日本近代文学全集8 久生 十蘭他

 

日本名作速読朗読文庫

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名作速読朗読文庫vol.475 Professional版 読上機能付 芥川 竜之介全集4
名作速読朗読文庫vol.476 Professional版 読上機能付 折口 信夫全集
名作速読朗読文庫vol.477 Professional版 読上機能付 水野 葉舟全集
名作速読朗読文庫vol.478 Professional版 読上機能付 野上 豊一郎全集
名作速読朗読文庫vol.479 Professional版 読上機能付 香倶土 三鳥全集
名作速読朗読文庫vol.480 Professional版 読上機能付 井上 円了全集
名作速読朗読文庫vol.481 Professional版 読上機能付 蒲 松齢全集
名作速読朗読文庫vol.482 Professional版 読上機能付 斎藤 茂吉全集
名作速読朗読文庫vol.483 Professional版 読上機能付 魯迅全集
名作速読朗読文庫vol.484 Professional版 読上機能付 岸田 国士全集
名作速読朗読文庫vol.485 Professional版 読上機能付 神西 清全集
名作速読朗読文庫vol.486 Professional版 読上機能付 中井 正一全集1
名作速読朗読文庫vol.487 Professional版 読上機能付 中井 正一全集2
名作速読朗読文庫vol.488 Professional版 読上機能付 高村 光太郎全集
名作速読朗読文庫vol.489 Professional版 読上機能付 久生 十蘭全集1
名作速読朗読文庫vol.490 Professional版 読上機能付 久生 十蘭全集2
名作速読朗読文庫vol.491 Professional版 読上機能付 久生 十蘭全集3
名作速読朗読文庫vol.492 Professional版 読上機能付 久生 十蘭全集4
名作速読朗読文庫vol.493 Professional版 読上機能付 佐藤 垢石全集1
名作速読朗読文庫vol.494 Professional版 読上機能付 佐藤 垢石全集2
名作速読朗読文庫vol.495 Professional版 読上機能付 佐藤 垢石全集3
名作速読朗読文庫vol.496 Professional版 読上機能付 佐藤 垢石全集4
名作速読朗読文庫vol.497 Professional版 読上機能付 佐藤 垢石全集5
名作速読朗読文庫vol.498 Professional版 読上機能付 服部 之総全集
名作速読朗読文庫vol.499 Professional版 読上機能付 宮城 道雄全集
名作速読朗読文庫vol.500 Professional版 読上機能付 高浜 虚子全集
名作速読朗読文庫vol.501 Professional版 読上機能付 三好 十郎全集1
名作速読朗読文庫vol.502 Professional版 読上機能付 三好 十郎全集2
名作速読朗読文庫vol.503 Professional版 読上機能付 正岡 容全集
名作速読朗読文庫vol.504 Professional版 読上機能付 喜田 貞吉全集

名作速読朗読文庫vol.475 Professional版 読上機能付 芥川 竜之介全集4

芥川 竜之介

芥川 龍之介(あくたがわ りゅうのすけ、1892年(明治25年)3月1日 – 1927年(昭和2年)7月24日)は、日本の小説家である。本名同じその作品の多くは短編である。また、「芋粥」「藪の中」「地獄変」など、『今昔物語集』『宇治拾遺物語』といった古典から題材をとったものが多い。「蜘蛛の糸」「杜子春」といった児童向けの作品も書いている。

本文内容見本

羅生門      芥川龍之介

ある日の暮方の事である。一人の下人《げにん》が、羅生門《らしょうもん》の下で雨やみを待っていた。 広い門の下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々 丹塗《にぬり》の剥《は》げた、大きな円柱《まるばしら》に、蟋蟀《きりぎりす》が一匹とまっている。羅生門が、朱雀大路《すざくおおじ》にある以上は、この男のほかにも、雨やみをする市女笠《いちめがさ》や揉烏帽子《もみえぼし》が、もう二三人はありそうなものである。それが、この男のほかには誰もいない。 何故かと云うと、この二三年、京都には、地震とか辻風《つじかぜ》とか火事とか饑饉とか云う災《わざわい》がつづいて起った。そこで洛中《らくちゅう》のさびれ方は一通りではない。旧記によると、仏像や仏具を打砕いて、その丹《に》がついたり、金銀の箔《はく》がついたりした木を、路ばたにつみ重ねて、薪《たきぎ》の料《しろ》に売っていたと云う事である。

代表作品

鼻 1916年     芋粥 1916年    戯作三昧 1917年    運 1917年1月    道祖問答 1917年4月    蜘蛛の糸 1918年    地獄変 1918年    魔術 1919年    蜜柑 1919年    舞踏会 1920年    秋 1920年     南京の基督 1920年    杜子春 1920年    アグニの神 1920年    藪の中 1921年    報恩記 1922年    三つの宝 1922年    トロツコ 1922年    魚河岸 1922年    おぎん 1922年    仙人 1922年    猿蟹合戦 1923年    河童 1927年    誘惑 1927年    蜃気楼 1927年    歯車 1927年    或阿呆の一生 1927年

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名作速読朗読文庫vol.475 Professional版 読上機能付 芥川 竜之介全集4

vol 件数 作家名         タイトルカテゴリー// 文字数 文字量
475 1 芥川 竜之介 藪の中 9774
475 2 芥川 竜之介 槍が岳に登った記小説 2723
475 3 芥川 竜之介 悠々荘 2175
475 4 芥川 竜之介 誘惑 8826
475 5 芥川 竜之介 7001
475 6 芥川 竜之介 百合 3290
475 7 芥川 竜之介 妖婆 40157
475 8 芥川 竜之介 羅生門 6345
475 9 芥川 竜之介 羅生門の後に小説 1628
475 10 芥川 竜之介 11177
475 11 芥川 竜之介 るしへる小説 5594
475 12 芥川 竜之介 老年 4119
475 13 芥川 竜之介 路上 50045
合計冊数13  合計文字数152854

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名作速読朗読文庫vol.476 Professional版 読上機能付 折口 信夫全集

折口 信夫

折口 信夫(おりくち しのぶ、1887年(明治20年)2月11日 – 1953年(昭和28年)9月3日)は、日本の民俗学者、国文学者、国語学者であり、釈迢空(しゃく ちょうくう)と号した詩人・歌人でもあった。彼の成し遂げた研究は「折口学」と総称されている。柳田國男の高弟として民俗学の基礎を築いた。歌人としては、正岡子規の「根岸短歌会」、後「アララギ」に「釈迢空」の名で参加し、作歌や選歌をしたが、やがて自己の作風と乖離し、アララギを退会する。1924年(大正13年)北原白秋と同門の古泉千樫らと共に反アララギ派を結成して『日光』を創刊した。

本文内容見本

反省の文学 源氏物語     折口信夫

源氏物語の中に持っている最大きな問題は、我々の時代では考えられないほどな角度から家の問題を取り扱っている事である。一つの豪族と、他の豪族とが対立して起って来る争いを廻って、社会小説でもなく、家庭小説でもなく、少し種類の異った小説になっている。島崎藤村などは晩年此に似た問題に触れてはいるが、それ程深くは這入《はい》って行かなかった。平安朝は、そうした問題が常に起っていた時代であり、闘争も深刻であった。従って源氏物語も、常に其問題を中心として進められている。最初は源氏の二十歳前に起って来るもので、源氏の味方となって大切にしてくれる家と、どこまでも意地悪く、殆宿命的に憎んでいる家との対立が書かれている。前者が左大臣家――藤原氏を考えていることは勿論である。――後者は右大臣家である。源氏の母の出た家は、豊かではあったが、家柄はそれ程高くはなかった。そうした家の娘が宮中に這入って、帝の愛を受け、桐壺(淑景舎)に居たので、桐壺更衣と言われた。所が桐壺は、宮廷の後宮の御殿の中では、一番北東の隅にあって、帝の居られる御殿へ行くためには、すべての女の人たちの目の前を通って行かねばならなかった。而も連日召されることは勿論、一日の中にも幾度か召される。其都度女の人たちの嫉妬心《しっとしん》を刺戟《しげき》して、皆から憎まれ、殊に其中の二人三人の女性の咒《のろ》いを受けたらしくて、病死してしまう。桐壺更衣の遺児が光源氏である。源氏は成人して、左大臣家の娘葵上《あおいのうえ》の婿となる。

代表作品

海やまのあひだ(歌集)   春のことぶれ(歌集)    倭をぐな(歌集)    遠やまひこ(歌集)    山の端(歌集)    口訳万葉集    日本文学の発生序説    かぶき讃 (最晩年刊の著作   日本芸能史六講 (晩年の講義録)  歌の円寂する時 (歌論)   世々の歌びと (歌人論)

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名作速読朗読文庫vol.476 Professional版 読上機能付 折口 信夫全集

vol 件数 作家名         タイトル 文字数 文字量
476 1 折口 信夫 歌の円寂する時 14411
476 2 折口 信夫 鬼を追い払う夜 1238
476 3 折口 信夫 最古日本の女性生活の根柢随筆 10122
476 4 折口 信夫 詩語としての日本語随筆 13925
476 5 折口 信夫 死者の書 71762
476 6 折口 信夫 辞書 5781
476 7 折口 信夫 人形の話 4244
476 8 折口 信夫 嫉みの話 4956
476 9 折口 信夫 反省の文学源氏物語随筆 8364
476 10 折口 信夫 水の女 20207
476 11 折口 信夫 民族の感歎 1887
476 12 折口 信夫 役者の一生 15881
476 13 折口 信夫 山越しの阿弥陀像の画因 16112
476 14 折口 信夫 山の湯雑記 5591
合計冊数   合計文字数194481

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名作速読朗読文庫vol.477 Professional版 読上機能付 水野 葉舟全集

水野 葉舟

水野 葉舟(みずの ようしゅう、1883年4月9日 – 1947年2月2日)は日本の詩人、歌人、小説家、心霊現象研究者である。東京生まれ、1900年新詩社に入り高村光太郎と親交を結び、その最初の著である詩文集「あららぎ」(1906年)を光太郎に献呈した。窪田空穂との共著歌集『明暗』もあり、柳田國男の『遠野物語』の成立に関わった。大正13年(1924年)千葉県印旛郡に移転し半農生活に入った。書簡文範、日記文範の著作が多い。

本文内容見本

北国の人     水野葉舟

一            九月の中ごろ、ひどく雨が降った或る晩のこと。――学校を出た間もなくこれから新聞社にでも入る運動をしようと思ってる時に少し思うことがあって、私は親の家から出て、佐内坂上《さないざかうへ》の下宿屋に下宿して間もなくであったが、――ちょうど九時打った頃、その某館に、どしゃ降りの最中によそから帰って来た。自分の室にはいって、散滴《しぶき》でじめじめしている衣服を脱いでいると、そこへここの娘のお八重が湯を持って入って来た。茶を入れてくれたり、濡れた衣服を衣紋架《えもんかけ》に通して、壁のところにかけたりして、室を片付けていたが、急に思いついたように、「ああ、そうそう、下の荻原さんが貴方にお目にかかりたいって。」と言う。 「荻原ってどんな人だ?――おれに何の用があるだろう。」

代表作品

自然の心 阿蘭陀書房 1917   手紙の書き方 阿蘭陀書房 1917   代表的の美文 アルス 1917   模範の日記文 アルス 1917   新書簡文作法 止善堂書店 1918   紀行文作法 春陽堂 1919   四季の文章修行 博文館 1920   果のなる木 研究社 1921(中学生叢書)  綴方教育に就いて 現代日本の研究 新更会刊行部 1932  村の無名氏 人文書院 1936   アメリカの読本 春陽堂 1936(少年文庫)  フランスの読本 春陽堂 1936(少年文庫)  滴瀝 歌集 草木屋出版部 1940.9   食べられる草木 月明会出版部 1942-43  鄰人 今日の問題社 1943   明治文学の潮流 紀元社 1944.9

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名作速読朗読文庫vol.477 Professional版 読上機能付 水野 葉舟全集

vol 件数 作家名         タイトル 文字数 文字量
477 1 水野 葉舟 北国の人 11392
477 2 水野 葉舟 帰途 12496
477 3 水野 葉舟 香油 5724
477 4 水野 葉舟 黄昏 5338
477 5 水野 葉舟 旅からのはがき 1612
477 6 水野 葉舟 月見草 1272
477 7 水野 葉舟 月夜峠 922
477 8 水野 葉舟 土淵村にての日記小説 4212
477 9 水野 葉舟 テレパシー 2468
477 10 水野 葉舟 遠野へ 14522
477 11 水野 葉舟 取り交ぜて 2054
合計冊数 11   合計文字数62012

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名作速読朗読文庫vol.478 Professional版 読上機能付 野上 豊一郎全集

野上豊一郎(のがみ とよいちろう、1883年9月14日 – 1950年2月23日)は、日本の英文学者、能楽研究者。臼川(きゅうせん)と号する。法政大学総長を務め、能研究の発展にも多大な寄与をした。

