坊ちゃん/夏目漱石 <あらすじ、要約>

坊ちゃん/夏目漱石 <あらすじ、要約>

 

坊ちゃん という作品は、主人公(坊っちゃん)が就職した中学校での生活を描いた小説で、先生同士の
悪口アリ 暴力アリ のなんでもありです  ぜひ 痛快コメディをお楽しみください!

100年以上前の作品とは思えないくらい読みやすく、また、現代と同じような人間関係のイザコザがたくさんあります。最初は対立していた 山嵐 という人間が実にいい奴で、正義感の強く、間違ったことをしたら素直に謝る精神をもっています。

一方で、 赤シャツ は陰湿な嫌がらせばかりする嫌な奴で、その腰巾着として 野だいご がいます。彼らの悪質さを際立たせるための存在が、気の毒な うらなり です。彼もけっこういい奴なのですが、婚約者を 赤シャツ に奪われたあげく、さらに片田舎の町に飛ばされてしまいます。

つまり、この 坊っちゃん という作品は 善悪 をはっきりと区分し、主人公の一途さと、世の不条理に対する抵抗を強く示していると考えられます。
また、最後に悪役だった 赤シャツ と 野だいご が一方的に主人公たちにやられたことから、悪は裁かれる という勧善懲悪がテーマといえるでしょう。

坊っちゃん の作品は、中学生レベルでも十分に読める内容の表現で描かれているので、一風変わった爽快感を味わえます

 

<坊っちゃん/夏目漱石>の主な登場人物は7人です。

1、おれ 主人公=坊っちゃん

2、清(きよ) 主人公の家の使用人;清が主人公のことを 坊っちゃん と呼んでいる

3、狸 校長で役立たず

4、赤シャツ 教頭でずるがしこく嫌な奴

5、うらなり 英語教師でけっこういい奴

(うらなりの意味 先の方に実がなって、小さい植物のこと;清がふくれた青白い顔の人を指して、うらなりばかり食べていたと言っていたことから命名)

6、山嵐 数学教師で一番の仲間

7、野だいご(のだいご) 画学教師で上司のご機嫌取りばかりしている嫌な奴(だいごの意味 宴会などで客のご機嫌取りをする職業)

 

<坊っちゃん/夏目漱石>あらすじ

坊っちゃんは生粋の江戸っ子! 曲がったことは大嫌い!
おれ(主人公 坊っちゃん) は生粋の江戸っ子で、子供のころから曲がったことは大嫌いでした。
小学生の時には、友達が どうせできない などというものだから、
学校の2階から飛び降りてやったりしていました。
そのうえ、おれは無鉄砲な性格だったので、
いたずらばかりやっていて、とうとう両親もおれに構わなくなるほどでした。
しかし、長年仕えている下女(使用人)の 清(きよ)という婆さんだけはおれを可愛がってくれ、
おれのまっすぐな性格にほれ込んでいるようでした
そのうち両親が死んでしまったので、おれには清を雇う余裕はなくなり、
清は甥の家で生活することになりました。
おれが就職するとき、清はわざわざ見送りに来てくれ、
目いっぱいに涙をためて応援してくれるものだから、おれも泣きそうになってしまいました。
坊っちゃん就職! 中学校は個性的なメンバーぞろい!
おれは四国の中学校に先生として就職しました。
中学校にはいろいろな先生がいたので、全員にあだ名をつけていきました。
校長は役立たずで 狸みたいな人、
教頭はずるがしこい奴で、いつも赤いシャツを着ているから 赤シャツ   、
英語教師はけっこういい奴だが、見た目から うらなり(実が小さい) のナス、
数学教師はごつくて、イガグリ坊主なので 山嵐   、
画学の教師は陰口をたたいたり、上司にへつらってばかりいるので 野だいご
という具体に、あだ名がついていきました。
ほかの先生たちは見た目だけじゃなく、性格も問題だらけで、
おれが生徒と問題を起こしても、かばってくれるのは 山嵐 だけだったり、
赤シャツ は うらなり の元婚約者と付き合っていたりしました。
坊っちゃんは真っ向から立ち向かう!
そのうち、 赤シャツ は うらなり の存在がうっとおしくなったようで、
裏から小細工をして うらなり を田舎町に左遷させてしまいました。
さらに、おれと 山嵐 のことも気に入らなかったようで、
生徒同士のトラブルに俺たちを巻き込ませて、退職させるように仕組んだりもしていました。
もう我慢できなくなったおれと 山嵐 は、
赤シャツ とその子分の 野だいご がいる宿に乗り込んで、厳しく非難してやりました。
さらにおれは、陰口ばかりたたいていて内心一番嫌いだった 野だいご に卵をぶつけてやり、
山嵐 は 赤シャツ のことをぶん殴ってやりました。
その日のうちに、おれと 山嵐 は田舎と別れを告げ、
おれは清が待つ東京へと舞い戻りました。
東京に着くと、清は涙をわんわん流して喜んでくれ、
おれもうれしくなりました。
気の毒に、清は今年の2月に死んでしまいましたが、
清は 坊っちゃんの寺に埋めて欲しい…坊っちゃんを待っている といっていました。

 

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