岡本 綺堂/半七捕物帳シリーズ 弁財天の使 蜘蛛の夢 他<あらすじ 要約>計89冊

岡本 綺堂/半七捕物帳シリーズ 弁財天の使 蜘蛛の夢 他<あらすじ 要約>計89冊

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岡本 綺堂
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半七捕物帳1・お文の魂 
岡本 綺堂の 短編集です。「ふみが来た。ふみが来た」。お文という名の女の幽霊に夜な夜な悩まされている旗本・小幡伊織の妻・お道と幼い娘・お春。「もう小幡の屋敷にはいられませんから、暇を貰って頂きとうございます」。びしょ濡れの女の幽霊の意外な正体と、我が子を・・・・・

最初の捕物帳ですが 完璧な出来栄えにおどろきを感じます。江戸の風情を堪能できます。神田の岡っ引・半七の探偵談を描いたシリーズ第1話。 ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳2・石燈籠 
岡本 綺堂の 短編集です。老舗の小間物屋「菊村」の娘・お菊が行方不明になり、その数日後、お菊の母・お寅が何者かに刺殺されました。ふらりと家に帰って来て、また姿を消してしまったというお菊が犯人なのか  「ゆうべも娘は頭巾をかぶっていたんだね」、「ええ。・・・・・

石燈籠に残された足跡から犯人を突き止める半七の名推理。「これがまあ私の売出す始めでした」。半七が岡っ引になった経緯が興味深い作品です。駆け出し時代の半七の手柄話を描いた捕物帳シリーズ第2話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳3・勘平の死 
岡本 綺堂の 短編集です。年末恒例となっている素人芝居の最中に、何者かにすり替えられた真剣によって和泉屋の若旦那・角太郎が死亡しました。主人と妾の間に出来た継子である角太郎を邪魔に思った和泉屋のおかみさんの仕業なのか  角太郎と仲働きのお冬との関係を知った半七は、威勢良く和泉屋に・・・・・

「やい、こいつら。よく聞け。てめえたちは揃いも揃って不埒な奴だ。いけしゃあしゃあとした面をしていたって、どの鼠が白いか黒いかもう睨んでいるんだ」。半七の人情味が素晴らしい第3話です。 ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳4・湯屋の二階 
岡本 綺堂の 短編集です。「いつも手柄話ばかりしていますから、きょうはわたくしが遣り損じた懺悔話をしましょう」。愛宕下で湯屋を開いている子分の熊蔵から、怪しい若侍二人が暮も正月もお構いなしに毎日、湯屋にやって来て、何やら物騒な相談をしていると聞かされた半七。湯屋の二階に彼らが預けて行った箱の中には、何と干からびた人間の・・・・・

興味がわくストーリー展開からユーモラスへ収束する、見事な捕物帳シリーズ第4話です。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳5・お化け師匠 
岡本 綺堂の 短編集です。「何だ。なにがあった」、「人が死んだんです。お化け師匠が死んだんです」。慾の深い踊りの師匠・歌女寿(かめじゅ)が、蛇に頸を絞められて死亡しました。歌女寿に散々こき使われた末に衰弱死した姪・歌女代の魂が蛇に乗り憑(うつ)ったのか  
頸に巻きついていた蛇の様子から、・・・・・

色絡みの事件を解決していく半七の名推理。歌女代と経師職(きょうじや)の倅(せがれ)・弥三郎の悲しい恋物語作品です。捕物帳シリーズ第5話。
ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳6・半鐘の怪 
岡本 綺堂の 短編集です。「どうも人間らしい」、「やっぱり化け物かしら」。火事でもないのに半鐘が鳴るという事件が起こり、町内の人々は不安にかられます。若い女が襲われたり、洗濯物の着物が歩いたり。悪戯小僧の権太郎の仕業だと・・・・・

「そりゃあ好い兄貴だな。おめえは仕合わせだ。その兄貴をおれが今、ふん縛ったらどうします」、「おじさん、堪忍しておくれよう」。意外な犯人を突き止めていく半七の活躍を描いた捕物帳作品シリーズ第6話。
ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳7・奥女中 
岡本 綺堂の 短編集です。永代橋で茶店を営むお亀の娘・お蝶が何者かにさらわれた。どこかの大名の下屋敷と思われる大きい邸に連れ込まれたお蝶は、なぜか美しい着物を着せられ、美味しいものを食べさせられ、大切に扱われます。
「併しこの事は決して他言はなりませぬぞ。またそのうちに迎いに行くかも知れませぬが、その時はどうぞ・・・・・

不可思議な誘拐事件です。ハッピーエンドです 捕物帳シリーズ第7話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳8・帯取りの池 
岡本 綺堂の 短編集です。奇怪な伝説のある「帯取りの池」に、女の美しい帯が浮かんでいるのが発見された。その帯の持ち主は、何者かに絞め殺された若い娘・おみよだと判明します。行方不明になっている古着屋の息子・千次郎が、おみよと関係があったと知った・・・・・

おい、千次郎。正直に何もかも云ってしまえ」。帯取り殺人事件の意外な真相を描いた捕物帳シリーズ第8話。今回も大変おもしろいです。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳9・春の雪解 
岡本 綺堂の 短編集です。「どうもあすこは工合(ぐあい)が悪いんでしてね。気味の悪いような家でしてね」。女郎屋「辰伊勢」の寮で出養生している花魁(おいらん)の誰袖(たがそで)に贔屓(ひいき)にされている按摩の徳寿だが、何だか気味の悪い座敷にぞっとして、按摩を・・・・・

行方知れずになっている辻占売りの娘・おきんとの関連は  「その辻占売りの娘というのは容貌がいいんだな。年は十六七。むむ、間違げえのありそうな年頃だ」。「辰伊勢」の寮の秘密を描いた捕物帳シリーズ第9話。
ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳10・広重と河獺 
岡本 綺堂の 短編集です。二本立てです。
旗本屋敷の屋根から身元不明の女児の死体が発見された。広重の絵をヒントに意外な犯人を推理し、屋根の上の死体の謎を解く半七の活躍。「死んだ者より、生きたものを助ける工夫が大切だから、これからすぐに木場へまわって、この訳をよく云い聞かせてやらなけりゃあならねえ」
「ほんとうに河獺(かわうそ)なんぞが出ては困りますね」、「あいつは全く・・・・・

妾(めかけ)のお元の家から帰る途中、何者かに顔を引っ掻かれ、財布を盗まれた道具屋の隠居・十右衛門。お元の許婚(いいなずけ)であった瓦職人・政吉に嫌疑が掛かります。嫉妬と悪だくみ。捕物帳シリーズ第10話。
ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳11・朝顔屋敷 
岡本 綺堂の 短編集です。「狐に化かされたか。それとも神隠しか」。旗本・杉野大之進の息子・大三郎が、学問の試験を受けに行く途中、忽然と姿を消した。朝顔の花が咲くと必ず家に凶事が・・・・・