本文内容見本

ヴェルダン     野上豊一郎

一           世界情勢の高速度的推移の中には、今ごろヴェルダンの戦場を見物したりすることを何だか Up-to-date でなく思わせるようなものがある。私たちがヴェルダンに行ったのは咋年(一九三九年)の初夏、まだ今度の大戦の始まらないうちではあったけれども、その時でさえすでに現代から懸け離れた一種の古戦場でも弔うような気持があった。ところが、それから二三箇月もすると、いよいよ新しい戦争の幕は切って落され、ヴェルダンを古戦場の如く感じる気持は一層強くなった。   丁度パリに来ていられた姉崎先生をお誘いした時、先生は一九一八年の停戦直後にヴェルダンを訪問されたきりなので、二十年後のヴェルダンがいかに変化しているかに興昧を持っていられるようだった。私たちはヴェルダンは初めてで、ドイツに行っても、イタリアに行っても、フランスでも、イギリスでも、何となしに底気味のわるい空気が漂っていて、いつ戦雲が捲き起らないとも知れなかったので、不安な未来を予想しながら二十年前の世界悲劇の痕迹を踏査することに少からぬ興味を持った。   その日、朝早く、自動車で出かけ、夜に入ってパリに帰りついたのだが、帰りにランスとソアッソンの寺を見ようという計画を立てていたので、ヴェルダンには小半日きりいなかった。それでも自由のきく車で見て廻れたおかげで、遊覧バスなどで見るよりはゆっくり見られた。 パリを出て東へ一直線に駈けらせると三十分ほどでモーの町を通り過ぎた                   

代表作品     

世阿弥『花伝書』岩波文庫 1927ヂョナサン・スウィフト『ガリヴァの旅』国民文庫刊行会 1927『マリ・バシュキルツェフの日記』国民文庫刊行会 1927-1928杉田玄白『蘭学事始』岩波文庫 1930世阿弥『能作書・覚習条条・至花道書』岩波書店 1931バアナアド・ショウ『聖女ヂョウン』岩波文庫 1932世阿弥『申楽談義』岩波文庫 1934『謡曲選集 読む能の本』岩波文庫 1935『謡曲全集』第1至6巻 中央公論社 1935-1936『能面』 岩波書店 1937シェイクスピア『マクベス』岩波文庫 1938デフォー『ロビンソン・クルーソー』岩波文庫 1946-1947

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名作速読朗読文庫vol.478 Professional版 読上機能付 野上 豊一郎全集

vol 件数 作家名         タイトル 文字数 文字量
478 1 野上 豊一郎 ヴェルダン 7295
478 2 野上 豊一郎 エトナ 8376
478 3 野上 豊一郎 処女の木とアブ・サルガ小説 10108
478 4 野上 豊一郎 シェイクスピアの郷里小説 13984
478 5 野上 豊一郎 闘牛 8226
478 6 野上 豊一郎 七重文化の都市 13596
478 7 野上 豊一郎 パラティーノ 9207
478 8 野上 豊一郎 パリの地下牢 9252
478 9 野上 豊一郎 パルテノン 8327
478 10 野上 豊一郎 吹雪のユンクフラウ小説 10544
478 11 野上 豊一郎 レンブラントの国小説 12704
合計冊数11  合計文字数111619

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名作速読朗読文庫vol.479 Professional版 読上機能付 香倶土 三鳥全集

香倶土 三鳥

香倶土 三鳥は、1889年(明治22年)1月4日 – 1936年(昭和11年)3月11日)、日本の禅僧、陸軍少尉、郵便局長、小説家、詩人、SF作家、探偵小説家、幻想文学作家である。他の筆名に海若藍平、香倶土三鳥などで有名。  日本探偵小説三大奇書の一つに数えられる畢生の奇書『ドグラ・マグラ』をはじめ、怪奇色と幻想性の色濃い作風で名高い。またホラー的な作品もある。詩や短歌にも長け、同時代の他の作家とは一線を画す作家である。

本文内容見本

梅のにおい   香倶土 三鳥

一匹の斑《ぶち》猫が人間の真似をして梅の木にのぼって花を嗅いでみました。あの枝からこの枝、花から蕾といくつもいくつも嗅いでみましたが、「ナアーンダ、人間がいいにおいだ、いいにおいだと言うから本当にして嗅いでみたら、つまらないにおいじゃないか。馬鹿馬鹿しい、帰ろう帰ろう」 と樹から降りかかりました。   「ホーホケキョ、ホーホケキョ」   「オヤ、鶯がやって来たな。おれは一度あいつをたべてみたいと思っていたが、ちょうどいい。ここに隠れてまっていてやろう」「ホーホケキョ、ホーホケキョ、ケキョ、ケキョ、ケキョ、ケキョ、ケキョ」  と言ううちに鶯は、斑のいる梅の木のすぐそばにある梅の花のたくさん開いたほそい枝の処へ、ヒョイととまりました。「鶯さん鶯さん」

代表作品

虻のおれい    雨ふり坊主    医者と病人    梅のにおい    鉛筆のシン    お金とピストル    がちゃがちゃ    先生の眼玉に    鷹とひらめ     狸と与太郎    ツクツク法師    電信柱と黒雲    人形と狼     奇妙な遠眼鏡    二つの鞄     二人の男と荷車曳き    森の神     約束

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名作速読朗読文庫vol.479 Professional版 読上機能付 香倶土 三鳥全集

vol 件数 作家名         タイトル 文字数 文字量
479 1 香倶土 三鳥 虻のおれい 2573
479 2 香倶土 三鳥 雨ふり坊主 1739
479 3 香倶土 三鳥 医者と病人 114
479 4 香倶土 三鳥 梅のにおい 923
479 5 香倶土 三鳥 鉛筆のシン 213
479 6 香倶土 三鳥 お金とピストル 464
479 7 香倶土 三鳥 がちゃがちゃ 834
479 8 香倶土 三鳥 先生の眼玉に 598
479 9 香倶土 三鳥 鷹とひらめ 201
479 10 香倶土 三鳥 狸と与太郎 486
479 11 香倶土 三鳥 ツクツク法師 2820
479 12 香倶土 三鳥 電信柱と黒雲 216
479 13 香倶土 三鳥 人形と狼 292
479 14 香倶土 三鳥 奇妙な遠眼鏡 6938
479 15 香倶土 三鳥 二つの鞄 501
479 16 香倶土 三鳥 二人の男と荷車曳き小説 1027
479 17 香倶土 三鳥 森の神 286
479 18 香倶土 三鳥 約束 380
合計冊数18  合計文字数20605

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名作速読朗読文庫vol.480 Professional版 読上機能付 井上 円了全集

井上 円了

井上 円了(いのうえ えんりょう 井上圓了、1858年3月18日(安政5年2月4日) – 1919年(大正8年)6月6日)は、仏教哲学者、教育者である。多様な視点を育てる学問としての哲学に着目し、哲学館(現:東洋大学)を設立した。また迷信を打破する立場から妖怪を研究し『妖怪学講義』などを著し、一方で「お化け博士」、「妖怪博士」などと呼ばれた。

本文内容見本

迷信と宗教    井上円了

わが国は今日なお迷信盛んにして、宗教もその雲におおわれ、精神界はこれがために暗黒なるありさまなれば、余は人文のため、国家のために、迷信と宗教との別を明らかにし、有害なる迷信を除きて、正しき信仰の下に宗教の光明を発揮せしむるの必要を感じ、一片報国の微衷より本書を講述するに至れり。 本書の目的は、高等教育を受けたる人士を相手とするにあらず、中等以下の社会、あるいは小学卒業の程度の人にして、迷信の海に漂いつつある人に示さんとするにあれば、高尚の学説を加えず、煩雑の論理を避け、平易にして了解しやすきを主とせり。 本書は家庭教育の教訓材料、社会教育の講話材料に供給せんとの予想にて、できうるだけ例話、事実談を多く引用することとし、また、なるべく興味に富めるものを選抜することとなせり。しかして、その談話は古人の書より抄録するよりも、余が内外各国の実地を踏査して、直接に見聞せしものを多く掲記したり。ゆえに、教育家および宗教家はもちろん、いやしくも家庭の父兄たるものは、いかなる社会を問わず、本書を一読して、教訓、講話の資料に採用せられんことを望む。

代表作品

妖怪学講義 第1 緒言 総論   妖怪学講義 第2 理学部門   妖怪学講義 第3 医学部門   妖怪学講義 第4 純正哲学部門   妖怪学講義 第5 心理学部門   妖怪学講義 第6 宗教学部門   妖怪学講義 第7 教育学部門   妖怪学講義 第8 雑部門   妖怪玄談     通俗絵入 妖怪百談    通俗絵入 続妖怪百談   通俗講義 霊魂不滅論   哲学うらない    改良新案の夢    天狗論     迷信解     おばけの正体    迷信と宗教    真怪     妖怪学     妖怪学講義録    妖怪学雑誌    妖怪学関係論文等

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名作速読朗読文庫vol.480 Professional版 読上機能付 井上 円了全集

vol 件数 作家名         タイトル 文字数 文字量
480 1 井上 円了 欧米各国 政教日記 380
480 2 井上 円了 おばけの正体 77604
480 3 井上 円了 甲州郡内妖怪事件取り調べ報告小説 9093
480 4 井上 円了 西航日録 43862
480 5 井上 円了 南半球五万哩 133475
480 6 井上 円了 迷信解 50987
480 7 井上 円了 迷信と宗教 156953
480 8 井上 円了 妖怪学 60018
480 9 井上 円了 妖怪学一斑 12144
480 10 井上 円了 妖怪研究 7281
480 11 井上 円了 妖怪玄談 30523
480 12 井上 円了 妖怪談 12348
480 13 井上 円了 妖怪報告 8064
合計冊数13  合計文字数602732

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名作速読朗読文庫vol.481 Professional版 読上機能付 蒲 松齢全集

蒲 松齢

蒲 松齢(ほ しょうれい、Pu Songling、崇禎13年4月16日(1640年6月5日) ‐ 康熙54年1月22日(1715年2月25日))は清代の作家、モンゴル貴族の末裔。字は留仙または剣臣、号は柳泉居士。聊斎先生と呼ばれた。

本文内容見本

阿英      蒲松齢  田中貢太郎訳

甘玉《かんぎょく》は幼な名を璧人《へきじん》といっていた。廬陵《ろりょう》の人であった。両親が早く亡くなったので、五歳になる弟の 《かく》、幼な名を双璧《そうへき》というのを養うことになったが、生れつき友愛の情に厚いので、自分の子供のようにして世話をした。そしてがだんだん大きくなったところで、容貌《かおかたち》が人にすぐれているうえに、慧《りこう》で文章が上手であったから、玉はますますそれを可愛がった。そしていつもいった。「弟は人にすぐれているから、良い細君がなくてはいけない。」   そして選択をしすぎるので、婚約がどうしても成立しなかった。その時 玉《ぎょく》は匡山《きょうざん》の寺へいって勉強していた。ある夜 初更《しょこう》のころ、枕に就《つ》いたところで、窓の外で女の声がした。そっと起きて覘《のぞ》いてみると、三、四人の女郎《むすめ》が地べたへ敷物を敷いて坐り、やはり三、四人の婢《じょちゅう》がその前に酒と肴をならべていた。女は皆すぐれて美しい容色《きりょう》をしていた。一人の女がいった。「秦《しん》さん、秦さん、阿英《あえい》さんはなぜ来ないの。」   下の方に坐っていた者がいった。  「昨日、凾谷《かんこく》から来たのですが、悪者に右の臂《て》を傷つけられたものですから、一緒に来られなかったのよ。ほんとに残念よ。」 一人の女がいった。

代表作品

聊斎志異     醒世姻縁伝    晴雲山房詩文集    紅椒山房筆記    雑説     片雲詩話     省身録     懐刑録     日用俗字     歴字文     聊斎詞     聊斎白話韻文

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名作速読朗読文庫vol.481 Professional版 読上機能付 蒲 松齢全集

vol 件数 作家名         タイトル 文字数 文字量
481 1 蒲  松齢 阿英 6960
481 2 蒲  松齢 阿霞 3818
481 3 蒲  松齢 阿繊 5822
481 4 蒲  松齢 嬰寧 11442
481 5 蒲  松齢 汪士秀 2577
481 6 蒲  松齢 王成 6926
481 7 蒲  松齢 庚娘 5439
481 8 蒲  松齢 考城隍 1764
481 9 蒲  松齢 五通 7783
481 10 蒲  松齢 珊瑚 7631
481 11 蒲  松齢 小翠 8817
481 12 蒲  松齢 織成 3969
481 13 蒲  松齢 成仙 7641
481 14 蒲  松齢 促織 5159
481 15 蒲  松齢 偸桃 2217
481 16 蒲  松齢 田七郎 6668
481 17 蒲  松齢 翩翩 4205
481 18 蒲  松齢 封三娘 7404
481 19 蒲  松齢 蓮花公主 4714
481 20 蒲  松齢 連城 5420
合計冊数20  合計文字数116376

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名作速読朗読文庫vol.482 Professional版 読上機能付 斎藤 茂吉全集

