渡辺温(わたなべ・おん)/赤い煙突,アンドロギュノスの裔 他,<あらすじ 要約>計15冊

渡辺温(わたなべ・おん)/赤い煙突,アンドロギュノスの裔 他,<あらすじ 要約>計15冊

  あらすじ

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渡辺温(わたなべ・おん)
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赤い煙突
渡辺温の 短編集です。可哀相なあたしの赤い煙突。部屋の窓から見える三本の煙突を眺める病弱な少女は、一度も煙を吐かない真中の赤い煙突を、まるで自分のように感じていました。煙突の邸に住む青年と親しくなった彼女は、赤い煙突から煙が出るようになったことを喜びますが、青年は彼女の前から去ってしまい、赤い煙突も再び煙を・・・・・

どんな悲しみも消えるほどに悲しすぎる物語です
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或る母の話
渡辺温の 短編集です。ある商事会社に就職した智子は、物心がつく前に死んだ父親にソックリの青年技師・浅原礼介と出会い、恋に落ちます。浅原と婚約した智子は、母親に彼を引き合わせますが、衝撃の事実を・・・・・

「ねえ、お母さん、お父さんに似ているとお思いにならなくって  」、「ほんとうに、そっくりでいらっしゃること」。一途に貫き通した純愛が美しくも物悲しい物語です。
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アンドロギュノスの裔
渡辺温の 短編集です。有名な映画女優に身分不相応の片恋(かたおもい)をした下士官のY君でした。女優の家を眺めるのが休日の日課となりますが、女優の家の女中・ベアトリイチェに恋していると勘違いされてしまいます。成り行きで彼女に・・・・・

「いやいや、飛んでもない。そんな大それた願いを、どうして僕が抱くものでしょうか」。 無念な恋のてん末と青春の終焉を描いた悲喜劇の作品です。
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イワンとイワンの兄
渡辺温の 短編集です。父の遺言に従い、イワンの兄が全ての財産を相続し、出来の悪いイワンには「行末」の入った銀の小箱の鍵だけが渡されます。兄の婚約者である美しい娘に恋をしたイワンでした。銀の小箱の鍵が欲しい兄は、鍵と交換に娘を・・・・・

考え深い父がイワンのために遺した、食うに困らぬ安楽な「行末」とは一体なんでしょう   こうなることを予想していた先見の明の父親はすごいです   教訓めいた話があり興味ぶかい作品です。
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渡辺温の 短編集です。銀座通りを散歩中、穴のあいたオレンジ色のジャケツを着た少女と出会った井深君でした。食事をおごってあげた彼は、外套を買うお金をあげようとしますが、少女は受け取ろうとしません。少女にお金をあげる立派な理由(わけ)があるという井深君は、ある日・・・・・

「まあ、あなた  とてもいいネクタイピンをしていらっしゃるわね」。嘘のてん末 そして大ドンデン返しの作品です。
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遺書に就て
渡辺温の 短編集です。洋画家・葛飾龍造と、葛飾の妻・美代子、葛飾の同居人・小野潤平の三角関係の末に、小野が葛飾の画室で死亡した事件です。美代子の陳述によって、小野がピストル自殺したものと思われましたが、自殺に見せかけた他殺に違いないと考えた刑事は、葛飾の・・・・・

そして、真相を突き止めたかに思えました。 最後に 二転三転のストーリーが楽しめるミステリー作品です。
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可哀相な姉
渡辺温の 短編集です。
口のきけない姉と二人きりで暮らす少年。女優に恋した彼は、髭(ひげ)を生やし始めるが、なぜか姉は彼が大人になることを嫌います。髭を生やすことがなぜいけないのでしょう   姉の商売(花売り)に疑問を抱いた彼は、彼女を尾行します。「姉さんの花を・・・・・

