江戸川乱歩/D坂の殺人事件 パノラマ島綺譚 人間椅子<あらすじ 要約> 計30冊

江戸川乱歩/D坂の殺人事件 パノラマ島綺譚 人間椅子<あらすじ 要約> 計30冊

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江戸川乱歩 (えどがわ・らんぽ)
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夜泣き鉄骨 
海野十三の 短編集です。第九工場の巨大なクレーンが、真夜中にキィーッと音を立てて泣きます   そんな噂を・・・・・

「ク、クレーンが」、「ひえーッ」。電気なしで動くクレーンの謎と、熔融炉に飛び込んで自殺した組長の妾・おせいとの関連は  怨霊の仕業だと思われた事件の意外な真相を描いたホラー・サスペンス作品です。
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赤い部屋 
江戸川乱歩の 短編集です。怪異クラブ「赤い部屋」の新入会員T氏が話す奇怪な身の上話です。退屈な日常に飽き飽きしたTは、「絶対に法律に触れない人殺し」に夢中になります。瀕死者を藪医者へ担ぎ込ませたり、小便をかけさせ子供を感電死させたりします。「私という男は、そんな悪事を・・・・・

私は狂人なのでしょうか。あの殺人狂という恐ろしい病人なのでしょうか」。三年足らずの間に九十九人もの命を奪ったTの百人目の犠牲者は  どんでん返し連続の怪奇探偵小説作品です。
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一枚の切符 
江戸川乱歩の 短編集です。富田博士の妻が自宅裏で列車に轢かれて死亡しました。肺結核を苦にしての厭世自殺だと思われましたが、刑事・黒田清太郎の推理によって、事件の真相が明らかになります。犯人は富田博士で、妻を毒殺した後、自殺に見せかけるため、死体を線路まで運んだのです。

しかし、富田博士を尊敬している青年・左右田(そうだ)五郎は、黒田刑事の推理に異を唱えます。「それはどういう意味だ・・・・・

足跡の巧妙なトリックと、どんでん返しのオチが興味ぶかい探偵小説作品です。
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押絵と旅する男 
江戸川乱歩の 短編集です。押絵細工で描かれた絵の中の人物(洋服の老人と結い綿の美女)についての身の上を語り始める男がいました。 「いけません。いけません。それは さかさですよ」。双眼鏡を逆さにして絵を覗くことを慌てて止める男の謎と・・・・・

観音様の境内で見かけた美しい娘の正体は何と 浅草・凌雲閣を舞台とした世にも不思議な物語です。究極の恋を描いた傑作作品です。 ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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お勢登場 
江戸川乱歩の 短編集です。病弱の夫・格太郎を放って不倫の恋に溺れる妻・お勢(せい)でした。今日もまた家に置いてけぼりを食った格太郎は、子供達と隠れん坊をして遊ぶことにしました。押入れの長持の中に隠れるが、掛け金がかかって出られなくなってしまいます。密閉された長持の中で格太郎が窒息の・・・・・

悪女の本質は、色香よりも咄嗟(とっさ)に思い立つ悪事にあるのです  奸婦(かんぷ)・お勢の活躍を描いたホラー小説作品です。
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恐ろしき錯誤 
江戸川乱歩の 短編集です。「勝ったぞ、勝ったぞ、勝ったぞ」。妻・妙子が火事で焼け死んでしまったのは、恋敵(こいがたき)であった野本氏の復讐によるものであったと知った北川氏でした。妙子の遺品であるペンダントを使ったトリックによって、野本氏に復讐を・・・・・

「おれはどんなこまかい点までも、注意に注意して事を運んだつもりだった。

取り返しのつかない錯誤(脳髄の盲点)を描いたどんでん返しが興味ぶかい作品です。
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鬼 
江戸川乱歩の 短編集です。長野県S村の豪家の娘・山北鶴子が惨殺死体で発見され、鶴子の許嫁である村長の息子・大宅幸吉が逮捕されました。大宅には恋人・絹川雪子がいて、鶴子を嫌っていました。親友である大宅を助けるため、事件の調査に乗り出す青年探偵小説家・殿村昌一でした。

