・・

。悪人でありながらも心惹かれる性格、机竜之助の活躍を描いたものです。歴史小説のおもしろい作品です

花の師匠・お絹(神尾家の元妾)の紹介で、旗本・神尾主膳の屋敷へ奉公に出たお松でしたが、百人一首を使った「竹の子勝負」で大ピンチとなります  未完の大長編小説・第1話です。
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大菩薩峠2・鈴鹿山の巻 
中里介山の 長編集です。
奉公先である旗本・神尾主膳の屋敷を、水車番の与八と共に逃げ出したお松は、伯母・お滝の世話になりますが、性根の悪いお滝に騙されてしまいます。一方、机竜之助のもとに宇津木兵馬から果たし状が届きます。
義弟だった可愛い兵馬を助けたいお浜は、竜之助を殺して自分も死のうと決心します。薄幸の少女・お松の波乱万丈ぶり、お浜似の女・お豊との出会いとなります。
患者から十八文しか薬礼を受け取らない主義で、いつも酔っ払っているが、腕は・・・・・

   与八が道庵先生に薬礼を払う場面は、まるで落語みるようで楽しいです。
歴史小説のおもしろい作品です  大長編時代小説・第2話。
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大菩薩峠3・壬生と島原の巻 
中里介山の 長編集です。
仇である机竜之助を追って京都へやって来た宇津木兵馬です。色街・島原に売られてしまった少女・お松を身請けするため、新撰組の本営・南部屋敷に盗みに入る裏宿の七兵衛でした。新撰組の隊長である芹沢鴨と近藤勇の内紛に絡み、芹沢が企てる・・・・・

竜之助とお浜の子である郁太郎を育てる水車番の与八の優しい性格に感動を覚えます。大長編時代小説・第3話。
歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠4・三輪の神杉の巻 
中里介山の 長編集です。
恋人と心中し、一人生き残ってしまったお豊(お浜似の女)と再会した机竜之助でした。
惹かれ合う二人は、一緒に江戸へ行く約束をします。お豊に付きまとうも、相手にされず、逆恨みする資産家の放蕩息子・金蔵、宇津木兵馬と勝負するよう竜之助を説得する裏宿の七兵衛でした。
「机竜之助は逃げも隠れもせぬ、これより伊勢路へ出て、東海道を下る。宇津木兵馬とやらにそう申せ、敵(かたき)に会いたくば、あとを慕うて東海道を下って参るように。追いついたところで・・・・・

大長編時代小説・第4話。 歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠5・竜神の巻 
中里介山の 長編集です。
落ち延びた天誅組の連中と共に山小屋に辿り着いた机竜之助でしたが、討手(うって)に取り囲まれ、小屋を爆破されてしまいます。執念深い金蔵と余儀なく所帯を持ち、温泉宿の若女将となったお豊は、竜神の社(やしろ)で竜之助と再会を果たします。
安珍・清姫の伝説に・・・・・

 折り返し点となる大長編時代小説・第5話。
「拙者にはこうなるが天罰じゃ、当然の罰で眼が見えなくなったのじゃ、これは憖(なま)じい治さんがよかろうと思う。眼は心の窓じゃという」。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠6・間の山の巻 
中里介山の 長編集です。
花は散りても春は咲く/鳥は古巣へ帰れども/行きて帰らぬ死出の旅。

伊勢の遊女屋で「間(あい)の山節」を歌っている歌唄いの少女・お玉は、不幸にも泥棒の濡れ衣を着せられてしまいます。勇猛な愛犬・ムクや幼なじみ・宇治山田の米友(よねとも)の活躍で捕方(とりかた)から逃れたお玉は、盲目となった机竜之助と会います。遊女に身を落としたお豊が・・・・・

伊勢参りにやって来た酔っ払いの医者・長者町の道庵先生が大活躍します  大長編時代小説・第6話。
歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠7・東海道の巻 
中里介山の 長編集です。
花の師匠・お絹(神尾家の元妾)と浜松で道行きとなった机竜之助は、剣豪・島田虎之助の毒殺の経緯を知ります。はぐれていた愛犬・ムクと幼なじみ・宇治山田の米友と再会を果たしたお君は、生きる希望を取り戻します。
三保の松原へ竜之助を追い込み、決着をつけようと・・・・・

