牧野信一(まきの・しんいち)/奇友往来,夜の奇蹟<あらすじ 要約>

牧野信一(まきの・しんいち)/奇友往来,夜の奇蹟<あらすじ 要約>

  あらすじ

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牧野信一(まきの・しんいち)
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明るく・暗く
牧野信一 の 短編集です。落第や失恋などを経験し、すっかり気持ちが塞いでいる臆病な青年・純吉。みんなのマドンナである百合子の話題で明るくなる彼でしたが、彼女の前でローラー・スケートがうまく滑れず、途方も・・・・・

「やっぱり俺は独りに限る。もう今日からは、何と云っても出かけないぞ。あの苦しみは地獄の有様だ 」。小説「ランプの明滅」が 挿入されています。
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鸚鵡のいる部屋
牧野信一 の 短編集です。
横浜のアメリカ人の家に寄宿している大学生の彼。その家の一人娘・フロラが飼っている鸚鵡(おうむ)・グリップは、「お早う」や「今日は」など簡単な言葉すら覚えず、いつも黙ったままであったのでした。「グリップが今朝あたしの枕もとで、突然一つの・・・・・

「それは、たしかに一事件に違いないな 」。“決して言葉を覚えない鸚鵡”を飼うことの素晴らしい効用を描いたいい作品です。時代小説 です
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愚かな朝の話
牧野信一 の 短編集です。
「お午から芝居に行くの。一緒に伴れてってやろうか」。或る日曜の朝、従姉の照子に誘われた彼でしたが、素直に行くと言えません。照子の前で大人ぶって、遊里に恋人がいるかのように・・・・・

「照子が芝居に行っている間の時間をどうして過ごそうか」。完全に照子に執着している様が笑えます。時代小説 です
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女に臆病な男
牧野信一 の 短編集です。女性に出会うと狼狽するという病い ガール・シャイがあります  快活で明るい性格の男になりたいと思っている独身アパートに住む中学教師・村瀬でした。「先生をお訪ねしても関わない」、「え 」。美人テニス選手・冬子に好意を持たれた・・・・・

「村瀬さんがはじめて恋人を抱擁する有様は定めし戦慄すべき絶景だろうな」。 童貞男に訪れた奇跡です   大どんでん返しのラストが楽しい恋愛コメディー作品です
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階段
牧野信一 の 短編集です。熱心にファンレターを送ってくる若い女性・美奈子に惚れた青年画家・久保です。電車でピアノ教室に通う彼女を密かに尾行する彼は、思い切って・・・・・

「それにしても、好く、あの画の人物が自分に似ているなどということを彼女は気づいたものだ」。芸術家に対する感激か、作品に対する感激か、それが問題です。いい作品です
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鵞鳥の家
牧野信一 の 短編集です。楽しみだったスキー旅行を親に反対され、田舎の叔父のところへ行かされてしまった満里子でした。「起床せんか、満里子、五時だぞ 」。退役軍人である叔父が飼っている五十羽の鵞鳥(がちょう)の世話や、水汲みなど、いつの間にか充実感を覚えていきます。「おい満里子、何うし・・・・・

これしきの失敗で泣き出すなんて、鵞鳥隊の大隊長らしくもないぞ 」。満里子の成長を、兄の友人・武田への想いも絡めて、ユーモラスに描いた作品です。
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奇友往来
牧野信一 の 短編集です。「何処の下宿へ越しても苦情が出るんだよ」。鼾(いびき)が原因で、しょっちゅう引っ越しを繰り返している苦学生・小鐘登と仲良くなった大学生の私でした。「恰度好かったな。直ぐに引っ越すぞ。是非・・・・・

そんな放浪癖のある小鐘のことを好きになった従妹の輝子でした。大きな鼾で他人に迷惑かけてる人にとって朗報です  いい作品です
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公園へ行く道
牧野信一 の 短編集です。試験勉強のため伯母の家で生活している主人公の青年(純ちゃん)です。「遊び」に行く目的で外出した彼でしたが、足は自然と気のある照子のところへいきます。食事に行き、芝居を見に行く二人でしたが、酔っ払った純ちゃんが「大失策」を演じてしまい、照子はすっかり機嫌を・・・・・

「もう帰って勉強でもした方が好くはなくって。また落っこったりしちゃ厭よ」。普通 どこにでもあるような作品です   主人公と照子のやり取りがとても楽しい作品です。
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牧野信一 の 短編集です。「歌は 他に知らないんだ。踊りもそれより他に知らないんだ。それがみっともないとされては、一体俺は如何すればいいんだ」、「煩い煩い、酔っぱらい。だから立派なことをお習いなさい」。夜中に泥酔して大声で歌うことを、妻・周子に禁じられた“文学青年”の・・・・・