事件の数日前に現場付近に等身大の人形が転がっていた謎と・・・・・

「犯人はほかにあることが、今やっとわかったのです。想像もできない邪悪です」。犯人の意外性だけでなく、奇想天外なトリックも相当に興味ぶかい作品です。
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鏡地獄 
江戸川乱歩の 短編集です。私に一人の不幸な友だちがあるのです。名前は仮りに彼と申して置きましょうか。幼少時から、レンズや鏡を嗜好していた彼は、莫大な費用を投じて、凹面鏡、凸面鏡、波型鏡、筒型鏡などを使った鏡の装置を・・・・・

夢想することも許されぬ、恐怖と戦慄の人外境   世にも恐るべき悪魔の世界  鏡の恐怖を描いた怪奇小説作品です。
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兇器 
江戸川乱歩の 短編集です。アプレ成金の佐藤寅雄が自宅の洋室で何者かに胸を刺されて殺害されました。現場の靴跡から犯人は、寅雄の妻・美弥子と以前同棲していたフランス料理のコック・関根五郎だと思われたが。「庄司君、君は今度の事件でも、このAB線にこだわっているんだよ。ずるい犯人はいつもAB線を用意している。そして、捜査官をそれに引っかけようとしている。さあ、今度の事件のAB線は・・・・・。

図形の問題を例にした推理が楽しく、兇器のトリックも興味ぶかいです。名探偵・明智小五郎の活躍を描いた推理小説です。
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疑惑 
江戸川乱歩の 短編集です。何者かに父親を殺害された学生Sとその友人による会話だけで構成された探偵小説です。深夜一時ごろ、家の庭で父親を斧で殴殺した犯人が、家族(母親、兄貴、妹)の中にあると疑うSだが。「どうも、学問のあるやつの妄想には・・・・・

そんな君、人殺しを胴忘れするなんて、間抜けた話がどこの世界にあるものか」。事件解決のカギとなる 忘却の心理学 が興味ぶかい作品です。
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黒手組 
江戸川乱歩の 短編集です。実業家の娘・富美子が「黒手組」と自称する賊徒の一団に身代金目的で誘拐されます。名探偵・明智小五郎は、この難事件をいかにして解決することができたのか  「じゃ、さっき きみは、黒手組と約束し・・・・・。

身代金引渡現場に犯人の足跡だけがなかった謎と、ハガキの文面に隠された暗号の解読。誘拐事件の意外な真相を描いていく興味ぶかい作品です。
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湖畔亭事件 
江戸川乱歩の 長編集です。
H山中のA湖畔にある旅館「湖畔亭」に暫(しばら)くの間、滞在することになった私(主人公の青年)です。自分で作った覗き眼鏡(めがね)の装置を、浴場の脱衣場に取り付け、鏡とレンズの作用で自分の部屋から覗けるようにした私は、裸体の隙見(すきみ)を楽しむが、ある夜、若い女性がある男に短刀で刺殺される場面を覗いてしまいます。脱衣場へ検(しら)べに行くが、犯人の姿は既になく、女の死体もはや消えてなくなっていたのです。

芸者の長吉(ちょうきち)が事件後に行方不明に・・・・・

被害者は長吉で、犯人はトランクの男たち(松永と木村)だと思われました。しかし、犯罪事件の探偵に興味を持つ宿泊客の青年・河野の推理によって、意外な犯人が明らかになり、湖畔亭事件は解決するのです。
どんでん返しの展開が大いに興味ぶかい一気読みの傑作作品です。
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心理試験 
江戸川乱歩の 短編集です。下宿屋の老婆が、床の間の植木鉢の底に大金を隠していることを、友人の斎藤勇から聞いた大学生・蕗屋(ふきや)清一郎でした。老婆殺害の完全犯罪を実行した彼は、笠森判事による心理テスト(連想診断)も完璧にこなしてみせるのです。「つまり急所にふれない限りは、できるだけあからさまに・・・・・

裏の裏を行くやり方ですね。そこで僕は更にその裏を行ってみたのですよ」。犯人の「無技巧主義」を逆手にとった探偵・明智小五郎の推理に大満足します。いい作品です
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接吻 
江戸川乱歩の 短編集です。一枚の写真を眺めて、接吻したり、抱きしめたりしている新妻・お花の姿を目撃した山名宗三です。正面のタンスにお花がこっそり仕舞った写真の男は、役所の上司・村山課長でした。やきもち焼きの宗三は、短気を起こして役所を辞めてしまいます。しかし、お花は、・・・・・