仏眼・神通力で人の心を見抜いてしまう遊行上人(ゆぎょうしょうにん)が授ける名号(みょうごう)の札。
大長編時代小説・第7話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠8・白根山の巻 
中里介山の 長編集です。
身延へ向かう途中、お絹にちょっかいを出す道連れの盗賊・がんりきの百蔵に、いきなり斬り掛かる机竜之助。片腕を斬り落とされたがんりきの百蔵は、命からがら逃げ去ります。他国へ行商に出かける「山の娘」たちの頭(かしら)・お徳の世話になる竜之助は、・・・・・

がんりきの百蔵を見捨てて、砂金堀りの少年・忠作をそそのかすお絹、竜之助を追跡する宇津木兵馬と裏宿の七兵衛でした。大長編時代小説・第8話。 歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠9・女子と小人の巻 
中里介山の 長編集です。
親方のお角(かく)が率いる女軽業の一座に加わったお君は、幼なじみの宇治山田の米友と別れて甲州へ旅立ちます。
江戸に残った米友は、職を転々とする中、正直な性格の夜鷹のお蝶と出会います。砂金堀りの少年・忠作と一緒に金貸しを始めたお絹でしたが、・・・・・

 大長編時代小説・第9話  歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠10・市中騒動の巻 
中里介山の 長編集です。
仇である机竜之助の行方を捜す宇津木兵馬は、甲府の神尾主膳の邸内へ忍び込むが、盗人に間違えられて、牢に入れられてしまいます。
兵馬に想いを寄せるお松は、裏宿の七兵衛から兵馬の災難を知り、甲府へ行くことを決心します。
「未練というわけじゃあねえが、おれもあの女ゆえにこの腕を一本なくして、生まれもつかねえ片輪(かたわ)にされちまったんだ、身から出た錆(さび)だと言えばそれまででしたが、・・・・・

いつまで経っても江戸へ戻って来ないお君の身の上を心配する宇治山田の米友。貧窮組が出来たり、浪人強盗が流行ったり、幕末の江戸はすごく物騒なります。大長編時代小説・第10話。歴史小説のおもしろい作品です
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中里介山 

大菩薩峠11・駒井能登守の巻 
中里介山の 長編集です。
新しく勤番支配に任命され、甲府に向かう駒井能登守とその一行です。
自分よりずっと年下の駒井能登守が、自分の上司になることが、気に食わない神尾主膳。
「機先を制して駒井能登を圧倒するのじゃ、そうして、甲府勤番には骨があって、彼等如き若年者で支配などとは以てのほかというところを、老中にまでも思い知らせてやるのじゃ、・・・・・

男を弄(もてあそ)ばずにはいられないお絹の男好きの困った性格が面白いです。 大長編時代小説・第11話。
歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠12・伯耆の安綱の巻 
中里介山の 長編集です。
甲州有野村の馬大尽・藤原家の下働きとなったお君は、火傷で顔が焼け爛(ただ)れた藤原家の・・・・・

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大菩薩峠13・如法闇夜の巻 
中里介山の 長編集です。
お銀様と仲違いになってしまったお君は、藤原家を離れて、駒井能登守のもとへ。能登守の寵愛を受けるお君は、能登守のことが好きで好きでたまらなくなります。

おれは人を斬りたいから斬るのだ、人を斬らねばおれは生きていられないのだ百人まではきっと斬る、百人斬った上は、また百人斬る、おれは強い人を斬ってみたいのじゃない、ああ甲府は狭い、江戸へ出たい、江戸へ出て思うさまに人が斬ってみたいわい。ああ、人を斬った心持、その時ばかりが眼のあいたような心持だわい。助けてくれと悲鳴を・・・・・