大三郎のお供をしていた中小姓(ちゅうごしょう)の平助と中間(ちゅうげん)の又蔵が怪しいと睨む半七。「お屋敷は朝顔屋敷朝顔を大層お嫌いなさるように承って居ります。その屋敷のお庭にことしの夏、白い朝顔の花が咲きましたそうで」。 捕物帳シリーズ第11話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳12・猫騒動 
岡本 綺堂の 短編集です。近所でも評判の孝行息子・七之助と暮らす老女・おまき。おまきが飼う二十匹の猫のいたずらに悩まされてきた長屋の住民たちは、猫を海に沈めてしまいますが、その数日後、おまきは不審な死を遂げます。
手先の熊蔵から猫騒動の話を聞いた半七は。「すぐに盤台の方をじろりと見て・・・・・

おまきさんの顔が。耳が押っ立って、眼が光って、口が裂けて。まるで猫のようになってしまったんです」。怪談&ミステリー。捕物帳シリーズ第12話。 ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳13・弁天娘 
岡本 綺堂の 短編集です。質屋「山城屋」の小僧・徳次郎が、死に際に「わたしは店のお此(この)さんに殺された」と言って病死した。山城屋の娘・お此は、どういうわけか縁遠く、婚約した男たちは皆、変死を遂げていた。この一件にかこつけて山城屋を強請(ゆす)る・・・・・

徳次郎は果たしてお此に殺されたのか   
たしかな急所が掴みにくい、あいまいな事件の真相とその余波があります。半七の推理が楽しめる捕物帳シリーズ第13話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳14・山祝いの夜 
岡本 綺堂の 短編集です。箱根へ行く途中、小田原の旅籠屋に宿泊した半七だが、そこで強盗殺人事件に出くわす。臨時に家来にした喜三郎が犯人であると知った若侍・小森市之助は、責任を取って、お供の中間(ちゅうげん)・七蔵を手討ちに・・・・・

慌てて助けを求めに来た七蔵を、逃がしてやる半七でした。「逃げてもようがすかえ」、「おめえがいなければ旦那を助ける工夫もある」。捕物帳シリーズ第14話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳15・鷹のゆくえ 
岡本 綺堂の 短編集です。鷹匠(たかじょう)の光井金之助が不注意で逃がしてしまった将軍家の鷹を、内密に捜索しますことになった半七。鷹が逃げた目黒の方に足を向けた半七は、立ち寄った蕎麦屋の娘・お杉が、鷹匠の吉見仙三郎と逢い引きしていることを知り。「わたくしは全くなんにも・・・・・

「まだ強情を張るか。貴様も大抵知っているだろうが、鷹を取れば死罪だぞ。貴様の首が飛ぶんだぞ」。捕物帳シリーズ第15話。 ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳16・津の国屋 
中編。帰り道に気味の悪い若い娘と道連れになった常磐津の女師匠・文字春。その娘は、酒屋「津の国屋」の貰い娘(こ)だったお安で、家をむごたらしく追い出された末に、変死していました。文字春は幽霊と道連れになっていたのだ。津の国屋は次々と災難に見舞われ、遂には店の女房・お藤と番頭の・・・・・。

事件を捜査します若い岡っ引・桐畑の常吉は、幽霊騒動の意外な真相を突き止めていきます。
怪談を中心に据えたストーリー展開でぐいぐい読ませます。半七は脇役に徹し、文字春と常吉を主役にした趣向。捕物帳シリーズ第16話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳17・三河万歳 
岡本 綺堂の 短編集です。鬼っ児のような牙の生えた赤ん坊を抱いたまま行き倒れた男。手のひらの鼓胝(つづみだこ)から、死んだ男は三河万歳(まんざい)の才蔵(太夫の相手をします道化役)の・・・・・

赤児の身元を調べる半七は、芸を仕込んでいた猫を殺された香具師(やし)の富蔵を詮議しますが、富蔵は火事で焼け死んでしまいます。 安定した面白さの捕物帳シリーズ第17話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳18・槍突き 
岡本 綺堂の 短編集です。往来の人間をむやみに突き殺すという物騒な犯罪「槍突き」が流行します中、駕籠屋が乗せた若い娘が槍突きに襲われてしまいます。しかし、駕籠(かご)の中にはなぜか黒猫の死骸が  老年の岡っ引・七兵衛は、駕籠屋に空(から)駕籠を・・・・・

武芸に長けた侍や浪人の仕業かと思いきや、竹槍と竹薮から犯人を突き止めていく七兵衛の活躍があります。興味ぶかい捕物帳シリーズ第18話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳19・お照の父 
岡本 綺堂の 短編集です。柳橋の芸妓・お照の父・新兵衛が何者かに寝込みを襲われて殺された。善人だと評判だった新兵衛が、近頃しきりに江戸を離れたがっていたのはなぜか  そして、怪しげな六十六部・・・・・
 両国の観世物小屋の河童(小僧の長吉)を取っ捕まえた半七は、遺恨の末の悲劇を知る。
半七の亭主関白ぶりも見える捕物帳シリーズ第19話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳20・向島の寮 
岡本 綺堂の 短編集です。向島の奥の寂しい所にある米問屋「三島」の寮に奉公に行ったお通(つう)は、土蔵に祀ってある大蛇に食物を供えるよう云い付けられるが、暗い土蔵の中には若い女が閉じ込められていた。「三島」の娘・おきわが、店の奉公人・良次郎と駆け落ちしたまま行方知れずになって・・・・・

不可解な駆け落ち事件の真相と、向島の寮の土蔵の秘密を描いた捕物帳シリーズ第20話。
ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳21・蝶合戦 
岡本 綺堂の 短編集です。白い蝶が異常発生した本所・竪川。「今年はおそるべき厄年。但しそれには必ず何かの前兆がある」と予言していた弁天堂の尼・善昌が、何者かに首を斬り落とされ・・・・・

弁天堂に近しく出入りしていた女髪結・お国が、ゆうべから姿が見えなくなったと知った半七は。捕物帳シリーズ第21話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳22・筆屋の娘 
岡本 綺堂の 短編集です。筆屋「東山堂」の看板姉妹の姉・おまんが毒死した。徳法寺の若僧・善周も毒死したため、二人は別々の場所で毒を飲み、心中したのではないかと思われたが。妹・お年の縁談話と、筆を取り換えにきた若い女・・・・・

半七の妹で、常磐津の師匠をしているお粂の助けを借りながら、心中事件の意外な真相を突き止めていく半七の活躍を描いた捕物帳シリーズ第22話。 たいへん興味ぶかい作品です。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳23・鬼娘 
岡本 綺堂の 短編集です。「いつかは弁天娘のお話をしましたから、きょうは鬼むすめのお話をしましょうか」。鼻緒屋の娘など三人が相次いで喉笛を啖(く)い切られるという奇怪な連続殺人事件が発生。白地の手拭をかぶり、白地の浴衣を着た鬼娘の仕業だと・・・・・

子分の庄太と共に捜査に乗り出した半七は、近所の鶏が盗まれるという事件が度々起きていることを知り。神田の岡っ引・半七の活躍を描いた捕物帳シリーズ第23話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳24・小女郎狐 
岡本 綺堂の 短編集です。「御仕置例書(おしおきれいがき)」の中に記された、小女郎狐(こじょろうぎつね)という変った事件について語る半七老人。人間を化かす小女郎狐の伝説がある下総の村で、猪番(ししばん)小屋で酔い潰れた五人の男が松葉いぶしで死亡した。子狐を殺された小女郎狐の・・・・・ 