「僕は小さな障子の穴から覗いたのだから、左側のタンスなぞ、だいいち見える道理がないのだ」。ちょっとしたトリックと、含みのあるラストが愉しいユーモア小説作品です。
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算盤が恋を語る話 
江戸川乱歩の短編集です。女事務員のS子に恋をした造船会社の会計係りのTだが、内気で臆病者のため、面と向かって告白しますことができません。算盤(そろばん)にあらわした数字による暗号通信で、S子をデートに・・・・・

「ここへ算盤をお出しになるの、あなたでしょ。もう先からね。あたしどういうわけだろうと思っていましたわ」。オチが興味ぶかいユーモア小説作品です。
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D坂の殺人事件 
正岡容の 短編集です。「古本屋のおかみさんは、あんなきれいな人だけれど、はだかになると、からだじゅう傷だらけでした。たたかれたり抓られたりした痕に違いないわ」。東京のD坂にある古本屋の女房が密室で絞殺されました。犯人はどこから入って、どこへ逃げたのでしょう 

電灯のスイッチの指紋と、目撃証言が食い違う犯人の着物の色の謎。死んだ女の幼馴染・・・・・。

名探偵・明智小五郎がここで初めて登場します
ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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盗難 
江戸川乱歩の 短編集です。「今夜十二時の時計を合図に貴殿の手もとに集まっている寄付金を頂戴に推参します。ご用意を願います」。支教会の主任あてに、泥棒の予告の手紙が舞い込んできました。雑用係である私は、ちょうど通りがかった警官に警備を頼みますが、実はこの男は警官に化けた泥棒で、信者から集めた寄付金を、まんまと盗まれてしまいます。

犯人が捕まらないまま、二ヶ月が・・・・・

「あの時は実に痛快にやられたからね。さすがのおれも、君んとこの大将には、まんまと一杯食わされたよ。君、帰ったらよろしくいっといてくれたまえな」。ドンデン返しの結末が楽しめるユーモア・ミステリー小説です
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何者 
江戸川乱歩の中編集です。
鎌倉にある結城少将邸で強盗事件が発生し、少将の息子である青年・結城弘一(ひろかず)が何者かにピストルで撃たれ、足に重傷を負います。犯人はなぜ金銭には目もくれず、置時計や万年筆などの金製品ばかりを盗んでいったのでしょう  窓から侵入した犯人の・・・・・ 

被害者である弘一の理路整然たる推理によって、意外な真犯人が明らかになり、事件は解決したかに思えました。臆病者であるがゆえの本当の犯行動機とはなんでしょう 

少将邸に出入りします素人探偵・赤井の意外な正体が判明します  ラストも楽しい作品です。
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二銭銅貨 
江戸川乱歩の 短編集です。羅列された「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」の暗号トリックを見事に解明した貧乏青年・松村武は、逮捕された「紳士盗賊」が盗んだ五万円の意外な隠し場所を突き止め、まんまと大金を横取りすることに成功します。「君の想像力は実にすばらしい。よくそれだけの・・・・・

頭のよさでは敵(かな)わない。だが、君は、現実というものがそれほどロマンチックだと信じているのかい」。どんでん返しが楽しい探偵小説です。 ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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日記帳 
江戸川乱歩の短編集です。はたちで病死した弟の日記帳を読んだ私は、弟が遠縁の娘・北川雪枝と文通していたことを知って驚きます。内気な弟は、恋というものも知らずに、哀れにこの世を去ったとばかり思っていたからでした。しかし、弟の手文庫に大切に保存してあった雪枝からの葉書は、どれも恋文らしさがいささかも感じられない普通の文面でした。「おれはあんまり臆病・・・・・

葉書の日付けと、切手の貼り方に秘められた、あまりに臆病すぎる恋   若い男女の気の毒な失敗を描いたミステリー小説です。
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二癈人 
江戸川乱歩の 短編集です。「どうも不思議だ。この男の顔は確かにどこかで見たことがある」。温泉場で知り合いになった湯治客の井原氏と斎藤氏でした。井原氏は、夢遊病の発症で、夜中に他人の物を盗んだり・・・・・