大長編時代小説・第13話。  歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠14・お銀様の巻 
中里介山の 長編集です。
神尾主膳にかどわかされたお銀様は、へべれけの神尾に殺されかけるが、机竜之助に救われます。火傷で醜い顔のお銀様は、目の見えない竜之助に心惹かれていきます。

「二度でも三度でも言うよ、お前は殿様という人から、うまい物を食わせてもらい、いい着物を着せてもらって、その代りに慰み物になっているんだ、それをお前は出世だと心得ているんだ」
「友さん、よく言ってくれたね、よく言っておくれだ、お前からそこまで言われれば、もうたくさん」
「やいムク州、永々お世話さまになったが、俺(おい)らはこれからおさらばだ、お前も達者でいなよ」。
子供のような年寄のような壮者(わかもの)で、小兵(こひょう)で敏捷、淡路流の槍の・・・・・

   大長編時代小説・第14話。 歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠15・慢心和尚の巻 
中里介山の 長編集です。
八幡村の小泉家(死んだお浜の実家)に身を隠す机竜之助とお銀様。辻斬の犯人が竜之助だと知ったお銀様は、怖ろしさを感じます。
駒井能登守が身分違いのお君を寵愛していることを勤番の寄合で暴露した神尾主膳。窮地に陥った能登守は、甲府を去る運命になります。
駒井の子を身ごもっているお君を江戸まで送り届ける成り行きとなった宇津木兵馬。
兵馬が世話になる恵林寺の師家・慢心和尚が面白いです。「慢心してはいけません」が口癖で、顔が丸くて、拳が・・・・・

  大長編時代小説・第15話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠16・道庵と鰡八の巻 
中里介山の 長編集です。
お君の一件で失脚し、江戸・滝の川の火薬製造所に身を隠す駒井甚三郎(能登守)。宇津木兵馬の保護を受け、江戸へやって来たお君でしたが、駒井には会えず、絶望的になります。
お君の愛犬・ムク犬の皮を、生きたまま剥ぐという残忍な遊戯を思いつく悪人・神尾主膳。甲府から再び舞台を・・・・・
  
「狂犬(やまいぬ)であるか、狂犬でないか、眼つきを見ればすぐわかることじゃ、この犬を狂犬と見る貴様たちの方に、よっぽどヤマしいところがある」。 大長編時代小説・第16話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠17・黒業白業の巻 
中里介山の 長編集です。
甲府を離れ、江戸へ戻って来た神尾主膳は、化物屋敷と呼ばれている染井の旗本屋敷に居付きます。

「思えばこの屋敷は化物屋敷に違いない、この神尾主膳と、あの藤原の娘のお銀とが落ち合って、睨み合っているのさえ空怖ろしい悪戯であるのに、業(ごう)の尽きない机竜之助という盲目が、あれが難物じゃ。悪因縁の寄り集まりだ、前世の仇(あだ)ならいいが、この世からの餓鬼畜生に落ちた敵同士が、三すくみの体(てい)で、一つ屋敷に睨み合っているというのは、悪魔の悪戯のようなものだ」。
「いいえ、この子は駒井能登守の子ではございませぬ、わたくしの子でございます、それ故にわたくしは、どのようなことがあっても能登守の子としては育てません、わたくしの子として育てて参ります。それよりか、わたくしはいっそ難産で、この子と一緒に死んでしまえば、それに・・・・・

吐血し、体調を崩しながらも、心の渇きを癒すため、毎夜、辻斬りを重ねていく机竜之助です。  
勇猛果敢な お君の愛犬の活躍も楽しみです。 長編時代小説・第17話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠18・安房の国の巻 
中里介山の 長編集です。
暴風雨(あらし)で船が沈没し、奇跡的に礒に打ち上げられた女軽業の親方・お角は、房州・洲崎(すのさき)で無人島同様の生活を送る駒井甚三郎に命を助けられます。

甲府城の乗っ取りを企む奇異な武士・南条力(つとむ)と五十嵐甲子雄(きねお)に協力するがんりきの百蔵と、それを阻止しようとする元新徴組の浪士・山崎譲に加担する裏宿の七兵衛。 悪人には懐かないはずのムク犬が、辻斬りを繰り返す机竜之助に懐いている様子に・・・・・