母親に送ってもらった新調の羽織袴を着て、中学の同窓会に出席します。都の西北、トンボ踊り、兵隊ラッパ。夫婦の会話がユーモラスで楽しい作品です。
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滝のある村
牧野信一 の 短編集です。
僕はね、親父たちが何といったって、キエ、お前と、結婚するよ」。奉公先の息子・三千雄のことを好きですが、男に何の期待も持たず、どうなろうと、それはそれと、はじめから一つのあきらめを持っている主人公の女性・キエでした。暇をとって里に戻ったキエのもとを、家出してきた三千雄が・・・・・

「滝、観て行きたいわ」。 物語にでもあるような悲劇めいたことを、何をおそれるでもなく、何となしに待っているような思いを抱いて 生きていくことをのぞみます。いい作品です
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痴日
牧野信一 の 短編集です。保養のため海岸の別荘に移った作家・隠岐です。気の強い妻と魅惑的な妻の従妹・弥生と暮らす彼は、妻から弥生に対する同性愛 感情を告白され、弥生からは・・・・・

「あの子の、体の綺麗さ加減と云ったら、それあもう、何とも彼とも、云いようもない、ふるいつかずには居られないほど」。萌える小説作品です。
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塚越の話
牧野信一 の 短編集です。一日も早く恋人を見つけた者は、それだけ人生の幸福を余分に吸いとった生活の勝利者であります。どうしても恋人が欲しいと思っている中学生の塚越でしたが、妄想が仇となり、・・・・・

「一切のことが、あの仕事に没頭することだけで満足できるのさ」。自分の妄想をある意味 実現 できてしまいます
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牧野信一 の 短編集です。「妾兄さんがどんな挙動をしたって、幾日寝ていようが平気よ。一体兄さんは横着で怠け者なのよ」。お転婆な従妹・道子の冷笑の前に、いつも 黙殺されて・・・・・

「頭が割れそうだ」。狂人になるかも知れないと嘘をつき、道子に不安を与えてやろうと考えた彼でしたが。女性に翻弄されつづける牧野のとても楽しい作品です。
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牧野信一 の 短編集です。とっくに結婚してしまったみつ子のことをまだ想っている様子あ・・・・・

夏の休暇で帰省中の彼は、海辺で快活な友人たちと他愛なく戯れ、朗らかな気持ちになります。「只今 着物の帯に手が懸りました」
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陽に酔った風景
牧野信一 の 短編集です。今日から鎮守様のお祭だから遊びに来ませんか   恋人の鶴子がY村に帰っていると知り、喜び勇んで会いに行く主人公の青年でした。「神殿に出る舞姫になるんだったね」、「見違えては厭よ、・・・・・

、「どれ、見違えるといけないから今のうちによくこの顔を見て置こう」。すぐ脱線してしまい軽便鉄道の様子が微笑ましい。いい作品です
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風媒結婚
牧野信一 の 短編集です。望遠鏡製作所に勤める主人公の青年でした。半年もの間、洋館に住むA子の部屋を覗き見し続けている彼は、彼女とお近づきになるが、「僕には、あのA子の部屋のみが、輝ける空中楼閣であって、「地上」で見出すA子の姿などには、何んな魅力も・・・・・

孤独を愛する青年の「とても奇怪な生甲斐」を描く楽しい作品です。
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まぼろし
牧野信一 の 短編集です。美しいマーメイド(人魚)である満里百合子のことで頭が一杯の若者五人組でした。「ぢゃ、やはり百合さんの好きな男は吾々のうちに存在しますんだね  」、「おそらくそれに違いないわ。近いうちに発表しますわ」。百合子の手紙が届いた音田は、有頂天で・・・・・

百合子の処女を守ろうと彼らが結成した「満里百合子恋愛防止クラブ」が笑えます。海とバカな仲間たちとマーメイドの存在と童貞という名の情熱は青春そのものです。
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夜の奇蹟
牧野信一 の 短編集です。蔵の二階に仕舞われた生き人形と密かに戯れる兄の友人・滝尾の姿を目撃してしまった雪江でした。「おお会いたかった夜になるのが待ち切れずに、・・・・・

やがて誰かがやって来ぬうちに、暫しの逢瀬を貪りたい」。人形を愛してしまった青年と、そんな青年をいつしか好きになってしまった女性の悲喜劇の作品です。
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ランプの明滅
牧野信一 の 短編集です。「妾、秀才程美しい感じのしますものはないと思うわ。妾は秀才という文字だけにでも、妾の生命の全部を捧げて、涙を・・・・・

照子が讃美します秀才になるため、試験勉強する青年でしたが、見事に落第し、失恋します。「やっぱり俺は嘘をついているのかな」。一生泣いていろ と
いっかつ したくなります
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蘭丸の絵
牧野信一 の 短編集です。子供たちが手や足などに貼り付けて遊ぶ写絵です。同級生の浜田が持っている森蘭丸の美しい写絵が欲しくて・・・・・

「若し君が僕達の仲間に入れば、売ってるところは教えないけれど、蘭丸はやってもいいよ」。癪に障って堪らなかった友人が急に偉い人のようにさえ思えてくる少年の心理描写が鮮やかな作品です。
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