銀河鉄道の夜/宮沢賢治 <あらすじ、要約>

銀河鉄道の夜/宮沢賢治 <あらすじ、要約>

 

宮沢賢治は 銀河鉄道の夜 のほかに 雨ニモマケズ が有名ですが、
これらの2作は宮沢賢治が亡くなるまで世に出ることはありませんでした。

生前に出版していたのは 春と修羅 と 注文の多い料理店 の2作のみで、
ともに自費出版という有名作家とは程遠い存在だったのです

ジョバンニは死んだはずのカムパネルラと出会い、銀河鉄道で旅をします。
不思議な経験をするうちに、いつしかジョバンニは幸せは何かを考え始め、
カムパネルラは 本当にいいことをする とは 幸せ だと言います。

ここが 銀河鉄道の夜 のクライマックスなのです。

カムパネルラはいじめられているジョバンニを助けられないことに罪悪感を感じていましたが、
最後には溺れそうになっている同級生を助ける いいことをします。

だから、自分は幸せで自分の死をお母さんは許してくれるだろう~。
そこまで言ってカムパネルラはジョバンニの前から姿を消します。

一方のジョバンニは、元の世界に戻ってからカムパネルラの死を知ると同時に父親の帰国も知らされる。このときのジョバンニの感情はどんなものだったのでしょうか。

原作を読んでみるとジョバンニの人間性がわかるため、どんな気持ちだったか推測できます。

本当の幸せとは何なのか、死んだら人はどこへ行くのか ぜひ考えてみてください。

幻想的な旅へとあなたをいざなってくれるでしょう。

 

<銀河鉄道の夜/宮沢賢治>の主な登場人物は2人です。

1、主人公でいじめられっ子の   ジョバンニ

2、彼の唯一の親友である   カムパネルラ

銀河鉄道の夜/宮沢賢治 <あらすじ 要約>
さびしい ジョバンニ

少年の ジョバンニ は身も心も疲れていました。
母親は病気で、父親にいたっては遠方に漁に出たっきり連絡が取れないままでした。
ジョバンニは父親がいないことが原因で学校でいじめられていましたが、
それでも学校が終わると活版所で仕事をし貧しい家計を助けていました。
そんなある日、銀河のお祭りがありました。
お祭りの夜、同級生たちはに川に燈火(あかり)を流しに行きますが、ジョバンニが誘われることはありません。
ジョバンニは一人寂しく牛乳を買いにお祭りでにぎわっている町に行きますが、
そこでいじめっ子の同級生たちと遭遇してしまいます。
いつものようにジョバンニは父のことで同級生たちからからかわれ、丘の上へ逃げるように走っていきました。
ジョバンニは一人寂しく星空を眺めるのでした。

銀河鉄道へ乗車

ジョバンニが丘の上で星空を眺めていると、どこからか 銀河ステーション という声が聞こえてきました。
そして急に目の前が明るくなったかと思うと、次の瞬間ジョバンニは小さな汽車に乗っていました。
それは、銀河を走る汽車でした。
ジョバンニが汽車の中を見回すと、前の席にはみんなと燈火を流しに行ったはずの カムパネルラ がいました。
カムパネルラはジョバンニの小さいころからの友達で、彼だけはジョバンニをいじめませんでした。
カムパネルラはジョバンニをみるとなぜか最初は青ざめた顔をしていましたが、
次第に元気を取り戻していきました。
そして、ジョバンニとカムパネルラは銀河鉄道に乗って旅を始めることになります。

銀河鉄道の旅

ジョバンニとカムパネルラの2人は銀河鉄道でたくさんの不思議な星々を旅して、
たくさんの不思議な人々と出会っていきます。
ある時はりんどうが一面に咲いている場所を通り過ぎ、ある時は鳥を取ってお菓子にしている人と出会います。
たくさんの不思議な星と人に触れ合い、ジョバンニは 本当の幸せを探したい と考え始めます。

友達との永遠の別れ

ジョバンニは皆の本当の幸せを探す決意をしますが、
ジョバンニにもカムパネルラにも本当の幸せが何なのかはわかりませんでした。
カムパネルラは 本当にいいことをしたら、いちばん幸せなんだ  とジョバンニに言います。
続けて だからお母さんは僕を許してくださると思う ~。
幸せが何かはわからないままでしたが、
それでもジョバンニは 僕たちどこまでも一緒に進んでいこう とカムパネルラに語りかけます。
しかし、そこにカムパネルラの姿はありませんでした。
カムパネルラはいつの間にかいなくなっていました。
気が付くとジョバンニは元いた丘の上に1人で戻っていました。
町へと降りていくと、ジョバンニはカムパネルラが死んだことを知らされました。
カムパネルラはいじめっ子だった同級生を助けるために川へ飛び込み、おぼれ死んでいたのです。
カムパネルラの死を知ったと同時に、ジョバンニは父親がもうすぐ帰ってくることを知らされます。
ジョバンニはいろいろなことで胸がいっぱいになり、何も言えないままただ一目散に走りだしていました。

 

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