海野十三(うんの・じゅうざ)/振動魔 深夜の市長 不思議なる空間断層<あらすじ 要約>計54冊

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海野十三 (うんの・じゅうざ) 
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生きている腸 
海野十三の 短編集です。刑務病院の熊本博士を恐喝して、念願であった人間の腸(はらわた)を手に入れた医学生の吹矢隆二でした。リンゲル氏液の中で生きる腸を、大気中でも生きられるようにするという実験に成功した彼は、生ける腸を「チコ」と呼んで飼育し・・・・・

腸との奇妙な同棲生活を描いておもしろい傑作作品です。パロディ小説‎  です
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宇宙女囚第一号 
海野十三の 短編集です。
。婚約者・絵里子に会うためイー・ペー・エル研究所を訪れた僕でしたが、研究所長・マカオ博士に結婚を反対された挙句、博士の研究室で奇妙な生物を見せられます。電送写真の原理を応用して、立体の送受信に成功したマカオ博士・・・・・

「博士はこんな大発明をしながら、あまりよろこんでいらっしゃらないのは、どういうわけですか」。あまりの突飛さで 興味ぶかいSF小説です。
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恐しき通夜 
海野十三の 短編集です。
航空学に関します実験の合間に、ここだけの話を告白する三人でした。川波大尉は、戦闘機が空中衝突することに至った三角関係の悲劇の話をし、星宮理学士は、独自の恋愛戦術で人妻と処女をモノにした話をし、・・・・・

軍医は、中絶を希望する若い女性の話をしますが。「さあ、この野郎。ほざけるなら、ほざいてみろ 」。別々だと思われた三つの話が繋がっていく展開がうまい 猟奇小説です。
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柿色の紙風船 
海野十三の 短編集です。
痔の治療で肛門に差し込まれた高価なラジウムをまんまと盗み出した私(丸田丸四郎)でした。捜査の網から逃れるため、わざと刑務所に入った私でしたが、帆村探偵に探られてしまいます。

肛門以外の隠し場所を発見し、出所する私でした。「そうら見ろ。貴様がラジウムの・・・・・

肛門を「肉ポケット」と表現していておもしろいです。楽しい完全犯罪作品です。
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雷 
海野十三の 短編集です。
七年ぶりに郷里へ帰って来た高層気象研究所の北鳴(きたなり)四郎です。元恋人・お里とその夫・英三に恨みを抱いている失恋者の北鳴は、赤外線映画の実験と称して、避雷針のついた大きな櫓・・・・・ 
さあ、万丈の天空より一瞬のうちに落下して、脳天をうち砕き、脾腹(ひばら)を・・・・・

奇抜な殺人計画の思わぬ誤算を描かれています
興味ぶかい作品です。 冒険小説 です
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棺桶の花嫁 
海野十三の 中編集です。元教え子の小山ミチミと幸せな同棲生活を送っていた元教師の杜(もり)だが、関東大震災で二人は生き別れになってしまいます。焼野原の中、再会した二人だが、ミチミは見知らぬ青年と一緒に暮らしていました。倒壊した建物の下敷きになった人妻のお千を助けた杜は、バラックを建てて、所帯を持ちますが、何者かにお千は殺害されてしまいます。

「ああ僕は、この手でとうとう人を殺してしまったのだ。ああ、もっともっと前に気がつかなけりゃならなかったんだ。そうだ震災になる前に考えて・・・・・

彼女についての“愕くべき事実”を描いたミステリー小説です。震災の情景が凄まじく、作者の描写力の高さを証明しています。
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奇賊は支払う 烏啼天駆シリーズ1 
海野十三の 短編集です。
「掏摸(すり)といえども代償を支払うべし」が信条の奇賊・烏啼天駆(うていてんく)から届いた脅迫状でした。闇成金・苅谷勘一郎の妻・繭子を誘拐するというのでした。探偵・袋猫々(ふくろびょうびょう)は、繭子に・・・・・

「一体どうしたというわけですか。誘拐された先で、どんな目にお遭いなすったんで」。烏啼が繭子を誘拐した理由が笑えて楽しいユーモア・ミステリー作品です。
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キド効果 
海野十三の 短編集です。人間の興奮をその種類によって分析することに成功した理学博士・木戸信之は、測定した「興奮曲線」によって、殺人事件の犯人を見事に特定してみせます。さらに木戸博士は、「興奮曲線」の中から新たな曲線を摘出することに成功し、「人間は誰でも・・・・・ 