斎藤 茂吉

斎藤 茂吉(さいとう もきち、1882年(明治15年)5月14日 – 1953年(昭和28年)2月25日)は、日本の歌人、精神科医である。  伊藤左千夫門下であり、大正から昭和前期にかけてのアララギの中心人物。

本文内容見本

遍路        斎藤茂吉

那智《なち》には勝浦《かつうら》から馬車に乗って行った。昇り口のところに著《つ》いたときに豪雨が降って来たので、そこでしばらく休み、すっかり雨装束《あましょうぞく》に準備して滝の方へ上って行った。滝は華厳《けごん》よりも規模は小さいが、思ったよりも好かった。石畳《いしだたみ》の道をのぼって行くと僕は息切《いきぎ》れがした。 さてこれから船見峠《ふなみとうげ》、大雲取《おおくもとり》を越えて小口《こぐち》の宿《しゅく》まで行こうとするのであるが、僕に行けるかどうかという懸念があるくらいであった。那智権現《なちごんげん》に参拝し、今度の行程について祈願をした。そこを出て来て、小さい寺の庫裡口《くりぐち》のようなところに、「魚商人門内通行禁」と書いてあり、その側に、「うをうる人とほりぬけならん」と註してあった。       滝見屋《たきみや》というところで、腹《はら》をこしらえ、弁当を用意し、先達《せんだつ》を雇っていよいよ出発したが、この山越《やまごえ》は僕には非常に難儀なものであった。いにしえの「熊野道《くまのみち》」であるから、石が敷いてあるが、今は全く荒廃して雑草が道を埋めてしまっている。T君は平家《へいけ》の盛《さかん》な時の事を話し、清盛《きよもり》が熊野路からすぐ引返したことなども話してくれた。

歌集名 制作年 (発行所、上梓年)

『文学直路』(青磁社、1945年(昭和20年)4月)  『短歌一家言』(斎藤書店、1947年(昭和22年)1月)  『作歌実語抄』(要書房、1947年(昭和22年)4月)  『万葉の歌境』(青磁社、1947年(昭和22年)4月)  『童牛漫語』(斎藤書店、1947年(昭和22年)7月)  『茂吉小文』(朝日新聞社、1949年(昭和24年)2月)  『島木赤彦』(角川書店、1949年(昭和24年)3月)  『幸田露伴』(洗心書林、1949年(昭和24年)7月)  『近世歌人評伝』(要書房、1949年(昭和24年)9月)  『明治大正短歌史』(中央公論社、1950年(昭和25年)10月)  『続明治大正短歌史』(中央公論社、1951年(昭和26)3月)  『歌壇夜叉語』(中央公論社、1951年(昭和26)4月)

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名作速読朗読文庫vol.482 Professional版 読上機能付 斎藤 茂吉全集

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
482 1 斎藤 茂吉 呉秀三先生 4551
482 2 斎藤 茂吉 ドナウ源流行 22503
482 3 斎藤 茂吉 2598
482 4 斎藤 茂吉 仏法僧鳥 5787
482 5 斎藤 茂吉 遍路 3343
482 6 斎藤 茂吉 曼珠沙華 707
482 7 斎藤 茂吉 万葉秀歌 243064
482 8 斎藤 茂吉 三筋町界隈 16088
482 9 斎藤 茂吉 リギ山上の一夜 7161
合計冊数9  合計文字数305802

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名作速読朗読文庫vol.483 Professional版 読上機能付 魯迅全集

魯迅

魯迅(ろじん1881年9月25日 – 1936年10月19日)は、中華民国の小説家、翻訳家、思想家である。浙江省紹興市の士大夫の家系に生まれた。中国で最も早く西洋の技法を用いて小説を書いた作家である。その作品は、中国だけでなく、広く東アジアでも愛読されている。日本でも中学校用のすべての国語教科書に彼の作品が収録されている。

本文内容見本

阿Q正伝      魯迅    井上紅梅訳

第一章 序           わたしは 阿Q《あキュー》の正伝を作ろうとしたのは一年や二年のことではなかった。けれども作ろうとしながらまた考えなおした。これを見てもわたしは立言の人でないことが分る。従来不朽の筆は不朽の人を伝えるもので、人は文に依って伝えらる。つまり誰某《たれそれ》は誰某に靠《よ》って伝えられるのであるから、次第にハッキリしなくなってくる。そうして阿Qを伝えることになると、思想の上に何か幽霊のようなものがあって結末があやふやになる。 それはそうとこの一篇の朽ち易い文章を作るために、わたしは筆を下すが早いか、いろいろの困難を感じた。第一は文章の名目であった。孔子様の被仰《おっしゃ》るには「名前が正しくないと話が脱線する」と。これは本来極めて注意すべきことで、伝記の名前は列伝、自伝、内伝、外伝、別伝、家伝、小伝などとずいぶん蒼蝿《うるさ》いほどたくさんあるが、惜しいかな皆合わない。 列伝としてみたらどうだろう。この一篇はいろんな偉い人と共に正史の中に排列すべきものではない。自伝とすればどうだろう。わたしは決して阿Qその物でない。外伝とすれば、内伝が無し、また内伝とすれば阿Qは決して神仙ではない。しからば別伝としたらどうだろう。阿Qは大総統の上諭に依って国史館に宣付《せんぷ》して本伝を立てたことがまだ一度もない。――英国の正史にも博徒列伝というものは決して無いが、文豪ヂッケンスは博徒別伝という本を出した。

代表作品

熱風     華蓋集     華蓋集続編    墳     而已集     三閑集     二心集     偽自由書     南腔北調集    准風月談     花辺文学     且介亭雑文    且介亭雑文二集    且介亭雑文末編    集外集     集外集拾遺    集外集拾遺補編    彷徨     故事新編     朝花夕拾     野草

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名作速読朗読文庫vol.483 Professional版 読上機能付 魯迅全集

vol 件数 作家名  タイトル 文字数 文字量
483 1 魯迅 阿Q正伝 37091
483 2 魯迅 明日 5863
483 3 魯迅 兎と猫 4164
483 4 魯迅 鴨の喜劇 2630
483 5 魯迅 狂人日記 8758
483 6 魯迅 7879
483 7 魯迅 孔乙己 4610
483 8 魯迅 幸福な家庭 6753
483 9 魯迅 故郷 8658
483 10 魯迅 些細な事件 1911
483 11 魯迅 端午節 7196
483 12 魯迅 頭髪の故事 4117
483 13 魯迅 「吶喊」原序 4722
483 14 魯迅 白光 4724
483 15 魯迅 風波 7557
483 16 魯迅 不周山 7767
483 17 魯迅 村芝居 10053
合計冊数17  合計文字数134453

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名作速読朗読文庫vol.484 Professional版 読上機能付 岸田 国士全集

岸田  国士

岸田 國士(きしだ くにお、1890年(明治23年)11月2日 – 1954年(昭和29年)3月5日)は、日本の劇作家・小説家・評論家・翻訳家・演出家である。代表作に、戯曲『牛山ホテル』、『チロルの秋』、小説『暖流』、『双面神』など。

本文内容見本

光は影を    岸田國士

彼を待つもの           長い戦争をはさんで、まる七年目に、京野等志《きようのひとし》は、変りはてた祖国の土を踏み、漠然と父母兄弟がそのまゝ以前のところに住んでいるなら、という期待だけで、自然に東京へ向つて二昼夜の汽車の旅をつづけて来たのである。彼は途中、ふらふらと大阪で降りた。同行の誰かれが不審がるのを、笑つて理由は言わず、駅からまつすぐに勝手を知つた心斎橋へ地下鉄で出て、焼跡に建ち並んだバラックの一軒一軒をのぞきながら、とある古着を並べた店へ飛び込んだ。「背広一と揃いと外套がほしいんだ。ちよつと見せてくれ」  「おや、あんたはん、復員とちがいまつか」  「お察しのとおり。だから、早くこのボロ服を脱いじまいたいんだ。相場はどんなもんか知らんが、現金が足りなかつたら、ちよつと金目のものを持つてるんだ。とにかく、寸法の合うやつを頼む」 出された中古の二、三点のなかから、手あたり次第、身丈《みたけ》に合つた灰色無地の三つ揃いと、すこし旧式すぎたが、暖たかそうなダブルの黒外套とを、これときめて値をきくと、当節、どんなに勉強しても両方で二万五千だと、主人は、それを引つ込める身構えで言う。「よし、現金はむろんそんなにない。その代り、こいつを金にしてくれ。いくらに踏むか、おじさん」  彼が、胴巻から取り出したのは、金無垢と一と目でわかる女の腕環であつた。

代表作品

『落葉日記 戯曲集』白水社 1937年  『歳月 他二篇』創元社 1939年   『村で一番の栗の木』白水社 1941年  『序文 戯曲集』冬至書房 1946年   『速水女塾 四幕と声のみによる一場』中央公論社 1948年  『道遠からん』創元社 1950年   『岸田國士戯曲選集』京橋書院 1950年  『ある夫婦の歴史 コント集』池田書店 1951年  『古い玩具 他五篇』岩波文庫 1952年、復刊1993年

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名作速読朗読文庫vol.484 Professional版 読上機能付 岸田 国士全集

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
484 1 岸田 国士 あるニュウ・フェイスへの手紙随筆 48702
484 2 岸田 国士 岩田豊雄と私 1354
484 3 岸田 国士 岩田夫人の死を悼む 2426
484 4 岸田 国士 いわゆる「反省」は我々を救うか随筆 7214
484 5 岸田 国士 『演劇』あとがき 774
484 6 岸田 国士 演劇の様式――総論 10956
484 7 岸田 国士 演劇への入口 3549
484 8 岸田 国士 演出者として 1290
484 9 岸田 国士 戯曲復興の兆 1845
484 10 岸田 国士 近況 666
484 11 岸田 国士 稽古場にて 1431
484 12 岸田 国士 劇の好きな子供たちへ随筆 7500
484 13 岸田 国士 この握りめし 13742
484 14 岸田 国士 十五年 536
484 15 岸田 国士 純粋戯曲への道 649
484 16 岸田 国士 女優の親 3198
484 17 岸田 国士 生活から学ぶ ― 568
484 18 岸田 国士 辻久一著「夜の芸術」 389
484 19 岸田 国士 時 処 人 ――年頭雑感随筆 4711
484 20 岸田 国士 にんじん 109793
484 21 岸田 国士 「にんじん」とルナアルについて随筆 4061
484 22 岸田 国士 俳優と現代人の生活(対話Ⅴ)随筆 7304
484 23 岸田 国士 俳優倫理 52248
484 24 岸田 国士 博物誌 42613
484 25 岸田 国士 博物誌あとがき 1533
484 26 岸田 国士 母の話 7563
484 27 岸田 国士 光は影を 138566
484 28 岸田 国士 秘伝の名訳 ―― 1151
484 29 岸田 国士 火の扉 128161
484 30 岸田 国士 S夫人への手紙 14844
484 31 岸田 国士 文学座『夢を喰ふ女』を演出して随筆 621
484 32 岸田 国士 ラジオ・ドラマ私見 3137
484 33 岸田 国士 笑について 6515
合計冊数33  合計文字数629610

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名作速読朗読文庫vol.485 Professional版 読上機能付 神西 清全集

神西  清

神西 清(じんざい きよし、1903年11月15日 – 1957年3月11日)は、日本のロシア文学者、翻訳家、小説家、文芸評論家である。

本文内容見本

真珠の首飾り    ZHEMCHUZHNOE OZHERELJE  ――クリスマスの物語――

レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov    神西清訳

さる教養ある家庭で、友人たちがお茶のテーブルをかこみながら、文学談をやっていた。やがて仕組みとか筋とかいった話になる。なぜわが国では、そうした方面がだんだん貧弱でつまらなくなって行くのだろうと、口々に慨歎する。わたしはふっと思い出して、亡くなったピーセムスキイの一風変った意見を披露した。彼によると、そうした文学上の不振は、まず第一に鉄道がふえて来たことと関係がある、けだし鉄道は商業にとってこそ有益だが、文芸にはむしろ害をなす、というのである。「今日の人間はずいぶん方々を旅行してまわるが、ただそれが手っとり早い暢気な旅なのだ」と、ピーセムスキイは言うのである、「だから別にこれという強烈な印象ものこらないし、とっくり観察しようにも、相手の物もなければ暇もないから、――つまり上っ滑りになってしまう。だから貧弱になるわけだ。ところが昔はモスクヴァからコストロマーまで、替馬なしで乗りとおすなり、乗合馬車で揺られて行くなり、宿場宿場で乗り換えて行くなりして

代表作品

『詩と小説のあいだ』白日書院 1947  『恢復期・垂水・見守る女・母たち』角川書店〈飛鳥新書〉 1947、角川文庫 1956 『月が消えた話』小山書店 1949   『少年・地獄・母たち』大日本雄弁会講談社 1955、講談社ミリオン・ブックス 1956 『灰色の眼の女』中央公論社 1957、中公文庫 1976、解説三島由紀夫 『散文の運命』大日本雄弁会講談社 1957、解説中村光夫  『神西清詩集』東京創元社 1958   『死児変相 ほか』〈日本幻想文学集成19〉国書刊行会 1993、解説池内紀 『雪の宿り 神西清小説セレクション』港の人 2008。石内徹編・解説       翻訳     チェーホフ『犬を連れた奥さん』春陽堂 1933岩波文庫 改版2004  プーシキン『スペードの女王』岩波文庫, 1933  トウルゲーネフ『散文詩』岩波文庫, 1933 のち改版  チェーホフ『シベリヤの旅 他三篇』岩波文庫, 1934

