走れメロス/太宰治> <あらすじ、要約>
太宰治と聞くと 人間失格 のように 暗い、絶望 といったイメージをもっている方が多いかもしれません
実は太宰治の中期では 明るい、希望 といったテーマの作品が多いです。
今回の 走れメロス も希望 を象徴する作品で、人を信じることの素晴らしさ 友情の大切さ
と同時に、正義に伴う代償 についても上手に 描かれています。
走れメロスは 中学生にも理解してもらえる 友情物語です
全体を通して 人を信じること と 信じるには痛みが伴い、それに打ち勝たなければいけないということがうまく表現されています、
小学生~中学生に読むべき作品です。 この作品は教科書に 長年、掲載されています
走れメロス という作品は、ギリシャ神話がもとになっているだけあって、
□ 人を信じることの素晴らしさ
□ 友情の大切さ
□ 過ちを認めることの重要性 など、典型的な道徳物語になっています。
<走れメロス/太宰治>の主な登場人物は3人です。
1、メロス 主人公。正義感が強く、人を信じることの素晴らしさと大切さを知っている
2、ディオニス 王様。人間不信で、次々に人を殺している
3、セリヌンティウス メロスの親友。2年ぶりに会ったメロスのことを信じ、黙って人質になることを受け入れる
<走れメロス/太宰治> <あらすじ 要約>
メロスの旅立ち
メロスは走りました。
友人を救うため、そして友情と信頼が本当にあることを証明するために。
メロスは村の牧人で、正義感に満ちあふれた青年でした。
メロスには両親も妻もおらず、妹と二人だけで暮らしていました。
そんな唯一の肉親である妹が結婚することになったため、
10里(約40km)離れたシラクスという町に、妹の結婚式で必要なものを買いに来ていました。
人間不信ディオニス王とメロスの約束
シラクスに着くと、メロスは町が以前より静かで暗くなっていることに気づきます。
町民に話を聞くと、王様である ディオニス が他人を信じられなくなって、次々に人を殺しているというのです。
正義感の強かったメロスは激しく怒り、ディオニス王の城に乗り込みました。
メロスはディオニスを糾弾します。
メロス 人の心を疑うのはもっとも恥じるべき行為だ
ディオニス 人の心は信用できない。お前も今は偉そうなことを言っているが、磔(はりつけ)になれば考えも変わるだろう
ディオニスはメロスのことをあざ笑い、処刑しようとしました。
メロスも死ぬ覚悟はできていましたが、妹の結婚式が終わるまで3日間待って欲しいと告げます。
その代わりに2年ぶりに再開したばかりの親友である セリヌンティウス を人質としておき、
3日後の日没までに自分が戻らなければ、セリヌンティウスを代わりに処刑するように条件を出します。ディオニスはメロスが戻ってくることは絶対にないと考えましたが、
セリヌンティウスを処刑することで町民に 人を信じること の無意味さを知らしめるため、メロスの話を受け入れました。セリヌンティウスは、メロスの話を聞くと無言でうなづき、人質となることを了解しました。
メロスの信念と、裏切り
メロスはセリヌンティウスを町に残して、一晩中 妹が待つ村へと走り続けました。
翌日の午前中には村に着き、次の日に結婚式は無事に行われました。
そしてセリヌンティウスの処刑日である3日目の朝、メロスは町に向かって走り出します。
町への道中では、川の氾濫に巻き込まれて橋がなくなったり、
山賊に遭遇し殺されそうになりましたが、それでもなんとかメロスはピンチを乗り切りました。
しかし、ついにメロスも力尽き、その場に倒れこんでしまいます。
メロスは気力を奮い立たせることがでず、一度はセリヌンティウスを見捨ててこのまま逃げてしまおうかと考えてしまいます。
その時、すぐそばの岩から清水がしみだしてきました。
メロスがその清水を飲むと再び気力がわきだしてくるのを感じ、
ディオニス王に人を信じることの意味を教えるため、そして何より自分を信じ身代わりになってくれたセリヌンティウスのために、メロスは再び走り出します。
友情と信頼の素晴らしさ
太陽が今にも沈むその時、メロスは処刑場に踏み込みました。
メロスとセリヌンティウスは互いに歩み寄ります。
メロスは一度だけ、セリヌンティウスを裏切って走るのをやめようとしたこと、
セリヌンティウスは一度だけ、メロスが戻らないのではないかと疑ったことを素直に告白します。
そしてお互いに相手の罪を許し、殴り合いました。
それをみていたディオニス王は 真実はけっして空虚な妄想ではなかった と言い、
自分の非を認めたのです。
町の群衆からは大きな歓声が沸き起こりました。
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