 しかし。木戸博士の失踪の原因を描いて興味ぶかい作品です。 推理小説 です
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恐怖の口笛 
海野十三の長編集です。
頸部を喰い破り、吸血して殺害するという、恐るべき吸血鬼の犯行による連続殺人事件です。事件が起きる時に必ず聞こえる恐怖の口笛   現れたかと思えばまた姿を消してしまう覆面の名探偵・青竜王(せいりゅうおう)の行動と、海外に逃亡していた兇賊・痣蟹(あざがに)仙斎が日本に帰って来た目的とはなにか  そして、吸血鬼の正体は一体何者なのか 

「さあこれから久し振りに、生ぬるい赤い血潮を・・・・・

弟を吸血鬼に殺された青年・西一郎や、人気プリマドンナ・赤星ジュリア、ジュリアの妹分・矢走(やばせ)千鳥、キャバレーの主人・オトー・ポントスなど、多彩な登場人物と満載の仕掛けで展開される吸血鬼事件のエンデイングは  理屈抜きで楽しめる軽快ミステリー作品です。
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金属人間 
海野十三の長編集です。
金属Qを創造します見込みのつきたる日しるす。
理学博士・針目左馬太(はりめ・さまた)の邸で、女中のお三根が密室で殺害され、捜査中の刑事二人も知らぬ間に負傷するという奇っ怪な事件は、研究室の大爆発で針目博士が行方不明になったことで、迷宮入りしてしまいます。
針目博士が作り出した“金属Q”生命と思考力を持った生きている金属 が事件の下手人であると推理した私立探偵・蜂矢十六(はちや・じゅうろく)は、茶釜やマネキンや死体などの中に入り込んで自在に動き回るという得体の・・・・・

「わからなければ、教えてあげよう。この機械は、金属人間を製作する機械なんだ。つまりここは、金属人間の製作工場なんだ。どうだ、おどろいたか」   「金属人間の製作工場ですって」

蜂矢探偵、絶体絶命   針目博士と針目博士が対決   “金属Q”の恐るべき野望とは  大々奇抜な海野作品が爆発する超絶SFミステリー作品です。
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空中墳墓 
海野十三の 短編集です。二十年前に無着陸世界一周飛行に出発したまま行方不明になった松風号の機関士・松井田四郎太が何と生きていました。松風号の設計士だった相良十吉の依頼で、松風号失踪の真相を調べる探偵・栗戸利休・・・・・

天文台の大望遠鏡に映し出された驚きの光景は  何だか色々とぶっ飛んでいて興味ぶかいSFミステリー作品です。
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くろがね天狗 
海野十三の 短編集です。旗本・国賀帯刀の娘・お妙に失恋し、五年前に失踪した若侍・高松半之丞の行方を捜す岡っ引きの虎松でした。夜な夜な不可解な辻斬りが頻発し、江戸の住民たちが・・・・・、

黒装束の殺人鬼「くろがね天狗」に斬り殺されてしまいます。「くろがね天狗の正体は、何者か」
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軍用鮫 
海野十三の 短編集です。大日本帝国と大戦争中である中国軍政府から、軍船撃沈のための新兵器を考案してほしいと依頼された楊(ヤン)博士でした。外国雑誌「SIN・SEI・NEN」に掲載された小説「軍用鼠」をヒントに、「軍用鮫」なるものを思いついた楊博士は、実戦において、みごとに・・・・・

「きゃつも科学のわからんやつじゃ」。科学者ならではの オチが楽しいユーモア小説です。
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幸運の黒子 
海野十三の 短編集です。花街で性病になり、治療代に窮した不運の男・月田半平でした。「顔の右側に黒子(ほくろ)のある人は・・・・・

「幸運の黒子」を持った看護婦・唐崎みどりと出会い、運を掴むが。「ななな、何が幸運の黒子だ 」。最後のオチが楽しい作品です
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国際殺人団の崩壊 
海野十三の 短編集です。科学者ばかりを狙った連続虐殺事件です。国際殺人団の暗躍を阻止するため、事件を探索することになった椋島技師でした。科学者の鬼村正彦が出席する会合で、またしても毒ガス事件が発生し、椋島は犯人として逮捕されてしまいます。