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名作速読朗読文庫vol.485 Professional版 読上機能付 神西 清全集

vol 件数 作家名  タイトル 文字数 文字量
485 1 神西 清 アッタレーア・プリンケプス小説 9901
485 2 神西 清 イオーヌィチ 23090
485 3 神西 清 犬を連れた奥さん小説 20249
485 4 神西 清 かき 4365
485 5 神西 清 カシタンカ 22541
485 6 神西 清 かもじの美術家 25549
485 7 神西 清 かもめ ――喜劇 四幕―小説 54834
485 8 神西 清 「可愛い女 犬を連れた奥さんあとがき小説 1616
485 9 神西 清 可愛い女 15911
485 10 神西 清 キリストのヨルカに召された少年 5936
485 11 神西 清 グーセフ 12970
485 12 神西 清 頸の上のアンナ 14791
485 13 神西 清 熊 笑劇 一幕 14909
485 14 神西 清 決闘 106516
485 15 神西 清 桜の園 55194
485 16 神西 清 少年たち 7152
485 17 神西 清 小波瀾 12251
485 18 神西 清 真珠の首飾り クリスマスの物語小説 19208
485 19 神西 清 接吻      小説 23015
485 20 神西 清 大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ 13213
485 21 神西 清 チェーホフ序説 ――一つの反措定として小説 40419
485 22 神西 清 チェーホフ試論 ――チェーホフ序説の一部小説 20685
485 23 神西 清 チェーホフの短篇に就いて小説 7733
485 24 神西 清 追放されて 9385
485 25 神西 清 46234
485 26 神西 清 天才 4287
485 27 神西 清 富籤 5698
485 28 神西 清 女房ども 14212
485 29 神西 清 ねむい 6177
485 30 神西 清 はつ恋 84535
485 31 神西 清 「はつ恋」解説 2586
485 32 神西 清 百姓マレイ 6301
485 33 神西 清 翻訳遅疑の説 4756
485 34 神西 清 翻訳の生理・心理小説 2738
485 35 神西 清 翻訳のむずかしさ小説 2823
485 36 神西 清 マリ・デル 5688
485 37 神西 清 ムツェンスク郡のマクベス夫人小説 59405
485 38 神西 清 雪の宿り 31269
485 39 神西 清 夢がたり 6073
485 40 神西 清 嫁入り支度 6222
485 41 神西 清 ワーニャ伯父さん田園生活の情景四幕――小説 54043
合計冊数41  合計文字数884480

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名作速読朗読文庫vol.486 Professional版 読上機能付 中井 正一全集1

中井 正一(なかい まさかず、1900年2月14日 – 1952年5月18日)は、日本の美学者、評論家、社会運動家。広島県竹原市出身で尾道市に育つ。京都学派の流れを汲みつつ、中井美学と呼ばれる独自の美学理論を展開した。その理論は極めて広範多様な対象への実践的な視点で知られる

本文内容見本

生きている空間 ――映画空間論への序曲      中井正一

ヘーゲルの弁証法が生れる周囲には、その頃の青年ドイツ派ロマン的 皮肉《イロニー》があると考える人々がある。ロマン的皮肉とは、ヘーゲルの友人のゾルゲルで代表されるところの一つの表現、自分達の凡ての行いや言葉のすぐそばに、「黙ってジッと自分を見つめている眼なざし」があると云う一つの不安と怖れである。自分の反省の中にある、限りない圧迫感である。自分の中に、いつでも自分をすべりぬけて、自分を見いる眼があることへの苦悩である。 この皮肉(イロニー)、不安は、その頃の青年ロマン派の人々の合言葉であり、共通にあったドイツ近代精神の流れでもあった。それをブランデスは次の様にしるしている。      「病的な自己省察よりも、より大いな不幸と苦痛はあるまい。人々はその際、自分を自分より切離し、観客として自分を観察する。而して間もなく、獄裡の囚人が、扉に於ける覗穴から中を覗く看守の眼を見上ぐる時に感ずる様な恐ろしい感情を経験する。かかる場合には自己の眼が他人の眼と同じ様に恐ろしく思われる。

代表作品

生きている空間-主体的映画芸術論 (てんびん社、1971年、辻部政太郎 編) 論理とその実践 組織論から図書館像へ(てんびん社、1972年、中井浩 編) アフォリズム(てんびん社、1973年、富岡益五郎 編)  中井正一評論集(岩波文庫、1995年、長田弘 編)  中井正一エッセンス(こぶし書房、2003年、鈴木正 編)  美学入門(中公文庫、2010年、後藤嘉宏 解説)

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名作速読朗読文庫vol.486 Professional版 読上機能付 中井 正一全集1

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
486 1 中井 正一 新しい神話を追い求めつつ小説 614
486 2 中井 正一 生きている空間 ―映画空間論への序曲小説 3642
486 3 中井 正一 うつす 3210
486 4 中井 正一 生まれ変った赤坂離宮 15121
486 5 中井 正一 映画と季感 2876
486 6 中井 正一 映画のもつ文法 2426
486 7 中井 正一 絵画の不安 5651
486 8 中井 正一 過剰の意識 2249
486 9 中井 正一 カットの文法 2185
486 10 中井 正一 2809
486 11 中井 正一 機構への挑戦 ――「場所」から随筆 1993
486 12 中井 正一 巨像を彫るもの 2073
486 13 中井 正一 霧の中のヨードル 808
486 14 中井 正一 芸術の人間学的考察 7027
486 15 中井 正一 言語は生きている 5391
486 16 中井 正一 現代美学の危機と映画理論随筆 6470
486 17 中井 正一 国立国会図書館 2657
486 18 中井 正一 国立国会図書館について 2416
486 19 中井 正一 国会図書館のこのごろ 2129
486 20 中井 正一 国会図書館の窓から 1980
486 21 中井 正一 色彩映画の思い出 2073
486 22 中井 正一 色彩映画のシナリオ 2311
486 23 中井 正一 実践について ――馬になった話――随筆 3515
486 24 中井 正一 支部図書館三周年に寄せて随筆 1005
486 25 中井 正一 集団文化と読書 1918
486 26 中井 正一 真理を求めて ――平和祭に寄す随筆 624
486 27 中井 正一 スポーツの美的要素   随筆 8854
486 28 中井 正一 組織としての図書館へ マックリーシュの業績随筆 3196
486 29 中井 正一 大会を終りて 1269
486 30 中井 正一 大衆の知恵 2425
合計冊数30  合計文字数100917

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名作速読朗読文庫vol.487 Professional版 読上機能付 中井 正一全集2

中井 正一(なかい まさかず、1900年2月14日 – 1952年5月18日)は、日本の美学者、評論家、社会運動家。広島県竹原市出身で尾道市に育つ。京都学派の流れを汲みつつ、中井美学と呼ばれる独自の美学理論を展開した。その理論は極めて広範多様な対象への実践的な視点で知られる

本文内容見本

脱出と回帰    中井正一

一つの神話     日本の伝説の中で、光の美しさを描いているものでは、何といっても、手力男の命が、あの巌壁を開く時、さしはじめる光の、あの強烈な感じの右に出るものはあるまい。あの伝説、暗さへの没入、それからの回復、この構成の中に注意すべき二つの要素があると思われる。第一は、その光の源である脱出の女神が、巌壁の中でその孤独と、寂寥に堪えがたい時、金鵄《カナトミ》の命はそれを慰めんとして、弓五張を並べて、音階的な配列で、かなでたというのである。第二は、巌壁の外で、大衆が、神集いにつどい、大論争をし、ついに、衆議一決、天鈿女の命というアフロディテをして、ほとも露わに、ストリップの大騒ぎをすることにするのである。 私は、五張の弓の寂寥をきわめた音と、外のこの大衆の哄笑の二つとも、娯楽のもつ姿を、みごとに浮彫りにしているように思うのである。

代表作品

近代美の研究(三一書房、1947年)  美学入門(河出書房(河出市民文庫)、1951年)  日本の美(宝文館、1952年)   美学的空間(弘文堂、1959年、鈴木正 編)  美と集団の論理(中央公論社、1962年、久野収 編)  生きている空間(てんびん社、1971年、辻部政太郎 編)  論理とその実践 組織論から図書館像へ(てんびん社、1972年、中井浩 編) アフォリズム(てんびん社、1973年、富岡益五郎 編)  美学入門(中公文庫、2010年、後藤嘉宏 解説)

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名作速読朗読文庫vol.487 Professional版 読上機能付 中井 正一全集2

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
487 1 中井 正一 脱出と回帰 5918
487 2 中井 正一 探偵小説の芸術性 ――文学のメカニズム――随筆 3969
487 3 中井 正一 「壇」の解体 5628
487 4 中井 正一 蓄音器の針 978
487 5 中井 正一 知識と政治との遊離随筆 5620
487 6 中井 正一 地方の青年についての報告随筆 2151
487 7 中井 正一 地方文化運動報告 ――尾道市図書館より随筆 5658
487 8 中井 正一 調査機関 9522
487 9 中井 正一 聴衆0の講演会 4801
487 10 中井 正一 図書館協会六十周年に寄せて 随筆 2360
487 11 中井 正一 図書館に生きる道随筆 1467
487 12 中井 正一 図書館の未来像 1271
487 13 中井 正一 図書館法楽屋話 3880
487 14 中井 正一 図書館法ついに通過せり 1333
487 15 中井 正一 図書館法と出版界 2063
487 16 中井 正一 図書館法の成立 ――燃えひろがる火は点ぜられた随筆 2191
487 17 中井 正一 図書館法を地方の万人の手に 1569
487 18 中井 正一 二十世紀の頂における図書館の意味随筆 1466
487 19 中井 正一 野に山にかかる虹の橋 1281
487 20 中井 正一 美学入門 83986
487 21 中井 正一 物理的集団的性格 6310
487 22 中井 正一 「焚書時代」の出現 1438
487 23 中井 正一 「焚書時代」を脱却 ――図書館法成立にあたって随筆 807
487 24 中井 正一 「見ること」の意味 3573
487 25 中井 正一 民族の血管 ――出版機構は常に新鮮に―― 1480
487 26 中井 正一 リズムの構造 7791
487 27 中井 正一 「良書普及運動」に寄せて随筆 1394
487 28 中井 正一 歴史の流れの中の図書館 ――随筆 4395
487 29 中井 正一 レンズとフィルム ――それも一つの性格である―― 5368
合計冊数29  合計文字数179668

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名作速読朗読文庫vol.488 Professional版 読上機能付 高村 光太郎全集

高村  光太郎

高村 光太郎(たかむら こうたろう、1883年(明治16年)3月13日 – 1956年(昭和31年)4月2日)は、日本の詩人・彫刻家。東京府東京市下谷区下谷西町三番地(現在の東京都台東区東上野一丁目)出身。本名は光太郎と書いて「みつたろう」と読む。日本を代表する彫刻家であり、画家でもあったが、今日にあって『道程』、『智恵子抄』等の詩集が著名で、教科書にも多く作品が掲載されており、日本文学史上、近現代を代表する詩人として位置づけられる

本文内容見本

触覚の世界     高村光太郎

私は彫刻家である。     多分そのせいであろうが、私にとって此世界は触覚である。触覚はいちばん幼稚な感覚だと言われているが、しかも其れだからいちばん根源的なものであると言える。彫刻はいちばん根源的な芸術である。 私の薬指の腹は、磨いた鏡面の凹凸を触知する。此は此頃偶然に気のついたことであるが、ガラスにも横縦がある。眼をつぶって普通の玻璃《はり》面を撫でてみると、それは丁度木目の通った桐のサツマ下駄のようなものである。磨いた鏡面はさすがにサツマ下駄でもないが、わずか五寸に足りない長さの間にも二つ程の波がある事を指の腹は知るのである。傾斜の感覚を薬指は持っているのであろう。鏡面の波動を感ずる味わいは、丁度船のおだやかなピッチングのようである。少し快よい眩暈《めまい》を感じさせる程度である。 人は五官というが、私には五官の境界がはっきりしない。空は碧《あお》いという。けれども私はいう事が出来る。空はキメが細かいと。秋の雲は白いという。白いには違いないが、同時に、其は公孫樹《いちょう》の木材を斜に削った光沢があり、春の綿雲の、木曾の檜《ひのき》の板目とはまるで違う。考えてみると、色彩が触覚なのは当りまえである。光波の震動が網膜を刺戟《しげき》するのは純粋に運動の原理によるのであろう。

代表作品

道程     智恵子抄     をぢさんの詩    記録     典型     暗愚小伝     歌集     白斧     美術評論     印象主義の思想と芸術   美について    造形美論     随筆     某月某日     独居自炊     山の四季