話は、 “業(ごう)”がクローズアップされています。おしゃべりの盲法師・弁信(小坊主)と、心の優しい夜鷹のお蝶の会話が、純情で素晴らしく心が洗われます。大長編時代小説・第18話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠19・小名路の巻 
中里介山の 長編集です。
「どうあってもこのままには置けない、よろしい、山崎譲を手にかけよう」。すっかり吉原通いにハマってしまった宇津木兵馬は、遊女・東雲(しののめ)を自分のものにしたいがために、「山崎譲を暗殺してほしい」という南条力(つとむ)の・・・・・

尺八の音色に慰められ、死んだお浜やお豊と邂逅する机竜之助、おしゃべりの盲法師・弁信を井戸の中へ投げ込んでしまう神尾主膳、船の建造計画をすすめる駒井甚三郎。大長編時代小説・第19話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠20・禹門三級の巻 
中里介山の 長編集です。
清澄の茂太郎(房州でお角にスカウトされた子供)の口笛がきっかけで、大勢の人々が踊り、練り歩き始め、あっという間に江戸中で大騒ぎに。おしゃべり小坊主の弁信や、宇治山田の米友、長者町の道庵先生も巻き込まれます。
お銀様がいる土蔵に火をつける酒乱の神尾主膳、山の娘の・・・・・

不動明王の夢がもとで、とんだ騒動を引き起こす米友がいつもながら楽しいです。大長編時代小説・第20話。
歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠21・無明の巻 
中里介山の 長編集です。
甲州・上野原の月見寺で寺の娘・お雪の保護を受け、養生する机竜之助。清澄の茂太郎を連れて、月見寺にやって来たおしゃべりの盲法師・弁信を、「音無しの構え」で斬ろうとする竜之助の心です。
遊女・東雲(しののめ)の・・・・・

栃木の大中寺に逼塞(ひっそく)した神尾主膳は果たして改心したでしょうか   大長編時代小説・第21話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠22・白骨の巻 
中里介山の 長編集です。
湯治のために、信州・白骨(しらほね)温泉へ向かう机竜之助と少女・お雪でしたが、塩尻峠で不埒な剣客・仏頂寺弥助たちに因縁をつけられてしまいます。

愛する竜之助を追って江戸を出立するお銀様、江戸へ戻って来た神尾主膳と早速に同居する妖婦・お絹、誰に対しても「様」を付けて呼ぶと宣言する長者町の道庵先生、お君の遺児・登を連れて、武州・沢井の水車番・与八の・・・・・

女軽業の親方・お角の家に出入りする金助と、お角の娘分・お梅のやり取りが落語みたようで笑えます。
大長編時代小説・第22話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠23・他生の巻 
中里介山の 長編集です。
お銀様が机竜之助の行方を探していると知った宇津木兵馬は、奇なる因縁でお銀様と行動を共にします。
信州・白骨温泉に到着した机竜之助とお雪ちゃんは、好色の後家婆さんと意気地なしの男妾(おとこめかけ)・浅吉と同宿になります。一方、清澄の茂太郎は、月見寺にやって来たがんりきの百蔵に捕まってしまい、弁信法師と離ればなれになってしまいます。いよいよ旅に出発した長者町の・・・・・

無邪気で人懐っこいお雪ちゃんの純粋さや、大声で自作の歌を歌う茂ちゃんの子供らしい様子、与八とお松が始めた寺子屋の平和で幸福な情景   大長編時代小説・第23話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠24・流転の巻 
中里介山の 長編集です。
軽井沢で長者町の道庵先生とはぐれてしまった宇治山田の米友は、無頼漢に酷い目に遭わされる道庵を、得意の杖槍で助け出します。死んだお君のことを引きずり、ふさぎ込む米友を、「霊魂不滅説」を・・・・・