夢遊病犯罪の真実を描いたどんでん返しもの小説作品です。
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人間椅子 
江戸川乱歩の 短編集です。美しい閨秀作家・佳子のところへ送られてきた奇妙な手紙でした。世にも醜い容貌の持主である家具職人の男の告白は、あまりに人間離れした、奇怪千万なる驚愕の内容でした。椅子の中の恋 
それは、ただ、触覚と、聴覚と、そして僅かの嗅覚のみの恋で・・・・・

椅子に座るのが怖くなること必至の怪奇ホラー小説です。どんでん返しのラストも興味ぶかい作品です。
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灰神楽 
江戸川乱歩の 短編集です。恋敵でもあったパトロンの奥村一郎を、時のはずみで殺害してしまった貧乏絵かきの河合庄太郎でした。奥村の部屋で、奥村のピストルを使って犯行に及んだ庄太郎は、ちょうど犯行時刻に外の広っぱで野球をしていた奥村の・・・・・

計画はまんまと成功したかに思えました。「君は灰神楽(はいかぐら)のことをやかましく言っていたが、どうしてそこへ気づかなかったのだろうね」。灰神楽からひらめいた突拍子もない計画が何とも興味ぶかいのです。
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パノラマ島綺譚 
江戸川乱歩の長編集です。
「もし俺が使い切れぬ程の大金を手に入れることが出来たらなあ。先ず広大な地所を買入れて、それはどこにすればいいだろう。数百数千の人を役(えき)して、日頃俺の考えている地上の楽園、美の国、夢の国を作り出して見せるのだがなあ」

常日頃から地上の楽園の創造を夢想している貧乏青年・人見廣介(ひろすけ)は、大学時代の同級生で、自分と瓜二つであったM県随一の富豪・菰田(こもだ)源三郎が急死したことを知ります。死んだ菰田が生き返ったことにして、まんまと菰田に成りすますことに成功した廣介は、菰田家の財産を湯水のように使って、離れ小島に理想郷の建設を始めますが、菰田の妻・千代子に偽者であることを見抜かれてしまいます。

「俺はお前がこの上もなく可愛い。一層(いっそ)お前と一緒に死んでいいと思っているのだ。だが、俺にはまだ未練がある。人見廣介を殺し、菰田源三郎を蘇生させる為に、俺はどれ程の苦心をしたか。そしてこのパノラマ国を築くまでにどの様な犠牲を払ったのか。それを思うと、今一月程で完成するこの島を見捨てて死ぬ気にはなれないのだ。だから、千代子、俺はお前を・・・・・

パノラマを駆使した世にも不可思議なる人工風景  狂気と淫蕩、乱舞と陶酔の歓楽境  地上の楽園「パノラマ島」を完成させた主人公の青年の破滅を描いた犯罪幻想小説です。確かにパノラマ島の描写に多少の退屈を感じますが、主人公が自分で創造した理想郷の歓楽の一部となって果てる最後に衝撃があって興味ぶかい作品です。
ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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一人二役 
江戸川乱歩の短編集です。人間は退屈しますと、何をはじめるか知れたものではないね。新しい服装をして、鼻の下へ つけひげまでして、別人に変装したTは、間男になって、自分の細君と夜ごとの逢瀬を重ねるのです。「あなたのお出でなさらぬ夜が淋しく感じられ・・・・・

細君が仮想の男(変装のT)を愛し始めたと知った彼は、嫉妬を覚える一方で、細君への初恋(ほんとうの恋)を発見します。本来のTという人物を辞職して、一方の仮想の男に完全になりきってしまうことにしたTでした。
夫婦円満小説作品です。
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覆面の舞踏者 
江戸川乱歩の 短編集です。友人の井上に誘われて秘密クラブ「二十日会」に入会した私でした。会長格の井関の発案で、覆面の舞踏会が開かれます。変装によって誰が誰だか判らない中、男女ペアになって乱舞する会員の男性と招待の女性たちでした。