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名作速読朗読文庫vol.488 Professional版 読上機能付 高村 光太郎全集

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
488 1 高村 光太郎 回想録 37150
488 2 高村 光太郎 805
488 3 高村 光太郎 木彫ウソを作った時随筆 2679
488 4 高村 光太郎 九代目団十郎の首随筆 2197
488 5 高村 光太郎 黄山谷について 1578
488 6 高村 光太郎 小刀の味 1301
488 7 高村 光太郎 自作肖像漫談 4273
488 8 高村 光太郎 詩について語らず集子への手紙――随筆 1383
488 9 高村 光太郎 自分と詩との関係随筆 1907
488 10 高村 光太郎 触覚の世界 4373
488 11 高村 光太郎 書について 2656
488 12 高村 光太郎 蝉の美と造型 3471
488 13 高村 光太郎 啄木と賢治 1309
488 14 高村 光太郎 智恵子の半生 13149
488 15 高村 光太郎 ヒウザン会とパンの会 4383
488 16 高村 光太郎 美術学校時代 7558
488 17 高村 光太郎 人の首 2941
488 18 高村 光太郎 美の日本的源泉 11938
488 19 高村 光太郎 ミケランジェロの彫刻写真に題す 1221
488 20 高村 光太郎 緑色の太陽 5260
488 21 高村 光太郎 山の秋 7635
488 22 高村 光太郎 山の春 3910
488 23 高村 光太郎 山の雪 4217
488 24 高村 光太郎 (私はさきごろ)随筆 1555
合計冊数24  合計文字数128849

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名作速読朗読文庫vol.489 Professional版 読上機能付 久生 十蘭全集1

久生 十蘭

久生 十蘭(ひさお じゅうらん、1902年4月6日 – 1957年10月6日)は日本の小説家、演出家である。 推理もの、ユーモアもの、歴史もの、現代もの、時代小説、ノンフィクションノベルなど多彩な作品を手掛け、博識と技巧で「多面体作家」「小説の魔術師」と呼ばれた。

本文内容見本

顎十郎捕物帳   初春狸合戦         久生十蘭

あぶれ駕籠          「やけに吹きっつぁらしますね」   「うるるる、これはたまらん。睾丸《きんたま》が凍《こご》えるわ」   師走《しわす》からこのかた湿りがなく、春とはほんの名ばかり、筑波《つくば》から来る名代の空《から》ッ風が、夕方になると艮《うしとら》へまわり、梢《こずえ》おろしに枯葉を巻き土煙《つちけむり》をあげ、斬りつけるようにビュウと吹き通る。いやもう骨の髄《ずい》まで凍えそう。 もとは、江戸一といわれた捕物の名人、仙波顎十郎も、この節はにわか駕籠屋で、その名も約《つづ》めて、ただの阿古長《あこちょう》。 相棒は、九州あたりの浪人くずれで、雷土々呂進《いかずちとどろしん》。このほうも、あっさり縮めて、とど助。 二三日あぶれつづけで、もう二進《にっち》も三進《さっち》もゆかなくなった。  きょうは正月の十日で、金比羅《こんぴら》まいりの当日、名代の京極《きょうごく》金比羅、虎の御門そとの京極能登守の上屋敷へ讃岐《さぬき》から勧請《かんじん》した金比羅さまがたいへんに繁昌する。 アコ長ととど助、屋敷の門前へ四ツ手をすえ、諸声《もろごえ》で、 「ヘエ、まいりましょう」

代表作品

『紀の上一族』大道書房 1943年(1942年『新青年』7月号、『講談倶楽部』10月号、『モダン日本』11月号)『祖父っちゃん』1945年   『すたいる』(『婦人朝日』1947年7月-1948年1月号)  『黄昏日記』(『物語』1948年1月-1949年8月号)  『ココに泉アリ』(読売新聞 1948/4/24-8/24)  『氷の園』(新大阪新聞 1949/10月-1950/5月)  『十字街』朝日新聞社 1952年

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名作速読朗読文庫vol.489 Professional版 読上機能付 久生 十蘭全集1

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
489 1 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 01 捨公方 18514
489 2 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 02 稲荷の使小説 12367
489 3 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 03 都鳥 14030
489 4 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 04 鎌いたち小説 11378
489 5 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 05 ねずみ 12154
489 6 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 06 三人目 14087
489 7 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 07 紙凧 22528
489 8 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 08 氷献上 18639
489 9 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 09 丹頂の鶴小説 14220
489 10 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 10 野伏大名小説 16044
489 11 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 11 御代参の乗物小説 15011
489 12 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 12 咸臨丸受取小説 10309
489 13 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 13 遠島船 13867
489 14 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 14 蕃拉布 15621
489 15 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 15 日高川 11623
489 16 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 16 菊香水 13497
489 17 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 17 初春狸合戦小説 13463
489 18 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 18 永代経 14446
489 19 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 19 両国の大鯨小説 13969
489 20 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 20 金鳳釵 13947
合計冊数20  合計文字数289714

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名作速読朗読文庫vol.490 Professional版 読上機能付 久生 十蘭全集2

久生 十蘭

久生 十蘭(ひさお じゅうらん、1902年4月6日 – 1957年10月6日)は日本の小説家、演出家である。 推理もの、ユーモアもの、歴史もの、現代もの、時代小説、ノンフィクションノベルなど多彩な作品を手掛け、博識と技巧で「多面体作家」「小説の魔術師」と呼ばれた。

本文内容見本

キャラコさん   社交室        久生十蘭

青い波のうねりに、初島《はつしま》がポッカリと浮んでいる。   英国種の芝生が、絨氈《じゅうたん》を敷いたようにひろがって、そのうえに、暖い陽《ひ》ざしがさんさんとふりそそいでいる。 一月だというのに桃葉珊瑚《ておきば》の緑が眼にしみるよう。椿の花が口紅《ルウジュ》のように赤い。 正月も半ばすぎなので、暮から三《さん》ガ日《にち》へかけたほどの混雑はないが、それでも、この川奈《かわな》の国際観光ホテルには、ここを冬の社交場にする贅沢《ぜいたく》なひとたちが二十人ほど、ゴルフをしたり、ダンスをしたり、しごくのん気に暮らしている。 時節柄、外国人の顔はあまり見えず、三階の南側のバルコンのついた部屋に母娘《おやこ》のフランス人がひと組だけ滞在している。巴里《パリ》の有名な貿易商、山田 和市《わいち》氏の夫人と令嬢で、どちらも相当に日本語《にっぽんご》を話す。 夫人はジャンヌさん、娘はイヴォンヌさんといって、今年《ことし》十七歳になる。

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名作速読朗読文庫vol.490 Professional版 読上機能付 久生 十蘭全集2

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
490 1 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 21 かごやの客 14291
490 2 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 22 小鰭の鮨 14404
490 3 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 23 猫眼の男 12407
490 4 久生 十蘭 顎十郎捕物帳 24 蠑 12691
490 5 久生 十蘭 海豹島 24345
490 6 久生 十蘭 あなたも私も 134125
490 7 久生 十蘭 猪鹿蝶 11045
490 8 久生 十蘭 奥の海 13354
490 9 久生 十蘭 犂氏の友情 14468
490 10 久生 十蘭 キャラコさん 01 社交室 28764
490 11 久生 十蘭 キャラコさん 02 雪の山小屋 24846
490 12 久生 十蘭 キャラコさん 03 蘆と木笛 22037
490 13 久生 十蘭 キャラコさん 04 女の手 62421
490 14 久生 十蘭 キャラコさん 05 鴎       小説 34480
490 15 久生 十蘭 キャラコさん 06 ぬすびと 15130
490 16 久生 十蘭 キャラコさん 07 海の刷画 14929
490 17 久生 十蘭 キャラコさん 08 月光曲 18635
490 18 久生 十蘭 キャラコさん 09 雁来紅の家 196889
490 19 久生 十蘭 キャラコさん 10 馬と老人 10752
490 20 久生 十蘭 キャラコさん 11 新しき出発 13944
合計冊数20  合計文字数693957

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名作速読朗読文庫vol.491 Professional版 読上機能付 久生 十蘭全集3

久生 十蘭

久生 十蘭(ひさお じゅうらん、1902年4月6日 – 1957年10月6日)は日本の小説家、演出家である。 推理もの、ユーモアもの、歴史もの、現代もの、時代小説、ノンフィクションノベルなど多彩な作品を手掛け、博識と技巧で「多面体作家」「小説の魔術師」と呼ばれた。

本文内容見本

金狼         久生十蘭

市電をおりた一人の男が、時計を出してちょっと機械的に眺めると、はげしい太陽に照りつけられながら越中島から枝川町のほうへ歩いて行った。左手にはどす黒い溝渠《ほりわり》をへだてて、川口改良工事第六号埋立地の荒漠たる地表がひろがっていて、そのうえを無数の鴎が舞っていた。 その男は製粉会社の古 軌条《レール》置場の前で立ちどまると、ゴミゴミした左右の低い家並を見まわしながら、急にヒクヒクと鼻をうごかしはじめた。なにか微妙な前兆をかぎつけたのである。

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名作速読朗読文庫vol.491 Professional版 読上機能付 久生 十蘭全集3

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
491 1 久生 十蘭 金狼 90115
491 2 久生 十蘭 黒い手帳 19365
491 3 久生 十蘭 骨仏 476960
491 4 久生 十蘭 昆虫図 1851
491 5 久生 十蘭 春雪 11946
491 6 久生 十蘭 新西遊記 26790
491 7 久生 十蘭 鈴木主水 14609
491 8 久生 十蘭 西林図 10654
491 9 久生 十蘭 だいこん 155550
491 10 久生 十蘭 藤九郎の島 10564
491 11 久生 十蘭 虹の橋 15131
491 12 久生 十蘭 野萩 10660
491 13 久生 十蘭 ノンシャラン道中記 01 八人の小悪魔 13408
491 14 久生 十蘭 ノンシャラン道中記 02 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻―― 14518
491 15 久生 十蘭 ノンシャラン道中記 03 謝肉祭の支那服 ――地中海避寒地の巻―― 14881
491 16 久生 十蘭 ノンシャラン道中記 04 南風吹かば ――モンテ・カルロの巻―― 15635
491 17 久生 十蘭 ノンシャラン道中記 05 タラノ音頭 ――コルシカ島の巻―― 12064
491 18 久生 十蘭 ノンシャラン道中記 06 乱視の奈翁 ――アルル牛角力の巻―― 14794
491 19 久生 十蘭 ノンシャラン道中記 07 アルプスの潜水夫 ――モンブラン登山の巻 15149
491 20 久生 十蘭 ノンシャラン道中記 08 燕尾服の自殺 ――ブルゴオニュの葡萄祭り―小説 6942
合計冊数 20 合計文字数 951586

名作速読朗読文庫vol.492 Professional版 読上機能付 久生 十蘭全集4

久生 十蘭

久生 十蘭(ひさお じゅうらん、1902年4月6日 – 1957年10月6日)は日本の小説家、演出家である。 推理もの、ユーモアもの、歴史もの、現代もの、時代小説、ノンフィクションノベルなど多彩な作品を手掛け、博識と技巧で「多面体作家」「小説の魔術師」と呼ばれた。

本文内容見本

無月物語       久生十蘭

後白河法皇の院政中、京の加茂の川原でめずらしい死罪が行われた。  大宝律には、笞《ち》、杖《じょう》、徒《ず》、流《る》、死《し》と、五刑が規定されているが、聖武天皇以来、代々の天皇はみな熱心な仏教の帰依者で、仏法尊信のあまり、刑をすこしでも軽くしてやることをこのうえもない功徳だとし、とりわけ死んだものは二度と生かされぬというご趣意から、大赦とか、常赦とか、さまざまな恩典をつくって特赦を行うのが例であった。死罪者は別勅によって一等を減じて流罪に処せられるのはもちろんだが、そのほかの罪も、流罪は徒罪に、徒罪は杖罪ということになってしまうのである。また検非違使庁《けびいしちょう》には、布十五反以上を盗んだものは、律では絞《しば》り首、格では十五年の使役という擬文律があるが、それでは聖叡にそわないから、死罪はないことにし、盗んだ布も使庁のほうで十五反以内に適宜に格下げして、十五年の徒役が半分ですむように骨を折ってやる。

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名作速読朗読文庫vol.492 Professional版 読上機能付 久生 十蘭全集4

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
492 1 久生 十蘭 肌色の月 50913
492 2 久生 十蘭 平賀源内捕物帳 山王祭の大像小説 19300
492 3 久生 十蘭 平賀源内捕物帳 長崎ものがたり小説 21050
492 4 久生 十蘭 平賀源内捕物帳 萩寺の女 21184
492 5 久生 十蘭 復活祭 11241
492 6 久生 十蘭 母子像 7753
492 7 久生 十蘭 墓地展望亭 46867
492 8 久生 十蘭 魔都 295871
492 9 久生 十蘭 水草 1327
492 10 久生 十蘭 無月物語 20349
492 11 久生 十蘭 ユモレスク 10351
492 12 久生 十蘭 予言 14189
492 13 久生 十蘭 黄泉から 10251

