方丈記/鴨 長明 <あらすじ、要約>
無常観の文学とも言われ、乱世をいかに生きるかという自伝的な人生論ともされています。
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし
の書き出しで移り行くもののはかなさを語った後、
同時代の災厄についての記述が続き、後半には自らの草庵での生活が語られています。
最後には 草庵の生活に愛着を抱くことさえも悟りへの妨げとして否定いています。
方丈記/鴨 長明<あらすじ 要約>
物語のはじまり —>
ゆく河(かわ)の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず
(河の流れは絶えることがなく、一見同じ水のように見えるが、一瞬たりとて同じ水ではない)
□ 流れていく水の泡も、一見同じように見えるが、実際には消えたり生まれたりを繰り返している
□ この世の人や住居も似たようなものです
□ 朝に死ぬ人がいれば、夕方に生まれてくる人がいます
□ 大勢の人間がいても、ずっと同じ場所にとどまっているのは ごくわずかです
□ はかない人生を過ごすだけの住まいに何を求めるというのでしょうか
□ 安元(あんげん)3年(1177年)、都は激しい炎につつまれました
□ 都の3分の1が焼け、馬や牛などは数えきれないほど死にました
□ またある時には、巨大な地震が京都を襲いました
□ 土は裂け、あらゆる建物が崩れ落ちました
□ こんな危険な土地に、苦労して貯めたお金をつぎ込み住まうなど大変愚かなことでしょう
□ しかし、だからといってどこに住み、どういう仕事をすべきか簡単には答えが出てこないでしょう
□ 私は50で出家し、60を前に自らの余生を過ごす庵(いおり 簡易住居)をつくりました
□ 場所は日野の山奥、広さは1寸四方(約3cm2=方丈)としました
□ 私はこの閑静な暮らしを気に入っています
□ おそらくこの住まいに執着することは、仏の道に反するのでしょう
□ 私の一生はまもなく終わります
□ 自らに問うてみました
□ 俗世を離れたのは修行のためではなかったのか、それならばなぜ心は汚れたままなのでしょう
□ 私の心は答えられず、ただ南無阿弥陀仏と2、3回唱えただけでした
□ 建暦2年(1212年)、庵にてこれを記しました
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