「今試作した毒瓦斯(ガス)は、直ぐ所長室へ・・・・・

いつもの何気ない“習慣”が命取りになるというオチが興味ぶかい作品です。
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殺人の涯 
海野十三の 短編集です。「とうとう女房を殺してしまった」。妻の屍体を指一本残らず溶かしてしまうため、白い液体を・・・・・。

「私は、お前を殺したとばかり思っていたよ。お前は生きていて呉れて、こんなに嬉しいことは無い」。殺人の涯(はて)の報いを描いた作品です。
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三角形の恐怖 
海野十三の 短編集です。三角形に対します恐怖を抱かせて、強迫観念を加速度的に増大させるという実験を思いついた私(大学生の宗夫)は、駅で偶然見かけた細田弓之助という三十三歳の男を実験台として選びます。実験どおり細田は「三角形の恐怖」・・・・・

その恐怖によって心臓麻痺で急死してしまいます。自責の念に駆られた私は、先輩の須永助教授に一切を告白します。どんでん返しの最後が実に見事な作品です。。
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地獄街道 
海野十三の 短編集です。三人の青年が相次いで犠牲になった「箱詰屍体事件」を調べる探偵の辻永と作家の私(山野)。辻永の探偵眼によって、バーで妖酒を飲んだ者が必然的にビール工場で箱詰めにされてしまいます「地獄街道」が・・・・・

「この明るい東京の真ン中に、こんな恐ろしい街道があるのだ」。“風が吹けば桶屋が儲かる”式に次々に繋がっていくのが興味ぶかい。どんでん返しのラストも楽しい作品です。
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地獄の使者 
海野十三の長編集です。
知人の新聞記者・土居菊司から、殺人容疑で拘束された妹・三津子を助けてほしいという依頼を受けた私立探偵・帆村荘六でした。
被害者である鉱山所有者・旗田鶴彌の邸に駆けつけた帆村は、殺害現場である居間を調べ、「鼠の死骸」と「缶詰の空缶」に非常な興味を持ちます。

「どうも奇々怪々だね。旗田鶴彌を殺したのはピストルの弾丸だというんで、それを中心に調べていたところ、最後に至って、いや死因はピストルではなく・・・・・

特異なる殺害方法と、恐ろしき「地獄の使者」は一体だれ  密室殺人事件に挑む名探偵・帆村荘六の活躍を描いた本格探偵小説です。
「玄関の扉」や「鳥籠」の件(くだり)など、全体的に良くまとまっており、登場人物たちの秘密の情交関係の発覚や、帆村が仕掛ける犯人逮捕のトリックなど、最後まで退屈しますことなく楽しめる作品です。
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十八時の音楽浴 
海野十三の 短編集です。“音楽浴”によって人間の脳細胞を刺戟し、国民を画一的にコントロールしている地底国の大統領・ミルキです。姦通事件を起したミルキ夫人と科学者・コハクを容赦なく抹殺したミルキでしたが、それは女大臣・アサリの策動だった。
権力を掌握したアサリは・・・・・

「科学は政治家に征服されてこそ、真の偉力を発揮するのです」。政治家  対 科学者  支配者におけるユートピア、理想的な人間のあるべき姿とは  とっても風刺的で興味ぶかいSF小説の傑作作品です。
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省線電車の射撃手 
海野十三の 短編集です。エビスと目黒の間を走る電車の車内で、若い女性ばかりを狙った連続射殺事件が発生しました。事件を調べる大江山警部でしたが、捜査は難航してしまいます。銃弾は車内で発射されたのか、それとも、・・・・・

被害者が十字架と髑髏(どくろ)のついた標章を持っていたのはなぜでしょう  執念深い犯人のトリックを暴いていく青年探偵・帆村壮六の活躍を描いた本格ミステリー小説です。
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人造人間事件 
海野十三の 短編集です。人造人間の研究で有名な竹田博士が就寝中に殺害されました。何者かが鋼鉄製の人造人間を動かして、博士を撲殺させたのです。しかし容疑者には・・・・・

「なにかこう近代科学をうまく利用して、五、六丁はなれたところに住んでいる竹田博士を殺害します手はないものかネ」。意外な方法による遠隔殺人を描いて興味ぶかい作品です。
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振動魔 
海野十三の 短編集です。美しい妻・呉子がいながら、恩人である白石博士の妻・雪子と不倫している社会教育家・柿丘秋郎です。妊娠した雪子に、堕胎を拒絶され、恐迫された柿丘は、雪子が全く気のつかないうちに堕胎させてしまう方法音響振動を利用した・・・・・