探索に乗り出した八州廻りの目あかし・常陸屋の長次郎は、十五夜の晩に水死した村の娘・おこよの悲劇を知ります。捕物帳シリーズ第24話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳25・狐と僧 
岡本 綺堂の 短編集です。「これも狐(きつね)の話ですよ。しかし、これはわたくしが自身に手がけた事件です」。行方不明になった谷中(やなか)・時光寺の住職・英善の袈裟(けさ)法衣(ころも)を身に付けた狐の死骸が発見されるという奇怪な事件が出来(しゅったい)した。狐がいつの間にか・・・・・ 

師匠思いの小坊主・英俊から寺の事情を聞いた半七は、犯人を追って甲州街道を急ぎます。捕物帳シリーズ第25話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳26・女行者 
岡本 綺堂の 短編集です。若い女の行者(ぎょうじゃ)が公家(くげ)の娘を名乗り、祈祷にかこつけて多額の金を寄進させていると聞いた半七。討幕派の活動費に使われている恐れがあり、慎重に捜査を進める半七は、毎夜、秘密の祈祷を受けていた紙屋の息子・久次郎が行方不明になったと知り、いよいよ・・・・・

美しい姉妹を自分の色と慾の道具に使う男。捕物帳シリーズ第26話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳27・化け銀杏 
岡本 綺堂の 短編集です。化け銀杏(いちょう)と呼ばれる樹の下を通りかかった豪商「河内屋」の番頭・忠三郎は、何者かに投げ倒された挙句、掛軸と大金を盗まれてしまいます。その掛軸は、旗本・稲川伯耆(ほうき)の屋敷から二百五十両で預かった大切なものだった。「化け銀杏め、いろいろに・・・・・

掛軸の行方を探す半七は、贋物(にせもの)の掛軸の存在と、化け銀杏の下に現れた女の幽霊の正体を知ります。
素晴らしい出来栄えの捕物帳シリーズ第27話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳28・雪達磨 
岡本 綺堂の 短編集です。「や、雪達磨のなかに人間が埋まっていた」。解けた雪だるまから発見された死体は、上州太田の百姓・甚右衛門だと判明。彼が宿泊していた部屋を調べてみると、そこには大量の南京玉が  「なんぼ土産にしますといって、こんなに南京玉を買い・・・・・

商売にします気なら、どこかの問屋から纒(まと)めて仕入れる筈だ。割の高いのを承知で、店々から小買いします筈はねえ。どうも判らねえな」。近頃、品川の女郎を請け出したという錺(かざり)職人の豊吉を吟味します半七。
南京玉の意外な用途を描いた捕物帳シリーズ第28話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳29・熊の死骸 
岡本 綺堂の 短編集です。天神様へ参詣に出掛けた半七だが、大火事に巻き込まれてしまいます。「あぶねえ、あぶねえ。熊だ、熊だ」。火事場で荒れ狂う熊に襲われそうになった生薬屋「備前屋」の娘・お絹。その後、親類宅で療養していたお絹だが、何者かに殺され・・・・・

熊の胆(い)と熊の皮を売って一儲けしようと企む連中と、お絹殺しの一件との接点とは  捕物帳シリーズ第29話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳30・あま酒売 
岡本 綺堂の 短編集です。「甘酒や、あま酒の固練(かたね)り」。甘酒売りの老婆に近寄っただけで多数の者が病気になるという怪異な事件。老婆を尾行する半七だが、老婆はある藩の若侍に斬り殺され・・・・・。

と同時に、質屋「河内屋」の女中・お熊が、恋人である小間物屋・徳三郎に殺されるという事件も出来(しゅったい)して。
他の土地の者との婚姻を許さない村の掟と、蛇神(へびがみ)の魔力を持つ女の悲劇。捕物帳シリーズ第30話。
ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳31・張子の虎 
岡本 綺堂の 短編集です。とっさの機転で草履を投げ付け、罪人の捕縛に協力した伊勢屋の遊女・お駒。その後すっかり評判になった伊勢屋は繁昌しますが、お駒は何者かに絞め殺され・・・・・

死んだお駒の枕もとにはなぜか張子(はりこ)の虎が。
お駒の馴染客だった呉服屋の番頭・吉助、お駒と姉妹のように親しかった遊女・お定、駆け落ちして姿をくらませた遊女・お浪。犯人の殺害動機は  捕物帳シリーズ第31話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳32・海坊主 
岡本 綺堂の 短編集です。「潮が来る、颶風(はやて)が来る」。潮干狩りで賑わう品川の海岸に現れた奇怪な男。誰よりも先に颶風や潮を予報してみせた彼は一体・・・・・

 強風が吹き荒れる中、その男と何やら話していたという船宿の女客・おとわに当たりを付ける半七だが。水死人かと思いきや、水中から出現し、生きた魚をむしゃむしゃ食べる男  
捕物帳シリーズ第32話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳33・旅絵師 
岡本 綺堂の 短編集です。舟から落ちた娘・おげんを助けたのが縁で、奥州の穀屋・千倉屋伝兵衛の家に長逗留しますことになった若い旅絵師・山崎澹山(たんざん)。実は彼の正体は、ある藩のお家騒動を探るために江戸から放たれた隠密・間宮鉄次郎だった。伝兵衛からマリア像を模写してほしいと頼まれた鉄次郎。伝兵衛が禁制の邪宗門を信仰し・・・・・

いつもの捕物とは違い、一人の隠密の姿を描いた特別編といった趣き。鉄次郎とおげんの悲恋が胸を打つ。江戸の隠密の仕組みにも興味が湧きます。捕物帳シリーズ第33話。
ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳34・雷獣と蛇 
岡本 綺堂の 短編集です。二本立て。
米屋「尾張屋」の娘・お朝が落雷で死亡し、遠縁の重吉も何者かに顔を掻きむしられ死亡しました。人々は雷獣の仕業だと噂しますが。「天災といえば仕方もねえが、そう立てつづけて一軒の家(うち)に祟るのもおかしいな」。雷獣よりも・・・・・

とぐろを巻いた数十匹の蛇の中に平気で手を突っ込み、ひと束の切髪を掴み出した少女。見物人たちを驚かせた少女でしたが、次の日の夜、何者かに刺し殺されてしまいます。「その娘は何者だろう。その娘とその切髪とどういう因縁があるのだろう」。捕物帳シリーズ第34話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳35・半七先生 
岡本 綺堂の 短編集です。手習い師匠・小左衛門の寺子屋へ通っていた生薬屋「甲州屋」の娘・お直が、稽古帰りに行方不明になりました。習字の出来が悪く、小左衛門に叱られたのを苦にした家出なのか  それとも、お直の兄・藤太郎と瀬戸物屋の娘・お紋との婚礼の破談に何か原因があるのか  秘密の手紙をお直が隠し持っていたと知った半七は、女髪結のお豊の・・・・・

狂言事件の意外な顛末がすこぶる楽しい捕物帳シリーズ第35話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳36・冬の金魚 
岡本 綺堂の 短編集です。俳諧の宗匠・其月(きげつ)の家で、主人の其月が何者かに斬り殺され、女中のお葉が庭の池で水死した。其月の仲介で「寒中でも湯の中で生きる金魚」を売っていた千住の元吉が犯人なのか  「この寒空に金魚を売ろうの、買おうのと、つまらねえ道楽をするから、いろいろの・・・・・