信州の松本で、市川海老蔵ならぬ海土蔵(エドぞう)一座の歌舞伎を見物する道庵と米友など、今回のお話は二人の珍道中がメインとなっていて とても楽しいです。  大長編時代小説・第24話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠25・みちりやの巻 
中里介山の 長編集です。
純潔であるにもかかわらず、自分は妊娠したのではないかと苦悩するお雪ちゃん、徳川の御宝蔵を拝むため江戸城へ潜入するも、何とも言えない「浅ましさ」を・・・・・

房州・洲崎(すのさき)で一家のように暮らす駒井甚三郎たちのところに闖入してきた異国人のマドロス君、浅間の宿に宿泊する宇津木兵馬の部屋に闖入してきた泥酔の芸妓・松太郎。この二人の闖入者による二転三転の騒動が楽しいです。 大長編時代小説・第25話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠26・めいろの巻 
中里介山の 長編集です。
机竜之助の父・弾正に拾われて育てられ、机家の水車番となった生い立ちの与八。不明だった実の親が明らかなります その人物とは 
偶然の成り行きで浅間温泉の芸者・松太郎と道連れとなりますが、厄介な仏頂寺弥助たちと再会してしまう宇津木兵馬。小田原でさらし者にされてしまったがんりきの百蔵を助けてやる女軽業の親方・お角、般若の面を頭にのせた姿から「海竜(うみりゅう)」が出たと村中で大騒ぎになってしまう清澄の茂太郎、実家である藤原家の屋敷を火事にしてしまったお銀様の心と、おしゃべり弁信法師の・・・・・

木曽福島までやって来た長者町の道庵先生と宇治山田の米友の旅。生活のためやむなく娘を売って馬を買ったという百姓と出会った道庵先生。 川で溺れた人も助けちゃう道庵先生と米様はすごい  主要な登場人物たちの日々を描いています  大長編時代小説・第26話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠27・鈴慕の巻 
中里介山の 長編集です。
机竜之助が吹く尺八の音とも知らず、信州・白骨温泉まで引き寄せられて来た宇津木兵馬。親切なお雪ちゃんの世話を受ける兵馬でしたが、果たして敵(かたき)である竜之助の存在を感じることがでしょうか 
「いったい、・・・・・

「どんな夢といって、夢のことだから、とりとまりはないのさ。けれども不思議だな、夢を見ているうちだけが、人間らしくなるよ」  大長編時代小説・第27話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠28・Oceanの巻 
中里介山の 長編集です。
銚子の海で沈没した外国の密猟船。念願の蒸気機関を入手するため、沈没船の引揚作業を行うことにした駒井甚三郎。
一方、清澄の茂太郎は、房総第一の高山に登って、仔牛の「チュガ公」と戯れたり、洲崎(すのさき)の陣屋に戻って、岡本兵部の娘・もゆると一緒に、浦賀に現れた・・・・・

親がいない同士の茂ちゃんとチュガ公の交流が素晴らしく心温まります。 大長編時代小説・第28話。
歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠29・年魚市の巻 
中里介山の 長編集です。
名古屋までやって来た道庵先生と宇治山田の米友の珍道中です。一方、お銀様も女軽業の親方・お角さんに連れ出されて名古屋へ。
机竜之助を連れて白骨温泉を出立しようと思い定めるお雪ちゃんの白川郷への憧れ。飛騨の平湯の温泉に着いた宇津木兵馬は、死んだ嫂(あによめ)・お浜と邂逅します。
岡本兵部の娘・もゆるが、酔いどれのマドロス君に辱めを受けたと知った駒井甚三郎でしたが、当のもゆるからマドロスを・・・・・

船を製造して海外へ移住するという駒井甚三郎の計画を聞かされ、自分の前途への希望を見出す七兵衛でした。  大長編時代小説・第29話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠30・畜生谷の巻 
中里介山の 長編集です。
机竜之助を連れて、憧れの白川郷を目指し白骨温泉を出立したお雪ちゃん。飛騨の高山にやって来た宇津木兵馬は、英気溌剌ゆえにこの地に幽閉されている高村卿の公達(きんだち)にすっかり気に入られます。
名古屋での待遇の良さに有頂天になっている道庵先生は、大聴衆の前で講演します。香具師(やし)に売られて行く可哀相な小熊と出会った宇治山田の米友は、「絶対的にこの熊を・・・・・