「どうです、この牧歌的な音色は」。奇抜きわまるトリックと、どんでん返しの展開が興味ぶかい名探偵・帆村荘六の作品です。
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深夜の市長 
海野十三の長編集です。
深夜のT市は、昼間のT市とは全く別個の存在です。しかも極く少数の市民が住み、そしてその少数の人しか知らない不思議な都市です。
趣味である深夜の散歩を楽しむ僕(司法官の卵である青年・浅間信十郎)は、業平橋近くで怪しい殺人事件の現場に居合わせてしまい、警察に追われる羽目に陥りますが「深夜の市長」と呼ばれる妙な老人に助けられます。
深夜のT市を統制している「深夜の市長」を敬愛している風変わりな科学者・速水輪太郎や、妖艶な年増女・・・・・

T市長・高屋男爵と市議・動坂三郎の対立と、殺人事件との関連は  そして、昼間は所在が知れない「深夜の市長」の正体はいったいだれでしょう 

T市(東京)の市政をめぐる怖ろしい嵐に巻き込まれてしまった主人公の青年の活躍を描いて興味ぶかい社会派ミステリー小説です。モガ崩れの美女・マスミの不幸と、太陽が嫌いな女児・絹坊の存在が、社会の裏面の象徴として印象に残ります。
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西湖の屍人 
海野十三の 短編集です。自分は既に死んでいるのではないかという想念にとらわれた青年と出会った私立探偵の帆村ですが、銀座裏の袋小路で彼の姿を見失ってしまいます。「貴方様は、遂に亡くなられた」。呉王の末裔である青年・漢于仁(かんうじん)は、死後の世界で幻想生活を送るのですが。中国の情勢に絡んだ事件を・・・・・
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赤外線男 
海野十三の中編集です。
理学士・深山楢彦が開発した「赤外線テレヴィジョン装置」によって、人間の肉眼では見えない「赤外線男」の存在が明らかになりました。赤外線男の犯行と思われる事件が頻発する中、深山の研究室が襲撃され、捜査関係者が相次いで殺害されてしまいます。赤外線男は深山の創作だと考えていた探偵・帆村荘六でしたが、深山も殺害されてしまったため、赤外線男の存在を・・・・・

「赤外線男 」、「ああ、あいつの仕業だ」。赤外線男の正体が暴かれるエンデイングが大変、興味ぶかいです。傑作ミステリー作品です。
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赤耀館事件の真相 
海野十三の 短編集です。東京の郊外にある洋館「赤耀館」の主人・松木亮二郎が語る「赤耀館事件」の真相とはなんでしょう 赤耀館の当主であった丈太郎(亮二郎の兄)の恋敵であった笛吹川画伯が変死しました。

さらに、丈太郎と妻・綾子も相次い・・・・・

湿度やX線などを分析して、事件の真相を突き止める私立探偵・赤星五郎です。犯人や登場人物たちの意外な正体が判明する二転三転の結末が ものすごく興味ぶかい展開です。推理小説 です
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一九五〇年の殺人 
海野十三の短編集です。バラバラ殺人事件を捜査する捜査課長ですが。「バラバラ屍体も二、三十分のうちに、元のピンピンした身体に縫いあげられる世の中では、・・・・・

医療技術が極端に進歩してしまった時代の殺人事件を描いて興味ぶかいユーモア小説です。
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千年後の世界 
海野十三の短編集です。冷凍睡眠の技術で、一千年後の世界に覚醒した科学者・フルハタでした。出迎えてくれた若い女性・チタ教授の年齢が、・・・・・
「あなたも古いだけあって頭脳がわるいのね」。不老不死を実現させた人類の皮肉(自惚れ)を描いたSF小説です。
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大脳手術 
海野十三の 短編集です。恋人の珠子の勧めで、自分の美しい両脚を売却してしまい、その代わりに安価な脚を移植した私でした。その美しい脚を珠子が買い取り、愛する別の男に捧げたと知った私は、脳以外の体の部位を全部売り飛ばしながら、・・・・・

