阿部一族/森 鴎外<あらすじ 要約>

阿部一族/森 鴎外

肥後の藩主・細川忠利の病死に際しては、恩を受けた18人の藩士が殉死しました。

しかし、殉死するはずの阿部弥一右衛門だけは殉死の許可を得ることができず、生き残って新しい藩主に奉公していました。

しかし、生命を惜しんでいるように見る家中の露骨な批判に堪えきれず、自分の死後、自分の行動や残されたものへの非難を覚悟の上で 弥一右衛門は追腹を切りました。

命令に背いたことが問題となり、阿部 一族は藩から殉死者の遺族として扱われず、家格を おおきく 落とす事になりました。

長男・権兵衛は禄高を減らされ侮蔑を受けたので、忠利の一周忌のとき、まげを切って武士を捨てる覚悟を見せました。

藩主はその無礼を怒って 長男・権兵衛を 縛り首にしました。

度重なる恥辱に意を決した次男・弥五兵衛を中心に安部一族は武士の意地をかけて権兵衛の屋敷にたてこもり反抗します

討っ手と安部 一族の壮絶な戦いの末、全滅することとなります。

阿部 一族の死骸は井出の口に引き出して、吟味せられました。

白川で一人一人の創(きず)を洗ってみたとき、

柄本又七郎の槍に胸板をつき抜かれた弥五兵衛の創は、誰の受けた創よりも立派であったので、又七郎はいよいよ面目を施しました。

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