名作速読朗読文庫vol.493 Professional版 読上機能付 佐藤 垢石全集1

佐藤  垢石

佐藤 垢石(さとう こうせき、1888年(明治21年)6月18日 – 1956年(昭和31年)7月4日)は、日本のエッセイスト、釣りジャーナリストである。群馬県前橋市生まれ。報知新聞記者を経て文筆で独立し、「鮎の友釣り」「たぬき汁」など、釣りを中心とした多くの随筆を発表した。戦後は執筆だけでなく、雑誌「つり人」の初代編集人になるなど、現代釣りジャーナリズムの揺籃期の中心人物としても多大の貢献をした。垢石は、釣りだけでなく旅、食、酒、艶笑譚、匿名の政界ゴシップ(「政界夜話」)などを盛んに執筆した

本文内容見本

想い出       佐藤垢石

十五、六歳になってからは、しばらく釣りから遠ざかった。学校の方が忙しかったからである。  二十歳前後になって、またはじめた。   母と共に、二年続けて夏を相州小田原在、松林のこんもりとした酒匂村の海岸に過ごしたことがある。炎天を、毎日海辺の川尻の黒鯛《くろだい》釣りやはや釣りに専念して、第一年の夏は終わったのであったが、第二年は六月のはじめから鮎釣りをやってみた。 五月下旬のある日、ふと東海道の木橋の上手《かみて》にある沈床の岸に立って瀬脇をながめると、遡りに向かった若鮎が盛んに水面に跳ねあがるのを発見した。『この川にも、鮎がたくさんいるのだな』   と、昔の友に会ったように感じた。

代表作品

釣魚入門 川津書店 1950   「魚の釣り方」大泉書店(1950)   「垢石飄談」文藝春秋新社(1951)  新たぬき汁 ジープ社 1951   釣随筆 河出書房 1951 (市民文庫)  泡盛物語 弘文堂 1951 (アテネ文庫)  狸のへそ 要書房 1952   鯰のあくび 白鴎社 1952   狸の入院 六興出版社 1952   河童のへそ 要書房 1952   随筆天狗談 華頂書房 1953   たぬき人生 美女醇酒 要書房 1953  うかれ河童 笑の泉社 1955

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名作速読朗読文庫vol.493 Professional版 読上機能付 佐藤 垢石全集1

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
493 1 佐藤 垢石 葵原夫人の鯛釣 8258
493 2 佐藤 垢石 青鱚脚立釣 1178
493 3 佐藤 垢石 秋の鮎 2832
493 4 佐藤 垢石 泡盛物語 6764
493 5 佐藤 垢石 石亀のこと 1015
493 6 佐藤 垢石 石を食う 957
493 7 佐藤 垢石 海豚と河豚 9341
493 8 佐藤 垢石 岩魚 12684
493 9 佐藤 垢石 烏恵寿毛 3514
493 10 佐藤 垢石 うむどん 1987
493 11 佐藤 垢石 越後の闘牛 6028
493 12 佐藤 垢石 縁談 7436
493 13 佐藤 垢石 岡ふぐ談 3888
493 14 佐藤 垢石 想い出 3929
493 15 佐藤 垢石 蛙を食う岩魚 1510
493 16 佐藤 垢石 香熊 8023
493 17 佐藤 垢石 鰍の卵について 1401
493 18 佐藤 垢石 河鱸遡上一考 3639
493 19 佐藤 垢石 寒鮒 1385
493 20 佐藤 垢石 議会見物 3931
合計冊数20  合計文字数620346

 

名作速読朗読文庫vol.494 Professional版 読上機能付 佐藤 垢石全集2

佐藤  垢石

佐藤 垢石(さとう こうせき、1888年(明治21年)6月18日 – 1956年(昭和31年)7月4日)は、日本のエッセイスト、釣りジャーナリストである。群馬県前橋市生まれ。報知新聞記者を経て文筆で独立し、「鮎の友釣り」「たぬき汁」など、釣りを中心とした多くの随筆を発表した。戦後は執筆だけでなく、雑誌「つり人」の初代編集人になるなど、現代釣りジャーナリズムの揺籃期の中心人物としても多大の貢献をした。垢石は、釣りだけでなく旅、食、酒、艶笑譚、匿名の政界ゴシップ(「政界夜話」)などを盛んに執筆した

本文内容見本

季節の味     佐藤垢石

物の味は季節によって違う。時至れば佳味となり、時去れば劣味となる。魚も獣も同じである。七、八両月に釣った鰔《はや》は、肉落ち脂去って何としても食味とはならない。十二月過ぎてからとった鹿は、肉に甘味を失って珍重できないのである。 日本人の食品材料は、およそ四百種あるそうである。それに、病的といおうか悪食といおうか、いも虫、ヒル、みみずの類を生のまま食う者があるが。これらを加えたならば驚くべき数に達するであろう。その一つ一つの、食味の季節を調べてみたならば余程面白いことに違いない。 味の季節を知る者がいわゆる食通であって、料理の真髄を語り、弄庖《ろうほう》の快を説く者は必ず物の性質をきわめておかねばならない。そうであるとするならば、いも虫、みみずも、ヒルも珍饌《ちんせん》として味の季節を持っているであろうか。 物の盛期、必ずしも味の季節でないことは分かっている。

代表作品

釣魚入門 川津書店 1950   「魚の釣り方」大泉書店(1950)   「垢石飄談」文藝春秋新社(1951)  新たぬき汁 ジープ社 1951   釣随筆 河出書房 1951 (市民文庫)  泡盛物語 弘文堂 1951 (アテネ文庫)  狸のへそ 要書房 1952   鯰のあくび 白鴎社 1952   狸の入院 六興出版社 1952   河童のへそ 要書房 1952   随筆天狗談 華頂書房 1953   たぬき人生 美女醇酒 要書房 1953  うかれ河童 笑の泉社 1955

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名作速読朗読文庫vol.494 Professional版 読上機能付 佐藤 垢石全集2

vol 件数 作家名       タイトル 文字数 文字量
494 1 佐藤 垢石 季節の味 3120
494 2 佐藤 垢石 鯨を釣る 7861
494 3 佐藤 垢石 熊狩名人 4754
494 4 佐藤 垢石 桑の虫と小伜 1816
494 5 佐藤 垢石 小鰺釣 788
494 6 佐藤 垢石 香気の尊さ 1033
494 7 佐藤 垢石 香魚と水質 4016
494 8 佐藤 垢石 香魚の讃 3187
494 9 佐藤 垢石 小伜の釣り 1755
494 10 佐藤 垢石 木の葉山女魚 1221
494 11 佐藤 垢石 採峰徘菌愚 6535
494 12 佐藤 垢石 ザザ虫の佃煮 2335
494 13 佐藤 垢石 さしみ 1115
494 14 佐藤 垢石 莢豌豆の虫 1577
494 15 佐藤 垢石 猿ヶ京 2788
494 16 佐藤 垢石 『七面鳥』と『忘れ褌』小説 7643
494 17 佐藤 垢石 支那の狸汁 2420
494 18 佐藤 垢石 しゃもじ(杓子)小説 2529
494 19 佐藤 垢石 酒渇記 9589
494 20 佐藤 垢石 酒徒漂泊 11625
合計冊数20  合計文字数77707

 

名作速読朗読文庫vol.495 Professional版 読上機能付 佐藤 垢石全集3

佐藤  垢石

佐藤 垢石(さとう こうせき、1888年(明治21年)6月18日 – 1956年(昭和31年)7月4日)は、日本のエッセイスト、釣りジャーナリストである。群馬県前橋市生まれ。報知新聞記者を経て文筆で独立し、「鮎の友釣り」「たぬき汁」など、釣りを中心とした多くの随筆を発表した。戦後は執筆だけでなく、雑誌「つり人」の初代編集人になるなど、現代釣りジャーナリズムの揺籃期の中心人物としても多大の貢献をした。垢石は、釣りだけでなく旅、食、酒、艶笑譚、匿名の政界ゴシップ(「政界夜話」)などを盛んに執筆した

本文内容見本

増上寺物語     佐藤垢石

五千両の無心          慶応二年師走のある寒い昧暗《まいあん》、芝増上寺の庫裏《くり》を二人の若い武士が襲った。二人とも、麻の草鞋《わらじ》に野袴、革の襷《たすき》を十字にかけた肉瘤盛り上がった前膊《まえかた》が露《あらわ》である。笠もない、覆面もしない。 経机《きょうき》の上へ悠然と腰をおろして、前の畳へ二本の抜き身を突きさした、それに対して、老いた役者が白い綿入れに巻き帯して平伏している。役者というのは、いまでいう寺の執事長である。一人は土方晋、一人は万理小路某と臆するところもなく役者に名を告げた。そして土方が厳《おごそ》かな言葉で、『増上寺にも、いまの時世が分かっていよう。国のためだ――迷惑であろうが、直ぐこの場で五千両だけ用達て頼む』 と、迫った。役者は、    『はっ』 こう答えたが、しばし畳から面が離れなかった。役者は、ほんとうに当惑したのである。

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名作速読朗読文庫vol.495 Professional版 読上機能付 佐藤 垢石全集3

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
495 1 佐藤 垢石 春宵因縁談 7082
495 2 佐藤 垢石 純情狸 10006
495 3 佐藤 垢石 食指談 4000
495 4 佐藤 垢石 すっぽん 5665
495 5 佐藤 垢石 巣離れの鮒 1068
495 6 佐藤 垢石 細流の興趣 940
495 7 佐藤 垢石 増上寺物語 10630
495 8 佐藤 垢石 鯛釣り素人咄 6065
495 9 佐藤 垢石 鯛と赤蛸 1271
495 10 佐藤 垢石 たぬき汁 7156
495 11 佐藤 垢石 食べもの 11148
495 12 佐藤 垢石 淡紫裳 9275
495 13 佐藤 垢石 探巣遅日 2334
495 14 佐藤 垢石 父の俤 2060
495 15 佐藤 垢石 釣聖伝 1241
495 16 佐藤 垢石 釣った魚の味 1077
495 17 佐藤 垢石 釣場の研究 2815
495 18 佐藤 垢石 弟子自慢 3872
495 19 佐藤 垢石 道具と餌と天候 1438
495 20 佐藤 垢石 盗難 7711
合計冊数20  合計文字数96854

 

名作速読朗読文庫vol.496 Professional版 読上機能付 佐藤 垢石全集4

佐藤  垢石

佐藤 垢石(さとう こうせき、1888年(明治21年)6月18日 – 1956年(昭和31年)7月4日)は、日本のエッセイスト、釣りジャーナリストである。群馬県前橋市生まれ。報知新聞記者を経て文筆で独立し、「鮎の友釣り」「たぬき汁」など、釣りを中心とした多くの随筆を発表した。戦後は執筆だけでなく、雑誌「つり人」の初代編集人になるなど、現代釣りジャーナリズムの揺籃期の中心人物としても多大の貢献をした。垢石は、釣りだけでなく旅、食、酒、艶笑譚、匿名の政界ゴシップ(「政界夜話」)などを盛んに執筆した

本文内容見本

飛沙魚      佐藤垢石

この頃は、一盃のむと途方もなく高値な代金を請求されるので、私ら呑ん平にはまことに受難時代である。そのために月に一回、せいぜい二回も縄 暖簾《のれん》を、くぐることができれば幸福の方であるが、五十年来のみ続けてきた私が、月に一回や二回のんだのでは、夜ねむれないで困りはしないかと心配した。 しかし、ありがたいことに、のめないでも眠ることについては心配不要であった。眠り過ぎて困る。夕方、めしが済むと、すぐ眠くなるのである。八時になると、もう床のなかへ潜り込む。そして七、八時間はぶっ通しで眠るのである。朝、三時か四時頃に眼がさめると、そのまま床から離れてしまう。 夏の朝であっても、三時ではまだ暗い。暗いけれど釣り竿を持って川へ行く。川では、魚類もはや眼をさまして、私を待っているのである。

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名作速読朗読文庫vol.496 Professional版 読上機能付 佐藤 垢石全集4

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
496 1 佐藤 垢石 利根川の鮎 5042
496 2 佐藤 垢石 利根の尺鮎 6439
496 3 佐藤 垢石 飛沙魚 1850
496 4 佐藤 垢石 濁酒を恋う 2117
496 5 佐藤 垢石 15094
496 6 佐藤 垢石 蜻蛉返り 3525
496 7 佐藤 垢石 那珂川の鱸釣り 3539
496 8 佐藤 垢石 2567
496 9 佐藤 垢石 楢の若葉 2087
496 10 佐藤 垢石 入社試験 2369
496 11 佐藤 垢石 にらみ鯛 6738
496 12 佐藤 垢石 母の匂い 748
496 13 佐藤 垢石 榛名湖の公魚釣り小説 671
496 14 佐藤 垢石 美音会 2999
496 15 佐藤 垢石 姫柚子の讃 7473
496 16 佐藤 垢石 氷湖の公魚 1485
496 17 佐藤 垢石 冬の鰍 1508
496 18 佐藤 垢石 鱒の卵 1726
496 19 佐藤 垢石 魔味洗心 6541
496 20 佐藤 垢石 水垢を凝視す 4826
合計冊数20  合計文字数79344