「貴様だな、俺の両脚から始めて両腕、臓器、顔などと皆買い集めてしまったのは」。その男の意外な正体とは誰でしょう  人間の狂気を描いた興味ぶかい作品です。
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断層顔 
海野十三の 短編集です。火星探検に出発したロケット流星号の危機を救い、英雄となった探検隊員・碇曳治と結婚した谷間シズカでしたが、断層のある・・・・・

依頼を受けた老探偵・帆村荘六は、碇が二人いた流星号の密航者のうちの一人だったことを突き止めます。火星探検成功の裏で起きていた事件の真相を描きだしてあるのが 興味ぶかい作品です。科学が進歩した近未来の探偵小説です。
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地球発狂事件 
海野十三の長編集です。
大西洋上にいた大型船が遠方の高い山の頂上まで吹き飛ばされるという奇怪極まる大事件が発生しました。この事件の発見者であるアイスランドの記者・ハリ・ドレゴや、彼の親友である記者・水戸宗一でした  原子エネルギーの権威であるワーナー博士たちは、巨船を吹き飛ばすほどの怪力源がどこにあるのかを突き止めるため、調査船で大西洋を調べますが、護衛艦が・・・・・

命がけの海底調査に乗り出したワーナー博士たちでしたが、海底に城塞を築いた地球外高等生物たちに襲撃されてしまいます。有史以来の危機に直面した地球人類のとるべき道はあるのでしょうか  武力行使か  平和的解決か 

広大なる宇宙の中に真に渺(びょう)たる存在であるわが地球、その地球に棲む人類たちが、互いに反目してもそこに何の益があるでしょう。軽快で楽しいSF冒険小説ですが、大変、優れた反戦小説でもあります。
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地球を狙う者 
海野十三の 短編集です。南洋の孤島・花陵島にある地震観測所に赴任した僕(理学士・大隅圭造)は、火星研究で有名な轟博士から、海底地震と火星との関連や、巨大な原動力を支配しているという火星の生物についての話を聞きます。 「ぼ、僕は、博士を・・・・

轟博士のメモに書かれた戦慄の内容とは何か  島で発生したバラバラ殺人の真相を描いたSFサスペンス作品です。
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千早館の迷路 
海野十三の 短編集です。キャバレーの女・田鶴子と関わり、失踪した青年・田川勇を捜す探偵・帆村荘六は、田川の恋人・カズ子と一緒に、田鶴子が行った「千早館」へ向かいます。雪山で遭難して死亡した子爵・古神行基が設計した、奇妙な形をした洋館「千早館」。迷路のような・・・・・
水銀灯の照明と殺人回転刀の恐怖があります    在原業平の句に隠された謎とは  手に汗握るホラー・ミステリー作品です。
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電気看板の神経 
海野十三の 短編集です。カフェ・ネオンの女給たちが次々に惨殺される連続殺人事件が発生しました。殺害トリック(高圧電気による感電死)を見抜いた警視庁は、電気商の若主人・岩田京四郎を検挙します  電気恐怖症の・・・・・

「あの電気看板は、早く壊してしまうがいいぞ。あの電気看板には神経があって、人間の殺されるのが判っていたのだ」。敵(かたき)同士の不思議な共軛関係が興味ぶかい作品です。
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透明猫 
海野十三の 短編集です。草むらで透明猫を拾った少年の青二は、猫を家に連れて帰りますが、彼の身体は次第に透けていってしまいます。悲嘆して家出した青二は、・・・・・。
六さんは猫を見世物にして大儲けします。  ユーモアであり、パニック小説でもあります。
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時計屋敷の秘密 
海野十三の 短編集です。長い間、空き家になっていた時計屋敷で、村人たちが行方不明になるという怪事件が起きました。幽霊屋敷と怖がられている時計屋敷の秘密をさぐるため、少年探偵団を結成した小学生・八木音松たち五人でしたが、時計屋敷の中はカラクリ仕掛けだらけの・・・・・。時計屋敷がこの場所に建てられた理由とは 、怪囚人の正体とは  少年たちの活躍を描いたホラーそしてアドベンチャー作品です。
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特許多腕人間方式 
海野十三の 短編集です。機械的な腕を取り付けて、人間の腕を三本にする画期的な大発明をしたという依頼人の田方から、特許出願を・・・・・。