何か見覚えのある女性とペアになった私は、踊り、泥酔し、一夜を共にして・・・・・

主人公がやらかしてしまった取り返しのつかない錯誤を描いている興味ぶかい作品です。
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夢遊病者の死 
江戸川乱歩の 短編集です。夢遊病が原因で、勤め先をしくじって、父親のところへ帰ってきた彦太郎です。「お前は毎日そうしてゴロゴロしていて、一体恥かしくないのか」。M伯爵邸で小使いをしている父親と、毎日のように喧嘩するようになった彦太郎は、・・・・・

犯人は夢遊病者である自分だと確信した彦太郎は、警察の目を盗んで、逃亡するのです。「逃げろ、逃げろ、さあ早く逃げるんだ」。凶器の意外性と、足跡の勘違いが興味ぶかいドンデン返しもの小説です。
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目羅博士 
江戸川乱歩の 短編集です。東京・丸の内にあるビルディングで発生した奇怪な連続自殺事件です。五階の北の端の部屋に入居してくる住民ばかりが、首をくくって自殺してしまうのは何故・・・・・

 「月の光って、なんて変なものでしょう。月光が妖術を使うという言葉を、読みましたが、ほんとうですね。同じ景色が、昼間とはまるで違ってみえるではありませんか」。月光の妖術  鏡の恐怖   幻怪なトリック  乱歩作品の傑作推理小説です。
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木馬は廻る 
江戸川乱歩の 短編集です。煩わしい家庭を逃れ、切符係の少女・お冬と毎日顔を合わせるのを生甲斐としている廻転木馬のラッパ吹き・格二郎でした。若い男がお冬のポケットに付け 文を入れるのを見た格二郎は、嫉妬心からその手紙を・・・・・

おれは、ちゃんと、そのお金を用意してきているのだ。どうだ。驚いたか」。貧乏のこと、老後の不安のこと、もはや帰らぬ青春のこと。ガラガラ、ゴットン、ガラガラ、ゴットン、廻転木馬は廻りつづけます。老年の男の悲哀を描いた秀作作品です。
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モノグラム 
江戸川乱歩の 短編集です。学生時代に片思いしていた北川すみ子の弟と偶然会った私(栗原一造)でした。死んだすみ子の形見である懐中鏡に、私の写真と、IとSの組み合わせ文字(モノグラム)の刺繍があったことから、彼女もまた私に片思いしていたことを知るのでした。
すみ子の写真と・・・・・

「まあ、北川さんの写真じゃありませんか、どうしてこんなものがあったの。それに、まあ珍しい懐中鏡、ずいぶん古いものですわね」。四十男のおとぎ話の顛末を描いたユーモア作品です。
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屋根裏の散歩者 
江戸川乱歩の 短編集です。新築の下宿屋「東栄館」に引き移った青年・郷田三郎は、天井から各部屋を覗き見する「屋根裏の散歩」という楽しみを発見します。しかし、変態的な犯罪嗜好癖(しこうへき)のある彼は、隙見(すきみ)だけでは飽き足らなくなり、なんの恨みもない同宿者の青年・・・・・

「天井の節穴から、毒薬を垂らして、人を殺します  まあなんという奇想天外な、すばらしい犯罪だろう」。名探偵・明智小五郎の推理とトリックが楽しめる密室もの小説です。
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二銭銅貨 
江戸川乱歩の短編集です。独楽(こま)廻しに夢中になっている六ツの藤二でした。お母さんに新しい独楽の緒を買ってもらいますが、二銭安い分、みんなのよりも短いのでした。家が貧乏なため、お寺の角力(すもう)を見に行けない藤二は、仕方なく家の手伝いである牛の番をしますが。
「そんなに引っぱったら緒が切れるがな」、「ええい。皆のよれ短いんじゃもん 」、・・・・・

ああすべきだった、こうすべきだったと、自分を責めながらこの先 生きていかなければならないこと程つらく もの悲しいものはないのです。
ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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江戸川乱歩の短編集です。飼い猫の「紋」が、他家の魚を盗んだり、鶏をねらったりしますようになったため、近所の村人たちにすっかり嫌われてしまったばあさん でした。「捨てる云うたって、家に生まれ育った猫じゃのに可愛そうじゃの」。じいさんと相談して、仕方なく「紋」を捨てに・・・・・

「今度見つけたら、見つけ次第に叩き殺してやる 」。猫好きの人には何ともやるせないお話です。
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