「ムクはいい犬だったなあ、いい犬だよ、あんないい犬は、天下に二つとはありゃあしねえ、今はどこにどうしていやがるか」   大長編時代小説・第30話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠31・勿来の巻 
中里介山の 長編集です。
時節柄、房州・洲崎(すのさき)も物騒となり、安全な場所まで船出することにした駒井甚三郎。駒井の船に乗るため、郁太郎(竜之助の子)と登(駒井の子)を連れて、武州・沢井を出立するお松。日本中の霊場巡りをしたいという水車番の与八と涙のお別れです。
しばらく鳴りを潜めていた“辻斬り”の病が兆す机竜之助。根岸に閑居している神尾主膳は、この頃、何を・・・・・

与八と郁太郎の肉親以上の心の結びつきに涙がでます   大長編時代小説・第31話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠32・弁信の巻 
中里介山の 長編集です。
女好きの新お代官・胡桃沢に拉致されてしまったお雪ちゃん。それを知った机竜之助は、胡桃沢の首を斬り落とし、胡桃沢の愛妾・お蘭を連れて・・・・・

ひとまず陸前・石巻へ向かって蒸気船「無名丸」を出航させる駒井甚三郎、巡礼の旅に出発した水車番の与八と郁太郎、砂金堀りの少年・忠作と再会したお絹、焼ヶ岳が噴火してもまったく動じない弁信法師、例の折助連(安直と金茶)の反逆に慌てて名古屋を出立する道庵先生と宇治山田の米友。 大長編時代小説・第32話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠33・不破の関の巻 
中里介山の 長編集です。
高山方面(机竜之助、お雪ちゃん、弁信など)と、名古屋方面(お銀様、米友、お角など)が関ヶ原に集結します 

甲州・有野村の藤原家の当主・伊太夫(お銀様の父)にすっかり気に入られる・・・・・

お絹(マダム・シルク)のお蔭で異人相手の商売を思いつく砂金堀りの忠作、お松に対する兵部の娘(もゆる)の嫉妬が悩みの種となる駒井甚三郎、関ヶ原で前代未聞の大模擬戦をやる破目に陥る道庵先生でした。
大長編時代小説・第33話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠34・白雲の巻 
中里介山の 長編集です。
牡鹿(おじか)郡の月ノ浦に蒸気船「無名丸」を着船させた駒井甚三郎。裏宿の七兵衛の働きで、旅絵師・田山白雲と駒井は久々に再会します。
岡本兵部の娘(もゆる)を連れて船を逃げ出してしまうマドロス君、町奉行の内命を受けた仙台の盗賊・仏兵助(ほとけひょうすけ)に・・・・・

登場人物たちの語られる口からの中里介山の博識には 驚愕します  大長編時代小説・第34話。
歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠35・胆吹の巻 
中里介山の 長編集です。
胆吹山(いぶきやま)の麓(ふもと)の広大な土地を購入し、思い通りの理想の国を作ろうと開墾事業を始めたお銀様。お雪ちゃんの夢の中で議論を・・・・・

当主・伊太夫(お銀様の父)に請われるまま、有野村の藤原家に腰を据えた水車番の与八は、いつの間にか周りに集まってきた村里の子供たちに、お松ばりに勉強を教えたり、道庵ばりに怪我を治したりします。与八の善行ぶりに自然と涙が溢れます。  大長編時代小説・第35話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠36・新月の巻 
中里介山の 長編集です。
飛騨の高山で再会した芸妓(げいしゃ)・福松(松太郎)に泣き付かれ、一緒に加賀の白山へ向けて出立する宇津木兵馬、宇治山田の米友に心を許すお銀様は、米友を誘惑、性の問題で活発に・・・・・