もう一本の腕をどこに取り付けるかについて、百円紙幣(なぜか女性)と問答する件(くだり)が大変、おもしろいです。海野十三のユーモア小説です。
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仲々死なぬ彼奴 
海野十三の 短編集です。世話になった金満家の大熊老人を亡くし、悲嘆にくれる薬学家の喜助は、水に反応して爆発する金属ソジウムを利用して・・・・・

葬式に使う花筒に細工を施しますが、なかなか爆発してくれません。最後は カタストロフィーなドンデン返しがまっています。興味深い作品です
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人間灰 
海野十三の 短編集です。空気工場の雇人たちが、強い西風が吹く日ばかりに、次々と失踪するという怪事件が起こります。そして、工場主・赤沢金弥の妻・珠江が七人目の犠牲者になります。「話によると、どうやら犠牲者の屍体を粉々に砕いて、気球の上から撒くいう仮定を考えているようじゃったが、・・・・・。

容疑者として捕まった血まみれの怪漢の意外な正体とはだれでしょう  “人間灰事件”の真相を描いて興味ぶかい作品です。
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ネオン横丁殺人事件 
海野十三の 短編集です。新宿・ネオン横丁にあるカフェの主人・虫尾兵作が天井裏の節穴から狙い射たれて殺害されました。ネオンサインの看板屋・大久保一平が犯人だと推理した探偵・帆村・・・・・

彼には完ぺきなアリバイがありました。いい作品です
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脳の中の麗人 
海野十三の 短編集です。黒木博士による大脳移植手術を受け、退院した宮川宇多郎は、怪しい青年・矢部に尾行されます。矢部は大金ほしさに脳髄の一部を宮川に提供した人物でした。記憶にない自分の日記の中に登場する女性Yに惚れた宮川は、・・・・・

「博士、あの矢部君の残りの脳を買いとって、私のここに入れてください」。脳移植の医学の功罪をコミカルに描いて興味ぶかい作品です。
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蠅 
海野十三の 短編集です。蠅(はえ)を題材にした作品です。全7話あります。特に「第3話」と「第7話」が秀逸です。
「第三話 動かぬ蠅」新築の邸宅と美しい新妻を手に入れた秘密映画観賞会の会員・目賀野千吉は、あらゆる角度から妻の味を堪能しますが、やがて倦怠期を迎えてしまいます。刺戟を求めて、久し振りに秘密映画を見に行く彼でした。

「第七話 蠅に喰われる」新薬「生長液」と「縮小液」を手に入れた私・・・・・

生長液」を垂らしてみますが、際限なく蠅が巨大化していく事態に陥ってしまいます。蠅を叩き殺すため、「生長液」を飲んで巨大化する私です  
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蠅男 
海野十三の 長編集です。
背丈はおよそ八尺もありながら、密室の中を煙のように自由に出入りする 稀代の怪人「蠅男」です  その恐るべき殺人魔の正体とはなんでしょう 

大阪・帝塚山の奇人・鴨下ドクトルの邸で身元不明の焼死体が発見されたのに続き、天下茶屋の富豪・玉屋総一郎が、警官隊による厳重な警戒の中、自邸で殺害されてしまいます。どちらの事件も、蠅男からの脅迫状のとおりに実行されたものでした。そして、事件を捜査します青年探偵・帆村荘六のもとにも遂に蠅男から・・・・・

オート三輪のユーモラスな追跡の様子や、蠅男との手に汗握る格闘場面、玉屋総一郎の娘・糸子とのロマンスが見どころです
鴨下ドクトルの日記に書かれた愕くべき秘密とは、蠅男の恐ろしき犯行動機とは 
奇想天外な海野作品を堪能してください。怪奇探偵小説の傑作がこの作品です
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爆薬の花籠 
海野十三の 長編集です。
「あたしのお父さま、お母さま。日本へかえったら、こんどこそ、めぐりあえるでしょうね」。
メキシコから横浜へ帰朝します曲馬団のメンバーを乗せた汽船・雷洋丸が爆発し、沈没してしまいます。花籠の中に仕掛けられた爆薬を何者かが爆発させたのだ。
ある重要任務を帯びた名探偵・帆村荘六も爆沈事件に巻き込まれるが、命からがら日本に辿り着く。生き残った房枝たちは、東京で・・・・・

