枕草子/清少納言 <あらすじ、要約> 

枕草子/清少納言 <あらすじ、要約>

 

枕草子 は、日本で一番古い随筆文学(自分の体験や感想を書いたもの)で、作者は 有名な清少納言です。 枕草子の文脈は 天才女流作家の美的感覚がすばらしいです

清少納言は 一条天皇 の妻である 定子(ていし) に仕えていて、天皇のもう一人の妻である 彰子(しょうし) に仕えていたのが、源氏物語で有名な紫式部です。清少納言と紫式部は仲が悪かった と誤解されていますが、実際には二人が宮仕えしていた時期は異なるので、面識はなかったと考えらています。

ただ紫式部の方が、日記の中で一方的に 清少納言は 大嫌い という表現をしているので、不仲説が取り上げられているのです  清少納言本人は、父親もひいおじいさんも有名な歌人であったため、小さい頃から文学に親しんでいました。

そのため、清少納言は高い教養を身につけ、知性的 に風景をとらえる特徴があります。
また、和歌の才能も抜群で、現代に残っている 百人一首 にも

夜をこめて 鳥の空音(そらね)は 謀(はか)るとも

よに逢坂(あふさか)の 関は許(ゆる)さじ

(夜中のうちに 鶏(ニワトリ)のまねをして夜明けだとだまそうとしても 私たちの間にある逢坂の関を越えることは許されません  あなとと男女の関係をもつことはありません)

という歌が残っているほどです。

清少納言の 情景表現の美しさ は素晴らしいですが 、約300段ある題目のなかには ねたましい といった、嫌なことを言っている話も多く存在します。 不思議なことに嫌味な感じはまったくせず、いやな客人や 蚊の飛ぶ音 など、共感するものが多いとの印象を受けます。

300段 とはいっても、ほとんどが短い文章なので、短時間もあれば全文を読了できます。

 

枕草子/清少納言<あらすじ 要約>

春はあけぼの(第1段)

□ 春は明け方がいいです

□ 少しずつ周囲が白くなってきて、山頂が明るくなり、紫がかった雲がたなびいているさまはとても

いいです

□ 夏は夜がいいです

□ 月が出ていればなおよく、ホタルが飛び交っている様子も、雨が降るのも趣があります

□ 秋は夕暮れがいいです

□ 夕暮れにカラスがねぐらに帰るさまや、夜の風の音、虫の音の美しさは趣があります

□ 冬は早朝がいいです

□ 雪の降り積もった景色、霜で真っ白になる様子もすばらしいです

虫(第43段)

□ 虫は鈴虫。ひぐらし。蝶。松虫。こおろぎ。きりぎりす

□ 親を呼ぶかのように、弱弱しく心細そうに鳴く様はなんともいじらしいでしょう

□ ハエは可愛げがないでしょう

□ わざわざ相手にするほどの大きさではないが、いろいろなものにとまって憎たらしい

□ 夏虫はたいへん可愛らしいでしょう

□ 読書をしていると、本の上に飛んできて歩いている様はおもしろいでしょう

うつくしきもの(第151段)

□ 可愛らしいもの

□ 瓜(うり)に書いた赤ん坊の顔

□ 小さい子供がちり紙を見つけて、可愛らしい指でつまんで大人に見せている様子

□ 幼児と遊んでいたら、そのまましがみついて寝てしまった様子

□ 鳥の雛が、ぴよぴよと人の側をついて歩いている様子

悪口(第255段)

□ 人の悪口を言っていると怒る人がいるけれど、困ったものです

□ 悪口はどうしてもいいたくなってしまいます

□ ただ、本人の耳に届くと恨まれることもあって、こちらも困ってしまいます

□ 相手によっては悪口を我慢することもあるけれども、そうでなければ笑いものにしてしまうでしょう

 

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