徒然草/兼好法師 <あらすじ、要約>
徒然草 は、わかりやすく まとめられていて 人生の教科書といわれて 高く評価されています
243段まである章では教訓 や 人生哲学が多く含まれています。
つれづれなるままにひぐらし~
という文は非常に有名です つれづれ は 何もすることがなく、退屈な状態という意味なので、徒然草 は 退屈しのぎの本(ヒマつぶし)といった意味となります。
しかし、タイトルとは違い、徒然草 には優れた自然観や恋愛観、痛烈な人生批判などが収録されています。 とくに有名なのは<第7段>の人生観で、長生きしても ろくなことがないから、1日1日を大切にして、生に執着するのはやめるべきだと諭しています。
段落自体は243もありますが、多くは 時間をかけずに読める短い文章になっています
徒然草/兼好法師<あらすじ 要約>
<冒頭(序段)>
つれづれなるままに、日暮らし、硯(すずり)にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ
(とくにすることもなく退屈だったので、1日中すずりに向かって、心に浮かんでくるいろいろなものを、ただ書きなぐっていると、妙に夢中になって気が変になりそうです)
<第7段>
命長ければ、恥多し
□ 人間が永遠に生き続けるならば、どれほどつまらないものでしょう
□ 命は限りあるからよいのです
□ この世に生きるものをみると、人間ほど長生きする生物はいないでしょう
□ かげろうは夕方には死に、セミも春や秋を知らずに死んでいきます
□ そう考えると、1年間をしみじみと暮らすだけでも、のんびりと長く感じられないでしょう
□ もし満足できないのであれば、たとえ千年生きたとしても、一夜の夢と何ら変わりがありません
□ 長生きをすれば、恥は多くなっていきます
□ 40歳になる前に死ぬのが無難でしょう
<第38段>
□ 名誉と利益にとらわれて、一生をもがき苦しむのは愚かなことです
□ 財産はトラブルの原因となり、いづれは身を亡ぼすこととなります
□ 金や宝はいっそ捨ててしまった方が良いでしょう
□ 自分の名誉を後世に残したとしても、それが優れた人物だったということにはなりません
□ 名を賞賛し、いい伝えていってくれる人もやがては死ぬでしょう
□ 誰に対し褒められ、誰に対し知られることを望むというのでしょうか
□ 迷いのあるうちは、名誉も利益も追い求めるべきではないです
<第108段>
□ 少しの時間でも、絶えず精進(しょうじん)を続けるべきです
□ これをしないのは、時間の重要性を理解していないのか、理解できないほどに愚かなのでしょう
□ たとえ少しの時間でも、その瞬間の積み重ねが人を大きく成長させるものです
□ 今ある 今日 という日と、明日死ぬことが決まっている 今日 という日に一体どんな違いがあるので
しょう
□ 時間を浪費し、ただ無為に過ごすことは愚かであり、死人と何ら変わりがないのです
<第137段>
□ 桜は満開のときを、月は満月だけを愛でるものでしょう
□ 家にこもって春の終わりを感じ、雲に隠れた月を思ったとしても、それはそれで趣深いものです
□ この世のすべては、始まりと終わりにこそ趣があります
□ 桜も月も、盛りを見て愛でるだけのものではないでしょう
□ 心の中で想像するだけで情緒があるというものです
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