指に怪我をした其月の弟子・其蝶が怪しいと睨む半七だが。
 捕物帳シリーズ第36話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳37・松茸 
岡本 綺堂の 短編集です。深川八幡の祭礼を見物に行った後、なぜか顔色が悪くなった加賀屋の嫁・お元。加賀屋の女中・お鉄を強請っていた男を追跡する半七だが、男は不忍池に飛び込んで、水死してしまいます。お鉄から事情を聞き出した半七は、事件の意外な真相を・・・・・

丙午(ひのえうま)の年に生まれた女は、男を食い殺すという迷信。幕府への「松茸献上」をうまく絡ませた捕物帳シリーズ第37話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳38・人形使い 
岡本 綺堂の 短編集です。仲の良かった人形使いの紋作と冠蔵。夜中に人形同士が斬り合うという奇怪な現象を目撃した紋作だが、冠蔵は信じようとしない。この一件ですっかり不仲になってしまった二人は、ある晩、何者かに殺害されてしまいます。紋作の恋人・お浜にちょっかいを出していた衣装屋の定吉に・・・・・

「紋作がどうして死んだか、冠蔵が誰に殺されたか、その仔細がわからねえじゃあ、おめえ達もいつまでも心持がよくあるめえと思う。」。シリーズ第38話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳39・少年少女の死 
岡本 綺堂の 短編集です。二本立て。外神田の貸席「田原屋」の二階で、踊りの師匠・光奴(みつやっこ)の復習(さらい)が催される中、踊り子の少女・おていが何者かに手拭(てぬぐい)で絞め殺された。「手拭には薄い歯のあとが残っていたんです。うすい鉄漿(おはぐろ)の痕(あと)が」。縁を切らざるを得なかった子供への未練。芝・田町の大工の子供・由松が急病で死んだ。隣家の紙屑屋の子供もやはり急病で死んだと知った半七は、玩具(おもちゃ)の蛙の水出しに目をつける。「実はこの水出しは買い・・・・・

恐ろしい継母(ままはは)根性が生んだ悲劇。捕物帳シリーズ第39話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳40・異人の首 
岡本 綺堂の 短編集です。末広町の質屋へ二人連れの浪人が押し借りに来て、異国人の生首を突きつけて、攘夷(じょうい)の軍用金を巻き上げて行くという事件が起きました。異人の正体を探索するため、横浜までやって来た半七は、港崎(みよざき)町の遊廓で女遊びをするイギリス人を突き止める。「むむ。もうこれで大抵判った。ロイドという奴を引き挙げりゃあ世話はねえんだが、異人じゃあ・・・・・

半七の妹・お粂の登場が嬉しい捕物帳シリーズ第40話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳41・一つ目小僧 
岡本 綺堂の 短編集です。四谷伝馬町で小鳥を売っている「野島屋」の主人・喜右衛門は、十五両の高価な鶉(うずら)を、新宿のとある屋敷へ届けに行きますが、一つ目の妖怪の出現に驚いて気絶した隙に、鶉をまんまと盗まれてしまいます。犯行現場となった屋敷で、按摩の笛を拾った半七は、怪談がかりの一件を見事に解決します。「それにしても、一つ目小僧とは・・・・・

捕物帳シリーズ第41話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳42・仮面 
岡本 綺堂の 短編集です。ある能役者に二十五両で売却が決まった生成(なまなり)の仮面(めん)を、どうしても売ってくれという若侍の要求に、道具屋の主人・孫十郎は、百五十両なら売ると商売気を出す。多額の違約金を払って能役者を納得させた孫十郎だが、肝腎の若侍がいつまで経っても現れず。「畜生。一杯・・・・・
狂言強盗だと思われた事件の意外な真相は 捕物帳シリーズ第42話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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半七捕物帳43・柳原堤の女 
中編。魔所と恐れられている柳原堤(どて)の清水山のあたりに、怪しい女が現れるという噂。清水山へ探検に出掛けた材木屋の喜平たちだが、何者かになぐり倒されたり、得体の知れない獣(けもの)におびやかされたりして、肝心の女の正体は突き止められずに終わる。世間の噂があまりに騒々しくなったため、遂に探索に・・・・・

「わたくしは清水山の一件に係り合いがあるには相違ありませんが、決して悪いことをした覚えはないのでございます」。男恋しさに物狂おしくなった女の情念。捕物帳シリーズ第43話。
ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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半七捕物帳44・むらさき鯉 
岡本 綺堂の 短編集です。夜更けに怪しい女の訪問を受けた草履屋の女房・お徳。亭主の藤吉が殺生禁断の江戸川で釣った紫色の鯉を、夢の告げがあったといって持ち去ってしまいます女。「そりゃあどうもおかしいな。その女はいってえ何者だろう」、「ねえ、もしや川から出て来たんじゃ無いかしら」。人間に化けた雌(めす)の鯉が、雄(おす)の鯉を・・・・・

 川に流されたはずの紙屋の為次郎が生きていて、無事だったはずの藤吉が水死体で発見されるという不思議  怪談がかりの事件の意外な真相を描いた捕物帳シリーズ第44話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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半七捕物帳45・三つの声 
岡本 綺堂の 短編集です。川崎大師へ参詣に出掛けた鋳掛屋(いかけや)の庄五郎だが、芝浦で水死体で発見される。庄五郎と一緒に川崎へ行く約束をしていた従弟(いとこ)の平七と建具屋の藤次郎。「あの女(庄五郎の妻・お国)に亭主が無ければなあ」と言っていた平七が、下手人(げしゅにん)として・・・・・

庄五郎が出掛けた後、鋳掛屋の戸を叩いた「三つの声」から犯人を見破る半七の名推理。
捕物帳シリーズ第45話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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半七捕物帳46・十五夜御用心 
岡本 綺堂の 短編集です。押上(おしあげ)村の古寺・竜濤寺(りゅうとうじ)の古井戸から、四人の死骸(出家二人と虚無僧二人)を発見した荒物屋のお鎌婆さん。十五夜の晩に二人の虚無僧と竜濤寺の中へ入って行った若い女の正体と、木魚(もくぎょ)の中から見つかった「十五や御ようじん」と書かれ・・・・・

「今夜の怪物は化け猫に古狐だ。引っ掻かれねえように用心しろ」。女は怖し。捕物帳シリーズ第46話。東京スカイツリーのある押上も江戸時代はまだ村だったんですね。
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半七捕物帳47・金の蝋燭 
岡本 綺堂の 短編集です。金の伸べ棒を芯(しん)にした蝋燭(ろうそく)を何本も抱えた女が、両国の仮橋から身投げしました。江戸城で出来(しゅったい)した御金蔵破りとの関連を疑う半七だが、まったくの見込み違いだったと分かり失望を感じる。
夫婦喧嘩が絶えなかった金貸しの宗兵衛と女房・お竹、宗兵衛の妾(めかけ)・お光、錺屋・・・・・

金の蝋燭に絡んだ秘密(作られた目的や出どこ)が興味ぶかい捕物帳シリーズ第47話。

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半七捕物帳48・ズウフラ怪談 
岡本 綺堂の 短編集です。「おうい、おうい」。駒込の富士裏で闇夜に聞こえる怪しい声怪談の正体を突き止めに出掛けた剣術の師匠・岩下左内だが、何者かに斬り殺されてしまいます。左内と一緒に出掛けた門弟の二人(伊太郎と喜平次)が怪しいと睨んだ半七は、「色」と「慾」に眼が眩(くら)んだ事件の真相を・・・・・

