徳田秋声(とくだ・しゅうせい)/あらくれ のらもの 他<あらすじ 要約>計6冊

徳田秋声(とくだ・しゅうせい)/あらくれ のらもの 他<あらすじ 要約>計6冊

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徳田秋声(とくだ・しゅうせい)
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あらくれ 
長編。
邪慳な実母に疎(うと)まれ、養家に貰われて育ったお島でした。働き者でしたが勝気で我が強い性格のお島は、いけ好かない養父の甥・作太郎との縁談を頑なに拒絶し続け、家を飛び出したり連れ戻されたりを繰り返します。
「厭だ厭だ、私死んでも作なんどと一緒になるのは厭です」。
鑵詰屋(かんづめや)の鶴さんとの短い結婚生活や、山国の寂れた町で旅館「浜屋」の主人と深い仲になったり、裁縫師の小野田と・・・・・

人に対する反抗と敵愾心のために絶えず弾力づけられていなければ居られないような性分の主人公・お島が、様々な男とかかわり合いながら、自分の落ち着き場所を切り拓いて行こうと模索し続ける姿を描いたバイタリティーあふれる波瀾万丈の人生です。 時代小説 です
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新世帯(あらじょたい) 
徳田秋声の 中編集です。
官吏の屋敷で奉公していた荒物屋の娘・お作と見合い結婚した新吉でした。開業して間もない酒屋の経営に精を出す新吉でしたが、気立てはいいが仕事の呑み込みが悪いお作に腹を立て、悪口(あっこう)を浴びせるなど、夫婦仲はしっくり行きません。
お作がお産のために実家へ帰って留守の間に、お国(拘引された新吉の友人・小野の妻)が新吉の家にやって来て、すっかり内儀(かみ)さん・・・・・

新婚生活の“現実”を描いた夫婦小説です。三人の気まずい同居生活や、二人の女性の対比、新吉の煮え切らなさが何とも可笑しいものです。読んでいて楽しい作品です

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或売笑婦の話 
徳田秋声の 短編集です。年期を勤めあげ、自由な体になった主人公の娼婦です。この先の落ち着き場所がない彼女は、このまま仕事を続けるが、馴染(なじ)みになった私立大学の学生に熱情的に口説(くど)かれます。「私よ。私来たのよ」、「誰かと思ったら君だったのか。僕は・・・・・

希望を抱いて、大学生の実家を訪れた彼女でしたが、「友人の姉さんが来た」と家族に紹介する大学生に、寂しさと淡い悔いを感じるのでした。興味ぶかい作品です
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爛(ただれ) 
徳田秋声の 長編集です。
「お神さんがないなんて、私を瞞(だま)しておいて、あなたもひどいじゃないの。」。年季が明けて自由な体になった元遊女のお増は、客だった会社員の男・浅井と所帯を持つが、浅井は女房持ちでした。
ヒステリな嫉妬を抱く浅井の妻・お柳(りゅう)に居場所を知られないよう、家を転々とするお増と浅井でしたが、お金に目の晦(くら)んだお柳の兄と話がつき、余儀なくお柳は田舎へ帰って行きます。
晴れて浅井と夫婦になったお増は、歓喜の情が胸に溢れますが、お柳に対する憐憫(れんびん)の情も胸に沁み拡がっていきます。
家に同居しているお今(お増の遠縁の若い女)と資産家の息子・室鎮雄(むろ・しずお)との縁談が停滞する中、秘密の関係を持ってしまう浅井とお今でした。二人を離れさせるため、大急ぎで・・・・・

いろいろの女に心が移って行く身勝手な男一人に縋(すが)っていくしかない女の生き方をよどみなく描いていく長編小説です。よみやすく感慨深い作品です  時代小説 です
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チビの魂 
徳田秋声の 短編集です。本能的な母性愛から子供がほしくなり、猫の仔(こ)か何かを貰うように十歳の女の子・咲子をもらうことにした芸者屋の圭子でした。可愛気がなく、剛情で、変わったところのある咲子に手を焼く圭子と情夫の・・・・・

生活力のない父親に捨てられ、多勢の人に見切りをつけられ、彼方へ行ったり此方へ遣られたりしても、結局、父親を懐かしく思い出す咲子が、何とも哀れです。興味ぶかい作品です  時代小説 です
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のらもの 
徳田秋声の 短編集です。「金さえあれば私達もそう不幸ではない筈なのに」。家計の苦しさから、銀座のカフェで働き始めた元娼妓の晴代でした。夫・木山の放蕩に手を焼く晴代は、純情を瀝(そそ)いで来た足掛け四年の結婚生活に・・・・・

「あの男、何だか見込がないような気がするの。寧(いっ)そ別れてしまおうかとも思うけれど」。興味ぶかい作品です  時代小説 です
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