 

名作速読朗読文庫vol.497 Professional版 読上機能付 佐藤 垢石全集5

佐藤  垢石

佐藤 垢石(さとう こうせき、1888年(明治21年)6月18日 – 1956年(昭和31年)7月4日)は、日本のエッセイスト、釣りジャーナリストである。群馬県前橋市生まれ。報知新聞記者を経て文筆で独立し、「鮎の友釣り」「たぬき汁」など、釣りを中心とした多くの随筆を発表した。戦後は執筆だけでなく、雑誌「つり人」の初代編集人になるなど、現代釣りジャーナリズムの揺籃期の中心人物としても多大の貢献をした。垢石は、釣りだけでなく旅、食、酒、艶笑譚、匿名の政界ゴシップ(「政界夜話」)などを盛んに執筆した

本文内容見本

雪代山女魚     佐藤垢石

奥山の仙水《せんすい》に、山女魚《やまめ》を釣るほんとうの季節がきた。  早春、崖の南側の陽《ひ》だまりに、蕗《ふき》の薹《とう》が立つ頃になると、渓間の佳饌《かせん》山女魚は、俄《にわか》に食趣をそそるのである。その濃淡な味感を想うとき、嗜欲《しよく》の情そぞろに起こって、我が肉虜おのずから肥ゆるを覚えるのである。けれど、この清冷肌に徹する流水に泳ぐ山女魚の鮮脂を賞喫する道楽は、深渓を探る釣り人にばかり恵まれた奢《おご》りであろう。水際の猫楊《ねこやなぎ》の花が鵞毛のように水上を飛ぶ風景と、端麗神姫に似た山女魚の姿を眼に描けば、耽味の奢り舌に蘇りきたるを禁じ得ないのである。 青銀色の、鱗の底から光る薄墨ぼかしの紫は、瓔珞《ようらく》の面に浮く艶やかに受ける印象と同じだ。魚体の両側に正しく並んだ十三個ずつの小判型した濃紺の斑点は、渓流の美姫への贈物として、水の精から頂戴した心尽くしの麗装に違いない。しかも藍色の背肌に、朱玉をちりばめしにも似て点在する小さく丸い紅のまだらは、ひとしお山女魚の姿容を飾っている。

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名作速読朗読文庫vol.497 Professional版 読上機能付 佐藤 垢石全集5

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
497 1 佐藤 垢石 水と骨 5546
497 2 佐藤 垢石 水の遍路 3660
497 3 佐藤 垢石 ミミズ酒と美女 1331
497 4 佐藤 垢石 みやこ鳥 7264
497 5 佐藤 垢石 雪代山女魚 9823
497 6 佐藤 垢石 老狸伝 11626
497 7 佐藤 垢石 わが童心 小説 14213

名作速読朗読文庫vol.498 Professional版 読上機能付 服部 之総全集

服部  之総

服部 之総(はっとり しそう、1901年(明治34年)9月24日 – 1956年(昭和31年)3月4日)は、日本の歴史学者(マルクス主義歴史学・歴史哲学・現代史)である。島根県浜田市金城町出身東洋大学講師、中央労働学園大学教授、(中央労働学園大学と法政大学との合併により)法政大学社会学部教授などを歴任。『日本資本主義発達史講座』では、明治維新研究について論文を寄せ、また日本資本主義論争においては土屋喬雄と論争を繰り広げた。服部は、「維新史方法上の諸問題」(『歴史科学』1933年4-7月号)において、明治維新時の経済は、『資本論』によるところの「厳密なる意味におけるマニュファクチュア時代」(本来的マニュファクチュア時代)であるとした(「幕末=厳マニュ説」)。土屋はこれを実証性が欠けるとして批判し、「問屋制家内工業段階説」を唱えた。

本文内容見本

黒船前後     服部之総

鉄で船を造ることは、技術的には、ヘンリー・コートが鉄板製造法を発明したことで(十八世紀末)可能になった。だがその後も長いあいだ、水に沈む代物で船が造れるもんかという意見が支配していた。いまだからこそ一口噺《ひとくちばなし》にでもありそうな気がするのだが、十九世紀十年代のはなしとして、英国王室造船所の技師長が、有名な造船業者スコット・ラッセルにむけて、「鉄造船のはなしは聞きたくもない、だいいち、自然に反している!」 といった。      八トンほどの河船で、船名をトライアルとつけられた最初の鉄造船(一七八七年)が英国でできてから、二番目の鉄造船ができるまでに二十年も間があった。ナポレオン戦争も済んで貿易と船舶業が恐しい繁栄時代にはいって、何よりも船材(英国産樫材)が暴騰した。利潤のためには鉄の意志をもつ船舶業者は本気で鉄造船の試図《トライアル》をやりはじめた。 自然に反するどころではなかった。鉄造船は同じ図体の木造船にくらべてかえって総重量は軽いことがわかった。 当時の技術をもってして鉄造船の場合船体および艤装《ぎそう》を合わせて重量は排水トン数の三十パーセントで済んだが、木造船の場合は四十パーセントだった。 鉄造船は同一トン数の木造船より四分の一だけ軽く済んだ、したがってそれだけ貨物積載量が殖《ふ》えた。

代表作品

親鸞ノート 國土社 1948蓮如 第1部 新地書房 1948西陣機業における原生的産業革命の展開 高桐書院 1948絶対主義論 日曜書房 1948帝國主義日本政治史 護憲運動からファシズムへ 白日書院 1949近代日本のなりたち 日本評論社 1949明治維新における指導と同盟 日本評論社 1949東條政権の歴史的後景 白楊社 1949明治維新の話 ナウカ社 1949明治の政治家たち 原敬につらなる人々 岩波新書 1950-54明治の革命 日本評論社 1950明治維新 福村書店 1951 (中学生歴史文庫)微視の史学 服部之総随筆集 理論社 1953  原敬百歳 朝日新聞社 1955 (朝日文化手帖)  鎌倉山夜話 俳句日記 河出書房 1956

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名作速読朗読文庫vol.498 Professional版 読上機能付 服部 之総全集

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
498 1 服部 之総 空罎 3467
498 2 服部 之総 加波山 5727
498 3 服部 之総 咸臨丸その他 4004
498 4 服部 之総 汽船が太平洋を横断するまで小説 14469
498 5 服部 之総 黒田清隆の方針 8290
498 6 服部 之総 黒船前後 10005
498 7 服部 之総 黒船来航 2337
498 8 服部 之総 志士と経済 11409
498 9 服部 之総 新撰組 8401
498 10 服部 之総 せいばい 4063
498 11 服部 之総 尊攘戦略史 13277
498 12 服部 之総 撥陵遠征隊 13266
498 13 服部 之総 武鑑譜 2641
498 14 服部 之総 福沢諭吉 6907
498 15 服部 之総 望郷 ――北海道初行脚小説 12272
498 16 服部 之総 Moods cashey 3251
498 17 服部 之総 明治の五十銭銀貨小説 7566
498       18      服部 之総    蓮月焼     3356     中

合計冊数18  合計文字数188171

 

名作速読朗読文庫vol.499 Professional版 読上機能付 宮城 道雄全集

宮城  道雄

宮城 道雄(みやぎ みちお、1894年(明治27年)4月7日 – 1956年(昭和31年)6月25日)は、兵庫県神戸市生まれの作曲家・箏曲家である十七絃の発明者としても知られる『雨の念仏』(1935年)などの随筆により文筆家としての評価も高い。作家の内田百閒とは親友同士であり、交友も深く、双方の随筆でたびたび言及していた。

本文内容見本

雨夜の駅     宮城道雄

雨のしとしと降っている夜であった。私は京都の駅で汽車を待っていた。親戚の若い人達が早くから来て場所を取ってくれていたが、それでも列の後の方であった。 そこでは並んでいる人同士で汽車の混む話から、何処其処を何時に出るのが割合に空いているとか、あの汽車は混むとか、あの汽車は比較的早いとか、色々評をしている。その間にも外では、しきりに雨の音がしている。私はそれを聞いていて、また雨夜の汽車定めだと思った。 私は待遠しいので時計を幾度も出してさぐった。余程時間が経ったつもりでさぐってみても十分位しかたっていない。するとすぐ前にいた人がのぞき込む様にして時計がわかるのか、盲人用の特別の時計かと尋ねたので、盲人用のもあるが、私は普通の時計をさぐって針の見当で三十秒までわかる。それ以上はさぐっている中に過ぎていくので困ると言いながら、私が時間をさぐり当ててみせると、成程と言った。先程からの声の様子では、三十を半ば過ぎたくらいの男の人であると思った。その人が、私に色々の話をした。自分は長らく胸の病になやんだので、あなたの様な不自由な人を見ると、一層気の毒に感じると言った。それから、私に幾つかと聞くので、齢を言うとそれにしては大変若く見えると言った。

代表作品

箏曲     水の変態     春の海(箏と尺八)    瀬音(箏と十七絃)    数え唄変奏曲    ロンドンの夜の雨    さくら変奏曲(箏2面と十七絃)   越天楽変奏曲(箏と管弦楽、オーケストレーション)  神仙調協奏曲(箏と管弦楽、菅原明朗と合作)  壱越調協奏曲(箏と管弦楽、オーケストレーション)  祝典箏協奏曲(箏と十七絃・尺八・フルート・胡弓・打物)  箏協奏曲「盤渉調」(箏と管弦楽、オーケストレーション)  子供向け箏曲『ワンワンニャオニャオ』『チョコレート』『夜の大工さん』

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名作速読朗読文庫vol.499 Professional版 読上機能付 宮城 道雄全集

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
499 1 宮城 道雄 雨夜の駅 1563
499 2 宮城 道雄 音の世界に生きる小説 3584
499 3 宮城 道雄 垣隣り 1026
499 4 宮城 道雄 声と食物 1717
499 5 宮城 道雄 声と性格 1968
499 6 宮城 道雄 声と人柄 1150
499 7 宮城 道雄 心の調べ 728
499 8 宮城 道雄 五十年をかえりみて小説 1941
499 9 宮城 道雄 純粋の声 1380
499 10 宮城 道雄 春雨 1429
499 11 宮城 道雄 耳の日記 381
499 12 宮城 道雄 昔の盲人と外国の盲人随筆 840
499 13 宮城 道雄 山の声 3217
499 14 宮城 道雄 レコード夜話 1777
499 15 宮城 道雄 私のすきな人 1400
499 16 宮城 道雄 私の若い頃 2914
合計冊数16  合計文字数27015

 

名作速読朗読文庫vol.500 Professional版 読上機能付 高浜 虚子全集

高浜  虚子

高浜 虚子(たかはま きょし1874年〈明治7年〉2月22日 – 1959年〈昭和34年〉4月8日)は明治・大正・昭和の三代にわたる俳人・小説家である。ホトトギスの理念となる「客観写生」「花鳥諷詠」を提唱したことでも知られる

本文内容見本

俳句への道      高浜虚子

私等は、日本という国ほど景色《けしき》のいい所は世界中ないような心もちがします。こういうと世界の国々を知っている人は、そんな事はない、何処《どこ》にはこういう景色がある、彼処《かしこ》にはああいう景色がある、それを知らないで、世界を充分見もしないで、ただ日本だけ見て、そんな独《ひと》りよがりをいうのは、いわゆる井の中の蛙《かわず》のたとえで、物知りには笑われるから、そんな事をいうのは慎《つつし》んだがよかろうというに極《きま》っています。 それに違いありません。私がちょっと仏蘭西《フランス》まで旅行して来ただけでも、その途中でさまざまないい景色に接して参りました。中国の江南《こうなん》の景色、セイロンの落日の景色、仏蘭西のローヌ河畔の木の芽の景色、ムードンの森の驟雨《しゅうう》の景色、独逸《ドイツ》のライン河《がわ》の古城の景色、ベルギーのヒヤシンス・チュウリップ等の花畠《はなばたけ》、オランダの風車、倫敦《ロンドン》の霧等、数えれば数限りなくある。

代表作品

『寸紅集』(明治33年12月、ホトトギス発行所)子規との共編による写生文集 『帆立貝』(明治39年12月、俳書堂)坂本四方太との共編による写生文集。 『鶏頭』(明治41年1月、春陽堂)   『俳諧師』(明治42年1月、民友社出版部)  『柿二つ』(大正5年5月、新橋堂)   『伊予の湯』(大正8年4月、秀美社)  『虹』(昭和22年12月、苦楽社)

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名作速読朗読文庫vol.500 Professional版 読上機能付 高浜 虚子全集

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
500 1 高浜 虚子 子規居士と余 51456
500 2 高浜 虚子 漱石氏と私 67609
500 3 高浜 虚子 俳句とはどんなものか随筆 53716
500 4 高浜 虚子 俳句の作りよう 46932
500 5 高浜 虚子 俳句への道 65055
500 6 高浜 虚子 丸の内 23387
500 7 高浜 虚子 六百句 21372
合計冊数7  合計文字数329527