大人になるということが、どんなに悲しいことであるかを思い知らされます、そんな残酷な物語です。
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渡辺温の 短編集です。
海岸のホテルで出会った青年を見初めた女優がいました。「あなたに、もしや、お兄さんが一人 おありになりはしませんでしたか」。青年から声をかけられた女優は、意外な話を聞かされます。幼少の頃に別れ別れになった女優の兄が、妹とは知らずに女優に・・・・・

それを知った女優は。「そう、そうですけれども、ああ、それが、それが」。内気な青年の恋の冒険を描いて快い作品です。恋愛小説 です
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四月馬鹿
渡辺温の 短編集です。
四月馬鹿(エプリル・フール)を知らないという夫の文太郎に悪戯をして遊ぶ妻のエミ子でした。「江の島へ二人っきりで出かけるの厭   富士山や海が見える・・・・・

文太郎のメモを盗み読みしたエミ子は、文太郎が浮気をしに外出したことを知り、不安で江の島まで行きますが、どこを探しても文太郎の姿は見当たりません。最期のオチが楽しいユーモア小説です。
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少女
渡辺温の 短編集です。
赤坂を散歩中、料理店で何やら口論している現場に出くわした内気な青年・井深君です。空色の水兵服を着た不良少女が無銭飲食したというのです。その少女は、井深君が片想いしている園田男爵の娘・チエ子にそっくりでした。少女を・・・・・

「いい子にならなくてはいけないねえ、わかったかいじゃあ、さよなら」。思い込み が人間を大胆にするという、とってもいい物語です。
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勝敗
渡辺温の 短編集です。肺病の弟・旻を看病する兄・晃一の妻・幸子でした。幼い頃から晃一の許嫁として、兄弟と一緒に育てられた幸子は、学生時代に旻と駆け落ちしたことがありました。「あたし、死にかけた人間なんかに・・・・・

幸子は晃一と旻のどちらを愛していたでしょうか   ラストの 二転三転の真相は   三角関係の悲劇を描いたミステリー小説です。
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象牙の牌
渡辺温の 短編集です。命を狙われているので遺言状を作成してほしいと俳優・清水茂から依頼された弁護士・西村敬吉でした。七年前、上海で厳しい則(おきて)のある秘密倶楽部に入った清水は、麻雀で大勝ちし、負けた相手の男から高価な「象牙の牌(ふだ)」を貰います。「では、お気の毒ながらやっぱり遺言状をお作りして・・・・・

僕にはどうも、それ以上、お力になる事は出来ません。相手は象牙菊花倶楽部ですもの。どうしたって  左様、金輪際 君の命は助かりませんね」。意表の最後が興味ぶかい作品です。
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花嫁の訂正
渡辺温の 短編集です。
隣り合った新居に住む二組の新婚夫婦でした。一緒に外出したのがきっかけで、急速に惹かれ合ってゆくAとBの細君です。二人の仲を知った生物学者のBが実行する“計画”とは   「Bが僕に復讐を決心したのなら、平気でそれを・・・・・

「なぜ、神さまは、最初にあたしとあなたとを会わせて下さらなかったのでしょう」。シリアスものかと思いきや、どんでん返しの最後が楽しい小説です。
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風船美人
渡辺温の 短編集です。
上野の博覧会の軽気球に乗るのが日課となった私は、やはり毎日乗りに来る西洋人・ミハエルと懇意になります。双眼鏡を覗き込んで、“地上の宝”とやらを探しているというミハエルです。博覧会の最終日、遂にその“地上の宝”を見つけます。「おお、地上の宝よ ・・・・・

「どれどれ  何処にいるのですか   私にも見せて下さい」。奇蹟は起こらない方がいい場合もあるようです。
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浪漫趣味者として
渡辺温の 短編集です。
優美なロマンティストの生活に憧れていた私は、生粋のロマンティストであるH氏と懇意になり、指導を受けます。その甲斐あって、酒場の美しい女給「星の花」からデートに誘われた私は、彼女にどんな指輪をプレゼントし・・・・・

「併し、ロマンティストとして、それはあまり」、「いやいや、僕は生え抜きのロマンティストですから」
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