得意の怪談を絡ませた展開が興味ぶかい捕物帳シリーズ第48話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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半七捕物帳49・大阪屋花鳥 
岡本 綺堂の 短編集です。日本橋北新堀の鉄物屋(かなものや)「鍋久」の主人・久兵衛と結婚した浪人・磯野小左衛門の娘・お節。突然に乱心した彼女は、久兵衛を殺して、身投げしてしまいます。実はお節は生きていて、泳ぎの上手な替え玉が殺人を・・・・・

島破りの元遊女・大阪屋花鳥が牢内で若い女たちをおもちゃにして、毎日うなぎ飯を食べさせているという話を聞いた半七。駆け出し時代の半七の活躍を描いた捕物帳シリーズ第49話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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半七捕物帳50・正雪の絵馬 
岡本 綺堂の 短編集です。絵馬の蒐集(しゅうしゅう)に熱狂している油屋「丸多」の主人・多左衛門は、由井正雪(ゆいしょうせつ)の絵馬を入手して得意満面。しかし、その絵馬は、和田の大宮八幡から盗み出したものだった。これを種にお城坊主の次男・万次郎に強請(ゆす)られる破目になった多左衛門は、正雪の絵馬を抱えて家出してしまいます。絵馬屋の主人・重兵衛の悪巧みと、痴情の果ての・・・・・

「こいつもなかなかの謀叛人だ。由井正雪が褒めているかも知れねえ」。捕物帳シリーズ第50話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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半七捕物帳51・大森の鶏 
岡本 綺堂の 短編集です。川崎の初大師へ参詣に行った帰り、大森の茶店に立ち寄った半七は、中年増の女が鶏(とり)に襲われるという現場に出くわす。女が軍鶏(しゃも)屋「鳥亀」の女房・お六であること、女の亭主が昨年変死していることなどを知った半七は、鶏の一件との関連を調べる。そんな中、鈴ヶ森の仕置き場のそばで、若侍が何者かに殺されるという事件が・・・・・

「鈴ヶ森の人殺しは、ひょっとすると鳥亀の一件にからんでいるかも知れねえな」。駆け落ちカップルの悲劇を描いた捕物帳シリーズ第51話。
ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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半七捕物帳52・妖狐伝 
岡本 綺堂の 短編集です。「狐が来た。狐が来た」。悪い狐が出ると評判の鈴ヶ森の縄手で、小料理屋の息子・巳之助が女に化けた狐と遭遇し、京の商人(あきんど)・伝兵衛が天狗に化けた狐に嚇された。鈴ヶ森に化けて出る狐の正体を探索する半七は、品川に碇泊している黒船と、両替屋でドルを両替えする女との・・・・・

「探偵話にほんとうの凄い怪談は少ないもので、種を洗えばみんなズウフラ式ですよ」。怪談の真相が興味ぶかい捕物帳シリーズ第52話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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半七捕物帳53・新カチカチ山 
岡本 綺堂の 短編集です。三千石の旗本・浅井因幡守(いなばのかみ)が、妾(めかけ)のお早や女中たちと共に水死した。因幡守が乗っていた屋根船に何者かが細工をして、沈没させたのだ。よくありがちな本妻と妾の確執から出来(

「今更のことじゃあないが、女に惚れられると恐ろしい」。旗本屋敷の秘密とその災厄を描いた捕物帳シリーズ第53話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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半七捕物帳54・唐人飴 
岡本 綺堂の 短編集です。「あの羅生門横町で。又、人間の腕が」。青山の羅生門横町で人間の片腕が発見された。腕に残っていた唐人服の袖から、被害者は唐人飴屋の男だと思われたが、彼の両腕は確かに満足に揃っていた。青山で女役者の一座による芝居を見物した半七は、事件の有力な手掛かりを掴むが、またしても同じ場所で人間の片腕が・・・・・

女の弟子ばかり取っている常磐津の女師匠・文字吉の秘密とは  泥棒か隠密かと噂された唐人飴屋の正体が興味ぶかい捕物帳シリーズ第54話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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半七捕物帳55・かむろ蛇 
岡本 綺堂の 短編集です。江戸で虎列剌(コレラ)が流行する中、「かむろ蛇」の祟りの伝説がある小日向の氷川神社へ参詣に出掛けた煙草屋「関口屋」の娘・お袖だが、不吉にも怪しい切禿(きりかむろ)の少女を目撃してしまいます。その後、女中のお由が頓死するなど変事が相次ぎ、お袖も・・・・・

。果たしてお袖はかむろ蛇に呪われてしまったのか  怪談がかりの悪巧みと、思いもよらない仕損じ。迷信と怪談とコレラをうまく絡ませた捕物帳シリーズ第55話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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半七捕物帳56・河豚太鼓 
岡本 綺堂の 短編集です。「菊園の子息玉太郎は仔細あって拙者が当分預り置き候」。神田明神下の葉茶屋「菊園」の男の子・玉太郎が何者かに誘拐されました。忠義者だと評判の玉太郎の乳母・お福が怪しいと睨んだ半七だが、彼女は行方不明になって・・・・・

河豚(ふぐ)太鼓を売り歩くお福の弟・佐吉、お福の元夫で道楽者の次郎吉、売卜者(はっけみ)の白雲堂幸斎。誰が善で、誰が悪か  
誘拐の動機が意表で興味ぶかい捕物帳シリーズ第56話。傑作。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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半七捕物帳57・幽霊の観世物 
岡本 綺堂の 短編集です。照降町(てりふりちょう)の下駄屋「駿河屋」の女隠居・お半が、浅草の幽霊の観世物小屋で変死した。幽霊に驚いてのショック死だと思われたが、半七は駿河屋の養子・信次郎に眼をつける。お半と信次郎にはそれぞれ愛人が・・・・・

出口まで辿り着いたら景品が貰えるという、当時のお化け屋敷の仕組みが興味ぶかい。捕物帳シリーズ第57話。
ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です
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半七捕物帳58・菊人形の昔 
岡本 綺堂の 短編集です。団子坂の菊人形を見物しにやって来た外国人たちだが、女掏摸(すり)の「蟹(かに)のお角(かく)」に紙入れを掏(す)られた上に、この騒動のどさくさで、乗って来た西洋馬も何者かに盗まれてしまいます。一方、団子坂の坂下の草原で、狐使いの老女・おころが殺されるという事件も・・・・・

二つの事件の関連を調べる半七でした。「いつぞやお話をした正雪の絵馬と同じように、道楽が昂(こう)じると、とかくに何かの間違いが起こり易いものです」。捕物帳シリーズ第58話。
ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳59・蟹のお角 
岡本 綺堂の 短編集です。前回「菊人形」の一件で、散々な目に遭った外国人・ハリソン夫婦が何者かに殺されました。横浜まで出張った半七は、ハリソンの飼い犬がむごたらしく殺されたこと、写真屋の島田と、彼の情婦である「蟹(かに)のお角(かく)」が、ハリソンの家に出入りしていたことを・・・・・

