機械/横光利一<あらすじ 要約>

機械/横光利一

私はネームプレート工場に住み込みで働いていました。

その工場の主人は、

自分も貧しいくせに困っている者に金をやっては忘れてしまう底抜けの善人でした。

はじめ私はこの主人が 本当は 「狂人」ではないかとさえ思ったぐらいでした。

そんな主人だから、おのずと この家の中心は主人の細君になります。

私は主人のような人間だから、いやな仕事が一手に回ってきます。

一方で一緒に働いている職人の軽部は、

私がこの家の秘密を探りにきたスパイだと疑っていました  私にしてみれば

ばかばかしいことなので無視していました。

その後、軽部は工場が持つ特許の話を聞いて、それを私が盗むのではないかと、

疑いだしました。その頃、主人から「一緒に研究をやってみないか」と言われた私は、

誰も入る事が許されなかった暗室へ自由に出入りするになりました。

これに腹を立てた軽部が、私に難癖をつけてしつこく殴ってきました。

けれど軽部は化学方程式さえ読めないのです。

そんな人間に実験を手伝わせたって邪魔になるだけだと言ってみたら、

軽部は私に逆らわなくなりました。

新たに入ってきた屋敷と言う職人が気になったのは、彼の不器用な手つきと

鋭い目つきのせいでした。しかし 彼と仕事をしているうちに、親しみを感じ始めました。

ある日 軽部が屋敷をねじ伏せているところを見ました。

これがきっかけで3人が殴り合いになりました。

屋敷は最後に謝りましたが、彼も 軽部も私を疑っているのは明白でした。

しかしその後、屋敷は間違って重クロム酸アンモニアを飲んで、

死んでしまうのでした。

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