夜明け前/島崎藤村<あらすじ 要約>

夜明け前/島崎藤村

時は幕末、中仙道木曾馬籠宿(まごめ)で17代続いた本陣・庄屋の当主、青山半蔵は生まれてすぐ生母と死に別れました、

青山半蔵は、向学心が強く平田派の国学や漢字を学んでいました。特に王政復古に陶酔する半蔵は、

山林を古代のように 皆が自由に使う事ができれば、生活はもっと楽にできるであろうと考え、

森林の使用を制限する尾張藩を批判していました。

青山半蔵は 下層の人々への同情心が強く、新しい時代の到来を強く待ち望んでいました。

やがて、大政奉還で明治維新を迎え、待ち望んだ王政復古の実現を信じて歓喜するのでありました。

しかし、現実は、西洋文化を意識した文明開化と、政府による人々へのさらなる圧迫などで、

理想を裏切られるのでした。

さらに、明治政府は、森林を国有林として伐採を禁じた為、半蔵らは連名で嘆願書を提出するが、半蔵は首謀者とされ戸長(こちょう)の職を失う事となりました。

のぞみを失った半蔵は、憂国の歌を記した扇を天皇の行列に「投進」し、罰金を科せられる事になってしまいました。

その後、半蔵は、絶望のふちに追い込まれ、飛騨で宮司となるが、ついには心を病んで幻を見るようになります。

そして、故郷の寺に火を放って、幽閉されてしまいます。

「わたしはおてんとうさまも見ずに死ぬ」

と言い残し、牢屋の中で56歳の生涯を閉じるのでした。

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