額に「犬」という字を書かれて大川に放り込まれた死体との関連は  「この一件には犬が絡んでいるに相違ねえが」、「去年の団子坂は狐使いでしたが、今度は犬ですね」。  捕物帳シリーズ第59話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳60・青山の仇討 
岡本 綺堂の 短編集です。江戸へ芝居見物にやって来た佐倉の百姓・金右衛門だが、敵(かたき)討ちと称する殺人事件が起きたばかりの青山で、何者かに斬りつけられた上に、娘のおさんが浚(さら)われてしまいます。金右衛門の親類である米屋「下総屋」の主人・茂兵衛を調べる半七は、二つの事件の関連を・・・・・

若い男と遊女の心中の顛末(てんまつ)も交えて描く捕物帳シリーズ第60話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳61・吉良の脇指 
岡本 綺堂の 短編集です。五百石取りの旗本・福田左京と妾(めかけ)のお関が、中間(ちゅうげん)の伝蔵に殺害された。「吉良(きら)の脇指でかたき討ちをしたら、世の中も変わったものだと、泉岳寺にいる連中が驚くかも知れねえ」。敵(かたき)討ちを果たしたいと一途に思い詰めるお関の弟・鶴吉に同情した半七は・・・・・

「畜生、どこに隠れていやあがるか」。「お台場銀」(お台場築造のため幕府が発行した一朱銀)がきっかけで事件が解決する件(くだり)が鮮やかです。捕物帳シリーズ第61話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳62・歩兵の髪切り 
岡本 綺堂の 短編集です。幕府の歩兵隊の者が二十日ばかりの間に十一人も髷(まげ)を切られるという奇怪な事件が出来(しゅったい)した。何者がなんの為にそんないたずらをするのか  さらに、元芸者のお園の家(うち)に二人組の押し込みが入り、彼女の髷を切るという「歩兵の髪切り」を真似た事件も・・・・・

髷を切られた歩兵の一人・鮎川丈次郎が、茶屋女のお房と恋仲で、ならず者であるお房の兄・米吉とも知り合いであることを掴んだ半七だが。「おれが調べるのじゃあねえ。この十手が調べるのだ」のせりふがしびれます。捕物帳シリーズ第62話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳63・川越次郎兵衛 
岡本 綺堂の 短編集です。「今日じゅうに天下を拙者に引き渡すべし」。江戸城表玄関に現れた気違い男の身柄を引き取った町奉行所だが、男に縄抜けされてしまいます。男の菅笠に書かれた川越の次郎兵衛という名前を手掛かりに、男の行方を捜す半七は、浅草の菓子屋の若旦那を強請(ゆす)る女衒(ぜげん)の女房・お葉の存在を突き止める。「今になって考えると、江戸三百年のあいだに、どんな悪戯をしても、どんな悪洒落をしても、江戸城の大玄関前へ行って天下を・・・・・

川越次郎兵衛のとんだ災難を描いています 捕物帳シリーズ第63話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳64・廻り灯籠 
岡本 綺堂の 短編集です。自分の手柄で召捕った罪人・金蔵が牢抜けしたと知った気の弱い岡っ引・三河屋甚五郎(三甚)は、金蔵の仕返しを恐れて、恋人のお浜と一緒に雲隠れしてしまいます。先代の世話になった義理もあり、まだ若くて未熟な三甚を救ってやろうと考えた半七は、彼の隠れ場所を見つけ出すが、・・・・・

「御用だ。神妙にしろ」、「おい、違うよ、違うよ。おれは半七だ、三河町の半七だ」。コミカルなストーリー展開が最高に興味ぶかい捕物帳シリーズ第64話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳65・夜叉神堂 
岡本 綺堂の 短編集です。お開帳がある時に飾られる奉納の造り物。その大兜(かぶと)の金銀の細工に使われた慶長小判と二朱銀が何者かに盗まれました。夜叉神堂に奉納する張子(はりこ)の鬼の面が入った箱をあさる怪しい女を吟味する麻布の岡っ引・竜土・・・・・

「勘太。なにしろその箱をぶちまけて検(あらた)めてみろ。銀のほかに小判が出るかも知れねえ」、「親分、ありましたよ。猫に小判ということは聞いているが、これは鬼に小判ですぜ」。渋谷(麻布)の長谷寺(ちょうこくじ)を舞台とした捕物帳シリーズ第65話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳66・地蔵は踊る 
岡本 綺堂の 短編集です。小石川の高源寺の「縛られ地蔵」が踊り出すという不思議な噂が立つ中、「縛られ地蔵」に縛り付けられた女の他殺体が発見されます。しかも、庫裏(くり)の土間に寝かせておいた死体が紛失してしまい。「地蔵が踊るのじゃあねえ、踊らせ・・・・・

踊る地蔵の秘密(からくり)と、紛失した死体の行方とは  欲と色情にまみれた事件の真相を描いた捕物帳シリーズ第66話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳67・薄雲の碁盤 
岡本 綺堂の 短編集です。六百五十石取りの旗本・小栗昌之助の屋敷の門前に晒された若い女の生首。しかもその首は、いわく付きの「薄雲の碁盤」の上に乗せてあった  被害者は質屋「伊勢屋」の主人・由兵衛の妾(めかけ)・お俊だと見当をつける半七でした。「だが親分。例の首は・・・・・

誰に聞いても、お俊にあばたはねえと云いますから」、「そりゃあそうだが、まあ、もう少しおれに附き合ってくれ」。女の顔にあったあばたの真相は  みんなこれでダマされる  捕物帳シリーズ第67話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳68・二人女房 
岡本 綺堂の 短編集です。府中の闇祭りを見物しに出掛けた四谷坂町の酒屋「伊豆屋」の女房・お八重が行方不明になった。同じ晩、四谷塩町の呉服屋「和泉屋」の女房・お大も姿を消した。和泉屋の息子・清七と調布の女郎・お国が起こした心中事件との関連は  着服、密通、監禁、悪い奴らの・・・・・

  「じゃあ、この友蔵の家(うち)に転がされていた女は、伊豆屋の女房か、和泉屋の女房か、あなたはどっちだと思います」。捕物帳シリーズ第68話。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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半七捕物帳69・白蝶怪 
長編。正月の暗夜に飛ぶ怪しい白い蝶を目撃した武家・黒沼伝兵衛の娘・お勝。その後、お勝は病気になり、蝶の正体を探ろうとした伝兵衛は怪死してしまいます。伝兵衛の隣家に住む長三郎は、黒沼家の跡目を相続した幸之助が、姉・お北と密会していることを知る。行方不明になった姉を捜すが。
「きっと知らねえか。知らなけりゃあ訊かねえまでのことだ。おれも黙っているから、おめえも黙っていろ」、「もう黙っちゃあいられねえ」 。神田の岡っ引・吉五郎(半七の養父)の活躍を描い・・・・・

お北、長三郎、留吉(吉五郎の子分)など、巧みに視点を変えながら描くことで臨場感が増し、いつもより長い話ながら、最後まで一気に読ませます。ベストセラーで有名です おもしろくて、いい作品です