宇津木兵馬との絡みで度々登場してきた剣客・仏頂寺弥助と友人・丸山勇仙が何と自殺してしまいます 厄介でしたが二人の自殺は衝撃的です。 大長編時代小説・第36話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠37・恐山の巻 
中里介山の 長編集です。
恐山からやって来た長剣短身の青年・柳田平治と、北上川の渡頭(わたしば)で出会った田山白雲。駆け落ちしたマドロス君(ウスノロ氏)と兵部の娘・萌(もゆる)を取り押さえた白雲は、二人を「無名丸」に連れ戻します。
道連れの芸妓(げいしゃ)・福松と飛騨・小鳥峠を行く宇津木兵馬は、自殺した仏頂寺弥助と丸山勇仙の亡霊と邂逅(かいこう)します。机竜之助に小指を殺(そ)ぎ落とされてしまうがんりきの百蔵、富士山へ登山参詣した帰りだという老婆に親切にする水車番の与八、長浜の知善寺に寄留して・・・・・

両国の女軽業の親方・お角は、新撰組の副将・土方歳三(ひじかたとしぞう)と近づきだったのです  大長編時代小説・第37話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠38・農奴の巻 
中里介山の 長編集です。
草津の辻で冤罪の晒し者になってしまった宇治山田の米友が大ピンチです   琵琶湖上でお月見をするお雪ちゃんでしたが、机竜之助に「死にたい」といいます。

奥州の台(だい)の温泉(ゆ)で、捕方の仏兵助(ほとけひょうすけ)に追い詰められた裏宿の七兵衛。湯壺の若い・・・・・

生命の危機に直面する三人(米友、お雪、七兵衛)の運命はどうなるのでしょう  大長編時代小説・第38話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠39・京の夢おう坂の夢 
中里介山の 長編集です。
琵琶湖上で心中らしき男女を助け上げる女軽業の親方・お角。この男女の正体はもしや    お銀様と伊太夫の親子を対面させようと奔走する不破の関守氏。百姓一揆の気運が高まる中、胆吹王国の留守を預かる青嵐居士の手腕。
裏宿の七兵衛とお喜代も無事に乗り込んだ駒井甚三郎の無名丸は、・・・・・

。旧友・中川健斎(山城・田辺の医者)と再会した長者町の道庵先生。勝海舟の父親が書いた自叙伝「夢酔独言」を夢中になって読む旗本・神尾主膳。机竜之助の夢魂の中で展開される新撰組の近藤勇と伊東甲子太郎の抗争  
 長篇大作・第39話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠40・山科の巻 
中里介山の 長編集です。
山科の光悦屋敷を買い取ったお銀様に、重要美術品の蒐集を提案する不破の関守氏。京都に現れた机竜之助は、色里・島原で遊んだり、新撰組の斎藤一と交流したり。福井で温泉宿を持つ夢を見出した芸妓・福松と手際よく別れた宇津木兵馬でしたが、何か大事なものを落として来たような気になります。
勝海舟の父・夢酔道人の自叙伝「夢酔独言」に読みふける神尾主膳。郁太郎(竜之助の子)の教育の・・・・・

「与八、お前は貧乏に生れて、棄児にされたその運命を恨んではいけないぞ、その運命というものが、お前を教育する恩人だということを忘れちゃいけないぞ 、貧乏はこの世界の最もよい教師だということを忘れるなよ」  長篇小説・第40話。歴史小説のおもしろい作品です
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大菩薩峠41・椰子林の巻 
中里介山の 長編集です。
太平洋上の無人島に上陸した駒井甚三郎の無名丸。遂に理想の国建設の第一歩を踏み出す。船長と秘書の関係だった駒井とお松が電撃結婚します 一方、神尾主膳はお絹と仲良く京都へ行くことになります。
机竜之助は胆吹山の女賊に殺されたと思い込む宇津木兵馬。洛北岩倉村の岩倉邸の前で大騒動を・・・・・

久々 面目躍如  机竜之助は大原・寂光院の美しい老尼の世話になります。
およそ自分の理想の新社会を作ろうとして、その実行に取りかかって、失敗しなかったものは一人もありません
大菩薩峠は 世界一の長編集です   作者死亡のため未完は 大変残念です  歴史小説のおもしろい作品です
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