吾輩は猫である/夏目漱石 <あらすじ、要約>

吾輩は猫である/夏目漱石 <あらすじ、要約>

吾輩は猫である という作品は、主人公が猫で、猫視点でおもしろおかしく 人間が描かれているユーモラスな作品です。
夏目漱石は 吾輩は猫である を1回限りの朗読のつもりで書き上げていたのですが、あまりに好評だったので、どんどんと話が水増しされていきました。

短く わかりやすく 書いてあります  ぜひ独創的で斬新な漱石の世界観をお楽しみください

 

<吾輩は猫である/夏目漱石>の主な登場人物は3人です。

1、吾輩(ネコ) 主人公。

2、主人(くしゃみ) 家の主人。教師で、変に凝り性なところがあり、胃が弱い。

3、おさん(お手伝い) 主人の家のお手伝い。最初は、吾輩を家から追い出そうとした。

 

吾輩は猫である/夏目漱石  あらすじ要約

吾輩は猫である。名前はまだない。
吾輩はどこで生まれたか覚えていませんが、暗い場所でニャーニャー泣いていたことだけは覚えていました。
辺りは暗くなっていき、腹は減り、雨は降り、どんどんと寒くなっていき、
吾輩が生き残るには一時の猶予もなくなっていました。
吾輩はとにかく暖かそうな場所を求め歩いていくと、いつの間にかこの家の中に入っていたのです。
吾輩が家に入ると、お手伝いの  おさん  という人間は、何度も吾輩を外に放り出しましたが、
家の主人である 苦沙弥(くしゃみ) の許しが出て、吾輩はこの家に住みつくことになりました。
主人は変に凝り性なところがあり、胃が弱いくせに、いやにいろいろなものにハマっています。
あるとき、主人は水彩画の道具を一式そろえて帰ってきました。
吾輩が昼寝をしていると、どうやら主人は吾輩を写生し始めたようで、
吾輩は笑いをこらえるのに必死でした。
吾輩はあくびも我慢してしばらくはじっとしていましたが、どうみても主人の描く吾輩は不自然です。
そもそも色がてんで間違っていて、目らしいものさえみつからないのです。
もうじっとしていても仕方ないとみえ、吾輩は動き出しました。
すると主人は、ばかやろう などと怒るではありませんか。
まったく、我慢してやった吾輩の気も知らず、むやみにばかやろう呼ばわりとは失礼極まりないものです。
どうも人間というものは、自分の能力に慢心しているようです。
人間より強いものがでてきてイジメてやらなくては、どこまで高慢になるのかわかったものではありません。
どうやら人間はのんきにみえるけれども、どこか悲しい音がします。
主人は胃が弱いために、間もなく死ぬでしょう。
死はあらゆるものの定めです。
なんだが吾輩も憂鬱になってきました。
残っていたビールを飲むと、だんだんと楽になってきました。
あてもなく、あちらこちらを歩き回ったような。
気が付くと、吾輩は水の上にいました。
どうやら甕(大きな陶器の容器)の中に落ちてしまったようです。
甕をガリガリとひっかけば少しは浮きましたが、ちょっと滑るとまた水の中に沈みます。
沈むと苦しいから、またすぐガリガリする。
無理を通そうとするから苦しい。
つまらない。
自ら苦しむ道を選び、自ら拷問にかかっているのはバカらしい。
もうよそう。
だんだんと楽になっていきました。
吾輩は死にます。
安らかな平和は、死ななければ得られません。
南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)。
ありがたいありがたい。

 

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