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小来栖の長兵衛 
岡本 綺堂の 短編集です。戯曲。時は羽柴秀吉が明智光秀を倒した「山崎の戦」の直後。村一番の暴れ者である長兵衛の悪行の数々に堪忍ならなくなった小来栖(おぐるす)村の人々。長兵衛を簀(す)巻きにして川へ投げ込むことにするが、そこへ秀吉の家来・・・・・
「いくらお慈悲ぶかい庄屋どのでも、親に傷をつけた不孝者を、もう助けてはおかれますまい」。手のひら返しぶりが笑える喜劇です。
おもしろくて、いい作品です

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小坂部姫 
長編。
姫路城の天守閣に棲む「刑部狐(おさかべぎつね)」の伝説を題材に、南北朝時代の京都を舞台とした伝奇小説です。
足利尊氏(たかうじ)の執事である武将・高師直(こうのもろなお)の娘・小坂部姫(おさかべひめ)。武将・塩冶高貞(えんやたかさだ)の妻に懸想した挙句、振られた腹いせに、塩冶の一家を滅ぼそうと企んだ父・師直の乱心で、もはや館に居られなくなってしまった彼女は、恋人である若侍・本条采女(うねめ)と一緒に家を出ます。都をさまよう怪しい異国の男に運命を託した彼女は、命からがら京都を脱出するが、師直が放った追っ手の・・・・・

おおきな展開に圧倒されます  世の盛衰、人の栄枯を手玉に取る、何とも恐ろしい悪魔の呪い  秀吉が一代しか続かなかった原因、徳川の時代が二百六十余年も続いた原因は、何と姫路城にあった  冒頭で歌人・吉田兼好を登場させる知的好奇心な演出も素晴らしい。悲恋小説としても優秀で華麗な時代小説です。
おもしろくて、いい作品です

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籠釣瓶 
中編。放蕩のせいで身代を潰し、故郷の野州・佐野を立ち退いて江戸へ出てきた次郎左衛門。吉原の花魁(おいらん)・八橋(やつはし)に貢ぎ続ける次郎左衛門でしたが、八橋には情夫(おとこ)・栄之丞がいました。もはや八橋を請け出すこともならず、千両という大金も使い果たしてしまった次郎左衛門が、とうとう最後に到着した結論とは・・・・・

博奕打ちだった次郎左衛門に言い知れぬ怖れを感じ、八橋と縁を切ろうと考える能役者あがりの浪人者・栄之丞でしたが。「あの人を欺すのは悪い。ああいう人を欺すと殺されるぞ」。 おもしろくて、いい作品です

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蟹満寺縁起 
岡本 綺堂の 短編集です。戯曲。蛇に呑まれそうだった蛙の子供を助けてやった漆間(うるま)の翁の娘でしたが、そのために蛇の人身御供となる運命になります。娘の窮地を救うため、蛇を退治してみせるという里の青年・・・・・

「弱いものを救いたければ、自分がまず強いものになれ。世間に強いものが多くなれば、弱いものは自然に救われるのだ」。世の中をよくする術を教えてくれるそんな素晴らしい寓話作品です。

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黄八丈の小袖 
岡本 綺堂の 短編集です。持参金目当てで娘・お熊の婿にした又四郎のことが邪魔になった材木商「白子屋」の女房・お常は、下女・お菊に無理心中をさせ、それを科(とが)に又四郎を追い出そうと考えます。奉公人ゆえに断わりきれず、その役目を引き・・・・・

「お慈悲でございます、お慈悲でございます」。名奉行・大岡越前をもってしてもむつかしい判断でした。人が人を裁くむつかしさがわかります

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経帷子の秘密 
岡本 綺堂の 短編集です。“経帷子(きょうかたびら)の老婆”に呪われた酒屋「井戸屋」に嫁入りした質屋の娘・お妻。井戸屋では代々、跡取りが生まれてもみんな死んでしまいますため、同じ血筋が二代と続かず、縁のない他人が店を相続していました。お妻が懐妊したと知り、不安に襲われるお妻の・・・・・

「おっ母さん安心していて下さい。男の児にしろ、女の児にしろ、わたしの生んだ児はわたしがきっと守ります」。家にまつわる呪いを消滅させ、井戸屋の血統を続かせる驚愕の方法とはなんでしょう  経帷子(死者に着せる着物)の奇怪な伝説を描いて興味ぶかいです。歴史小説のおもしろい作品です

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蜘蛛の夢 
岡本 綺堂の 短編集です。刀屋・会津屋の主人・源造と係り合いのあった若い女・お春が、雷に撃たれて死亡しました。事件以来、源造が行方をくらませ、源造の娘・お定とお由の姉妹も家出してしまいます。負ければ負けるほど熱くなる勝負事の・・・・・

「蜘蛛の祟りかどうだか判りませんが、ともかくもみんなが蜘蛛の夢を見ていたのは事実でございましょう」。事件の意外な真相を描いて興味ぶかい時代推理小説作品です。
歴史小説のおもしろい作品です

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くろん坊 
岡本 綺堂の 短編集です。美濃の山奥にある小屋に辿り着いた旅の武士がいました。若い僧が一人住むこの小屋に泊めてもらうが、夜通し聞こえてくる不気味な笑い声に悩まされます。「あの忌(いや)な声はいったいなんでしょう」、「まったく忌な声だ。あの声のために親子三人が命を・・・・・

。山奥に昔から棲む「黒ん坊」と呼ばれる怪物と良好な関係を築いてきた親子三人に襲い掛かる悲劇です   ホラーミステリーの秀作です。歴史小説のおもしろい作品です

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子供役者の死 
短編集です。甲州のある町へ興行にやって来た江戸の子供役者の一座。年上の女客・お初と親密な関係になった十六歳の人気役者・六三郎でしたが、実はお初は、博奕打ちの大親分・吉五郎の妾でした。吉五郎の家に連行された六三郎は、なぶり殺しにされたお初の・・・・・

子供役者の危険な恋のてん末です。ユーモア・ホラー作品です

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権三と助十 
岡本 綺堂の 短編集です。戯曲。強盗殺人の罪で捕まり、牢中病死した父・彦兵衛の無実を信じて疑わない小間物屋の彦三郎に、実は真犯人を知っていると打ち明ける駕籠(かご)かきの権三(ごんざ)と助十(すけじゅう)でした。係り合いになるのを嫌って今まで黙っていたという二人を証人にして、奉行所に彦兵衛の無実を・・・・・

江戸っ子気質な長屋の人々のやり取りがまるで落語のようで楽しく、驚きの連続で 楽しいです。「大岡裁き」の人情ばなしです。

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佐々木高綱 
岡本 綺堂の 短編集です。戯曲。石橋山の戦や宇治川の戦で殊功を立てた源頼朝の家臣・佐々木高綱でしたが、その恩賞の少なさに不満を抱いていました。上洛する頼朝の出迎えに行かないと強情を張る高綱を、懸命に説得する一族の・・・・・

罪なき馬士(まご)を殺した過去を懺悔する高綱と、その高綱を父の敵(かたき)と狙う若い姉弟(おみのと子之介)です。鎌倉初期の武将・佐々木高綱の出家を描いた歴史もの作品です。

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修禅寺物語 
岡本 綺堂の 短編集です。戯曲。源頼家の催促に、やむなく不出来な木彫の仮面「頼家の面(おもて)」を献上した面作師(おもてつくりし)・夜叉王(やしゃおう)と、頼家に気に入られ、側女(そばめ)となった夜叉王の娘・桂(かつら)です。「それは世にある人の面ではござりませぬ。死人の面で・・・・・