花の慰問隊を結成して、東京中の工場に花籠を配るターネフ師父と姪のニーナ嬢の恐るべき正体は 
秘密結社「世界骸骨化クラブ」が企む荒唐無稽な陰謀だけではありません  壮大なスケールのサスペンス・ストーリーです。
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爬虫館事件 
海野十三の 短編集です。行方不明になった動物園の園長・河内武太夫の捜索を依頼された私立探偵・帆村荘六。最後に園長を目撃した人物である爬虫館の研究員・鴨田兎三夫(とみお)を疑う帆村は、バラバラにした死体を大蛇に食わせて処理したのではないかと推理しますが、蛇は死んでいるものは・・・・・

大きなタンクの驚くべき秘密と、犯人の殺害動機は  完成度の高い本格推理。傑作作品です。
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一坪館 
海野十三の 短編集です。「さあ、ここで、ぼくはすばらしい仕事を始めるんだ」。戦争で焼野原となった銀座の一角に、土地一坪を譲り受けた少年・飛島源一は、花屋を始めるが思うようにいきません。青年の犬山画伯が描いてくれた看板のお蔭で客が来るようになりますが、銀座が復興・・・・・

様々な人々との出会いによって夢が膨らんでいく少年の姿を描いていく素晴らしい作品です。
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ヒルミ夫人の冷蔵鞄 
海野十三の 短編集です。画期的な整形外科技術を開発した医学博士のヒルミ夫人は、五つ年下の美男子・万吉郎と結婚します。実は万吉郎は、ヒルミ夫人に顔を修整されてしまった不良少年・モニカの千太郎でした。万吉郎を狂愛しますヒルミ夫人と、彼女から・・・・・ 

万吉郎が本物の彼であるかどうかという疑惑に囚われたヒルミ夫人は、ある考えを実行します  医術の進歩の功罪を描いて興味ぶかい作品です。
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不思議なる空間断層 
海野十三の 短編集です。大きな鏡のある風変わりな部屋で、かつて愛人だった女をピストルで射殺してしまうという夢を見た乃公 でした。再び同じ夢を見た乃公は、やはり女を射殺してしまいますが、女は愛人ではなく、友人の細君でした。夢の中で刑務所に・・・・・

「そうだ、そうだ。私はやっぱり夢を見ているのだ」。夢の中で起きた殺人事件の真相(トリック)を描いた興味ぶかい作品です。
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麻雀殺人事件 
海野十三の 短編集です。雀荘で麻雀をしていた慶応ボーイ・松山虎夫が何者かに毒殺されました。隣の卓子にいた名探偵・帆村壮六は、犯行方法を解明しますが、犯人を特定できず・・・・・

松山の麻雀仲間の三人(助教授の星尾信一郎、松山の援助を受けていた川丘みどり、美少年の園部壽一)のうち、犯人は誰でしょう  証拠物件である脱脂綿が、容疑者たちの間を複雑に行き来する様子が興味ぶかいです。
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見えざる敵 
海野十三の 短編集です。新聞社の社長・ウルランド(実はギャングの首領・ウルスキー)は、楊(ヤン)博士が発明した「消身法」の・・・・・

楊博士から聞き出した「珍しい毛」を特ダネとして新聞にすっぱ抜こうとします。楊博士の“復讐”が楽しいユーモア小説です。
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密林荘事件 
海野十三の 短編集です。親友の熊井を連れて山荘「密林荘」へやって来た青年の柴谷。二人は別々の場所で釣りを楽しみ、柴谷が山荘へ戻ると、既に熊井は青酸加里を飲んで・・・・・

旗田警部は柴谷の陳述に矛盾があることを見抜きます。クイズ形式による楽しい推理小説です。
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什器破壊業事件(ものをこわすのがしょうばいじけん) 
海野十三の 短編集です。青年探偵・帆村荘六に頼まれて、ある鉱山成金の男の家に小間使として潜入した女探偵・風間光枝です。「コーヒー茶碗とか、花瓶とか、灰皿とか、スタンドとか、そういったものを、あれっとか、あらっとかいいながら、じゃんじゃん下に墜(お)として・・・・・。

帆村と光枝のやりとりが楽しいユーモア・ミステリー作品です。
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遊星移民説 
海野十三の 短編集です。許婚がいる美貌の女性記者。三十八階(屋上)にあるゴーゴンゾラ博士の研究室を取材のため訪れた彼女でした。地球に愛想を・・・・・

「遊星移民説」の話をする博士です。楽しい作品です。
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