名作速読朗読文庫vol.501 Professional版 読上機能付 三好 十郎全集1

三好  十郎

三好 十郎(みよし じゅうろう、1902年4月23日 – 1958年12月16日)は昭和初期から終戦後の復興期にかけて活動した小説家、劇作家である。佐賀市生まれ。12歳で両親を失う。早稲田大学英文科卒業。早稲田大学在学中から試作を発表し、プロレタリア劇の作家として活動を始めた。その後、左翼的な活動に疑問を覚えたとして組織を離脱。戦後は、近代の既成文学全般への批判を貫き、無頼派の一人といわれる。

本文内容見本

ゴッホについて     三好十郎

ゴッホの三本の柱           ゴッホの人間及び仕事を支えていた三本の大きな柱として、私は次の三つのものを考えた。これは私がゴッホを好きで彼からの強い影響を受けて来た十代の頃から半ば無意識のうちに掴んで来たものであるが、この春ごろから、いよいよ戯曲に書くために改めて彼のことを考えたり、式場さんその他の研究書を調べたりした結果、さらにハッキリと確認したものである。劇を見てくれる人たちの参考になるかも知れないので、それを簡単に書く。 第一に、言うまでもなく、彼の持っていた高度に純粋な創造的な性格である。「あまりに純粋な」と言うべきかもしれない。生涯が、ほとんど燃えた生涯であった。生んで生んでさらに生んで生んで「燃焼」は常に白熱を帯びる。多分、彼の生活には、強度の芸術的昂奮と深い疲労しかなかった。ゆるやかな、中等度の気分や生活――普通の人々の「幸福」を作り上げるために必要なアヴェレッジな要素は、極度に少なかった。彼においては走っているか倒れているかの二つの姿しかなかったとも言えよう。創造的性格というものは、いつでも多かれ少なかれそのようなものらしいが、ゴッホにおけるほど極端に純粋な例は、他に多く見られない。それは刻々に火が燃えているのと同じだ。美しいのと同時に、あぶないような、怖ろしいような、感じでつきまとう。

代表作品

『炭塵』中央公論社 1931   『斬られの仙太 天狗外伝』ナウカ社 1934  『戯曲三日間』桜井書店 1943   『夢たち 戯曲』桜井書店 1943   『崖 三好十郎戯曲集』桜井書店、1946  『獅子 三好十郎戯曲集』桜井書店 1948  『その人を知らず』中央公論社 1948  『やまびこ』柊書房 1948 新戯曲文庫  『胎内』世界評論社 1949   『恐怖の季節 現代日本文学への考察』作品社 1950  『肌の匂い』早川書房 1950   『炎の人 ゴッホ小伝』河出書房

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名作速読朗読文庫vol.501 Professional版 読上機能付 三好 十郎全集1

vol 件数 作家名      タイトル 文字数 文字量
501 1 三好 十郎 アメリカ人に問う小説 76085
501 2 三好 十郎 歩くこと 6588
501 3 三好 十郎 冒した者 76463
501 4 三好 十郎 「冒した者」について小説 1119
501 5 三好 十郎 おりき 35987
501 6 三好 十郎 絵画について 5567
501 7 三好 十郎 恐怖の季節 133734
501 8 三好 十郎 斬られの仙太 120573
501 9 三好 十郎 好日 49896
501 10 三好 十郎 ゴッホについて 7251
501 11 三好 十郎 殺意(ストリップショウ小説 41782
501 12 三好 十郎 猿の図 30321
501 13 三好 十郎 山東へやった手紙小説 1027
501 14 三好 十郎 詩劇「水仙と木魚」少女の歌える小説 15446
501 15 三好 十郎 清水幾太郎さんへの手紙小説 17857
合計冊数15  合計文字数619696

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名作速読朗読文庫vol.502 Professional版 読上機能付 三好 十郎全集2

三好  十郎

三好 十郎(みよし じゅうろう、1902年4月23日 – 1958年12月16日)は昭和初期から終戦後の復興期にかけて活動した小説家、劇作家である。佐賀市生まれ。12歳で両親を失う。早稲田大学英文科卒業。早稲田大学在学中から試作を発表し、プロレタリア劇の作家として活動を始めた。その後、左翼的な活動に疑問を覚えたとして組織を離脱。戦後は、近代の既成文学全般への批判を貫き、無頼派の一人といわれる。

本文内容見本

その人を知らず     三好十郎

窓のないガランとした室。   中央にテーブルと三四のイス。   伴(軍服)がイスにかけて書類を見ている。壁の前に人見(セビロにゲイトル)が、棒のようにこわばって立っている。間――時計の秒刻の音。   伴 (寝ぼけたような顔をあげて)人見。  人見 は。     伴 ツトムいうのかね、ベンかね?  人見 ツ、ツトムで、あ、あります。   伴 三十四歳。――独身か。家族は、妹だけか――妹だね、この治子というのは? 人見 は。妹であります、はい。   伴 キリスト教教会牧師というと――どうだね、ちかごろ?人見 は? あの、なんでございましょうか?

代表作品

『炭塵』中央公論社 1931   『斬られの仙太 天狗外伝』ナウカ社 1934  『戯曲三日間』桜井書店 1943   『夢たち 戯曲』桜井書店 1943   『崖 三好十郎戯曲集』桜井書店、1946  『獅子 三好十郎戯曲集』桜井書店 1948  『その人を知らず』中央公論社 1948  『やまびこ』柊書房 1948 新戯曲文庫  『胎内』世界評論社 1949   『恐怖の季節 現代日本文学への考察』作品社 1950  『肌の匂い』早川書房 1950   『炎の人 ゴッホ小伝』河出書房

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名作速読朗読文庫vol.502 Professional版 読上機能付 三好 十郎全集2

vol 件数 作家名       タイトル 文字数 文字量
502 1 三好 十郎 樹氷 142111
502 2 三好 十郎 鈴が通る 14730
502 3 三好 十郎 その人を知らず 84051
502 4 三好 十郎 「その人を知らず」について小説 1320
502 5 三好 十郎 胎内 67794
502 6 三好 十郎 抵抗のよりどころ小説 19686
502 7 三好 十郎 天狗外伝 斬られの仙太小説 120351
502 8 三好 十郎 日記より 1210
502 9 三好 十郎 「廃墟」について随筆 1446
502 10 三好 十郎 廃墟(一幕) 67208
502 11 三好 十郎 俳優への手紙 31659
502 12 三好 十郎 棺の後ろから 2324
502 13 三好 十郎 ぼたもち 349549
502 14 三好 十郎 炎の人ゴッホ小伝随筆 89733
502 15 三好 十郎 敗れて帰る俺達 1214
502 16 三好 十郎 破れわらじ 16768
合計冊数16  合計文字数1011154

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名作速読朗読文庫vol.503 Professional版 読上機能付 正岡 容全集

正岡  容

正岡 容(まさおか いるる、1904年(明治37年)12月20日 – 1958年(昭和33年)12月7日)は、作家、落語・寄席研究家。歌舞伎役者の六代目尾上菊五郎の座付作者ともいわれた

本文内容見本

円頂花火     正岡容

こはこれ、我が五色七いろの未定稿なり、覚え書なり。   われ、三遊亭圓朝を愛慕すること年久しく、その一代を長編小説にまとめあげん日もまた近づきたり。「圓朝花火」一篇は、実にそが長編の礎稿をなすものなり。青春の、中年のはたまた晩年の、彩り多く夢深かりし彼がひと日ひと日の姿絵をばここにかかげ、大方の笑覧を乞わんのみ。再び言う、こはこれ、まったくの未定稿也。あわれ幻燈の絵のひと齣《こま》とも思し眺め給えや。        断章の一           ――スルスルスルと蛇のようにあがっていった朱い尾が、かっと光を強めたかと思うとドーン。  たちまち、大空いっぱいに、しだれ柳のごとく花開いた。   続いて反対の方角から打ち上げられたは、真赤な真赤な硝子玉《びいどろだま》で、枝珊瑚珠《えださんごだま》の色に散らばる。 やがて

代表作品

『風船紛失記』正岡蓉 改善社、1926年  『日日好日集』風流陣發行所、1940年  『圓太郞馬車』三杏書院、1941年  『狐祭』學藝社、1942年   『圓朝』三杏書院、1943年   『膝栗毛の出來るまで』東光堂、1943年  『雲右衞門以後』文林堂雙魚房、1944年  『随筆百花園』勞働文化社、1946年  『寄席行燈』柳書房、1946年   『圓朝 愛慾篇』東光堂、1947年  『荷風前後』好江書房、1948年   『キネオラマ恋の夕焼』白夜書房、1949年  『艶色落語講談鑑賞』あまとりあ社、1952年  『明治東京風俗語事典』有光書房、1957年  『灰神楽三太郎』南旺社、1958年   『随筆寄席囃子』古賀書店、1967年  『日本浪曲史』南北社、1968年   『寄席恋慕帖』日本古書通信社、1971

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名作速読朗読文庫vol.503 Professional版 読上機能付 正岡 容全集

vol 件数 作家名  タイトル 文字数 文字量
503 1 正岡 容 艶色落語講談鑑賞小説 18448
503 2 正岡 容 円太郎馬車 16363
503 3 正岡 容 円朝花火 10402
503 4 正岡 容 小説 円朝 125494
503 5 正岡 容 小説 円朝 あとがき小説 1332
503 6 正岡 容 随筆 寄席囃子 23796
503 7 正岡 容 随筆 寄席風俗 22685
503 8 正岡 容 初看板 15992
503 9 正岡 容 寄席 105246
503 10 正岡 容 寄席行灯 10274
503 11 正岡 容 我が円朝研究 「怪談牡丹灯籠」小説 39295
503 12 正岡 容 わが寄席青春録 37453
合計冊数12  合計文字数426780

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名作速読朗読文庫vol.504 Professional版 読上機能付 喜田 貞吉全集

喜田  貞吉

喜田 貞吉(きた さだきち、1871年7月11日(明治4年5月24日) – 1939年(昭和14年)7月3日)は、第二次世界大戦前の日本の歴史学者、文学博士。考古学、民俗学も取り入れ、学問研究を進めた。

本文内容見本

春雪の出羽路の三日     喜田貞吉

思いのほかの雪中旅行          昨年十一月に始めて出羽の踏査に着手したその続きを、この春の休暇中にやってみたいと思っている折から、山形県史蹟名勝天然記念物調査委員会の開会式が行われるので、やって来ぬかと理事官の有吉君から言って来られた。これ幸いとさきに御厄介になった庄内の阿部正己君に、同地方遺蹟踏査の御相談に及ぶと、このころはまだ雪が深くてとても駄目だとのお返事だ。冗談じゃない、こちらではもう桜が咲きかけているころだ。同じ本州のうちでも奥羽地方となるとそんなにまで様子が違うものか、これは一つ遺蹟踏査よりも雪の春景色を見たいものだ。それには庄内方面よりもいっそう雪の深かりそうな羽後の仙北地方がよかろう。かねて見たいと思っている後三年の役の遺蹟金沢柵址を、雪の中に見てまわるも面白かろう。

代表作品

石器時代と考古学    古墳墓年代の研究    国史と仏教史    歴史地理研究    都城の研究    奈良時代の寺院    法隆寺再建論    民族史の研究    蝦夷の研究    部落問題と社会史    信仰と民俗    斉東史話・紀行文

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名作速読朗読文庫vol.504 Professional版 読上機能付 喜田 貞吉全集

vol 件数 作家名       タイトル 文字数 文字量
504 1 喜田 貞吉 牛捨場馬捨場 6175
504 2 喜田 貞吉 エタ源流考 23641
504 3 喜田 貞吉 エタと非人と普通人       随筆 2575
504 4 喜田 貞吉 エタに対する圧迫の沿革     随筆 11491
504 5 喜田 貞吉 「エタ」名義考 7214
504 6 喜田 貞吉 遠州地方の足洗 1650
504 7 喜田 貞吉 奥羽地方のシシ踊りと鹿供養   随筆 5081
504 8 喜田 貞吉 奥州における御館藤原氏 16755
504 9 喜田 貞吉 オシラ神に関する二三の臆説   随筆 11538
504 10 喜田 貞吉 火葬と大蔵 焼屍・洗骨・散骨の風俗随筆 6405
504 11 喜田 貞吉 来り人の地位と職業 平民申付候事 2363
504 12 喜田 貞吉 『切支丹と旧エタ』について   随筆 569
504 13 喜田 貞吉 くぐつ名義考 古代社会組織の研究 14381
504 14 喜田 貞吉 国栖の名義 3032
504 15 喜田 貞吉 「ケット」と「マット」     随筆 10412
504 16 喜田 貞吉 国号の由来 13153
504 17 喜田 貞吉 サンカ者名義考 ――サンカモノは坂の者随筆 5605
504 18 喜田 貞吉 時勢と道徳観念 大賊小賊・名誉の悪党随筆 1592
504 19 喜田 貞吉 沙門と屠児 177
504 20 喜田 貞吉 春雪の出羽路の三日随筆 16812
合計冊数20  合計文字数160621

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