伊豆・修禅寺に幽閉され、謀殺された鎌倉幕府第二代将軍・源頼家の最期を題材にした作品です。岡本 綺堂の代表作品です。

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心中浪華の春雨 
岡本 綺堂の 短編集です。行く末の約束を結んだ大工の丁稚・六三郎と遊女・お園。十年ぶりに再会した父親(海賊・赤格子九郎右衛門)が獄門となったため、世間から迫害されるようになった六三郎は、親切な親方・庄蔵の勧めで、しばらく大坂を離れて、江戸へ・・・・・

「六三(ろくさ)さん。お前、どうしても江戸へ行く気かえ」。初心で素直で気の弱い年下男を思いやる年上女の心情を美しく描いて心に残ります。

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人狼 
岡本 綺堂の 短編集です。戯曲。人の肉を喰い、人の血を啜る恐ろしい狼の出没に恐怖する村人たち。狼退治に出掛ける狩人の弥三郎だが、なかなか姿を見せない相手にどうすることも出来ません。実は狼の正体は、弥三郎の妻・おいよだったのです  夜になると狼の声が聞こえてきて、たちまち悪魔に取り憑かれてしまうおいよ。宣教師・モウロと出会い、救いの・・・・・

島原を舞台に、善良な一家が見舞われる悲惨劇を描いた伝奇もの作品です。ラストのモウロと源五郎(青年猟師)の心配りに感動します。

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玉藻の前 
長編。
昔から祟りがあると言い伝えのある古塚の森に迷い込んだ幼なじみの美少女・藻(みくず)を救い出した少年・千枝松(ちえまつ)です。しかし、その日を境に、素直だった藻は人が変わったように冷淡となり、彼女は千枝松を捨てて、関白・藤原忠通の侍女(こしもと)になってしまいます。
「おまえは怪異(あやかし)に憑(つ)かれて命をうしなうという相(そう)が見ゆる。あぶないことじゃ」。
失意の千枝松(千枝太郎)は、安倍晴明の子孫である陰陽師・安倍泰親(やすちか)に救われ、彼の弟子となるが、泰親から「藻(玉藻)の魂には悪魔が宿っている」と聞かされ、驚愕します。
日本を魔界の暗黒に堕(おと)そうと企んでいる妖魔と向かい合って闘うことを決意する千枝太郎でした。
忠通の寵愛を一身に受ける玉藻は、公家や侍たちを魅惑し、次々と・・・・・

「玉藻前」「殺生石」の伝説を題材に、平安末期の関白・藤原忠通と弟・頼長の不和・対立を絡めながら、狐の化身と陰陽師の戦いを描いた伝奇小説です。藻(玉藻)と千枝松(千枝太郎)の悲恋物語が美しく切ないドラマチックな作品です。
岡本綺堂のすぐれた文章力で秀逸作品です

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鳥辺山心中 
岡本 綺堂の 短編集です。京都・祇園の遊女屋「若松屋」に売られて来た不仕合せな身の上の少女・お染。遊女になって初めての客である若侍・菊地半九郎の優しさに取りすがり、他の客を迎える苦労を知ることもなく、安心した時を過ごすお染でしたが、半九郎が江戸へ・・・・・

色恋とは違う“心細さ”と“哀れみ”で結ばれた関係が、行きがかりの運命によって最高なものに昇華していくラストが美しいのです。“心中”という結末が分かっていても、泣けてしまう綺堂のうまさに感服します。

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鼠 
岡本 綺堂の 短編集です。お伊勢参りの帰りに立ち寄った木曾・奈良井の宿で、十一年前にかどわかされた娘・お元と偶然再会した四谷忍町(おしまち)の質屋・近江屋七兵衛です。お元を江戸へ連れ戻し、大喜びの七兵衛と女房のお此でしたが、お元には・・・・・

「お元には鼠(ねずみ)が付いていると言うのです」、「ほんとうか」、「まったく本当だそうで」。ありきたりな怪談かと思いきや、意表をつく展開で大変興味ぶかい作品です。

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俳諧師 
岡本 綺堂の 短編集です。戯曲。武士を捨て、俳諧師になった鬼貫(おにつら)だが、娘・お妙との生活は困窮を極め、餓死か自殺か娘を売るかしかない状況にまで追い込まれます。旧友で芭蕉の弟子でもあった宿なしの路通(ろつう)と・・・・・

「おまえも命を捨てず、娘も身を売らず、無事安穏に生きていられる智慧を授けてやろうと思うのだが、どうだ」。どうか苦しい時こそ 前向き思考で行きたいものです。

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馬妖記 
岡本 綺堂の 短編集です。異様な嘶(いなな)きで飼馬をおびやかし、遂には人間をも踏み殺す、巨大で長い毛に掩われた怪しい馬の出現に恐怖する村人たちです。妖馬の噂を知った若侍たちは、功名心から馬狩りを実行します。「それも淫奔の罰(ばち)かも・・・・・

妖馬に殺された百姓の後家・お福と、隣村の若い男・鉄作の、親子ほども年の離れた二人の愛憎劇が興味ぶかい作品となっています。

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番町皿屋敷 
岡本 綺堂の 短編集です。旗本奴の集団「白柄組」の一員である七百石の旗本・青山播磨と言い交した腰元・お菊でしたが、播磨に持ち込まれた縁談が気になって落ち着いていられません。播磨の心を疑った彼女は、播磨の心を試すため、青山家の家宝である高麗焼の皿を割ってしまいますが。「今となっていかに詫びても、罪のない者を一旦疑うた罪は・・・・・

潔白な男の、その潔白の代償を、白柄組の頭目・水野十郎左衛門と町奴の頭領・幡随院長兵衛の闘争を絡めて描いた悲劇です。綺堂版怪奇「皿屋敷」作品です

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箕輪心中 
中編。五百石の旗本・藤枝外記(げき)と吉原の花魁(おいらん)・綾衣の許されぬ恋の物語です。すれ違い際、偶然に綾衣の袖が外記の刀の柄に絡んだのが縁で恋に落ちた二人でした。放埓の科(とが)で・・・・・。

雪のような蓮の花びらが美しくも物悲しいものでした。綺堂の美しい文体による正攻法な心中作品です。

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指輪一つ 
短編集です。関東大震災で妻と娘二人が行方不明であるという西田さんと知り合いになった僕(学生のK君)。木曽の宿に泊まった僕は、風呂場で若い女の幻覚を見て、一つの指輪を拾います。「これも運で仕方がありませんよ。家(うち)の者ばかりが死んだわけじゃあない、東京じゅうで何万人という・・・・・

偶然を超越した不思議な出来事を通して、被災の悲しみを描いた優秀作品です。

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両国の秋 
中編。東両国の観世物小屋の蛇つかい・お絹は、武家奉公に行ってしまった恋人・仁科林之助への恋慕が募り、心労で倒れてしまいます。列び茶屋「不二屋」の茶屋娘・お里と林之助との仲を疑うお絹の怨念。「蛇は執念ぶかいんだから、そう・・・・・
お絹の蛇のような怖ろしい妖艶な眼から逃れたい林之助は、不幸な身の上のウブなお里に惹かれていきます。綺堂の心理描写が秀逸の作品です。

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