幸田露伴(こうだ・ろはん)/鵞鳥 観画談 蘆声(ろせい)  <あらすじ 要約>計4冊

幸田露伴(こうだ・ろはん)/鵞鳥 観画談 蘆声(ろせい)  <あらすじ 要約>計4冊
 

————————————————————————————————————
幸田露伴(こうだ・ろはん) 
————————————————————————————————————

鵞鳥 
幸田露伴の 短編集です。「あなたは今日はどうかなさったの」。美術学校の教師をしている夫・若崎の様子がいつもと違い、心配する女房でした。天皇の前で鵞鳥(がちょう)の鋳像を製作することになった若崎でしたが、失敗を怖れて・・・・・

同僚で木彫家の中村からアドバイスを受けます。「なるほど。何の道にも苦しい瀬戸(せと)はあるのだ。有難い。お蔭で世界を広くしました」。芸術家の苦悩と覚悟を描いた作品です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あらすじの続きを読む

観画談 
幸田露伴の 短編集です。苦労して大学に入り、同級生から“大器晩成先生”などというあだ名を付けられた主人公の男です  病気のため、暫く学事を放擲(ほうてき)して、心身の保養に力(つと)めることになります。 漫遊の末、奥州の僻地窮境にある貧乏寺に辿り着いた晩成先生でした。「御やすみになっているところを御起しして済みませんが、夜前(やぜん)からの雨があの通り甚(ひど)くなりまして、渓(たに)が俄(にわか)に膨れてまいりました。幸(さいわい)なことにはこの庭の左方(ひだり)の高みの、あの小さな滝の落ちる小山の上は絶対に安全地で、そこに・・・・・

一枚の風俗画に人生の活路を見出す男の姿を描いた秀作作品です。ホラー小説でもあります

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あらすじの続きを読む

貧乏 
幸田露伴の 短編集です。すっからかんの亭主・金(きん)さんのために、帯を売って酒代を工面する女房・おとまでした。食べるものも売るものもなくなり、一枚の富籤(とみ)の札(ふだ)に将来をかけるしかない夫婦。「そんなら汝(てめえ)、おれが一昨日(おととい)盗賊(ぬすみ)を・・・・・

「金さん汝(おまい)情無い、わたしにそんなことを聞かなくちゃアならない事をしておくれかエ。エ、エ、エ」。きっぷのいい江戸弁の会話を通して描かれる夫婦の愛情が とてもいい作品です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あらすじの続きを読む

蘆声(ろせい) 
幸田露伴の 短編集です。毎日のように中川べりへ出かけ、釣りを楽しむようになった「自分」は、ある日、みすぼらしい身なりをした十二、三歳の少年と出会います。母親に吩咐(いいつけ)られて釣りに来たという少年の家庭の事情をききます。「ほんとのお母(っか)さんでないのだネ。
明日(あす)の米を・・・・・

最初のうちに抱いた印象とは違い、少年の聡明で美しい性質を知って、心を動かされる主人公の様子がとても素晴らしいです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あらすじの続きを読む